偽書魔法少女しゅな☆マギカ PSEUDEPIGRAPH PUELLAMAGI SYUNA MGICA   作:ジャックノルテ

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幕間4 私(わたくし)の願いは・・・

 SIDE 志筑仁美

 その日、私(わたくし)が見滝原市立病院の近くを通りかかったのは偶然だった。お稽古事を習う教室が開くまで少し時間があった。

 だからこそ私(わたくし)はその僅かな時間を散歩に出たのだった。

 ふと前を見つめると病院から出て来る、見知った後ろ姿が目に入った。

「あれは・・・。さやかさん?」

 恐らく上条君のお見舞いの帰りだろうと仁美は思った。

(今だったら上条君のお見舞いに行っても、さやかさんはと鉢合わせする事はありませんわね)

 そうした事が頭に過ぎったが仁美には今は実行する気が無かった。

 それではフェアとは言えない気がした。

 その時だった。何人かの人たちとすれ違い前方を歩いていた、さやかさんが突如として、その場に倒れ込んだ。

「さやかさん!」

 私(わたくし)は慌ててさやかさんに駆け寄った。倒れたさやかさんを地面にあお向けに寝かせ顔に手をやるとさやかさんは息をしていなかった。

「待っていて下さい!すぐに人を!」

 私(わたくし)は慌てて病院に駆け込むとスタッフステーションにいた看護士に叫んだ。

「すみません!外で人が倒れて息をしてないのです!直ぐに助けて下さい!」

 私(わたくし)の真摯な叫びを聞いて直ぐに何人かの看護士が動いた。2人は担架を持って行き、さやかさんを迅速に病院へ運ぶ事が出来そうだった。看護士達がさやかさんを担架で運ぶのを私(わたくし)はさやかさんの脇に連れ添いさやかさんに声をかけようとした。

