謙虚なやつが幻想入り   作:神威ヒロ

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すみませんでしたッ!!更新だいぶ遅れてしまいました!!サブタイ通りちょっと予定変更かもです!!


方針変更

 「ハァ…ハァ…ハァ…」

 

 まだ朝陽が昇り始めて間もない頃、優は紅魔館の廊下をひたすら走っていた。

 

 「ハァ…ハァ…くっ…まだ追いかけてきてるのか?」

 

 彼は今追われていた。

 

 ドン ドォーン……

 

 壁の破壊されている音が聞こえる。

 

 これは……捕まったら殺される!

 

 エントランスを駆け抜け、図書館を駆け抜け、助けを求めただひたすら走る。

 

 「!あそこは…厨房か!咲夜さんがいるかも!」

 

 一筋の希望が優を照らしたそのとき、

 

 

 

 ドゴォッ!

 

 なんと壁を突き破って手が突き出てくる。そのまま服を鷲掴みにされた。

 

 「みぃーつけたぁー」

 

 

 

 ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あそこまで叫ばれるとさすがにショックだよ……」

 「はい、すみませんでした……」

 

 やってきたのはフランの部屋。つまり、彼を追っていたのはフランである。何故追われていたのかというと、それは昨夜のこと―――

 

 

 

 

 

 

 

 「いーちちち……うー…早く治さないと……これじゃ飯もまともに食えないよ……」

 

 優の腕には包帯が巻かれていた。レミリアとの話し合いの中で受けた傷だ。レミリアはというと、血を飲んでいるうちに疲れたのか、お腹いっぱいになったのか、優の腕の中で眠ってしまった。

 

 「やっぱり500年生きてたって、子どもなんだなぁ……」

 

 レミリアに聞かれたらグングニルが降りそうなことをつぶやく優。とりあえずレミリアと話し合いで、いくらか心の傷が癒えたようだったので一安心である。

 

 「慣れないことすると疲れるなぁ…早いとこ寝ちまおう」

 

 時はすでに1時を廻っていた。それに加えた疲労もあり、身体が休養を欲している。

 

 と、いうわけで自室に帰った優。

 昨日と変わらない場所、変わらないドア、ドアノブにまで、まだ5日程度だが身に染みてきている。それはどこか、外の世界とお別れしてしまったような、少し悲しい気持ちになったのだが、そのドアを開けた瞬間、その気持ちは消え去った。

 

 フランドールがソファに座って、足まで組んでこちらを見ていたのだ。そして目が合った瞬間、

 

 「…フッ」

 

 不敵に笑った。

 

 バタン…

 

 思わず優はドアを閉め、部屋をあとにする。まるで、蛇にでも睨まれたような感覚に陥ったので、体がとっさに動いてしまったのだ。

 

 ヤバイヤバイヤバイ殺される殺される殺される

 

 ドォーーン…

 

 突如爆発音。

 

 「~~~~~~~~ッ‼」

 

 夜中なので声を殺して叫び、逃げ惑う優。

 

 こうして朝まで逃げ続けたのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 「でもまあ、鬼ごっこも久々だったし、楽しかったよ」

 「お、鬼ごっこ……」

 

 これぞリアル鬼ごっこ。

 

 「えっと……フランさんは何故俺の部屋に?」

 

 と、質問してみると、フランは怒ってるのか、ジト目で見つめてくる。

 

 「ずるい」

 「はえ?」

 「パチュリーやお姉さまばっかずるい!」

 

 そういって駄々こねる姿は子どもそのもの。だが腕を握る尋常じゃない握力がそれを裏付けさせない。

 

 「いだだだだ何がァ!?」

 「今日は私が優で遊ぶの!」

 

 俺は物か。……って落ち着いてツッコンでいるんじゃない。

 

 「ででででもフランさんももう眠いアアアアア゛!!」

 「寝る前に遊ぶのーーーーー!!………あ」

 「いでっ!?」

 

