偽書魔法少女しゅな☆マギカ PSEUDEPIGRAPH PUELLAMAGI SYUNA MGICA   作:ジャックノルテ

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第7話 こちらこそ、頼りにしているわ

 

 積み木やおもちゃの詰まれた《結界》の中でわたしと暁美さん、志筑さんは《落書きの魔女》と戦っていた。

 次々と《使い魔》を召喚する《落書きの魔女》に対してわたしと暁美さんは《使い魔》の迎撃に徹した。

 暁美さんはマシンガンやパイプ爆弾で《使い魔》を迎撃し取りこぼした《使い魔》をわたしがボーガンで狙い撃ったり切り付けたりした。

 同時に志筑さんは自慢の素早さを生かして一気に《落書きの魔女》との距離を詰めると《落書きの魔女》の正面に立った。

《落書きの魔女》が志筑さんの方に両手を翳すと天井から次々と積み木が落下して来た。

 大きな音がして志筑さんが積み木に押しつぶされた様にわたしには見えた。

「志筑さん!」

 思わず声を上げるわたしを暁美さんは左手を上げて制した。

「大丈夫よ。ほら」

 暁美さんの声と同時に志筑さんが《落書きの魔女》の背後に瞬間的に現れると魔力を込めた右腕で思いっきり《落書きの魔女》の体に拳を叩き込んだ。

 たった一撃で《落書きの魔女》は悲鳴を上げながら膨張したと思うとその体はそのまま崩れ落ちてグリーフシードを落として結界は崩れ去った。

 直ぐにその場所は元の路地裏へと戻りました。

「ふう。やりましたわ」

 そう言って志筑さんは地面に落ちたグリーフシードを拾い上げながらそう言った。

「志筑さんは思い切りが良いわね。何かスポーツでもやっていたの?」

 暁美さんは《魔法少女》としての姿を解きながら志筑さんに質問をしました。

「どうしてそう思われたのですか?」

《魔法少女》としての姿を解きながら志筑さんは少し当惑した様子を見せていました。

「戦う事に躊躇いが見られないと言う事は何か武道でも習っているんじゃないかと思ったのよ。私は初めて戦った時は志筑さんの様に戦う事は出来なかったわ」

《魔法少女》としての姿を解きながら話を聞いていたわたしは驚いていた。けれども考えてみれば暁美さんも初めて《魔法少女》として戦った時はそうだったのかも知れません。

 暁美さんがそんな質問をするのも珍しい事でした。

「そうですわね・・・。私(わたくし)の習っていたお稽古事には護身術もありました。けれど私(わたくし)はこんな風に暴力を振るった事はありませんわ」

 志筑さんは少し悩んだ末に答えを返しました。

「でも凄い。あんな風に思い切って戦えるのは羨ましいの。わたしは思い切って戦えないから・・・」

 わたしは思わずそう呟いてしまった。そんなわたしを見て暁美さんと志筑さんは顔を合わせた。

「朱奈さん。確かに私(わたくし)は朱奈さんよりも思い切りが良いのかも知れませんが私(わたくし)だって《魔女》と戦っている時は怖さを感じていますわ。思い切りが良いからと言って決して怖さを感じていない訳ではありませんわ」

 わたしの目を見て志筑さんはそう言ってくれた。

「そうよ。朱奈。私だって戦うのは怖いわ。けれど一度、《魔法少女》となった以上、立ち止まる事は許されないのよ」

 暁美さんも志筑さんの言葉を聞いてわたしに言葉を掛けてくれた。厳しい言葉だったけれど、その言葉はわたしを勇気付けてくれた。

「分かった。わたし・・・。怖いけどちゃんと戦う!」

「その意気ですわ」

 そう言って志筑さんはわたしの頭を撫でてくれた。わたしは誰かに頭を撫でて貰うのが好きなので志筑さんが撫でてくれた事が嬉しかった。

 それにまどかさんやマミさん、杏子さんもわたしの頭を撫でてくれた。誰かに頭を撫でて貰う事はわたしにとってはとても大切な事だった。

「さあ。夜も遅いわ。もう帰りましょう」

「そうですわね。朱奈さんも行きましょう」

「はい」

 暁美さんの言葉を受けてわたし達3人は帰路に付いた。

 

 

 

 

