山海楼閣での静かな攻防戦の中、撤退を余儀なくされた咲人は自分の姉の無事を聞いて狂喜乱舞していた。特戦群の隊員も事情を知ってか、暖かく見ていた。
数分後、落ち着きを取り戻した咲人に話しかける人物がいた。
「今回は大活躍したみたいだな咲人」
「
「知ってるか咲人、やりずきた謙遜は嫌味に聞こえるって」
「そんな嫌味じゃないですって、俺は本気で言ってるんです。的射さんに嫌味なんて口が裂けても言えませんよ」
的射の冗談に咲人は必死に否定した。咲人は事実嫌味で言ったわけじゃない。心からの感想を言っただけだ。
「分かってる、分かってる。相変わらずイジメがいのあるやつだな。まあ今回で咲人の特戦への道が一歩前進だな」
「俺は特戦に入りたいなんて一言も言ってません」
「知ってるよ。でも大島さんが裏でどんどん進めてるらしいがね」
「まったくどんだけ強引なんですか、あの人は」
自分より遥かに偉い人に対して『あの人』と言っているところを他に聞かれたら大目玉だが、的射は気にせず続けた。
「俺としては咲人が入ったら、ライバルができて嬉しいがな」
「ライバルってまだ俺は的射さんと張り合えませんよ」
「嘘つけ、忘れたとは言わせないぞ。合同演習の時に俺を負かせたことを」
「あれはたまたまですって、実戦なら的射さんに軍配が上がります」
この的射という男は山海楼閣での作戦で『アーチャー』というコード名であった。『アーチャー』というコード名の通り、高い狙撃技術を持っている。
「だが今回、実戦でもお前はその力を発揮した。これが何よりの証拠だ」
「いや~、その今回は気合いが入ってたというか、なんというか・・・」
確かに咲人の気合いの入りようは、人生で一番と言ってもよい。(家族?)愛の力とはそれほど凄いものなのだ。
「どちらにせよ、咲人の実力は不動のものとなったわけだ。お前が来るのを楽しみにしてるぞ」
「入る前提で話されても困っちゃいまけど」
咲人にとって的射は目標なのだ。合同演習で知り合ってから目標として目指している。
「それでこらからどうするんだ?」
「俺ですか? 俺はとりあえず姉さんを追います」
「追うってどこにいるか知ってるのか?」
「あっ・・・」
的射はため息をついた。
「場所もわからないで追うつもりだったのか」
「い、いやでもゲートの前で待ってればいつか来ると思います」
「寒い中、どれくらい待つかわからないぞ」
その一言を聞いて少し悩んだ咲人。寒い中で待つのは咲人としてもあまり好ましくない。
「姉さんのためならいくらでも待ってやりますよ」
的射は相変わらずのシスコンっぷりに苦笑いした。咲人は『寒さ』と『姉』を比較して『姉』をとった。そしてそのまま咲人は銀座へ車で送ってもらうことにした。
アニメも結構なスピードで進んでて、どこまでアニメ化してくれるのかが楽しみです。
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