超能力生徒ミノリ   作:ディスク

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第9話 合宿という名前の図書館探索その1

そういえばもうそろそろテストか…全く嫌になる。このまましわくちゃのババアになってしまうと考えるとゾッとするぜ。

「実梨!」

神楽坂が部屋のドアを開け、俺の首元を掴む。

「ネギはどこにいるの?」

「知らん。それよりもお前勉強しなくていいのか?」

神楽坂はバカレンジャーレッドであり、その成績は俺の一番苦手な英語ですら勝てないという有様だ。ちなみにバカレンジャー予備軍なる奴らがいる。バカシルバーの桜咲や(行動が)バカゴールドの雪広…そして(英語が)バカグリーンの俺の三人…そのうちバカ八犬士なんて言われそうだ。

「だから図書館行くのよぉぉ!」

「訳がわからん。図書館に行くよりも雪広に教わった方が10倍マシだぞ?」

「あのねぇ…!」

「それだとわからんで。アスナ。」

説明が出来ずもどかしく思っている神楽坂を助けたのは木乃香だった。

「木乃香説明頼む。」

「了解ー♡」

 

〜木乃香説明中〜

 

なるほどな。端折ると図書館島の奥にある魔法の本を手にして落第(実際には小学生行きという処罰だがここでは落第とする)を逃れようってわけか。

「止めとけ。魔法の本なんぞ胡散臭いものはあてにならないし、百歩譲ってその魔法の本があってもそれを使ったらネギが笑って許すと思うか?」

魔法使いは基本的に正義バカだ。それだけ正義バカに目覚めるように教育をされている証拠だ。その教育を受けて育ったネギはイカサマを許すなんてことはしないだろうな。

「それは…」

「でも夕映とかバカレンジャーは張り切って今すぐにでも行きそうな勢いなんよ。」

あの馬鹿ども…どうして楽な方法を選ぶんだ?俺が神楽坂を止めてもむだじゃねえか。

「こうなったら魔法の本がなかった時の保障として強化合宿をする。」

「強化合宿…ってまさか勉強?」

「よくわかったな。これでお前もバカレンジャー卒業出来るかもしれないぞ。」

「ちょっとーっ!なんで合宿なんてなるのよーっ!!」

「黙れ。元々はテストの点数を上げる為に魔法の本を取りに行くんだろ?その魔法の本がなかったらテストの点数上げる為の勉強しませんなんて本末転倒じゃねえか。だったら少しでも点数を上げようと努力しやがれ!」

「う…分かったわよ。」

「幸いにも神楽坂と木乃香がここに来たおかげで準備が出来る。少し待ってろ。」

 

さてと…ノートは必要だな。それから全員分のシャーペン、シャー芯、消しゴム…こんなもんでいいか。辞書は図書館島にあるだろうし問題ないな。後はメモでも置いておくか。

『バカレンジャーと木乃香と俺は図書館島で合宿することになったからしばらくの間休みます。公欠でよろミ☆by実梨』

…後もう一通書いておくか。

 

「よし、それじゃ行こう。」

「ちょっと!ネギはどうするの!?」

「ネギは仮にも教員だ。仕事の関係上合宿に連れて行く訳にもいかねえし、まだ幼い。合宿中、指導するにはいいだろうが…変なところでパニックになりかねない。それでも寂しいっていうなら他の奴を巻き添えにするから問題ないさ。」

「うわぁ…あくどい笑みやなぁ…」

うるせ。

 

〜図書館島〜

 

「さて…これで全員か?」

「もっちろん!」

「魔法の本搜索兼勉強強化合宿の始まりだ!」

「何故私まで…」

桜咲が文句を言っていたので肩に手を置いた。

「桜咲…俺に見つかったのが運の尽きだ。諦めろ。それともアレか?自主勉強してバカレンジャーに迫る成績の下降を止められるのか?」

何をかくそう、こいつが俺の巻き添えになった奴だ。桜咲は木乃香に引っ付いていたからすぐに見つかった。それから説得という名前のマインドコントロール(notブラスト)で見事に合宿に参加させた。

「うぐっ!?」

「さて桜咲も黙ったことだし、行こうか。」

「えげつないアル…」

古菲、ちょっと黙れ。

 

「ちょっと待ってください〜っ!」

鳴り響くショタの声がする!天と地が我を呼ぶ!その名前は実梨!木乃香!刹那!そしてバカレンジャー!

