偽書魔法少女しゅな☆マギカ PSEUDEPIGRAPH PUELLAMAGI SYUNA MGICA 作:ジャックノルテ
次の日・・・。
夜になってわたしと暁美さんは《魔女》を倒す為に行動を開始していた。
見滝原市内にある工業地帯にある古い町工場。
自宅に戻った暁美さんは《魔女》が現れるとわたしに告げると2人で夜の街を駆け抜けていました。
魔力によって跳躍力を上げたわたしは場所の目星を付けていると言う暁美さんに先導されて進んで行きました。
やがて暁美さんは1つの古い町工場の屋根で止まりました。
それを見てわたしも止まります。
暁美さんの視線の先にはおぼつかない足取りの人が数人、わたしと暁美さんが屋根に乗っている町工場に入って行くのが見えました。
「行くわよ。朱奈」
「はい」
暁美さんの言葉に促される様にわたしと暁美さんは《魔法少女》としての姿に変身した。
そのまま町工場の入り口に降り立つと鍵の掛かっていないドアを開いてそのまま入り込む。そこには数十人の人たちが何かを行おうとしていた。
瞬時に何かを察した暁美さんは行動を起こすとおばさんが持っていたバケツを奪うと近くの窓に投げ捨てた。
ガラスが割れる音がしてバケツは窓の外へと落ちて行った。
その場にいた人たちは暫く呆然としていた。
「朱奈!こっちよ!」
何処かへ通じるドアを開いた暁美さんに促されてわたしは暁美さんとドアを通った。
ドアの先にある小部屋からはわたしでもはっきりと分かる程に《魔女》の気配が溢れていた。
「ここに結界への入り口があるわ。覚悟は良い?」
「うん」
わたしが頷いたのを見た暁美さんは魔力を注ぎ結界の入り口をこじ開けた。
「行くわよ」
わたしと暁美さんは結界の中に入った。
そこはまるで水の中みたいで回りにはメリーゴーランドの様な模様が施された結界だった。水の代わりに《魔女》が醸し出す濃い気配に溢れていた。
わたし達の目の前に直ぐに《使い魔》を伴った《魔女》が現れた。
パソコン画面から髪の毛を生やした言わば《ハコの魔女》が多数の《使い魔》と共にわたしたちに向かって来た。
暁美さんは躊躇う事無く左手の盾の中からマシンガンを取り出すとまずは《使い魔》に向かって掃射した。《使い魔》達は次々と銃撃を浴びて崩れて行く。
わたしも右腕にボーガンを出現させると手近な《使い魔》を倒して行った。
直ぐに《ハコの魔女》だけがその場に取り残された。
暁美さんがマシンガンを《ハコの魔女》に向けたその瞬間、《ハコの魔女》の体であるパソコン画面に突如として鹿目さんが映し出された。
それは私が知らない光景の中での鹿目さんだった。
けれどもその鹿目さんはとても苦しそうな表情を見せていた。
「まどか!?」
それを見て突如として暁美さんはマシンガンを落として取り乱してしまった。同時に暁美さんは苦しそうに頭を抑えていた。
「暁美さん!?」
その原因が《ハコの魔女》だと直感したわたしはボーガンを《ハコの魔女》に向けた。
同時に《ハコの魔女》は画面上に今度は女性を映し出した。
その女性は左右非対称な髪形をして赤色と青色に髪を染め分けていた。
誰なのかは解らない。けれども懐かしい気がした。同時に私の頭に声が響いた。
「朱奈・・・。ごめんなさい」
やはりその声もわたしに懐かしさを感じさせた。けれど誰の声かは解らなかった。
「誰!?」
わたしもそれを見て聞いた瞬間に《ハコの魔女》に攻撃する事を躊躇してしまった。
しかし隣で頭を抱えて苦しむ暁美さんが視界に入ったわたしは意を決し思い切って目を閉じるとボーガンを《ハコの魔女》に向けて発射した。
《ハコの魔女》の悲鳴があたりに響くと同時にわたしは体に衝撃を感じた。
身体に走った痛みを我慢して瞼を開くと《ハコの魔女》が私に向かって体当たりをして来たのだと分かった。
