東方近界録   作:零式艦上戦闘機

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プロローグ2

 20XX年 X月X日 第三次大規模侵攻は死者0名、行方不明者0名、重軽傷者25名と前回よりはるかに軽微な被害で済んだ。ただ前回よりも向こうの戦力は少なく、人型も三人しか現れなかったため、ボーダーはアフトクラトルが十分離れるまで警戒を解くことは出来なかった。またすぐに来る。これはこちらの対応を見るための部隊だと誰もが思った。もっとも杞憂だったが。

 

 アフトクラトルが完全に遠ざかり侵攻が不可能になった翌日

 

 玉狛支部

「アフトクラトルから千佳ちゃんを守れた記念にカンパーイ」

「「「「カンパーイ」」」」

「今日は特級戦功を上げた迅と遊真のおごりだ。この二人がパーティー用資金を快く出してくれたおかげでここまで豪華に出来たから二人に感謝して食べろよ!御代わりはいくらでもあるから喧嘩しない様にな」

「「「おー!!」」」

 林藤支部長の言うとおり玉狛支部の食堂には食べ切れないほどの高級な焼肉用の肉やお寿司が並んでいた。

「じゃあ、そろそろ皆も待ちきれないだろうし、いただきまーす」

「「「いただきまーす!!」」」

 

「いやー、人型が三人も現れたときはもうダメだと思ったよねえ。迅さんが風刃持っていなかったらハイレインを倒せなかったし」

「あのヴィザって爺さんも相変わらずとんでもなかったよな。何回か『あっ、やられた』って思ったときあったし、まあ迅さんのフォローで何とかなったけど、あの爺さんっていったい何歳なんだ?」

「70近い様に見えるな。それであの強さ。敵とはいえ憧れるな」

「あの支部長、結局どうなったんですか。アフトクラトルが何故あんなにあっさり退いたかという疑問についての結論は」

「最初はすでにどこかを襲っていて戦力が足りなくなったと考えたが、そういう情報がはいらなかったから他の部隊が神候補を手に入れたからこっちはあくまで予備を取りに来ただけじゃないかって結論になった」

「予備……」

「言い方が悪いがそう考えれば戦力が少ないのにも説明がつくってことだ。明日の記者会見でもそう説明する予定だ。もうこの話はこれで終わりにしとかないと市民の不安が大きくなりすぎるからな」

「分かりました」

「んじゃ、アフトクラトルのことは今ぐらい忘れてじゃんじゃん食べろ」

 

 数日前 アフトクラトル遠征艇

「金の雛鳥が見つかったときは三人でかかればいけると思ったのだが、結局失敗だったな」

「ランバネイン」

「おっとすまん」

「構わん。その通りだからな。やはり戦力、特にバムスターとモールモッドが足りないのが痛かった」

「しかし迅と言うやつはとんでもない男だな。黒トリガーを持っているとはいえ隊長を相手にしながらヴィザ翁と戦っている仲間へフォローできるとは、いったいどんなサイドエフェクトを持っているのやら、まさか未来予知とかな。ハッハッハッ、いくらなんでもそれはないか」

「まあ、終わってしまったことは仕方ない。問題は今回のことをどう報告するかだ。何せあのことは」

「頭がおかしくなったのか?、と言われかねんからな。幸い証拠は有る、というか居るが……」

「私が何とかしましょう。幸いあちこちに顔が利きますからねえ」

「ありがとうございますヴィザ翁。何か私たちに出来ることがあればおっしゃてください」

「そうですなあ、良い酒とあとは名誉ですかねえ、この年になるとあまり欲しいものがなくなってしまうので」

「分かりました。手を尽くします」

「まあ、名誉の方は簡単に手に入りますな。何せ複数の神候補を捕えられたのですから」

「歴史に俺達の名が残る。全くすばらしいことだな」

「一応もう一度確認しておきたい。ミラ、捕えた者はどうなっている?」

「はい、きちんといます。アレは夢ではありません」

「そうか。では作戦は終了だ。皆ゆっくりと休んでくれ」

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