恋する宇宙人 〜Les amours et des peurs〜   作:L.DuRouge

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皆さんは宇宙人と聞いてどんな宇宙人思い浮かべますか?
タコ型のような宇宙人がふわふわと浮かんでいる様子、80年代のアニメのような電撃を放ったり空を飛べる宇宙人、あるいは地球を攻めてくるような恐怖の対象という人もいるでしょう。

ここに一人の宇宙人が地球ゆきの宇宙船に揺られています。彼は学校の長期休暇でどこかに観光をしようと思い、まだ彼らに馴染みのない地球に決めました。

ちょうどこの頃から運命は大きく狂い始めてしまうのです。


それは、本当に許されないことなの?上

「ねえ勇、私が地球から帰ってきたらまた遊ぼうね!」

「うん」

「約束だよ?」

「うん」

「うわっ!もうチェックインの時間だ!じゃ行ってくるね」

「うん」

「勇はそっけないなー。もっと何かないの?」

「あー、ごめん」

「むー。じゃあ私が帰ってきたら結婚してくれる?」

「うん」

考えて言っていたか分からなかったけど・・・私、帰ったら結婚するんだ!

 

 

恋する宇宙人

~それは、本当に許されないことなの?~

【蒼井芽蕗】

 

「三月十三日、今日の占い!牡羊座のあなた!今日はモヤモヤした一日になりそう。モヤモヤした気持ちを抜けるにはもやしを食べるといいよ!」

いつもの占い番組が流れているいつも通りの朝の食卓。今ここにいるのは妹の姫と私の二人だけ。

「今日の牡羊座十一位だった。」占いの順位が低くて落ち込んでいるが姫は朝から元気だ。

占いなんて信じてないのに何でいつも付いているんだろう?まあ、姫が好きならいいや。

「お姉ちゃんの山羊座は二位だって!『恋愛運に恵まれ、今日運命の人に出逢う予感』だって!」元気なのはいいけど、もう少し落ち着いて。占いなんだから。それに運命の出逢いなんてあるわけない。

いつも通りの学校普通に生活していて何も困らなかった。それにこのまま続いていくものだと思っていた。

 

今日はもう寝ようか。私はベッドに横になり《SENN》でクラスの友達とチャットをしていた。

『今日の課題やった?あれ今日中に終わるかどうか・・・』

『私は終わったよー』

『終わらせないと先生怖いもんねー。私も頑張るよ!』

あ!忘れてきた。学校に取りに行こう・・・これ以上成績落とせないし

 

私は自転車にまたがり学校に向かった。通りかかった公園で何かの乗り物みたいな影を見つけた。木の陰からそれを見ていると光を放って飛んで行った。

何だったんだろう?

「======?」

「へ?」後ろから声がして振り返ったけど誰もいない

正面を向きなおすとそこには少年が立っていた。

「あなたは?」

「=== ======」・・・何を言っているのか分からない。

何なんだろうこの子。

「==!」ん?別の人の声?

「========!」軽く怒ってる?

「あのー・・・あなたは?」

「チキュウ ヒト?」カタコト?

「はい」それに地球って?

「えーっと益川鵙です。こいつの姉です。こいつは勇。地球では何ていうか分からないけど遠い星から来ました。宇宙人?というか普通に喋れるじゃん。

「今、学校が長い休みで観光でもしようかってなって地球に来てみたんです。それで言葉を勉強しました。コレはしてないけど。」弟さんこれ扱いなんだ。

でもあんまり宇宙人って感じしないなー

「見た目はあんまり変わりませんもんね。でもアレゼンルブの方が地球人より筋力とか治癒力が強いらしいですよ」そう言えばさっき私しゃべったっけ?

「それと読心術があるんです。目を見てるときに何を考えているのかがわかるんです。」そうなんだー。そういえばアレゼンルブって?

「私たちの星の私たちの呼び方です。」なるほど・・・?

つまりこの人たちはアレゼンルブって星から地球に観光に来た宇宙人ってことなのか。

「そんな感じです!」宇宙人って本当に居たんだ。

「そういえばお願いがあります。」姉の方がかしこまった感じで言ってきた。

お願い?・・・宇宙人のお願いって、まさか!