真横では驚きの表情を見せた暁美さんがこちらを見つめている。
わたしは《ハコの魔女》と一緒に体当たりを受けたまま結界の壁にぶつかった。
「うう・・・」
痛くてわたしはうめき声しか出せなかった。
正気に返った暁美さんが落としたマシンガンを持ち直し《ハコの魔女》に向けて構えた。
その時。
突如として《ハコの魔女》の真上から1人の少女が右拳を《ハコの魔女》に向けて落下して来た。
躊躇う事無くその少女は《ハコの魔女》を魔力で輝く右拳で殴り付けた。
《ハコの魔女》は殴り付けられると同時に膨張してそのまま崩れ去って行った。
結界の中を少女の拳が引き起こしたと思しき突風が吹き荒れた。
《ハコの魔女》が倒された段階でわたしはようやく後から現れた少女が《魔法少女》だと思い至った。
少女が結界の地面に降り立つと同時に結界は崩壊した。
わたしと暁美さんと少女、《ハコの魔女》のグリーフシードだけが元の街工場の一室に戻った。
その時、窓から差し込む月明かりがわたし達、3人のいる部屋に注がれ少女の容姿が明らかになった。
緑色の長くて綺麗な髪を生やした少女だった。
「綺麗な人・・・」
わたしは思わずそう呟いてしまった。
「志筑さん!?」
けれども暁美さんは驚愕に満ちた表情を向けていました。どうやら新たに現れた《魔法少女》は暁美さんの知り合いらしい。
「暁美さん!もしかして暁美さんも《魔法少女》なのですか?」
志筑さんと言われたわたしより年上の少女も自分と同じ様に暁美さんが《魔法少女》だと言う事に驚いている様だった、
「どうしてあなたが《魔法少女》に!?」
「それは・・・。私(わたくし)に叶えたい願いがあったからですわ」
2人の間には困惑がある様だった。
志筑さんと初対面のわたしには分からない困惑だった。
けれども隣の部屋から人々のうめき声が聞こえるとわたし達はお互いに顔を見合わせた。
「この場に留まるのはまずいわね。志筑さん。話はまた明日にしましょう」
「そうですわね。じゃあ暁美さん。また明日、学校で」
そう言って志筑さんは手近の窓を開くと外へ飛び出して行った。
「朱奈。私たちも行くわよ」
「うん」
わたしとグリーフシードを拾った暁美さんも手近な窓から外へ飛び出すと街工場から離れた。途中、広い公園に出ると暁美さんは急に立ち止まった。
「どうしたの。暁美さん?」
わたしが声をかけても暁美さんは直ぐには何も言わなかった。
けれど暫くしてわたしの顔を正面から見ると暁美さんは申し訳無さそうに語り出した。
「朱奈・・・。今日はごめんなさい。私が《魔女》の精神攻撃で動揺した隙にあなたは傷を負ってしまった。これは私のミスよ。ごめんなさい」
「良いの。だって《魔女》は倒せたし。それにわたしも昨日、暁美さんに助けられたからこれでおあいこだね」
「そうね・・・。次からは私も気を付けるわ。さあ。帰りましょう」
わたしと暁美さんは再び夜の街を跳躍すると自宅を目指した。
新たな《魔法少女》、志筑さんが現れた事にわたしも暁美さんも驚いていた。
それが暁美さんの言うイレギュラーなのかは分からないがわたしは改めて鹿目さんを助けたいと願っていた。
そして《ハコの魔女》が映し出した左右非対称な髪型で髪を赤と青に染め分けた女性。
あの女性はわたしと何か関係があるのかな?
どうして懐かしいと思ったのだろう?
わたしの無くした記憶と関係があるのかな?
そう思いながらわたしは暁美さんと帰路を駆けた。
今回の話で書きたかったのは仁美ちゃんが魔法少女として登場するシーン!
仁美ちゃんは、まどか☆マギカにおいて割と好きなキャラクターであり彼女が魔法少女となる流れをぜひ書きたかった話です!
でも主人公は朱奈です。