 突然フランが腕を離したためにズッコケる優。

 

 「…………フフフ」

 「フラン……さん?」

 

 さっきまで駄々こねる子どもだったのに、小悪魔気味に笑うフラン。

 

 「いいんだぁ。バラされちゃっても」

 「な、何をです?」

 「……俺はレミリアさんが大好き……」

 「うわああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

 フランから放たれた言葉は稲妻のように優を貫いた。

 

 「なんで!?なんで知ってるんですかッ!?」

 「ずっと覗いてたから」

 「うわあああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

 優は恥ずかしさのあまり顔が熟れたリンゴのように真っ赤になる。

 

 「そんな大声出さなくても……誰にもバラさないって」

 「…………絶対ですよ?」

 「でもさ。アレって…………愛してるってこと?」

 「ちげえよッ!?…いや、違くないかもだけど違いますよ!」

 

 優は決して恋愛的な意味で言ったのではない。かといって、レミリアにそのような魅力が無いというわけでは、それも決して無い。

 

 「あっはははは!おもしろーい!」

 「…………」

 

 完全に弄んでいる。自分で言うのもなんだが、結構かっこいいこと言ったつもりだったのに、ここまでバカにされると恥ずかしくなってくる。

 

 「でさーでさー、その後は?」

 「え?えーと、レミリアさん、俺の血を吸ってたら寝ちゃって、特には……」

 「血!?お姉さま優ちゃんの血吸ったの!?」

 

 突然フランは血相変えて突っかかってきた。

 

 「優ちゃんて……ええ、まあ……手当もしましたけど……」

 

 そう言って包帯の巻かれた腕を見せる。

 

 「ずるいずるい!お姉さまだけズルイ!!」

 「えぇー……」

 

 再び駄々こね始めるフラン。

 

 「私にもちょうだいっ!」

 「ええっ!?また血ぃ流すんですか!?」

 

 優は昨日のことを思い出す。あの時は夢中であまり意識していなかったが、レミリアから受けた傷はかなり痛んだ。その痛みを思い出し、少し背筋が寒くなる。

 

 「お願い!ちょっとだけ!ほんのちょっと……!」

 「うぅー……」

 

 何度もお願いされ、心揺らぐ優。彼はこういったお願いごとや頼みごとに弱いのだ。

 

 「……わかりました。少しなら……」

 「やたー!」

 

 これは貧血で倒れるな……と心の中でぼやき、腕に巻かれた包帯を解く。

 

 「えー傷の方ー?」

 「当たり前ですよ!こんな怪我二か所もできたらたまりませんもん!」

 「ガブッといきたかったなぁー……」

 

 お姉さんと違って大分肉食だな……と思いながら聞き流す

 

 「……あれ?」

 

 ふと、あることに気づく。

 

 「どしたの?」

 「え、いや……」

 

 包帯は全て取り払われ、生々しい傷が姿を見せる…………はずだった。

 

 

 

 「傷が……ない!?治ってる!」

 「ええ!?」

 

 フランも目を剥いて傷を見る。

 

 「血飲めないの!?」

 「そっちか!!」

 

 フランの着眼点にため息をつき、再び目の前の腕に集中する。やはり、包帯には血痕が残っているのに、傷はきれいさっぱり無くなっていた。

 

 「……どういうことだ?」

 「意志の力が働いたんじゃない?」

 「意志の力……って、うわあああッ!!」

 

 掛けられた声がフランではないと気付き、驚く優。

 

 「フフ、お久しぶりね」

 「ゆ、紫さん!?」

 「あー!スキマ妖怪!」

 

 声の正体は八雲紫だった。久しぶりと言っても1週間ぶりくらいなのだが。

 

 「……あ、優ちゃん。私用事思い出したから、じゃねっ」

 

 どういうわけか、フランはすたこらさっさと、逃げるようにさっていった。

 

