不殺の暗殺者~孤独なアサシン~【休載中】   作:愛歌

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皆さんこんにちは!
愛歌です!
今回は、BL要素が含まれております。
はい、やっとかけた・・・というか、
この小説自体この話をかきたかったためにできたんですよね(苦笑)
というわけで、BLが苦手な方はご注意ください。
まあ、そこまで過激ではないですが・・・
あくまで私はノーマルだ!
という方は、回れ右をお願いします。

ではでは、大丈夫な方だけ、どうぞ!


抱擁の時間

 

 

「・・・お前はそれを知って、どうするんだ?」

 

長い静寂を打ち破ったのは、伸太郎の静かで、微かな声。

伸太郎はまだカルマに対して、心を開いていない。

それどころか、敵視しているようだった。

 

「俺はお前が思ってるような人間じゃない。・・・『化け物』なんだよ。そんな俺の滑稽な過去を聞いて、どうすんだ」

 

伸太郎の言葉は、カルマにというよりも、自分自身に言っているように聞こえた。

まるで自分を心から憎み、嫌い、責め立てるように・・・

 

「・・・少なくとも俺は、如月を嫌ったりしない」

 

いつの間にか呼び捨てになっていることに驚きつつ、カルマは伸太郎との距離を詰める。

それに合わせるように伸太郎はカルマと距離をとろうとする。

・・・が、それを繰り返していけば、最終的に追いつめられるのは、伸太郎だ。

 

そんな簡単なこと、伸太郎が気づいていないわけがなかった。

逃げるすべはいくらでもあるはずだった。

 

だがもう伸太郎には、正確な判断を下せるほどの冷静さなど、残っていなかったのだ。

()()に焼き付いて離れない、『あの光景』が鮮明に脳裏に蘇る。

 

伸太郎の額に、嫌な汗が流れる。

 

「・・・俺は、そんな言葉をかけてもらえるような奴じゃない」

 

必死に絞り出した声は、今にも泣きそうで、震えていた。

 

「そう思うのは何で?今まで何人もの人を殺してきたから?何の努力もせずに、一生懸命努力してきた人の上に立ってしまうから?」

 

カルマが尋ねたものはすべて当たっていた。

・・・だが、()()()()()は他にある。

 

「・・・俺は『大事な人』を殺した。俺を()()心から愛してくれた人を・・・」

 

伸太郎は自分の手を見つめ、消え入りそうな声で呟く。

その姿は儚く、今にも消えてしまいそうに見えた。

 

「あいつは俺に沢山の『愛』をくれた。俺が『殺人者』だと知っても、『化け物』だって知っても、隣でずっと笑っていてくれた。・・・赤がよく似合う、そんな奴だった」

 

伸太郎の瞳には、今にも零れ落ちそうなくらいの涙がたまっていた。

 

「なのに俺は・・・あいつを・・・。そんな俺に今更・・・っ優しい言葉なんてかけないでく・・・っ」

 

突然の事態に、伸太郎は現状を理解できない。

 

カルマと伸太郎。

2人はほぼ同じ背丈のはずだが、細い体つきの伸太郎は、すっぽりとカルマの腕の中に収まっていた。

暖かな体温を感じて、伸太郎はやっと、抱きしめられているのだと気づく。

 

「・・・俺は『化け物』だから・・・みんな俺の前から消えていった。・・・っでも!あいつだけは違うって・・・信じてたのに・・・っ!」

 

堪えきれずに涙を零す伸太郎を、カルマは一層強く抱き締めた。

 

「俺は消えないよ。ずっとそばにいる。・・・例え如月が『殺人者』でも、『化け物』でも、・・・絶対に消えたりなんかしない」

 

カルマの言葉に、伸太郎はもう自分を抑えられなかった。

大粒の涙と共に、今までの思いが、溢れ出していく。

 

「っ怖かった。ずっと・・・っ誰かと一緒になるのが・・・っお前もいつか・・・んんっ!?」

 

伸太郎の口を突然塞いだのは、紛れもないカルマの唇。

それ以上は何も言わせないとでも言うように、呼吸の余地さえも与えないほどの、深く熱い口づけ。

 

わけがわからないという伸太郎の気持ちをよそに、カルマは一人、納得していた。

 

「(・・・倉橋の言ってたこと、あながち間違ってなかったってわけか)」

 

伸太郎のことが頭から離れなかったのも・・・

気になって仕方がなかったのも・・・

 

 

・・・要するに最初からずっと、好きだったってわけだ。

俗に言う、一目惚れってやつである。

その証拠に、抱きしめることにも、キスすることにも、嫌悪感はなかった。

 

むしろ伸太郎への想いは、加速していく。

 

「っは・・・はあ、・・・はあ・・っ」

 

体を離せば、何すんだよ、とでも言わんばかりの睨みを聞かせる伸太郎に、「やっぱりそれだね」とカルマは笑う。

 

「は・・?」

「泣いてるとこも可愛いけど、やっぱ、如月はそうじゃなくちゃ」

 

一人自己完結するカルマに、伸太郎の頭上のクエスチョンマークは、増幅していく。

いよいよ伸太郎にとって訳の分からない展開になってきた。

 

ただもし・・・一つだけわかっていることとすれば・・・

 

「・・・お前、今日のこと誰かに話したりすんなよ?」

 

・・・カルマにいろいろバレ、目の前で泣いてしまったことは、人生最大の失態だということ。

 

「え?なんで?」

「・・・・・・は?」

 

きょとんとした様子のカルマに、伸太郎は固まる。

 

「いや普通に考えて誰かに言うような内容じゃねーだろ!」

「え~?だってみんな如月のこと知りたがってるし」

「だからって・・・!」

「あ、如月が泣いたこととか、俺にキスされて気持ちよさそうにしてたこととか・・・もしかしたら口が滑って言っちゃうかも?」

「なっ!?」

 

伸太郎は、さっきのことを言葉にされたことで、やっとことの異常さに気づく。

 

「(・・・そうだ。俺ら男だろ・・なんだって・・)」

 

「・・・お前、どういうつもりなんだよ」

「なにが?」

「男相手にキスしたり抱きしめたり・・・お前正気か?」

 

眉をひそめ、距離を取りながら言う伸太郎に、クス・・とカルマは笑みをこぼす。

 

「ひっどいなあその言いぐさ。ま、でも俺は・・・本気だから」

 

表情とは違って真剣みを帯びた言葉に、伸太郎はもう何も言えなくなってしまった。

自分に好意を向ける同性を上手くかわす方法など、いくら博識な伸太郎でも、知っているはずがなかったのである。

 

「あ、そうだ。今日のこと、バラされたくなかったら、明日から学校来てよ。そうしたら・・・黙っててあげる」

 

ニヤリと、意地の悪い笑みを浮かべるカルマに、伸太郎は顔をひきつらせた。

 

「どうする?」

「・・・わかった」

 

伸太郎の敗北を示す答えに、カルマは満足そうに頷く。

 

「・・・ったく、かなわないな・・・」

 

伸太郎の、その諦めにも似た呟きは、カルマには届かず、空気に溶けて消えた。

 

 

 

 

                    -to be continued-




最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
カルシン、いかがでございましたでしょうか?
少しでもいいな、と思ってくださる人がいれば、嬉しいです。
今回やっと警告タグの意味をなしましたが、多分次回からまたBL要素はなくなっていくことかと・・・

まあ、そこは気長に待っていただければ・・・

というわけで、今回もありがとうございました!
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