超能力生徒ミノリ 作:ディスク
あの親バカ親父が去り、俺はネギと共に行動していた。その理由は単純明解。どうせ教室でダラダラと過ごすよりもルームメイトと話したほうがマシだからだ。
「うわアァァーっ!?」
ドンガラガッシャン!
…ネギが鳴滝姉妹の罠に引っかかり目を回していた。
「…何をやっているんだか。」
こいつらは本当に中学生か?と思いたくなるが鳴滝姉妹は身長的に言えば10歳のネギよりも小さい。しかしそれを抜きにしてもクラスの精神年齢は低めだ。…例外は数人いるがな。
「「「キャーッ♡かわいいーっ!!」」」
そんなことを考えているとクラスの奴らは新しい玩具を手に入れた子供のようになっていた。
「何歳ーっ?!♡」
「えっ!?10歳です。」
「どっから来たの!?」
「う、ウェールズの山奥の」
「今どこに住んでいるの!?」
「と、実梨さんの部屋に住む予定です。」
相変わらずパワフルな奴らだ。…その前に実梨と呼ばせているのは『時野さん』と呼ばれ慣れていないからだ。
「「「えっ!?」」」
ほぼ全員が俺の方に振り向き、気まずい空気が流れる…その理由は親父がバカやらかしたおかげで悪名が広がり、その娘である俺も危険人物とされた。どのくらいかと言えば俺がニトロと例えるなら親父はTNTとなるくらいだ。
「なんだ?文句でもあるのか?」
そして俺は荒そうな奴が使う言葉遣いで、ウルティマホラに優勝しているから尚更恐れられた。そのため俺の席は1番後ろの席になっている。
「いいえ…ありません…」
はしゃいでいた連中のほとんどはブツブツと「ネギ君死なない…よね?」とか「やっぱり実梨って男っぽいからネギ君と同じ部屋なのかな?」とか聞こえているぞ。
「だから文句があるのか!!」
俺が怒鳴り声を上げると全員が沈黙して席に座った。
「え、えー…それでは授業を始めたいと思います!」
ネギはその沈黙を破り、英語の教科書を開きチョークを取って黒板に書こうとするが…
「と、届かない…」
その愛らしさが笑いを呼び、凝り固まった空気を解した。…つーか今までどうやって来たんだ?教員採用試験だと絶対に落ちかねないぞ?というツッコミは出来ない。その理由は麻帆良は私立であることが述べられる。新田教諭や源教諭を始めとした一般人の教師は超高学歴のスーパーエリートであり教職課程も取っている。だがネギの今の様子から見て魔法使いの学校は教職課程を設けてない…それが許されるのは麻帆良が私立でありコネで就職できるという特質があるからだ。だから俺は突っ込まない。
そんなこんなで授業が終わり、俺はネギの歓迎会をするために買い出しに行っていた。あの場にいても空気が重くなるしな。
「あれは…宮崎か?」
ふと見上げると宮崎が図書館に向かって本を持ってヨロヨロと階段を降りていた。
「あっ…!」
宮崎は足を引っ掛けてしまい階段から落ちてしまった。俺は即座に反応し、音速の末脚もといスーパースプリントで加速し、宮崎がちょうど落ちるところにジャンプした。!?おいおいマジか…宮崎の落ちる速度が遅くなり、周りを見るとネギが魔法を使って宮崎の落ちる速度を落としていた。こればかりは仕方ない。だがこのままではネギと衝突する可能性が高い。となれば一度グライダーを使ってテレキネシスの届く範囲内である階段のところで着地しテレキネシスのフォースで宮崎を助けた。
「えっ…?」
宮崎が違和感を感じて声を出したのか、ネギが魔法を使っていないのに宮崎が止まったのに異変を感じたのかわからないがそんな声をBGMにゆっくりと宮崎を下ろした。
「ま、これでいいだろ。」
