謙虚なやつが幻想入り   作:神威ヒロ

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サブタイの通り、紅魔館はぽかぽかしてます。


あったか紅魔館

 ついに姿を現した吸血鬼!!

 

 鋭い目付きに鋭い牙!!鋭い爪!!

 

 そして悪魔を象徴するかのような立派な翼!!!

 

 これこそまさに!!

 

 

 

 

 

 

 まさに···

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あれ···?」

 予想外···と言うか、想像すらしなかったと言うか···

 

 思ったより···ちっちゃい···

 

 「あなた、今失礼なこと考えなかった?」

 おっと気づかれた。どうやら勘も鋭いようだ。

 「いいいい、いいえそんなことはっ!!」

 「分かりやすい人間ね。」

 

 クスクスと上品な笑い方をする少女。

 この少女こそ、紅魔の吸血鬼・レミリア·スカーレット。

 

 ···だよね?

 

 「まあいいわ。ようこそ。紅魔館へ。私の名前はレミリア·スカーレット。今宵はどんな用事があってここに来たのかしら?」

 「!!」

 

 この娘···ちっちゃいけど、溢れだすカリスマが半端じゃない。とても穏やかな顔をしているのに、蛇に睨まれている気分だ。

 

 ここは、ストレートに言った方がいいのか?

 そもそも魔理沙を介して交渉する筈だったのに、魔理沙は今ここには居ない。

 

 ···機嫌を損ねて殺されるのも怖いし···

 ここは引き返そう。例え野宿でも、殺されるよりかマシだから。

 

 「え、えーっとぉ···」

 まずい。肝心の言い訳が思いつかん。

 美鈴さんや咲夜さんにも主に用があるって言っちゃったし···

 ここは正直に···

 

 

 「おーいレミリアぁー!!いるかぁー!?」

 金髪の魔法使いが扉を荒々しく開けて入ってきた。

 

 

 なんつータイミング···

 

 

 「おお?なんだ優。お前もういたのか。意外と根性あるのな。」

 「ま、魔理沙···?交渉の約束は···」

 「本読んでたら、すっかり忘れちまってたぜ!!」

 

 こんのッ···!!

 

 いやまてまて落ち着け。魔理沙は恩人だ。そのくらいどうってことないさ。そもそも助けて貰ってる身の俺が怒る権利なんてありはしない。少し頭を冷やそう。

 

 「そ、そっか···」

 「悪いな。って訳で、交渉開始だ!!」

 切り替え早いね!?

 「なあレミリア。こいつを一晩「わぁー!!待った待った!!」···なんだよ急に?」

 俺は魔理沙を引き止め、囁いた。

 「(本当にここで泊まれるのか···?)」

 「わかんないぜ!!」

 「(いやわかんないって···殺される可能性は···?)」

 「あるっちゃあるね。」

 「(あんの!!?)」

 「さっきから何をコソコソとしているのかしら?」

 「ひゃあい!?」

 変な声がでた···!!

 

 これ以上、お嬢様を待たせるのは危険だ。やっぱり正直に···

 

 「なあレミリア。こいつを一晩ここに泊めてやってくれないか?」

 「ちょ、まっ···」

 「あらあら。随分と急な話ねぇ。」

 「いや、だから···」

 「簡単に言うとだな。こいつは昨日幻想入りしてきた人間でかくかくしかじか。」

 

 なってこったい。

 

 魔理沙はぐいぐいと話を強引に進めてしまった。

 

 「って訳なんだけど···」

 「ふーん。」

 

 終わった··· なにもかも·····

 

 ああ、興味なさそうに俺を見るその視線がイタイ···

 

 「どうだ?」

 「そう、ねえ。仮に泊めたところで、私にメリットはあるの?」

 

 いや。俺なんかを泊めたところで、メリットなんて無い。もはやデメリットしか無い。

 

 「俺を泊めたところで···「朝昼晩よーく働くし!意外と飲み込み早いとこあるし!顔も二枚目?だし!なにより外の世界の話なんて興味深いだろう!?」っておおおおい!!!!!!」

 

