弟は姉と彼の地にて斯く戦えり   作:バラナリ

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前回の旅館攻防戦のアメリカ視点です。


第十五話 山海楼閣強襲

夜もすっかり深くなった頃、アメリカのCIAが率いる軍団が目標の旅館急襲のため森をの中を進んでいた。彼らは個々の能力も去ることながら統制されたチームワークで作戦をこなす精鋭集団だ。

 

「今回は楽勝ですね。相手は数人の自衛官ですし、その他の多少の抵抗を考えても余裕ですよ」

「・・・」

 

精鋭集団の中で最年少であるパトリック・ジェームズは見事にガン無視を決め込まれた。

 

「ちょっと無視しないで下さいよ。ジョークですよ、ジョーク」

「・・・」

 

そしてまたガン無視される。

 

「ちょっと、少しくらい返事してくれてもいいじゃないですか?」

「うるさいぞ、パトリック。今は集中しろ」

「りょーかい、いい子にしてまーす」

 

何度も言うが彼らは精鋭である。元々パトリックはこういう性格だが、今日はいつもより気が抜けていた。

 

「まあお前が油断する理由もわからないわけじゃないが」

 

と他のメンバーが返した。彼ら(特にパトリック)が油断する理由はちゃんとあるのだ。

 

彼らは護衛に三人の自衛官がいると聞かされていた。たった三人ならば例え相手が抵抗してもすぐに排除することができる。そして何より実戦経験の差である。日本人は実生活でなかなか銃を撃たないし、撃ったとしてもまず手足を狙って、こちらの命を奪うことに躊躇する傾向があるのだ。

 

「まあ、さっさと片付けて帰ろうや」

「これで終わりっすね。俺、実はLAに恋人がいるんすよ。戻ったらプロポーズしようと、花束まで買ってあったりして」

『こちらゴールドマン敵襲をうけた! くそっ、ジャックが・・・』

 

その直後、一発の弾丸が風を切りながらパトリックの頭を貫通した。パトリックはそのまま地に倒れる。それを見てすぐさま身を隠す。

 

「くそったれ、何で敵が!!」

『三人だけじゃなかったのか!?』

 

無線の向こうでも仲間の愚痴が聞こえていた。

 

「敵はどこだ! どこから撃ってきた!!」

 

そして頭をわずかに出した瞬間、その頭に弾丸が襲いかかった。そしてそのまま起き上がることはない。今の銃弾で正面から撃たれたことがはっきりした。だが人間技ではないほどの正確性によって前になかなか進めずにいた。

 

「自衛隊にこんな凄腕のスナイパーがいるのか!?」

『どうなってやがる。こんなの聞いてないぞ!!』

 

そして進めずにいた者を違う銃弾が襲う。そしてそのまま亡き者となった。

 

 

 

 

 

 

クワドル・ハイデッガーが日本に新設されたばかりと聞いていた特殊部隊の力量に舌を巻いていた。予定では来賓と呼称される目標が宿泊する部屋を襲撃し、連れ去るはずだったのだ。

 

多少の抵抗は予想されたが、これほどの戦力を投入しているとは。自衛隊は旅館を含む周囲の山林に偽装して潜み、待ち伏せていたのだ。地形を利用し他方向から狙ってくる。二十名いた味方は瞬く間に半数まで減らされてしまった。

 

アメリカ側の装備は拳銃かMP5・SD3でいくら精鋭と言っても手も足も出なかった。不運なことに彼らは日本が最も守りを固めた時に攻撃してしまったのだ。ハイデッガーはチームリーダーに撤退を進言したが。チームリーダーのチャックは認めなかった。チャックは通信機でどこぞと相談し始めたのだ。

 

「ロジャー! キム! 迂闊に動くなよ・・・・ゴールドマン。タナカは生きてるか?」

「ダメです。眉間を撃ち抜かれてます」

「ちくしょう。相手はガードマンに毛が生えたような連中じゃなかったのか」

 

冷静沈着なはずのロジャーが罵倒する言葉を吐いている。

 

「よし。上の方で話が付いたよう自衛隊はいなくなるはずだから、そうしたら予定通り来賓を迎えに行くぞ」

「何だって!! 予定通り!? これだけの損害が予定通りっていうのかよ!」

 

何事も無かったように言うチャックにロジャーが食いついた。

 

「日本がこれだけ強固な守りだとは予想外だった。だがそれも上が直接話し合って政治的な取引で解決された」

「だったら最初からそうすれば良かったんだ。こんなに犠牲が出ることもなかった!」

「今回、ホワイトハウスは貴重な切り札の一枚を切った。本来なら別の機会に使うべきカードを無能なお前たちのためにな」

 

激昂したロジャーがチャックにつかみかかろうとしたが、ハイデッガーが話って入り止めるように促した。唾を吐くように睨み合った二人は顔を背けて離れた。

 

その後、彼らは警戒を解かずに旅館に進んだ。政治的取引でガードが解かれたといっても、完全に信用出来るはずもない。そして四方を警戒しながら『来賓』のいる部屋へと向かっていく。

 

 

 

 

その後、彼らはロシアと中国に出くわし。それにロゥリィが参戦するという不幸に見舞われることになるのだった。

 

 

 

 

 

 

 




更新が少し遅れてしまいました。それでも一週間に一度は更新するというのはこれからも守りたいと思ってます。

自分のはアニメより進んでいるのでアニメだけの方は少しネタバレになってしまいます。ですから個人的に少し足踏みしようかと思ってたりします。

ちなみに今回登場したパトリック君はあるゲームからの参戦です。

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