いたい。身体中が痛い。
なんだろう。筋肉痛かな?そんな激しい運動したっけか。···寝心地が悪いな。
何か大変なことがあったような···
ああそうだ。変な声が聞こえたと思ったらマンホールの穴に落ちたんだった。じゃあ此処はマンホールの中か。マンホールの中ってことは、うわくっさ·····くはないな。
········
風が気持ちいいな。暖かい日差しもあってまた眠くなってきた。········zzZ········
「···っじゃなくてッ!!」
痛む身体を起こして精一杯叫ぶ。
「何処だよ此処ぉーーー!!!!?」
暫くして、俺はどこまで続くか分からない森をただひたすらさまよっていた。
「なんなんだここ···腹減った···喉乾いた···帰りたい···」
自分で居なくなりたいとか行っておいてなんだが、この事態は少々洒落にならない。そもそも何でこんなことになったんだ?マンホールの中に別世界が?そんなわけあるか。漫画か。誰かいないのか。誰でもいいから出てきてくれないだろうか。
ガサガサ
おっ。呼び掛ける前から出てくるなんて、タイミングいいな。
ザッ
「あの、すみません。道をお尋ねし、た···い···?」
グルルルルウウゥゥ···
確かに誰でもいいと言ったけど、
グゥゥガァァアアッ!!!
「こんな化け物呼んでないよぉぉおおぉぅうわあああああああああああああ!!!!!」
クッソ!!なんだこのゴリラの体に狼みたいな顔をしたやつは!!?やべぇ、追い付かれる···!!
チクショウ!!こんな訳の分かんない世界で死ぬのかよ!!こんな·····これ夢じゃね!?
思いっきり頬っぺをひっぱた。普通に痛かった···
「ハッ、ハッ、なんかっ、武器になるもんが、あればっ!!」
すると地面に木の棒が落ちているのを見つけた。なかなかの長さに太さだ。
「ぐっ!!」
転びそうになりながらもそれを拾い上げる。
どうする?ただ普通になぐったとしても木の棒の方が折れちまうかもしれない。あいつに効果的にダメージを与えるには···
俺は決死の覚悟で振り返った。
「お···らぁっ!!」
殴ったのではない。渾身の力で突き刺したのだ。
グオオオオオオオオオオオオオ!!!
木の棒は怪物の首もとに深く突き刺さった。
血を流して悶えてるが、死にそうにない。あいつが苦しんでいる内に逃げてしまおう。
俺は最後の力を振り絞って走った。
「ハアッ、ハアッ、ハアッ···疲れた···」
やっと開けた場所に出た俺は、今までに無いくらい疲労して、フラフラと倒れそうになっていた。少し大袈裟に見えるかもしれないが、無理もない。剣道は無酸素運動なのだが、陸上やサッカーなどの有酸素運動に比べて、鍛える筋肉がかなり異なる。剣道一本で生きてきた優にとって、長距離走は大の苦手なのだ。
「ハアッ、ハアッ···こんなことなら、もっとスタミナつけとくんだった···」
今、さっきのような化け物が襲ってきたら今度こそおしまいだ。だから早く助けを呼ばないといけないのだが···
ドサッ
疲労と緊張から解き放たれたことにより、身体中の力が抜けてしまった。
「ああクソ、もう体が動かねぇ···俺、此処で死ぬのかな···」
情けないことに涙が出てきた。
ガサガサ···
「もう少し···寝かせてくれよ···」
ここまでか···
ああ、やりたかったゲームあったのに···
まだ女の子と付き合ってもいないのに···
母さんと父さんに何もしてあげれてないのに···
優はゆっくりと目を閉じた。
最後、ボヤけた視界に映ったのは、紅白の化け物だった。
4000字はいくように頑張りたい。