 そこへ急に物が落ちた音が私(わたくし)の目の前から起きた。

 私(わたくし)が思わず音のした凝視するととそこには病院服を身に纏った人が血だらけで蹲って微動だにしなかった。

先程、病院の前を通った時にはこの人はこの場にいなかった。だからこそ飛び降りて来たのだと言う事は私(わたくし)にも理解できた。

 けれど私(わたくし)は認めたくは無かった相手だった。

その少年は・・・。

私(わたくし)がお慕いする・・・。上条君でした。

「上条君!?イヤァアアアアアアア!?」

 その時、私(わたくし)の心は絶望の淵へと追いやられた。

大切な友達と慕っていた人を私(わたくし)は同時に失い始めたのだ。

直ぐにさやかさんと上条君は集中治療室へと担ぎ込まれた。

 病院からの連絡で上条君とさやかさんの両親が慌てて集中治療室に来た時、私(わたくし)は2組の両親に自分が見た事を話した。

2組の両親はお互いに自分達の子供に起こった悲劇を嘆いていた。

 それからの事を私(わたくし)は余り良く覚えていない。

 さやかさんと上条君の両親に促されて病院を後にしたのは覚えているが自分がどうやって自宅に帰ったのかは覚えていなかった。

気が付いたら自宅の自分の部屋にいると言う状況だった。

お稽古事の教室に欠席の連絡をしなかった事が頭を過ぎったが今の私(わたくし)にはどうでもいい事だった。

 今、ベッドに座る私(わたくし)の心を占めるのはさやかと恭介が無事でいられるかどうかだった。

「お願いです。さやかさんと上条君を助けて下さい・・・」

 そう呟いて私(わたくし)は手を合わせた。格別、神を信じている訳では無かった。

 けれどこの時の私(わたくし)は2人が助かる為ならば生涯、神を信じても良いという思いがあった。

 まさかその思いが叶えられるとはこの時は思いもしなかったが・・・。

「その言葉は本当かい?志筑仁美」

「誰!?」

 突然、知らない誰からから声をかけられて私(わたくし)は動揺した。

 電気を消していたので窓辺から差し込む月明かりだけが部屋の中の照明代わりだった。

 それと同時に部屋の隅から月明かりの下に白くて丸い赤い目をした生き物が私(わたくし)の前に姿を現した。

「ぬいぐるみでは無いですよね?」

「僕はぬいぐるみじゃないよ」

「喋りますの!?」

 驚いた私(わたくし)は思わず立ち上がってしまった。

「僕の名前はキュウべえ。志筑仁美。僕は君にお願いがあってやって来たんだ」

「お願いですか?」

 私(わたくし)はキュウべえさんの言葉に少し顔をしかめた。今はとてもそんな事を聞く余裕は無かったが構わずキュウべえさんは言葉を続けた。

「僕と契約して《魔法少女》になってよ!契約したら1つだけ君の願いを叶えて上げるよ!」

「契約って一体、何の事ですの!?」

「そうだね。まず順を追って話そうか。僕は君と契約して君に《魔法少女》となって貰う。契約の証と僕は君の願いを1つだけ叶える事が出来るよ。例えば・・・。君が今、助けたいと思っている美樹さやかと上条恭介を助ける事だって出来る」

 その言葉に私(わたくし)はハッとした。

「それは本当ですか!?」

「勿論さ。ただ君達の願いを叶える代わりに君達は《魔法少女》となってこの世に災いをもたらす《魔女》と戦わなければならないんだ。命懸けでね」

 キュウべえさんの言葉に私(わたくし)の思いは揺れていた。

 信じるべきか。信じないべきか。

 私(わたくし)の心は揺れていた。けれどもその揺れは信じるべきに傾いている事に私(わたくし)は気が付いていた。

 先程は病院から出る時に私(わたくし)はすれ違った看護士の会話から上条君の指が再起不能だと言うのを耳にしていたからだ。それにさやかさんも上条君も今夜がヤマだと言う事も聞いてしまっていた・・・。

「どうやら悩んでいる様だね。それなら君に見せてあげるよ。《魔法少女》が命懸けで《魔女》と戦う姿を」

 私(わたくし)の様子を察した様子のキュウべえさんの瞳が妖しく輝いた。

 同時に目の前の景色は一変していた。ファンタジー映画に出て来る洋風の砦と思える場所が私(わたくし)の目の前に広がっていた。

 そこが砦だと理解出来たのは私(わたくし)が巨大な門の前に立ち全体を見渡す事が出来たからだ。

「え!?ここは一体!?」

「これは僕が過去に体験した事柄だよ。これを見れば《魔法少女》がいかに命懸けで戦っているのかを理解しやすいと思ってね」

 困惑する私(わたくし)の頭の中にキュウべえさんの声が響くと同時に視界は砦の中へ移動して行く。

すると目の前に地面から5体、錆色の鎧が様々な武器を持って這い出て来た。

 その鎧の隙間からは薔薇の蔦が這い出て薔薇の蔦が鎧を動かしている様に見える。

「!?」

 私(わたくし)は声にならない悲鳴を上げた。

「あれは《魔女》の《使い魔》だよ。もしも君が奇跡を願うなら戦わなければいけない相手だ」

 キュウべえさんはテレパシーで私(わたくし)に解説するがそれ所では無かった。

 目の前にいる《使い魔》が自分に襲い掛かるかも知れないと頭に過ぎったからだ。

「大丈夫だよ。これは僕の記憶を元に作った映像だから危険は無いよ」

 キュウべえさんの言葉の通りに《使い魔》から生える薔薇の蔦が私(わたくし)の腕に触れたが何の感触も感じる事無くすり抜けて行った。

 その時、1人の少女が私(わたくし)の脇を通り抜けた。

 通り抜けながらその少女は掌にある宝石を掲げると光に包まれた。

 光が消えて行くと先程まで地味な服装だった少女は純白のドレスと純白の防具を身に纏い強い決意を秘めた瞳を持った少女に変身すると5体の《使い魔》に光り輝く剣を構え切り込んだのだ。

「あれが過去に僕が出会った《魔法少女》だよ」

 私(わたくし)の目の前で《純白の魔法少女》は様々な武器で切りかかって来る《使い魔》の攻撃で切り傷を負ったかに見えた。けれども負傷する事無く《純白の魔法少女》は持っていた剣で《使い魔》達を次々と一刀両断して行く。

