うへ~眠れない···まあ、この状況で眠れる奴なんて女性に興味のない奴かラブコメの主人公くらいだよな···そろそろ夜明けかな。もう少しの辛抱だ。
「うう~ん···」
「ファッ!?」
やべえ変な声出た!ってか、霊夢さんが、背中に抱きついて···!?おおおお落ち着け俺···心を無にするんだ。やましいことは考えるな。目を瞑ってればそのうち寝れるんだ。
······
「ん···」
ギュッ
だぁめだぁぁああああああああ霊夢さぁぁぁぁぁあああああん!!!!!
半分気絶したように、俺は浅い眠りに落ちた。
「ほら、起きなさい。」
「うぅん···」
「朝ごはんもうできてるから、起きなさい。」
「おお、おおおおおおおお······」
え、何こいつ大丈夫かしら。なんか悪霊にでも取り付かれたのかな?
「だめだ霊夢さんッ!!!」
突然、優が目覚めた。
「なにがだめなのよ。」
「何って···あ、あれ···?」
どうやら夢をみていたようだ。
「朝ごはん、出来てるから。食べるでしょ?」
「あ、ありがとうございます。」
夢の内容は、忘れよう···
「「いただきます。」」
朝食は霊夢さんが作ってくれた。
「わ、凄く美味しい···」
「そう?ありがとう。」
パクパク···
·····
なんか気まずい!!
どうしたんだろ。朝は機嫌が悪いのかな?とりあえず、何か話題を···
「霊夢さん。一晩泊めて頂いて、本当にありがとうございました。このお礼は必ずします。」
「一晩と言わずにもっと泊まっていけばいいのに···」
「うわぁっ!?」
いつの間にか紫さんが隣に座っていた。···普通に入ってきてくれないだろうか。心臓に悪い。
「いえ、さすがに迷惑ですし、一晩って約束でしたし···」
そうだ。一晩って自分で言ったんじゃないか。言ってから思い出した。うーん、今日はどうしよう···
「「「ごちそうさまでした。」」」
いただきます。は二人だったのに、ごちそうさまでした。は三人の声で返ってきた。
霊夢さんは縁側でお茶を飲んでいる。どうしよう。どのタイミングで出ていこう···
とかなんとか悩んでいると···
ドォオオン
「な、爆発!?」
神社の目の前だ。煙が上がっている。···その煙の中から人影が。
「まったく。普通な登場の仕方出来ないのかしら···」
同じく。心臓に悪いったらありゃしない。
「よぉ霊夢!!」
煙の中から現れたのは、金髪の魔法使いのような格好をした女の子だった。
「んあ?誰だそいつ?」
「外来人よ。昨日迷い混んだ。」
「ふーん···」
魔法使いさんが歩み寄ってきた。なんか幻想郷って美人多いね。
「私の名前は霧雨魔理沙!普通の魔法使いだぜ。よろしくな!」
「か、神崎優です。よろしくです···」
「なにビビってんだ?」
いやビビってるわけではないけど。
「そういう性格なのよ。私には慣れたみたいだけど。」
慣れたというか、霊夢さんがとても接しやすかったというか。
「まあいいや。私に聞きたいことがあったら何でも聞いて良いぜ。答えられる範囲で答えるから。」
この人凄いいい人だ。
「えーと、じゃあ、さっきの爆発は一体···?」
この人爆発の中から出てきたんだよね。ってことはこの人が爆発を起こしたんだと思うけど。
「爆発?ああ、さっき着地したときな。」
「着地?」
ジャンプして着地。からの爆発。そんなことあり得るのだろうか。俺は試しにジャンプした。何も起こらない。当たり前だけど。
「勢いつけたら結構爆発するぜ。」
···言ってる意味がよく分からない···
「こうやって···」
そう言って魔理沙さんは箒にまたがって地面を蹴った。
「霊夢さん···」
「なに?」
「魔理沙さんて、人間じゃないんですか?」
「人間よ。」
「えー···」
人間が飛んでる···この世界はなんでもありか!!
「いっくぜ~!!」
魔理沙さんが物凄いスピードでこっちに来た。これは···
ドォオオン
俺の体は宙に浮き、そのまま飛ばされた。あれ、俺も飛んだぞ?
