大海賊時代の天使 作:キソケドゥ
ファルサリアが海軍本部に現れる少し前。ローエングリンは偉大なる航路の空で、ある人物に出会った。
~ローエングリンside~
ドラム王国…もとい、サクラ王国へ向かって翔んでいたんだが…この世界の人間にも、空を翔べる人間が居たようだ。しかもあの男は確か…
「凄いな、翼も無いのに翔べるのか?それとも、その桃色のモコモコしたコートで翔んでいる…訳では無さそうだな。」
「フッフッフ…こいつは驚いた、この気候のデタラメな偉大なる航路の空を翔んで移動する命知らずが居たとはな。トリトリの実の能力者か?見たところ、モデルは白鳥…体の一部のみを変質させてると言う事は、それなりに能力を使いこなしてるって証拠だな。」
全く。会う人間皆が聞いてくる質問だ。この世界には悪魔の実と言われる不思議な木の実があるそうだが。
「私の翼は自前だ。悪魔の実の能力では無いぞ。」
「自前だと?なら、空島の出身か?飛行能力は無いと思ってたんだがな…?」
「なんだ、この世界には空に浮かんでいる島があるのか?是非一度行ってみたいな…面白い物があるかも知れないな。」
うん。空に浮かんでいる島か…雲の上にあるのだろうか?楽しみには事欠かないな。おかげでブリテンへ帰る方法が後回しになりつつあるが。
「……空島も知らないだと?本当に一体何者だ?」
「ああ、自己紹介がまだだったな、失礼した。私はローエングリン…まあ、賞金稼ぎだ。」
「賞金稼ぎ…腕に自信はあるんだろうな…?」
賞金稼ぎと聞いて、男…もとい、ドフラミンゴが眉間にシワを寄せた。
「多少の自信はあるつもりだが、貴殿に勝てるとは思ってはいないよ。王下七武海を相手にするには、実力が足りないと自覚している。それに、対峙した時から実力差が分かったからな。それに、奇跡が起こって貴殿を倒したとしても、懸賞金が免除されている時点で無意味だしな。」
「フッフッフ!!気に入ったぜ…身の程が分からねェ馬鹿は嫌いだがよ!!」
どうやら敵意は無さそうだが…何故か笑い方が気に入らないな。ケタケタ笑われるよりはマシな筈なんだが。
「下らない質問だったら申し訳無いのだが、王下七武海である貴殿が何故こんな所を翔んでいるんだ?確か貴殿の国は、新世界にある筈だろう?」
書物で得た情報だから間違いは無い筈だが、間違っていたら恥ずかしいな。
「フッフッフ!!特に理由は無いさ、たまには自由に空を翔びたくなるのさ!!」
「そうなのか?七武海も大変なんだな。息抜きだったら、邪魔をしてしまったか?」
「いや、そろそろ戻ろうかと思ってたんでな。フッフッフ…まぁ、精々死なねェ様に頑張りな。」
激励してくれた。悪い奴ではないのだろうか。確か、七武海になるには、海賊としての実績も必要だったはずなんだが。考えても仕方ないか、大物からの激励だ。素直に喜んどこう。
「ああ、精進しよう。また会えると良いな。」
「七武海が賞金稼ぎに追われるなんざ笑えねェ、賞金稼ぎじゃねェ用件で会いたい所だがな…!!」
「言われてみればそうだな。なら、あれだ。道で偶然ばったり会えると良いな。」
(コイツ…天然だな?)
私の言葉を聞いて、ドフラミンゴは微妙な顔をするが、変な事を言っただろうか?
「まぁ、構わねェ。じゃあな…」
そう言って、ドフラミンゴは去っていった…良く見ると、雲に沿って動いている。なるほど、雲の下じゃないと動けないのか。
「フッフッフ!!たまには散歩も悪くねェな!!面白い奴に会えたぜ。」
去り際にドフラミンゴが嫌な笑みをしていた事に、私は気付かなかった。
このSSのローエングリンは若干天然。