紅白の化け物が俺の前に立ちふさがる。
「ぐふははははは!!うまそうな人間だ。この我が喰らってやる!!」
「こんなところで、俺は···死ぬ、のか···」
化け物の手が迫る。
俺は···喰われるのか···?こんな化け物に···喰われて····たまるか!!
うおおおおおおおおおおおお!!!!!!
「俺の勝···ち···あれ?」
気がつくと、俺は布団の中にいた。
夢?ここはどこだ?布団の中ってことは、誰かが助けてくれたのか?
俺は体を起こし、周りを見渡した。
すると隣には···
「あら、目覚めたの?」
紅白の化け物が。
「ゥあああああわあああああああああああああああ!!?」
「まったく、化け物を見たような叫び声だすなんて失礼なやつね。」
「本当にすみませんでした···」
化け物ではなく女の子だった。どうやったら見間違えるんだ···混乱してたせいか。
「で、勝ったの?」
「な、なにがです?」
少女はニヤニヤしながら話す。
「紅白の化け物。」
「え」
も、もしかして声に出てた···?俺、そんなに寝言激しかったっけ?
「その、どんな寝言でした···か···?」
「『紅白の化け物が俺の前に立ちふさがる。』から。」
「全部自演!?」
しかもナレーション付きである。恥ずかしくて死にそう。
「と、とりあえず、助けてくれてありがとうございました。」
「別に。仕事だし。」
なんか素っ気ない人だなぁ。すっごい美人だけど。綺麗な黒髪で、リボンがよく似合う。
「ん、なに?」
「い、いえ。なんでも···」
危ない危ない。少しみとれてしまった。女性をガン見するなんて俺としたことが···
「まあいいわ。それで、アンタ、外来人でしょ?」
「外来人?」
「ああ、外来人っていうのはあっちの世界、即ちアンタのいた現代からこの幻想郷に迷い混んだ人間のことよ。」
幻想郷···あっちの世界から、こっちの世界···?どゆこと?何か俺···アブナイとこに来ちゃったんじゃ···。綺麗な顔して、普通じゃないよね。
「今、すごく失礼なこと考えなかった?」
「いえ、そんなことは」
顔に出てたか?この人鋭いな。
「とりあえず、この世界について手短に説明するわ。」
その後、手短かつ詳しくこの世界について教えてもらった。まず、ここは幻想郷という場所ということ、俺のいた世界とは少し異なるということ、俺を襲った化け物のこと、その化け物が、幻想郷には山ほどいるということ。
···幻想郷って怖い!!
「と、まあこんな感じね。分かった?」
「幻想郷は怖いってことがよく分かりました···」
「まあそうでしょうね。紫が来ないと、アンタを元の世界に帰せないし···」
「紫?」
「そ。幻想郷一、厄介で胡散臭い···」
「やっほー☆呼ばれて飛び出て紫ちゃん参上~!!」
「うわぁっ!?」
突然背後から大きな声がしたと思えば、金髪の女性が飛び出してきた。
霊夢さんはまるで無機物でも見るかのような眼差しを向けている···
「な、なに?その目···」
「大妖怪なんだけど、まったく。いい歳してなにが『紫ちゃん参上~!!』よ。恥ずかしくないの?」
容赦無く冷たい言葉が突き刺さる。
「ひ、酷い···そんなに言わなくても···」
かなりのダメージを受けたようだ。
「あなたが紫さん、ですか?」
「ええ、そうよ。私が八雲紫。」
これまたすごい美人だ。今はそんなこと思ってる場合じゃないんだけど。
「紫。アンタがこの人を連れてきたんでしょ?」
「ええ。」
え、そうなの?