「凄い・・・」

 それが私(わたくし)の素直な感想だった。

「これから本物の《魔女》が出現するよ」

 キュウべえさんの声が私(わたくし)の頭に響いた時、視界は再び移動して広場の方へ出た。広場の真ん中から突如としてまるで薔薇の蔦が巨大な人型をした巨人が現れた。

「あれが《魔女》だよ。先程の《使い魔》とは比べ物にならない程の強さを持っている」

 キュウべえさんの言葉に私(わたくし)は思わず唾を飲み込んだ。

 視線の先では《純白の魔法少女》が決意を固めた表情に呼応する様に持っていた剣が光り輝き始めた。

けれども《魔女》は怯む事無くその巨大な拳で《純白の魔法少女》を殴り付けた。

《魔女》に殴られた《純白の魔法少女》はそのまま吹き飛ばされ砦の壁に激突した。

 流石に無傷とは行かず顔から僅かに血を流している。

 と同時に《純白の魔法少女》の光り輝く剣は輝きに包まれ光の槍へと姿を変えた。

 

 

「ラ・リュミエール!」

 

 

《純白の魔法少女》がそう叫び光の槍を投擲した時には《魔女》を消滅させたのだ。

《魔女》は崩れ落ち《純白の魔法少女》は誇らしげな表情を見せていた。

 気付くと私(わたくし)の視界は自分の部屋に戻っていた。

 足元にはキュウべえさんが私(わたくし)を見上げている。

「どうだい?戦いの様子を見れば命懸けと言うのが理解出来たと思うけれど、願いは決まったかい?」

 キュウべえさんの言葉に私(わたくし)は直ぐに答える事が出来なかった。けれどもキュウべえさんに見せられた映像を見て奇跡を願えば命懸けだと言う事が理解出来た。

 そして私(わたくし)は上条君やさやかさんがいなくなった世界を想像して見る。

そんな世界を私(わたくし)は望んでいなかった。

誰しもが親しい人と別れた世界を望んでいる訳では無かったからだ。

 だからこそ私(わたくし)は自分の命をかけてでも上条君とさやかさんを救いたいと言う思いを募らせて行った。

「本当にどんな願いでも叶うのですね」

「大丈夫だよ。君にはその資格がある。さあ。志筑仁美。君はその魂を対価として何を願うんだい?」

 キュウべえさんの言葉に私(わたくし)は一旦、瞼を閉じて再び開いた。

 その瞳には決意の色が浮かんでいた。

「キュウべえさん。私(わたくし)の願いは・・・。上条君とさやかさんの体を元の健康な姿に戻してあげて下さい!」

 私(わたくし)がそう叫んだ瞬間、私(わたくし)の体の中を何かが走った。

 と同時に私(わたくし)の目の前に緑色に光る何かが浮かび上がった。

「さあ受け取って!それが君の運命だよ!」

 キュウべえさんに促されて私(わたくし)は目の前に浮かぶ光を掴んだ。

 その瞬間、私(わたくし)、は《魔法少女》となったのだった。

 

 

 

 

 私(わたくし)の願いが叶えられた事は次の日の朝に直ぐに判明した。

 契約をした直後に私(わたくし)は、キュウべえさんがテレパシーを駆使して見滝原市立病院に勤める医師達の心の声を聞かされた。

(信じられない!まるで奇跡としか言いようが無い。どうして2人の体が突然、健康体になったのか科学では説明がつかない!)

 初めてのテレパシーだったが、相手の心にあるイメージで上条君とさやかさんが無事だったのを確認した私(わたくし)はそのまま眠りについてしまいました。

 朝になると私(わたくし)は慌てて身だしなみを整えて学校に登校しましたが途中でまどかさんと出会いました。

 暗い雰囲気を見せるまどかさんは私(わたくし)にさやかさんが、突然入院した事を教えてくれました。

 そこで私(わたくし)は思ったのでした。

 昨日の出来事は夢だったのでしょうか?

