雪風のリュート   作:あきゅおす

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2対2の不本意な決闘・準備中

「ねぇ、どうして謝らないの!?」

 

 リュートとサイトは配膳をし終え、厨房で広場に向かう準備をしていました。その傍ら、ルイズとシエスタはサイトを説得していました。

 

「なんで俺が謝んないといけないんだよ!大体、あいつはシエスタの親切に責任を擦り付けたんだ。あの鼻へし折んないと…」

 

が、完全に火のついたサイトを止めることはできません。

 

「私のことは気にしないでいいですから!」

 

 シエスタも必死にサイトを引き止めますが、全く効果はありませんでした。

 さらにサイトが決闘に燃える理由はあるのですが…

 

(言えねえよな…。教室でルイズのことを1番あざ笑ってたのもあるって…)

 

 素直じゃないですね。ツンデレってやつですか?

 一方、決闘を渋っていたリュートはサンダルからブーツへと履き替えていました。そんなリュートにキュルケは声をかけます。

 

「結局戦うの?」

「うーん。俺はどちらかと言うとステーキのことは謝りたいし。血気盛んなことは苦手だけど……」

 

 リュートはチラッとサイトの方を見ます。

 

「だーかーら!」

「いーや!謝んない!」

「ですから!」

 

 3人が言い合ってるのを見て笑顔で続けます。

 

「シエスタちゃんの件があるし、それにああいうバカみたいに真っ直ぐなのを見てると放っておけないからさ」

 

 リュートはサイトを仲間の元ヒーローな青年と重ね合わせました。

 

「ふーん。まあ、死なない程度にガンバって。タバサ、なんか言わないの?」

 

 キュルケは隣で本を読んでいたタバサに訊ねます。

 

「特にない」

「……まあアナタらしいっていえばらしいけど」

 

 そのとき、厨房の作業を終えたマルトーが声をかけます。

 

「おう、兄ちゃん達!貴族と決闘するって本当か!?」

「うん、まあね」

 

 サイトはルイズといがみ合っているので、代わりにリュートが答えます。

 

「そりゃすげえな!なんかできることないか?」

「んー、それじゃあ…」

 

 マルトーの提案にあることを頼みました。

 

 

 

 

 

 

 普段は静かなヴェストリの広場。ですが、今日は生徒の殆どが集まっていました。その中心には、ある2人を除いては、人がいません。

 

「……遅い。普通、こういう時って早めに来るもんじゃないかい?」

 

 待っているギーシュはそう呟きました。

 

「それは配膳とかしてるからでは……?というかギーシュ。僕は決闘をしないからな!禁止されているじゃないか!」

 

 メガネをかけた生徒はギーシュに向けて言います。

 

「それでもいいけど、明日からキミは有名になるよ、レイナール。平民との決闘から逃げた臆病者としてね」

「………キミは最悪だ」

 

 してやったり顔のギーシュを見てレイナールはため息をつきました。

 

「まあ、僕たちが勝てばいいんだよ。それに、決闘が禁止されているのは貴族の間だけだしね」

「……すみません、叔父さん。僕は友人の最悪な理由で誇り高い決闘をしようとしています」

 

 レイナールはもう一度ため息をつきました。

 そのとき、

 

「平民がきたぞ!」

 

と誰かが言いました。

 2人が声のした方を見ると、気合い十分の様子で歩いてくるサイトと普段と変わらない様子で歩いてくるリュートが見えました。

 

「ふん、やっとできたか」

「ああ、その鼻っ柱を叩き折りにな」

 

 ガンくれあうサイトとギーシュに対し、リュートとレイナールはどちらかというと友好的な感じで話しています。

 

「お互い血気盛んなのがいて大変だね」

「ええ、元はと言えばギーシュが悪いんですけどね…」

 

ですが…、とレイナールは付け加えます。

 

「決闘というなれば、全力を尽くします。ジャイアントモールを狩るドラゴンは全力を尽くすとも言いますから」

「まあ、お手柔らかに(ジャイアントモールってなんだ?)」

 

 そんな闘志みなぎるレイナールにリュートは笑顔を向けます。

 

「…戦う前に聞きたいのですが、決闘を前にしてあなたはどうしてそう平然としていられるのですか?」

「こういう場には慣れてるからね。まあ、主に観てるだけだったけど」

 

 巨人とか異星人とか巨大ロボットなどを相手に分身して切りまくったり、巨大な不死鳥のオーラを出して突っ込んだり、銃弾を壁に当ててその跳ね返りであてたり、ドラゴンほどの大きな敵をどつきまわしたり、敵の時を進めて攻撃を終わらせたり……。リュートが入り込む隙があるでしょうか?

 

「それはどういう…」

「さぁ、始めようか!レイナール、準備しろ!」

 

 レイナールが言葉の真意を確かめようとしたところでガンくれ合っていたギーシュがしびれを切らしたように叫びます。

 

「おっと、そろそろっぽいね。その答えは決闘の後で」

「分かりました。手加減はしませんのでそのつもりで」

 

 そう言ってレイナールはギーシュの所へ向かい、入れ違いでサイトがこっちに来ました。こちらも闘志がみなぎっています。

 

「それでは、始めようではないか!」

 

 ギーシュが大声で言いました。

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