「えっと?」お願い?宇宙人のお願いってもしかして

「宿を探しています。もしよかったら泊めてください」・・・なんかすごい現実的なお願い。

「お母さんに確認してみないと・・・」とは言ったものの、姉が目をキラキラさせてこっちを見てきた。

・・・しょうがないなーでも連絡はしておこう。友達が来たってことにして、

お母さんは明後日まで帰ってこない。だから少しくらいいいだろう。

「後ろの人たちだれ?」

家に帰ると妹の姫が目をこすりながら出てきた。

まあ当たり前だよな。

「この人たちは宇宙人で・・・」宇宙人でなんだっけ?

「・・・それでさー昨日持ってくの忘れちゃってさー」

なんか三人だけでもう話始めちゃてた。姫には誰でも関係ないのか。

とは言っても弟さんは話せなかった。でも彼らには読心術があるようで相手の思ってることが目を見ればわかるらしい。

だからさっき私の心も読んだのか!

気づくと朝になっていた。学校にいかなければ。姫は?・・・寝ちゃってる。しょうがないか。例の二人は準備をしていた。

「本当に助かりました。またよかったら。」そう言うと二人は出ていちゃった。よくわからないけど故郷の星のお土産を置いて。

なんだったんだろう?まあいいや。私は身支度をして学校に向かった。宿題やり忘れた。昨日取りに行ったのに、徹夜で話しててやる暇がなかった。また怒られるな・・・。

「おはよ!」えっ⁉

「もーびっくりするなー!朝から驚かさないでよー!」ゆきだ。

「本当にゆきは元気よねー」もう本当に・・・

「ってさくらもいつからそこに⁉」二人して驚かさないでよ

「気づかなかった?ここにいたけど」

「芽蕗がボーッとしてばかりいるからじゃない?」確かにそうかもしれない。今日の私は変だ。なんでだろう?

いつも通りの学校。そして帰宅。途中には宇宙人・・・ん?

えーっと勇さんだっけ

「=====」

「ごめんわからない。」一人だなって思ってたらお姉さんが来た。そして連れて行かれた。まあいいや。家に帰ろう。

「ただいまー」

ドアを開けたら姫がテレビゲームをしていた。

「おかえりお姉ちゃん」姫

「======」勇さん?

「お邪魔していまーす」鵙さんまで?

・・・なぜか三人で

「そういえば泊まるとこ見つけられましたー!」よかった

玄関が開く音がした

誰だろう?そう言えば今日はお母さんが帰ってくる日だった。すっかり忘れてた。

「おかえりーお母さん。」姫が走って玄関まで行く。ほんと元気だよなー。

部屋についたお母さんは驚いたが先にお姉さんが挨拶をした。

「お邪魔してます。私は益川鵙って言います。でこっちが弟の勇。芽蕗の友達です。」

「あー。よろしくね。母の実子です。」疲れて帰ってきてるからなんか返事が適当だけどいいや。

お母さんは寝室に行ってしまった。まあそれもいつも通りのことなのだが。

観光案内は私たちがした。予定では二週間だったので回れるところも限られていた。しかしどこにいっても彼らにとっては観光になるようで興味津々で街を見ていた。それに勇さんの言葉も少しは上達していった。

時間が過ぎるのは早かった。そして二人は帰っていった。

また始まる何もない日常。別に不満じゃなかった。なんの問題もなく日々が過ぎていく、私は幸せではないか。

何が物足りないと言うんだ。

「おーい授業終わったよー」

「へ?」じゅぎょう?

「芽蕗大丈夫?さっきからぼーっとしてる。」教室にはゆきと私の二人だけになってしまった。

「帰ろ?」え?もうこんな時間?

「・・・うん」なんだろう?