 「あらあら嫌われてるわね私。傷つくわぁ」

 「どうしたんです?急に」

 

 優は率直に尋ねる。

 

 「ちょっと、本当に傷ついたんだから、無視しないでよ。……まあいいわ。ちょっと、今後のあなたの衣食住について、いろいろ考え直したの」

 「衣食住?」

 

 紫はよっこらしょとスキマから身を乗り出して床に足をつける。

 

 「ええ。色々な場所を転々とするより、安定して生活できるような場所を見つけた方がいいと思ってね。昨日も危険な目にあったみたいじゃない?」

 「!」

 

 紫は優の腕を指差す。どうやら気づいていたようだ。

 

 「……覗いてたんですか?」

 「なんのことかしらねぇ……」

 

 絶対に覗いてたな。霊夢や魔理沙にバラされるのはもはや覚悟するしかない。この賢者様に約束事など無意味なのだ。

 

 「まあいいです。それで、何かあったんですか?」

 「ええもちろん。人里でちょっと仕事してきたわ」

 

 そう言って紫はスキマから、なにやら布のような物を取り出す。

 

 「はいこれ」

 「……?なんですかこれ?」

 「エプロンね。八百屋の」

 「は?」

 

 布を広げてみると、確かにエプロンであり、左胸の位置には『八百屋片山店』とかいてある。

 

 「片山店……?」

 「そ。人里にある八百屋なんだけど、今人手が足りてないらしいの。それで、お手伝いをする代わりに泊めてもらえるって話になったのよ。どうせあなた、居候の身として、手伝いとかなんかしてないと落ち着かないでしょうしね。あなたはそういう子でしょう?」

 

 ペラペラ説明する紫を真っすぐ見つめて肩を震わす優。しかし、それは色々勝手に決められて怒っているのではなく、自分のことをしっかりと見て気にかけてくれた紫への、純粋な感動から来たものであった。

 

 「あ、ありがとうございます!」

 「ふふん。もっと褒めてくれてもいいわよー」

 

 紫はウィンクしながら指をパチンと鳴らす。

 

 すると優の真下にスキマが開いた。

 

 「それじゃあレッツゴー」

 「ってちょっと待ったぁあああ!!」

 

 すると優は素晴らしい反射神経で両腕を開き、inスキマにされるのを防ぐ。

 

 「あら?」

 「あら?っじゃないでしょうに!今から行くんですか!?」

 「ええそうよ」

 「ダメッ!今すぐはダメッス!!」

 

 大声張って全力で抗う優。

 

 「お、お礼!それにまだレミリアさんやフランさんに外の世界のお話してる途中だし、パチュリーさんの脱ひきこもりも完了してませんんんん!!」

 「えぇー……律儀ねぇ……今時幻想郷じゃ珍しいわよ……」

 「それは幻想郷がおかしいッ!」

 

 そこまで言うと、紫が優の体を起こす。

 

 「まったくしょうがないわね……3日待つわ」

 「ありがとうございます!ゆかりん!」

 「あははは!しょーがないわねー!全然待つわ!」

 

 優は分かってしまった。紫の扱い方を。少し恥ずかしいが「ゆかりん」の効果は絶大とみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「それじゃあ3日後に!」

 「はいはーい。ちゃんと荷造りしておいてねー」

 

 優は心から紫に感謝し、走り去る。

 

 紫はその後ろ姿をずっと見つめる。

 

 「あ、意志の力について話しそびれた。まあいいか。…………意志を力に変える……ねえ。攻撃力や運動能力。そして回復力、治癒力……か。使い方によっては恐ろしいものになりそうねぇ……」

 

 紫はどっこいしょとスキマに入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 優。あなたは耐えられるかしら。外の世界の現実に………

 

 紫はまるで最初から居なかったかのように、消えるように居なくなった。




アカン。これオリキャラ出す流れや。申し訳ございません。これ以上オリキャラ出さないって決めてたのにぃぃいいいい
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