 その後、わたし達3人は力を合わせて次々と《魔女》を倒して行った。

《暗闇の魔女》、《影の魔女》、《犬の魔女》を次々と倒した。

 それに伴ってわたしは自分の魔法に少しずつだけれど自信を持つ事が出来る様になった。

「ねえ志筑さん。話したい事があるのだけれど良かったら家に来てくれない?」

《犬の魔女》を倒した直後、暁美さんは志筑さんにそう告げた。

「構いませんわ。暁美さんのお誘いを断る訳がありませんわ」

 志筑さんは笑顔でそう応じた。

 暁美さんとわたしの後に続いて志筑さんは暁美さんの自宅に上がった。

「これが暁美さんの部屋ですの・・・」

 志筑さんは暁美さんの部屋の状態を見て驚いている様だった。

 そう言えばわたしも初めて入った時は驚いたけれどその時はマミさんが死んじゃった直後で驚きを現す事が出来なかった。

 テーブルの上には地図が広げられわたしと暁美さん、それに志筑さんで向かい合う様に座りました。

「もう直ぐこの街に《ワルプルギスの夜》が来るわ」

 暁美さんは直ぐに本題に入りました。

「《ワルプルギスの夜》?それは一体、何でしょうか?」

 志筑さんは少し怪訝な表情を見せたが暁美さんは直ぐに言葉を続けた。

「最大最強と言われている《魔女》よ。私と朱奈はこいつを倒す為にこの街へ来たの。こいつは今までの《魔女》と違って結界に隠れて身を隠す必要は無いわ。けれど一度、具現化してしまえば恐らく見滝原市は全滅する。普通の人には見えないから大災害が起きたと認識されるだけよ」

「そんな強大な《魔女》がいるのですか!?」

 志筑さんは息を呑んでいた。今までの《魔女》とは桁違いの存在と言うのは志筑さんにも理解出来たかららしかった。

「だからこそ志筑さん。私や朱奈と一緒にこの見滝原市を守る為に戦いましょう」

 暁美さんの言葉に志筑さんは直ぐに口を開きませんでした。

 けれども決意を込めた表情を見せると言葉を紡いだ。

「判りました。暁美さん。朱奈さん。この見滝原市を守る為に一緒に戦いましょう!それにこの街には私の大切な物がたくさんあるのですから!」

 志筑さんの言葉に迷いは感じられなかった。

 わたしみたいにちょっとした事で迷ったりする事が無さそうで羨ましかった。

「でも暁美さん。朱奈さん。どうして2人は《ワルプルギスの夜》と戦おうとするのですか?最大最強と言われている《魔女》と進んで戦おうとするなんて・・・。何か訳があるとしか思えませんわ」

 志筑さんはやはりその事に疑問を持っている様だった。誰しもが疑問に思える事でもあった。言うなればライオンに素手で戦いを挑む様な物なのだから・・・。

 わたしが暁美さんの方を見ると暁美さんは表情を変える事無く言葉を発した。

「そうね・・・。確かに普通の《魔法少女》だったら戦うと言う選択、自体を行わないわね。詳しくは話せないけれど・・・。わたしと朱奈にとって大切な人が《ワルプルギスの夜》に命を奪われたからと言うのが今、答えられる事かしら・・・」

 その暁美さんの返答は確かにわたしと暁美さんの戦う理由の詳細は話せなくても確信だけを話す事が出来ていました。だって鹿目さんは《ワルプルギスの夜》が現れた事が原因で《魔女》と化してしまったのだから・・・。

「そうだったんですか・・・。暁美さん。朱奈さん。お二方の個人的な事に踏み入って申し訳ありません。けれど・・・。暁美さんの答えを聞けて私(わたくし)は安心してお二方に命を預けて戦う事が出来ますわ!」

 志筑さんはそう言ってわたしと暁美さんの手を両の手で握った。

「3人で力を合わせてこの見滝原市を守りましょう!」

「はい!」

 わたしは笑顔で志筑さんの手を握り返した。

「こちらこそ、頼りにしているわ。志筑さん」

 暁美さんも薄い笑顔を見せながら志筑さんの手を握り返していた。

 私たちは1つに団結していた。

《ワルプルギスの夜》と戦うと言う1つの目標の元で・・・。

 




この話がしゅな☆マギカのターニングポイントとなる話です。
外伝を一本、挟んでいよいよ物語は大きく動き出します。
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