帰り道はゆきとふたりで・・・

「そっち行き止まり」

「え?」気づくと逆に曲がっていた。

「やっぱりなんか変だよ。何があったの?」何があったんだろう私。

「・・・・・・分からない」

勇さんたちが帰って二ヶ月がたった頃だろうか。ふとベッドの陰からあの時四人で撮った写真を見つけた。

勇さん。惑星アレゼンルブから来たインベーダー。今まで意識したことがなかった、でも彼は私の心に住み着いた私の心のインベーダーだったんだ。

自分の部屋でそう考えていると部屋の窓を叩く音がした。

カーテンを開けてみると勇さんがぶら下がっていた 。

「勇さん?」私は窓を開けた。

「ぼく 勉強した。ことば」若干変だけど・・・。

「ぼく もっといたいこのほし。」そんなこと私に言われても。

「あねき 僕 話した」

鵙さんとのやりとりを宇宙語?で説明されたけどさっぱりわからなかった。

携帯が鳴った。知らない人からだ。

『鵙です。勇はここに住みたいって言っています。』

そういうこと

「ぼく すみたい ここ。」いきなりすぎて何を言っていいかわからなくなった。

「なんでうちなの?」とりあえず

「ほか わからない どこ いいか」その目はなぜか明るかった。

嘘だってわかった。わざわざ地球まで来たんだ。でも、だからこそ断れなかった。

「・・・わかったわ。でも・・・一つだけ聞かせて。」一番大事なこと

「なんでうちに来ようと思ったの?行くところがないって嘘でしょ。」

案外勇さんは嘘が苦手なのかもしれない。

「一緒にいたいから。」

さっきまで助詞が抜けていたのにはっきりと言った。きっと何回も練習したんだろう。

それに分かっいてた。そう言うことを答えると思った。

昔から地球人は宇宙に未知の力があると見上げて挑んできた。宇宙には地球人みんなの夢があるんだ。

今は宇宙開拓の時代。地球人の舞台は宇宙にまで広がった。

でもまだ一般人は宇宙には行けない。まだ夢の話だ。そんな私たちの夢の彼方から来た宇宙人、勇さん。

その勇さんが私に恋をした。

恋する宇宙人、この小さな恋がたくさんの犠牲を出すことになるとは私を含めてまだ誰も知らなかったのです。

勇が地球に来てどれくらい経っただろうか。もうすぐ二ヶ月になるところか。

今ここは夏、海に囲まれたこの国は蒸し暑い。湿度が七割を超えることもある。

でも意外にも勇は平気そうだった。

姫とも仲良くやっている。姫との心配はいらないか。

勇とはたくさん星の話をした。でも夏は星を見上げるには不向きだ。昼間晴れていても夜になると曇ってしまうことも多い。

でも夏には花火がある。それに七月は七夕で酒が飲めるぞっていうし。まだ未成年だけど。

七夕、地球から見える琴座のベガに居る織姫と、わし座のアルタイルに居る彦星が一年に一回だけ会えるというもの。実際には十六光年も離れてる。まあ夢があっていいんだけど。

勇はなかなか興味あるみたいだ。勇の星からじゃ夏の大三角形自体見えないそうだ。

明日は花火大会がある。

勇にとっては初の花火のようだ。楽しみにしてる。

私だって妹や家族以外と花火に行くのは初めてだ。最近は花火自体ベランダから見る程度であった。今日は早く寝よう。明日は夜遅くなる。

浴衣で祭りに行くなんて本当にどれくらいぶりだろうか。

勇と私は河川敷の花火大会に向かう。

「・・・・・・?」あ。聞いてなかった。ごめん

「なに?」

「=========?」宇宙語勉強しなきゃな・・・。

「ごめんわかんないわ。こっちの言葉で言える?」

「なんていうか わからない・・・」まだ勇はしっかり喋れない。でもいい、

「ねえ、手繋ご?」私は手を差し出した

「うん」勇は笑顔で頷いた。

これだけでいい、手を伸ばせばそこに温かい勇の手がある。

花火会場はすごい人だった。

「やー芽蕗!」ゆきだ。

「ゆきも来てたんだ」去年会わなかったよなー

「芽蕗こそ珍しいじゃん。」そういえばベランダから見てたんだった。

「今年は特別だからね」だって勇と・・・

「そうみたいね。それでこの子誰ー?」さくら早い

「=========!」

「宇宙人?」え?さくら分かるの?