…思っていても恥ずかしいなこれ。

「ネギ!いいんちょ!何でここに!?」

俺達を呼び止めたのはネギと雪広。走ってきたせいか汗をダラダラと流している。

「どうしてもこうしてもありませんわ。図書館島で合宿なんて認められますか!」

「じゃあお前はバカレンジャー達に小学生からやり直せっていうのか?それはいくら何でも過酷だろう。」

「なんですかそれ?!」

俺の言葉に反応したのは雪広ではなくネギだった。

「違うのか?何でも今回のテストで成績が特に悪かったら小学生からやり直しとかそんな話を木乃香から聞いたぞ。」

「でもそれって噂話でしかないから確証はでけへんよ。」

…あのぬらりひょんの仕業か。今度見かけ次第有り金すべてすっからかんにしてやろう。

「つまりデマだったって訳か。じゃあ何でネギは焦っているんだ?」

俺はそれが不思議だった。ネギは期末テスト一週間前から妙に青ざめたりと変だった。俺達が落第するわけでもないのにネギが焦るのはおかしいしな。

「そ、それは…」

「「「「「「「それは?」」」」」」」

「A組が最下位だったら、僕学校を辞めなきゃいけないんですよ!」

「「「「「「「ええーッ!?」」」」」」」

桜咲と俺をのぞいた全員がその事実に驚いていた。

「またぬらりひょんの命令か?」

「でしょうね…」

俺と桜咲はこっそりと耳打ちをして俺は決意した。やるしかないと、

「なら尚更合宿やるしかねえじゃねえか。少なくとも俺は自習ばかりの高畑教諭の授業よりかネギの授業の方がいいしな。それにまさかここで帰るなんて言わねえよな?」

女性…特に日本人は同調したがる。少しでも列を乱そうものなら批判され、ゴミを見るような視線で見られる。なまじ俺の言っていることが正しいだけに論破は無理だ。それに綾瀬や神楽坂は魔法の本自体に興味があるみたいだし反対することはない。残りのバカレンジャーもここまで来て帰るなんて考えることもないし、それは木乃香も一緒だ。桜咲は成績のことを話せば問題はない…となれば問題はネギ。

 

ネギはこの中で唯一反対意見を持つ奴だ。雪広以外に発言力はねえがその雪広は全員を説得出来るだけの力がある。

雪広はネギをどういう目で見ているのか知らんが好んでいるのは事実でネギに賛同する。そうなったら古菲、佐々木、長瀬、木乃香、桜咲も帰りかねない。

「なあネギ教諭、全員が帰ってまともに勉強すると思うか?」

「…僕は皆さんを信じます。」

「信じるだけじゃ駄目だ。俺はこいつらに成績最下位だろうがトップだろうが悔いのないようにしてやりたい。だから合宿させて貰えないか?」

「実梨さん…でも条件があります。僕を合宿に連れてって下さい!」

それは出来ない…と答えたかったが何故、魔法の本の噂が流れたのかが気になる。もしかしたらネギをそこに自主的に連れて行かせるのが目的だったのか…

「もちろんだ。雪広、そういう訳だからぬらりひょんか新田教諭に俺達は合宿に行ってくるから公欠にしておいてくれって伝えてくれ。」

「…ますわ。」

「あ?」

「私も合宿に参加しますわ!大方、実梨さんと木乃香さんは教師役として合宿に参加するのでしょう?」

ネギがいるところに雪広あり…ってか。ここまでネギに固執するのは何故だ?俺がネギと一緒の部屋で寝ているからか…

「…そうだ。俺は英語を除いた4教科。木乃香は英語と俺のサポートみたいな感じだな。」

「なら学年4位の私が指導すればあっという間にバカレンジャーといえども伸ばして差し上げますわ!」

この目は何がどうあろうと無理だな。ネギのことで頭が一杯だ。逆にここで止めるようなら成績を落としかねない。

「そこまで言うなら仕方ない。神楽坂、文句があるなら今の内に言っておけ。」

「なんで私!?」

「雪広と犬猿の仲のお前が一番文句を言いそうなもんだろ?」

「私は確かにいいんちょが好きじゃないけど、成績が良いのは事実でしょ?それに私が止めたところで実梨の説得でどうしようもないわよ。」

「そういうことだ。雪広、堂々と神楽坂に指導出来るぞ。」

「ちょっ!?そこまでは言ってない…」

「あら〜よろしくお願いいたしますわね。明日菜さん!」

それから俺達はむだ話をしながら図書館島の内部へと侵入した。




用語解説

図書館島
麻帆良学園にある図書館の島。ものすごくデカイ
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