別に超能力は魔法とは違って周りに晒すことは禁止されていない(というか超能力が使えるのは俺が知る限りでは俺だけなので晒そうが晒さまいがどちらでも良い)がおそらく主人公であるネギが来た以上ネギ陣営である俺の超能力の対策が一気に進むと考えて良い。ぬらりひょんに見せなきゃよかったと思うがそれはそれだ。なので出来るだけ切り札は取っておくのが重要だ。
当然ネギは違和感を感じるがそれを許さないのが…神楽坂だ。神楽坂はネギに問い詰め尋問している。そのため俺がやったなんてことは気がつかないだろうし、神楽坂に説明しても⑨なので理解出来ない。
「さて教室へ行くか。」
気絶した宮崎と本を図書館にいた綾瀬に引き渡しておいて俺は教室へと向かって歓迎会をすると俺は空気を読んですぐに帰った。…仕方ないだろ?せっかくの歓迎会がお通夜になりかねない。
しかしだ。それでも予想出来ないのが裏世界の住民達…桜咲、龍宮、エヴァンジェリン、絡繰だ。こいつらは俺が逃げたのを見計らって同様に逃げたのだ。おかげで歓迎会はパァ。また歓迎会をやるとなると憂鬱になるものだ。
ちなみにエヴァンジェリンと絡繰が裏世界の住民だと知ったのは俺の親父が起こした親バカ騒動の時だ。親父に殺られかねないとわかったぬらりひょんは闇の福音と呼ばれる魔法使いの間ではナマハゲ扱いされる吸血鬼、エヴァンジェリンを呼び出し数分の間だけ全開の状態で戦わせた。しかしだ。そんなことをしても親父は止められない。「赤信号みんなで渡れば怖くない」と言ったものだが親父の場合は「赤信号みんなで渡れば全滅だ」と言った具合にエヴァンジェリンすらも凌いだ。…本当に人間か?と思ってしまったのは俺を含め全員が共通した認識だった。
ちなみにそのことはエヴァンジェリンから直接聞かされた。逆恨みに攻撃されるかと思えば親父が飛んでくるので攻撃することもままならないらしい。…ひょっとして親父ストーカーになってないか?
話を戻そう。歓迎会がパァになったので再び開くことになり、ネギの意見で全員が歓迎会が終了するまで抜けられないといった具合になってしまった。…生徒達の意見聞けよ!
「…」
俺に話しかけてくるのは神楽坂、木乃香、桜咲、龍宮、雪広、四葉、ザジくらいのものであとは話しかけてこない …あれ?俺って嫌われてないよな?むしろかなり話し相手が出来ていないか?
「そうだよな、ザジ。」
そんな訳で俺はザジと話していた。ザジの話しってなんか面白いんだよな。結構修羅場の話しとかしてくるし。
「…」
「あっははは!マジでか!?」
「ちょっと実梨さん!笑い過ぎですよ!」
噂をすればなんとやらって奴か。
「そういうなよ。おばちゃん。」
二年前雪広が迷子になった初等部の子供を助けて親御さんのところに届けた。それまでは良かった…最後の最後に「きれーなおばちゃん、ありがとー!」って言われてしまったらしい。しかも親が「おばちゃんじゃなくてお姉さんでしょ!」と言ったのでフォローもし辛くなってしまったらしい。ザジが雪広のことをおばちゃんと呼んでいるのはその為だったのか…
「実梨さん…貴方喧嘩売ってますの?」
「…」
おっ!?お前もか!雪広からかうのは楽しいよな。
「ザジさん!貴方まで!」
「「「なんで何も喋っていないのにわかるの…?」」」
何を言うか。ちゃんと喋っているぞ?
「まあこの辺で歓迎会もお開きだ。」
「え〜っ!?」
雪広はネギを見て暴走してしまい、何故か俺が仕切ることになりそう言うとクラスメートから不満の声が上がった。
「ただし二次会、三次会をやって帰りたい奴らは雪広に言え。今帰りたい奴らは俺に言え。解散だ!」
裏世界の奴ら以外のクラスメート達は大騒ぎして二次会をやることにして、俺、桜咲、龍宮、エヴァンジェリン、絡繰、ザシは帰ることにした。ここで神楽坂が二次会に残ったのは意外だがなんだかんだ言いつつも面倒見はいいからな。