「外国人じゃない?でも外国人の彼氏なんて意外に芽蕗もあれなんだね〜!」この二人に会うのは計算外だった。あー逃げたい

「あ、でこの子どこの子?」ゆきは興味津々。

「アレゼンルブ」わかんないよなー

「へー。」え?さくら分かるの?

「それどこ?私知らない」さくらなんか焦ってる?

「メルラゼイユの隣」その説明じゃわかんないって。

アレゼンルブとかメルラゼイユとか分かるわけないじゃん。説明下手なんだから。

「メルラゼイユもアレゼンルブも星の名前。彼は宇宙人なの。」もう私が説明する。

「え?本当に?」ゆき。

「私も最初は信じられなかったんだけど・・・」私も初めて会ったときは正直信じていなかった

「脈がないよー!」私たちとの違う点の一つ。血管が地球人とか違うみたい

「本当だ」ふたりとも勇の手首を握ってる

「くすぐったい」手首を掴まれてくすぐったそうだ。

「あ、お姉ちゃん!」姫の声?

「姫。友達と一緒じゃなかったの?」

「うん、だけどはぐれちゃった」やっぱり

「お姉ちゃんは勇と一緒じゃないの?」え?ここに・・・あれ?。ゆきとさくらもいない

「あ、姫ちゃん!一緒に観よ」あ、いたいた。よかった。

「さくらさん!久しぶりー」

「勇くん面白いよー」ゆきに弄り回されている。かわいそう。

そう言っていると突然雨が降り出した

花火がなくなって勇はちょっと寂しそう。

最近蒸し暑いからたまには雨もいいかな。でも花火見たかったなー・・・

まあしょうがない。でも来年こそは見に行こう

次の日。いつも通りの朝。でもやっぱりなんか眠い

「おっはよー!芽蕗」うわっ!

「だから驚かさないでよー」

「朝から二人とも元気ね」もう驚かないもん

毎朝驚かすの勘弁してほしいな

私たちは教室に入った

「昨日の子のこと教えてー」さくらが聞いてきた

「それ、私が先に聞こうと思ってたのに!」ゆき、話の沸点そこ?

ばれちゃったなー。まあこの二人には秘密にできないか

私はこれまでの経緯をすべて話した。

公園で出会ったこと、家に泊めたこと、観光案内をしたこと、そして再び戻ってきたこと。

「へー。一途だったんだねー」

「芽蕗のどこに惚れたんだろう?」さくら?

「さくら。それはちょっと酷くない?」

「ごめんごめん」

「でも、大丈夫なの?UFO現れるとかでも侵略だ!とか話題になるのに。」そんなことこれっぽっちも考えていなかった。でも大丈夫

「勇はそんなんじゃないよ」

「でもいいなー彼氏が宇宙人かー。私もそんな恋がして見たいなー」

「ゆきには地球人の彼氏じゃ大変そうだもんね」さくら、それわかるかも。

「えー?それどういうこと?」

「地球人じゃあ、ゆきについていけないわ」無理そう。

「宇宙にもいるのかな」笑いながら補足。

「二人ともひどーい!」

「勇も学校これたらいいのにね」さくらがふとつぶやくように言った。

「無理だよー。喋れないもん」

「でも読心術あるんでしょ?」ゆきも来て欲しいみたいだ。

「そんなの使ったら一発で宇宙人だってバレるって」

「いいんじゃない?それでも」さくらはどうしても来てほしいみたいだ。

「そんなこと言って、本当は授業に集中できなくなってまた成績落ちるからでしょ!」

うっ。ゆき鋭い・・・

「この前の内申の合計って確か・・・」

「わかったからさくらストップ!」なんで知っているの?

「さくらー。あとからこっそり教えてー。ジュースおごるからー」ゆきもどれだけ知りたいのよ。

「じゃあ、フルーツ-オン-トップ-ヨーグルト-フラペチーノで」

「・・・さくらさん。フラペチーノじゃないのでお願いできません?」

「さくら。帰りいこ?それでおごるからもう言わないで」これで解決。

「へーい」

「じ、じゃあ私も一緒にいく!」三人で行こう。

夕方

「おかえりお姉ちゃん!あ!さくらさんとゆき!」いつも通りの玄関までの姫のお迎え。

「さんつけなさい」ゆきと姫のいつも通りのやりとり。

「久しぶり、姫ちゃん」さくら、昨日ぶりだよ。

あと なんでこの二人うちに来てるんだ?