霊夢さん平然と立ってるし···
「いやー悪かった!お前が普通の人間ってこと忘れてたぜ!!」
「いえ、大丈夫です···」
容赦なく吹っ飛ばされた俺は、霊夢さんの手によって空中キャッチされ、一命をとりとめた。霊夢さんも飛べたのね···
「ってか霊夢。お前こいつに幻想郷の説明したのか?」
「そういえば色々はしょってたわ。」
えー···
幻想郷では特殊な能力を持っている人間や妖怪、神様がいるらしい。霊夢さんや魔理沙さんも特殊能力を持つ人間である。そしてその能力を駆使して行われる決闘、「弾幕ごっこ」というものがあるらしい。美しく相手を制した方が勝ちだという。···ここら辺はイマイチ分かってないが···
「まあ見た方が早いんだぜ。」
ということで、霊夢さんと魔理沙さんが弾幕ごっこを見学することになった。
「いくぜ十八番!!マスターァスパァアーク!!!」
「そんなばか正直な攻撃じゃ私は倒せないわよ。」
「まだまだぁ!!」
さっきから俺の頭上を、きらきらしたものや極太レーザーが飛び交っている。これが···ごっこ···
「スターダストレヴァリエ!!」
「八方龍殺陣!!」
「ブレイジングスターァアアア!!」
「夢想封印!!」
ドカン!チュドン!!
確かに綺麗だ。美しくてみとれてしまうほどに···けど、流れ弾のせいで周りの被害が凄いな。そのうちこっちに来るんじゃn···
優は目の前が真っ白になった!!
「だぁー負けたぁあ!!」
「ふふん。まだ私には敵わないわね魔理沙。」
「くっそー!!次こそは···!!」
「どう?見てた?優···」
そう言って下を見たが、誰もいない。見えるのは凸凹になった境内だけだ。
「えーっと···」
「どこいった···?」
何故優がいなくなったのか。二人には明確に分かっていた。
優はお賽銭箱の裏まで振っ飛んでいた。
「うぅ~ん···」
「おーい。大丈夫かー?」
「まさか、流れ弾でピチュるなんて···」
二人は優を縁側まで運び、看病をしていた。なんというか、世話のやけるやつだ···
「弾幕ごっこなんて···ジャンケンじゃダメなの?」
「なんか意味不明なこと言ってるぜ。」
「戦いには向かない性格なのかしら···」
まあこいつが戦うことなんてないだろう。霊夢はそう思った。
「本当にご迷惑をおかけしました···」
「いいっていいって。悪いのは私たちだし。」
「そうね。もっとアンタに気を使ってればよかったわ。」
いい人たちだ···ちょっと変なところもあるけどいい人たちだ···
「弾幕ごっこについては理解したかしら?」←完全に空気だったゆかりん
「ああ、アンタいたのね···」
「酷い···ずっといたじゃない!」
「私は今日初めて見たぜ!!」
「酷い···」
紫さんって、大妖怪のわりには弄られキャラなのね。
「凄く綺麗でした。当たった時凄く痛かったけど···」
見てるだけじゃ分からなかったけど、実際当たったらヤバい。めっちゃ痛い。
「まあそうよね。慣れればどうってことないけど。」
痛みに慣れってあるのか···
「あなたもその内慣れるわよ。」
「え?」
「色々教えてあげるわ。」
「いやいやいやいや!!僕やりませんよ!!?弾幕ごっこなんて!!」
「えー。さっき綺麗って言ってたじゃない。」
「それは客観的に見てってことです!!痛いから嫌です!!」
「そうやって、嫌なことから逃げるんだ···」
うぐっ···
そうだよ、俺はいつも嫌なことから逃げてて···他人の顔を伺ってばかり···俺は謙虚なんかじゃない···自分過小評価することで逃げていた···卑屈で臆病なやつだ···
だけど、もうそんなの嫌だ!!俺は逃げない。強くなって、元の世界に帰るんだ!!
「分かりました。いや、お願いします。俺を強くしてください!!」
「フフフ、そう言うと思っていたわ···」
こうして、俺は自分と戦うことを決めた。絶対に強くなってやる···!!そんな強い意志を心に持って···
「あっさり紫に丸め込まれてんじゃない、アイツ···」
「まあそう言うなって。やる気になったんだからいいだろ?」
極端なやつだ···霊夢はそう思った
次はどこに泊まろう···