 本当はさやかさんや上条君は助かっていないのではないのでしょうか!?

 そう思うと私(わたくし)の心も暗い雰囲気へ落ち込んでしまいました。

 けれど私(わたくし)のポケットの中には確かに私(わたくし)のソウルジェムの重みが感じられ私(わたくし)は何を信じれば良いのか不安を覚えてしまいました。

 けれど朝のホームルームで担任である早乙女先生がさやかさんが入院した事を告げて来て私(わたくし)の不安は杞憂に思えた。

 その日、私(わたくし)はとても恥ずかしい事ですが授業の内容が殆ど頭に入らずただただ放課後になる事だけを待ち望んでいました。

 私(わたくし)はただ上条君とさやかさんの安否を確かめたかったのでした。

 放課後になると私(わたくし)はまどかさんを誘って直ぐに見滝原市立病院に向かった。

 病室を調べて面会者として向かうとさやかさんは元気そうな様子でどうして入院しているのか困惑していたが、とても元気そうだった。

 さやかさんの様子を見てまどかさんは安心した様子を見せていたが私(わたくし)は、上条君の様子も確かめたかったが思わぬ形でそれは叶えられました。

 本当に偶然なのでしょうが上条君がさやかさんの病室に顔を出して来てくれたのです。

 表情に出すまいと振舞いましたが私(わたくし)の願いは叶えられたと私(わたくし)の心は高鳴りました。

 でも同時に私(わたくし)は・・・。

 ハッキリと確信しました。

 上条君とさやかさんの心の距離が限りなく近付いている事に・・・。

 こうなる事を予期しながらも私(わたくし)は願いを叶えた。

 心を強く保ち私(わたくし)は、まどかさん、さやかさん、上条君との談笑を楽しみました。

 病院を出てまどかさんと別れた私(わたくし)は帰路に着こうとしました。

「どうだい?君の願いは確かに叶えられただろう?」

 その声と共に街路樹の陰からキュウべえさんが私(わたくし)に声をかけて来ました。

「キュウべえさん。どうして朝にはいなくなっていたのですか?」

「やっぱり君自身の目で願いが叶えられたのかどうか確かめるのが重要だと思ってね。でもずっと仁美の事を見ていたよ。今なら願いが叶えられたんだからより詳しく僕の話を聞いてくれるよね?これから君は《魔女退治》をしなきゃいけないんだから」

 それを聞いて私(わたくし)は思い出した。

 願いを叶えた代償として《魔女》と呼ばれる存在と戦うと言う事を了承した事を・・・。

 私(わたくし)の願いは叶えられました。

 ならば・・・。答えは1つだけでした。

「ええ。分かりましたわ。キュウべえさんのお話を聞かせて貰いますわ」

「その方が君の為にも良いと思うよ。僕は君に魔法の使い方を教えに来たんだから。さあ行こう。ここじゃ人目に付くから仁美の家で教えるよ」

 キュウべえさんはそう言って私(わたくし)の前を歩き出し私(わたくし)もそれに続いた。

夕食を済ませると私(わたくし)は、キュウべえさんから魔法の使い方を教えて貰っていると唐突に掌の上に乗せていたソウルジェムが反応した。

「これは?一体、何ですの?」

「どうやら《魔女》が現れたみたいだね。仁美。どうやら戦いの時が来たみたいだよ。さあソウルジェムに魔力を集中させるんだ。なりたいと思う自分を思い描き《魔法少女》に変身するんだ!」