「おかえり 芽蕗」勇も出てきた。

「勇さん!」ゆき元気よすぎ。

勇が手首を隠した。昨日のアレがトラウマなのか?

「えっとおはよう?」そこはこんばんは

「あ、こんばんわ」言い直した。

「朝しか使わないのよー『おはよう』は。」さくらありがと。

「そうなんだ」

「あとこの星では好きな人が帰ってきたときぎゅーってするんだよ!」それ少なくともこの国の文化じゃないわ。

「信じ込むわね」えっ?勇が私に抱きついてきた

初めてこんなことされた。

「芽蕗も顔真っ赤にして〜!」からかわないでよ!ゆき

「やっぱり余分なことじゃなかったみたいね。羨ましいわ」さくらまで

「や、やめてよ!二人とも」

でも勇の温かさに抱かれている私はなぜかとても安心できたのです。

「・・・勇」

夏が終わる。楽しかった夏が終わる。

でもまた来年楽しめばいい。それに秋も綺麗だ。

「ねえ、鴻大博物館で大宇宙博やるんだって!今度行かない?」ゆきがまたノリノリで来た。

「それなら四人で行くのはどうかしら?私とさくらと芽蕗と、あと勇くん」さくらは勇を私たちのいつメンにしたいのかな?でもそれもいいかもしれない。もっと勇と一緒に居られる。

「私も賛成」

「それいいね!」ゆきもノリノリだ。

宇宙博に本物の宇宙人が見に来る。考えただけでも笑えてくる。

特にこの展示、特設展一階は宇宙人のコーナーみたいだ。勇見たらどう思うんだろう?

展示会はすごい人だったけど、なんとか特設展には入った。

「あれはなに?」特設展の入り口に看板があった。

『鴻学大学博物館の大宇宙博 宇宙人大歓迎!』そのあとになにやら文字っぽいものが書いてある。

「宇宙語みたいなんじゃない?」なるほど、

「・・・これ合ってるわ。メルラゼイユ語で書かれてる」さくらが言った。知ってるの?

「ま、前に本で見た気がするだけ」なんだ。勇なら読める?

「これは、メルラゼイユ語。しかもメルラゼイユのメルラゼイユ語だよ。アレゼンルブのメルラゼイユ語は少し違う」

「でも誰が書いたんだろうね?」確かに不思議だ。でも鴻学大だからお母さんが関係してそう。前に勇とも宇宙語で話してたし。というかなんでお母さんは喋れたんだ?そういう本でも売ってるのかな?

「『宇宙人大歓迎です。友達になりましょう!地球人はあなた達を歓迎します。』って書いてある」勇が訳してくれた。

『友達になりましょう!』ってめちゃくちゃお母さんっぽい。お母さんが宇宙人との交流を目指していたから私たちのことも認めてくれたんだと思うし。

「みんな早く入ろ!」ゆきに言われて気づいたけど、まだ一歩しか入ってないのにちょっと盛り上がっちゃってた。

中に入るとたくさんの資料があった。勇曰く、その資料の宇宙語の大部分がメルラゼイユ語のようだった。

「メルラゼイユ語圏ってどこらへん?」宇宙の公用語みたいなのかな?

「メルラゼイユとアレゼンルブでしょ?あと・・・」まだまだあるのか?

「ロニー」さくら?なんでそんなに詳しいの?

「そうだった!トレンムイユ領ロニー。でもそれくらいかな?でもロニーは今だとトレンムイユ語の方が使われるかな?」トレンムイユ領ってことはなんか複雑な事情がありそう。

『宇宙人との交流を目指す蒼井教授の宇宙講座!始まるよー!』お母さん?

