国会の参考人招致まで二時間を切った頃、咲人は国会議事堂近くにある総務省の屋上にいた。屋上には咲人の他にもう一人いた。
「渡辺さん、今日からよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくな咲人」
渡辺はもちろん特戦であるが、今回は観測手でもある。そして、咲人とはもともと知り合いだった。
屋上にはM24 SWSが二脚でたてられいた。そしてもう一つの狙撃銃。その狙撃銃は咲人は撃ったこともないし、さわるのも初めてのものだった。
「ほんとにあったんですねコレ、噂程度のものだと思ってたのに」
「まあ特戦にだけしか配備されてないからな。そう思うのも無理はないか」
「でもなんでこれ持ってきたんですか? どんだけ物騒な相手を想定してるんすか?」
「そういえば言ってなかったか、外国からご来賓を狙って来てるんだよ。しかもたくさんね。だから頑丈な車を相手にするかもしれないだろ」
咲人は「なるほど」と返すと、国会議事堂を見る。あと少しで国会で始まるわけだが、さすがに国会で敵が来ることは無いと思うが万が一ということもある、という自己完結をした。
咲人たちの他にも狙撃手が国会の周囲に展開させれていて、国会は完全な防御となっている。
「対物ライフルって威力ハンパないんすよね」
「そうだな、壁越しの人を殺れるほどだし」
「やっぱり凄いですね。それバレットのM95でしたっけ?」
「その通り、だけどそれで直接人を撃つなよ。色々と問題になるから」
「分かってますよ。そもそも俺それで撃ったことないんで、本番でいきなり撃てとか言われても自信ないですし」
「お前なら余裕だろ。まあ期待してるぞ」
国会が始まるまで残り一時間となった頃、無線が入った。
『来賓が乗車しているバスがまもなく通過する。警戒を怠るな』
「アルファ、了解」
咲人はM24のスコープを覗き、射撃体勢をとった。観測手の渡辺は咲人の隣で双眼鏡を覗いている。
「周囲に不審者、及び不審車両なし」
『そのまま警戒を続けろ』
「了解」
そして、伊丹たちの乗るバスが通過した。バスはそのまま無事に国会へたどり着き、一安心する。
しかし、咲人の仕事はこれで終わりではない。もし他国が行動を起こすとなると移動中になるだろうと予想された。そのため国会の中に入れば安全なのだが、そこからホテルへ向かう際が危険なのだ。よって咲人は国会が終わって来賓が出るまで警戒しなくてはならなかった。
「国会っていつ頃終わるですかね?」
「そんなの知らねぇよ」
「寒い空の中で待ち続けたら風邪ひいちゃいます」
「仕方ないだろ、任務なんだから。さらに言うと国会が終わった後も移動してもう一仕事だ」
咲人は溜め息をついて頭を抱えた。
「こんなことなら、姉さんと一緒に警護の方に行きたかった」
「そんなこと言うなって、お前さんの実力を買われてるからこの任務にいるんだ。誇りに思えって」
「誇りと言われても、俺にとっては重すぎる任務ですよ。あぁ早く暖かい部屋に戻りたい」
もともと大島が推薦しなければ、こんなことにはならなかったとさっきより深い溜め息をついてうなだれていた。
結局咲人たちは、国会が終わってレレイたちのバスが国会を離れるまでの数時間の間、その場で待機し続けたのだった。
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自分の文は一話あたりかなり短いですが、個人的に長いと読みにくいかなと思ったので短めにしてます。あと区切り良さもあります。
そのかわりそれなりの頻度で更新していきたいと思ってます。
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