「マンホールの下に広がる世界じゃないんですか?」
「アンタ話聞いてた?」
「聞いてましたけど、やっぱり信じられなくて···」
マンホールの下に世界が広がってんの?っていうことに、後から気づいた。バカか。
「紫さん。あなたはどうして俺をこの世界に?」
「だーってぇ。ウジウジしてたんだもーん。」
それだけ!?そんな理由で異世界に連れてこられたの!?まあ確かにウジウジしてたかもだけど、そんな人なら、それこそ山ほどいるだろう。なんで俺が連れてこられんの?くじ引きとか、そんなノリ
「アンタ、それだけの理由で連れてきたの?私の仕事増えるからやめてくんない?」
「いいじゃない。減るもんじゃないし。」
「私の安寧が減る。」
サッパリしてるなー···
あっ、俺ってばこんなことしてる場合じゃねえんだった!試合近いし、レギュラーは嫌だけど、なった以上責任持って臨まないと。
「···ってことなんで、今すぐ帰して貰うってことは···」
「無理ね。」
「即答!?」
どうやら紫さんの気まぐれに付き合わされるらしい。まあでも、この機会だ。この世界には大変興味がある。話によると、幻想郷は自然豊かで、外の世界より二つほど時代が遅れているらしい。是非観光してみたいものだ。
「心配しなくていいわ。外の世界と幻想郷では時間の流れが違うから。そうねぇ、明日帰ったとしても、外の世界では1秒経ったってところかしら。」
すげぇ!!こんな非科学的な現象が存在してたなんて!!···あれ?なんで外の世界より時間の流れが早いのに時代が遅れてるんだ?ここは日本の山奥の一部を切り取って結界で覆われてできた世界だという。日本語で通じてるところを見ると、日本であるのは確かだが。幻想郷での1日が外の世界で1秒だとすると、1年で365秒、約6分。とんでもない時差だ。それなのに時代は遅れるのか···? ああ、ヤバい。頭が爆発しそう。
「それで、俺は何日此処にいれば良いんでしょうか?」
「うーん。ざっと3年?」
Oh no···
さ、3年って、3年間ノーホーム·ノーマネーで過ごすの···?
軽く絶望した。
「ってことだから、今日のところは泊まらせてあげるって言ってんの!」
「いやですから、男女が一つの屋根の下で一晩過ごすなんて、色々まずいですってば。」
「じゃあどうするっていうの?」
「野宿します。」
「妖怪に喰われるわよ。」
「それは嫌です···」
「どっちなのよ!?」
俺と霊夢さんは今日俺が神社に泊まるか泊まらないかで口論していた。いくらなんでも女の子の、しかも一人暮らしの子の家に泊まるなんて出来ないだろう。
「あーもう分かったわよ!!」
どうやら霊夢さんが折れたようだ。
「私が泊まって欲しいの!!これならどう!?」
そうきたか。
「お願い。私の、家に、泊まって···くれない···?」
なにこの人可愛い。頼まれたら断れないじゃん。
「わ、分かりました。一晩だけ···」
結局、折れたのは俺だった。
晩御飯は紫さんが色々持ってきてくれた。あの不気味な穴、スキマというらしいが、便利なものだ。ポケット、落とし穴、サプライズ等々···使い方は様々。
泊めて貰うということで、俺も色々手伝った。
「アンタ、料理できるの?」
「まあ、家庭科の授業で習ったものくらいなら···」
「霊夢ちゃんも中々のものよ~。でも面倒くさがってあんまりその腕をふるわないのよね~。」
「うっさい紫。」
お風呂までいただいてしまった。もちろん霊夢さんの後。風呂に浸かりながら、明日のことを考えていた。
「今日は霊夢さんに泊めて貰うとして、明日はどうしよう···野宿はやっぱり嫌だしなぁ。俺には『私はお金を一銭も持っていません。あなたのお家に泊めて貰えませんか?』なんて言えないしなぁ···」
芸能人ってすげぇ。改めて思った。
結局、なんの目処も立たないままだった。
寝室に案内された。一枚の布団まで敷かれてあった。そこまでは良かったのだが···
「じ、じゃあ寝ましょうか。」
霊夢が布団に入ったのを見届けて、
「はい。おやすみなさい。」
俺はそっと部屋を後にした。
「ん、え?ちょっとどこに行くの!?」
「そこら辺の廊下で寝ようかと。」
「風邪ひくかもしれないじゃない!」
「霊夢さん。じゃあどこで寝ろと。」
「そりゃあ、布団で···」
「布団は何枚あるんです?」
「一枚だけど···」
「はあ···」
俺はため息をついた。
「霊夢さん。もう少し警戒心を持った方がいいですよ。俺としては嬉しいんですけど。自分を抑制する自信はありますけど、俺だって男ですから。襲いかかるかもしれませんよ?霊夢さん、凄く可愛いんだから···」
「な!?か、可愛い!?」
マズった!!また変なこと口走っちまった!!
「か、可愛くなんかないわよッ!!」
えー、その容姿で言っちゃうか。
「だから!わ、私と一緒に、寝て···下さい···」
俺を殺す気か。断れるわけないだろ。
「わ、分かりました···」
一枚の布団の中で、二人は背を向け合って、眠りについた。
俺こんな性格だったっけ!?早速タイトル変えなきゃじゃね!?
そんなメメタァな夢を見た。
こんな、はずは···なぜイチャイチャしてるんだ···!?
なぜメメタァなんだ···!?
絶対誤字脱字あります。