 「たしかに···そうねぇ···」

 しばし考えるお嬢様。

 お嬢様。騙されちゃぁいけないぜ。

 なんの取り柄の無い凡人を泊めて下さったところで、貴女にメリットは···

 

 「よし分かったわ。あなたを一晩、紅魔館で泊めてあげる。」

 

 ひぁあ゛

 

 「おー助かるぜレミリア!よかったな、優!」

 「あ、ああ···」

 「よろしく頼むわ。あなたの名前は?」

 「か、神崎優です···」

 「そう。外の世界の話、楽しみにしているわ。」

 

 

 

 

 

 

 拝啓、お父様、お母様

 

 生きて帰れないかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「じゃ、ここがあなたの部屋ね。」

 「ひゃい。ありがとうございます···」

 咲夜さんに部屋を案内された。

 ···案内無しじゃ迷子になるんじゃねえの?ってくらい複雑な造形だった···

 「それとあなた、朝昼晩仕事できるんですって?」

 「いえ、あれは戯れ言です。」

 「あらそう?」

 咲夜さんの残念そうでいて、そうでもないような顔を見て我に帰った。

 「い、いや泊めて頂くんですから、出来る限りのことをしますよ!?」

 「いいのよ。あなたはお客さんなんだから。ゆっくりして頂戴。」

 「あ、ありがとうございます···!!」

 

 なんていい人なんだ!これでメイド長で、お嬢様の従者で、家事全般できて、その他接客や買い出しなど···あれ?

 「あの、咲夜さん。咲夜さんはどんな仕事をされているのですか?」

 「そうねぇ。朝は朝掃除から朝食の準備、洗濯して洗濯物を干して、それが終わったら昼食を作って昼の掃除、妖精メイド達の教育、戦闘指導、人里に買い出し、夕方にはお嬢様を起こして身の回りのお世話、夕食の準備、お嬢様は流水が苦手だからお風呂はとても気を使わなきゃいけないの。それからお嬢様の暇潰しにお付き合いし、明け方にはお嬢様を寝かしつけ、1日終了ね。」

 

 

 

 

 ( °д°)·····

 

 

 「どうしたの?」

 「咲夜さん···寝てます?」

 「ええ。1、2時間くらい。」

 「2じか···」

 「あ、そろそろ夕食を作らなきゃいけないわ。準備がおわったら呼びに来るから。それまでは適当に寛いでて。」

 「え、あの···」

 「それじゃ。」

 

 

 

 咲夜さん、大丈夫だろうか。

 まさにパーフェクトなメイドさんだが、もう少し自分自身を大切にした方が良いんじゃないか。まあ、赤の他人である俺が言える事じゃないけど···

 

 明日は出来る限りお手伝いをしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ものの5分で夕食に呼ばれた。

 しかし、大テーブルの上は豪華な料理で埋め尽くされていた。どうなってんの?

 

 席にはレミリアさんにレミリアさんの妹であるフランドールさん、図書室の管理人であるパチュリーさんに小悪魔(名前は無いと言っていた)さん、美鈴さんに咲夜さん、そして俺。

 他の妖精メイドさん達は別の食堂で食事をしているらしい。

 

 食事は終始、賑やかであった。居心地の悪さはなく、軽い自己紹介をして打ち解けることができた。最初こそビクビクしていたが、紅魔館の皆さんの暖かさで、そんなものはすっかり心から消え去っていた。

 

 

 

 

 「なんか、幸せ過ぎて怖い。」

 おいしい食事を頂いて、男性浴場は一人占めで(紅魔館にも男性は居なかった)、気分もほっこり。そこらの高級ホテルよりずっといいおもてなしを受けて、しかもお金を取られない。

 なんか申し訳ない気持ちになってきた。

 このおもてなしの分を、明日きっちり働いて返そう。

 

 そう心に誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「咲夜。」

 「はい。お嬢様。」

 「明日、寝る前の話は優にしてもらうわ。」

 「よろしいのですか?」

 「ええ、外の世界の話を聞くって約束もしたし。」

 

 

 

 楽しみだわ···

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




文字稼ぐのって、難しい···

そろそろ優の設定とかはっきりさせないとなぁ。(題名詐欺疑惑。)
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