「行ってみよ!」ゆきは走って行っちゃった。勇も一緒だ。ってさくら?一人になっちゃった

でも四人で並んで座れた。

「じゃあみなさんに質問です!あなたは宇宙人にあったことがありますか?ある人手を上げてー!」そんな挙げる人いないだろうから挙げないでおこ。それに勇が宇宙人だってばれたら騒がれそうだし、こうして一緒に出かけにくいし、それに・・・って勇!なに張り切って手挙げてるの。ゆきはいいとして。

「・・・・・・・・・」

ほら、二人だけじゃん。お母さんも気づいて困ってる。ゆきはいいとして宇宙人が手を挙げてるんだから。それは困るだろうな。

「でも皆さんは今から宇宙人に会えます」え?

「それでは呼んでみましょうー!すずちゃん!」すずってどっかで聞いたことあるような・・・。

黄色い髪の小さい子がふわふわと出てきた。って浮いてる?

「ボク ナマエ スズ。ボク キタ メルラゼイユ。」・・・メルラゼイユ?

「なるほどね」勇とさくらが同時に両側から言った。

「メルラゼイユから来たすずちゃんです。メルラゼイユ人は飛べるという特徴があります。なんか八〇年代に流行ったアニメみたいなことが本当にあるんですね!電撃はできないみたいですが」

お母さんは宇宙人についてたくさん話してた。大半の人は飽きて飛び回ってるすずちゃんしか見てなかったけど。

「ありがとうございました。」お母さんの宇宙講座は終わった。勇となぜか詳しいさくらがところどころ何か言ってたけど無事に終わってよかった。

この宇宙博でいろんなことがわかった。やっぱり本物に教えてもらうと分かりやすい。でもまたさくらの謎は深まった。

秋も本番に入った。でも秋は紅葉の綺麗な季節だ。

新米にサツマイモに栗に・・・太ることさえ気にしなければいい季節。

紅葉狩りに行こうか。勇も楽しめるだろう。

「紅葉狩りって知ってる?」

「ううん知らない。」やっぱり。

よし決めた紅葉を見に行こう。

近くの河川敷、この前花火を見に行った時のところだ。

並木は黄色や赤に染まり風に合わせ葉っぱたちが舞う。何て素敵なんだろう。ねえ?勇?

「あ、ごめん。聞いてなかった」もう!そういうとこ抜けてるんだから!でもそういうところが可愛い。

「そう言われると照れるよー」これは聞かないで欲しかったな。なんちゃって。

ずっとこうして落ち葉を眺めていたかった。でももう暗くなる。赤く染まった空にカラスが飛ぶ。

「ねえ、勇」二人手をつないで歩く河川敷。

「なに?」手の先から伝わるぬくもり。

「呼んでみただけ。」

これでいいんだ。そばにいて話しかけられる。ただそれだけで。

「仲良いねー!お二人さん!」なんかやな予感してた。ゆきだったか。

「久しぶり勇くん!」

「こんにちわ!」

「さくらいないの?」珍しくさくらが見当たらない。

「いるけど?」

「わっ!いつからそこに?」

「私存在薄いのかな」ごめん・・・

「毎回だとさくら傷つくよー」なんで気づけないのかな・・・

「ごめんごめん」

「いいよ気にしないで」

「・・・藍?」勇がふとつぶやいた。藍?誰だろう?

「ううん。気にしないで」気になる

「お友達?」

「なんでもない」誰だったんだろう?でもこれより先は聞かない方がいいだろう。

音楽が流れてきた。六時を知らせる町内放送だ。もうすぐ暗くなる。帰らなきゃ 。

「じゃあねー!」

「またね勇・・・くん」二人は帰っていった。

なんかさくらの表情が悲しそうだったのはなのはなぜだろう。

「おかえりお姉ちゃん!勇!」姫のお迎え、いつもより元気な気がするのはなぜだろう?

「た、ただいま」本当に元気だよなー姫は

「ただいまー!」勇も元気だ

実は姫も宇宙人とか?

ありそうで怖い。

やはり時が経つのは早かった。

もう季節は冬。

私の誕生日だー!

勇、プレゼントくれるかな?