「分かりました・・・。こうですか?」

 私(わたくし)は、先程、見せて貰った《純白の魔法少女》の変身をイメージして魔力を集中して見た。

 なりたいと思う自分を思い描き私(わたくし)は自分の魔力を集中して行くと瞬間、緑色の光に包まれて私(わたくし)の姿が変わって行く。

腰には着物の様な帯をして右斜めに寄せられたミニスカートを履き中にはスパッツを履いているのが感じられた。

 窓ガラスに反射する自分の姿を見ると髪に和風の扇を模した髪飾りが付けられていた。

両手の拳にはグローブが装着され右手のグローブにソウルジェムが装着されていた。

 月明かりに反射するソウルジェムを見て私(わたくし)は戦いに赴く覚悟を決めた。

「キュウべえさん。《魔女》はどちらに?」

「《魔女》は・・・。こっちに方角だよ!」

 キュウべえさんは、私(わたくし)の肩に乗ると足である方向を示した。

「仁美。今の君は《魔法少女》だ。君の脚力は魔力によって超人とも言える領域に達している。だから跳躍して行く事が出来るよ。さあ!」

「・・・。分かりました。志筑仁美。参ります!」

 そう叫ぶと同時に仁美は思いっ切りの力を込めて地面を蹴って跳躍した。

 上空を飛んでいる・・・。

 怖くないと言えば嘘だった。

 けれど願いは叶っていたのだから自分には戦う義務があると言う事も理解していた。

 今朝、さやかさんの無事を確認した私(わたくし)はまどかさんと連れ立ってさやかさんの様子を見に行った。

 さやかさんは、自分がどうして入院しているのか分からない様子でもあった。

 3人で話していると、同じ病院で入院していた上条君も顔を出して来て私(わたくし)はキュウべえさんが約束を守ってくれた事を確信した。

 だからこそ私(わたくし)はキュウべえさんの言う事を信じられる!

 魔力を足に集中し着地に備える。

 衝撃を魔力で緩和すると再び魔力で強化した脚力で跳躍を繰り返して着いた先は古い町工場の跡地だった。

「仁美!あそこに結界の入り口がある!どうやら既に誰かが入り込んでいるみたいだね」

 キュウべえさんの言葉に答える様に結界の入り口が波打っていた。

「とにかく入って見ますわ。それが私(わたくし)の・・・。使命なのですから!」

 一瞬の躊躇の後に私(わたくし)は結界の中に入り込んだ。

 初めて入る結界はまるで水の中に入り込んだ様に周囲は水色に覆われていた。

 余りにも奇異な景色に顔をしかめていると、目の前から天使と形容するしかない出来の悪い人形がこちらに向かって来ていた。

「何ですの!?」

「気を付けて!あれは《使い魔》だ!」

「!」

 瞬時に私(わたくし)はキュウべえさんとの訓練で覚えた武器である拳に魔力を反射的に集中して一気に跳躍すると《使い魔》に向かって拳を突き出した!

 私(わたくし)の拳が当たった《使い魔》は抵抗する事無く消滅してしまった。

「思い切りが良いね。初めてにしては上出来だよ」

 私(わたくし)の跳躍の勢いで肩から落とされたキュウべえさんが、そう言った時、《使い魔》の現れた方角から私(わたくし)でも感じられる、禍々しい魔力の波が響いた。

「この先に《魔女》が!」

 咄嗟に私(わたくし)は一気に駆け出した。

「仁美!周囲を見て油断しないで!」

 置いてかれたキュウべえさんの声に周囲に気を配るが《使い魔》は見当たらない。

「横だけじゃない!上からも来るよ!」

 背後のキュウべえの声に首を上げると上から《複数の使い魔》が降りて来た。

「ハァ!」

 射程距離に入ったと感じた瞬間に拳を突き出す。

 当たっても当たらなくても構わなかった。

 私(わたくし)の魔法が持つ属性は風。

 拳から巻き起こる風が目の前にいる敵を切り刻む。

 次々と《使い魔》を倒した私(わたくし)は一気に結界の最深部と思われる場所へ辿り着いた。

 私(わたくし)の立っている場所の前には巨大な縦穴が広がり、縦穴の底の方では《魔女》と誰か2人(恐らくは《魔法少女》と思われる)が戦っている様子だった。

 私(わたくし)は迷う事無く《魔女》に向かって飛び降りた。

 出来るだけの魔力を右の拳に集中しながら私(わたくし)は・・・。

 願いを叶えた代償としての戦いにその身を委ねたのでした。

 

 




仁美ちゃんがキュウべえに見せられた映像はたると☆マギカの1シーン。
ただし前作の主人公である綾女ちゃんが編集した映像の一つと言う設定です。
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