そういえば私の誕生日言ったっけ?

忘れてた、今年はないな多分。

「芽蕗」勇に呼ばれた。

「なにー?」手にはキラキラした宝石?ストラップが二つあった。

この形はなんだろう?

もしかして

「誕生日おめでとう。これ一緒につけよ?」やっぱり。ペアストラップ。

なんかよくわからない文字が書いてあるけど・・・

「これはアレゼンルブの星の昔からのならわしで名前彫ってもらって誕生日に恋人とか親友とか家族とか大切な人に渡すの。そしてこれが姉貴との。」お姉さんとのストラップは多分二人合わせると輪っかになるんだろうな。

これは?

合わせててみた

「ハート型は恋人とか夫婦とかの関係の人用だよ!」・・・勇・・・。

今恋人とか夫婦って言った

そう言われると照れるじゃん!

「だから誕生日聞いたのか!」姫がひらめいた感じで手を叩いた

「ばらさないでよー」勇は慌ててる。でもそこも可愛い。

「へへへー」姫がいたずらっぽく笑った。

恋人かー!何回思い出しても照れるなー!

もう勇ったらまた眠れなくなっちゃうでしょ!

「お姉ちゃん一人で何言ってるのー?」姫?

・・・聞かれてた。

「眠れないってなんでー?」勇?

・・・さらに読まれてた。

「若いっていいわねー!」お母さんまで!

もう 穴があったら入りたい・・・

誕生日も過ぎてもうすぐ年が変わろうとしていた。

いつもと違う年末。勇が近くにいる年末。

いつしか勇は私にとって必要不可欠な存在になっていた。

「あー!inv@ders!」

inv@dersはあの秋の宇宙博をきっかけにできたグループだ。宇宙人で構成されてるグループでセンターはすずちゃんだ。それにしてもスペシャルゲストとしてだけど出るの早いなー。

やっぱり年末といえば紅白。というわけで私たちは紅白を見ている。

うとうとしちゃって目が覚めたときには除夜の鐘が鳴り響いていた。もう年が変わったなー

やっぱり眠い・・・

「あけおめ!」うわっ!びっくりした!

「えっと、ひらけましておめでとう?」勇、惜しい。

「あけましてって読むんだよー。」

「今年もよろしくね。」

クリスマスを過ぎて、年を越し、正月を迎え・・・体重が五キロ増えた。

まあそれもいい。幸せ太りだ。

「芽蕗!あけおめー!」ゆきにもさくらにももう驚かない

「芽蕗、太った?」えっ⁉なんでばれてる?

「芽蕗今何キロー?」ゆきもそう言うこと聞かないでよ・・・。

「昨日の夜で確か・・・」勇、言わないで!

「二人ともいいなー。勇くん、誰か紹介してよー!」ゆきの無茶振り出た!

「紹介って?」

「友達を教えてって。ゆきが彼氏欲しいんだってー」さくらも説明しないでいいよ。

「えっと・・・」勇が困ってる。

「ゆき、勇が困ってるじゃん」

「そうだよ」さくらが続けていった

「ごめんね勇くん。でもさくらに言われるのは納得いかないな」それは私も思った。

「え?そう?で、でも、二人とも幸せそうで何よりね」

幸せか・・・。

そう私たちは幸せだった。このまま続いてほしいと思った。

「ねえさくら、今ごまかさなかった?」それ私も思った

『一月七日臨時ニュースをお伝えします。』

『 午前十一時三十分すぎ、鴻学大学宇宙科学技術研究センターで爆発が発生。詳しい情報が入り次第お伝えします。』

お母さんのいる研究所だ。

電話してみよう

「蒼井実子です。ただいま電話に出ることができません。ご用の方はメッセージをどうぞ。」だめだ、繋がらない。

『再び臨時ニュースです。』

『研究所にいた地球外生命体二体の行方がわからないとのことで、地球外生命体がこの事件に関わっていると見て捜査を続けているとこのこです。』

要するに宇宙人の仕業・・・。

このニュースはこの国、いや世界を震撼させた。

ポストには一通の封筒が入っていた。差し出し人はあの研究所だ。

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