【短編連作】IS-NEXT   作:勇者えいてぃーん

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 ・獣
 ……言葉を介さないもの。

 ・首輪付き
 ……飼われているもの。

 
 ・首輪付きの獣
 ……人類の天敵種


山猫シリーズ
首輪付きとIS


 それは、突如牙を向いた。

 

 

 

 それもとても危険な牙を剥き出しにしてその力を魅せつけた。

 

 

 

 世界に対してその小さな小さなその個人が持つには余りにも大きすぎる牙は人々を恐怖させ、団結させ、あるいは魅了するのに時間は掛からなかった。それだけ、個人が持つ能力として余りにも強大なものだったのだ。

 

 

 

 その個人に付けられた名は首輪付きの獣。

 

 

 

 

 人類に深刻な出血を強いた人物の二つ名だ。

 

 

 

 先の大戦(さきのたいせん)、国家解体戦争において企業の支配体制を確立した原動力。人型兵器アーマード・コア「ネクスト」と、その搭乗者「リンクス」は、その圧倒的な力の個体依存性の危機感を抱いた企業により企業機構「カラード」管下の傭兵として首輪を付けられ管理されることになった。今や企業の主力は、巨大兵器アームズフォートであり、かつて戦場を支配した「ネクスト」たちは薄汚れた地上で延々と続けられていく、経済戦争の尖兵と成り果てる筈だった。だが、企業は忘れていたのだ。リンクス戦争においてイレギュラーそのものだった。アナトリアの傭兵を思い出したくなかったのかも知れなかった。

 

 

 

 

 第二のアナトリアの傭兵が再びイレギュラーな因子として現れるのを……。だから、機関はアナトリアの傭兵を殺す術を求めた、だがそれは結果的に自分たちの首を締めることになる。

 

 

 

 

 そしてその不幸な事にそれは現れたそれも最悪な形としてだ。

 

 

 

 「カラード」として登録され管理された首輪が付いた山猫達。その中でセレン・ヘイズのそのパートナーである「首輪付き」呼ばれる「リンクス」は主人に忠実に従う飼い猫。安易な認識であった。多数の山猫達を飼いならしていたのが原因の一つとして挙げられるかも知れない。その飼い猫の内一匹が付けられた首輪を喰い破り、人々に……企業に……ひいては世界に牙を剥く事は企業はその時は知るよしもなかった。

 

 

 

 

 

 

 その獣の始まりは何てことのない、アスピナ機関と呼ばれる。AMS技術研究所のデザインベビーであった。あらゆる、天才達等の遺伝子を掛けあわせて作られた実験成果物である。その遺伝子のうちにオーメルが恐れた、アナトリアの傭兵の遺伝子も組み込まれている。

 

 

 何も人間に限ったわけではない。

 

 

 ヘビ、ネズミ、ウサギ、イヌ、ネコ、オオカミ、サル様々な遺伝情報を組み込んだ。

 

 

 それは、果たして人間か?と問われれば、本人は獣(キメラ)と自負するだろう。

 

 

 それもどうだ。あらゆるものを内包しているものがただの人間であるはずがないのだ。そんなキメラ的成果物である彼は、無事成功体として誕生し、手術に耐えられるような生体になった頃、彼は強化手術を施された。脳内ネットワーク、演算能力、各感覚機関の拡張。筋力、神経伝達速、投薬による体の作り変えが行われた。

 

 

 そう全ては、アナトリアの傭兵を殺す為に。

 

 

 だが、その計画は中止させられることになる。一人の女リンクスによってだ。

 

 

 名を霞スミカ。

 

 

 彼女が彼を拾ってしまい、そのまま二人は行方をくらませたのだ。

 

 

 彼の境遇を考えると何も不思議な話ではなく、彼は繰り返される実験に嫌気が差し、研究所を抜け出して公園に逃げ込んだのだ。そこで霞スミカと出会い彼はそのまま拾われた。

 

 

 その後彼らは師弟関係となり、親子関係を結び、肉体関係を結んだ。

 

 

 一言では言い表せない関係であったのだろう。

 

 

 最期の最期まで、無表情であった彼に表情を取り戻させた人物であったのだから。

 

 

 

「当然か……私が見込んだのだからな……お前にやられるのも悪くない……」

 

 

 

 ピンク色の機体シリエジオが水底に沈んでいく……

 

 

 

「……あぁ、最高だよお前は。本当にお前は私の最高傑作だよ」

 

 

 

「……セレン?」

 

 

 彼女は微笑みながら、最期の時まで自分の片翼と呼べる存在を慈しんでいた。

 

 

 ……………………

 

 

 

 

 ………………

 

 

 

 …………

 

 

 

 

 ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あぁ、随分と懐かしい夢をみたなぁ。」

 

 

 ぱちくり、と目を開け世界に牙を向けた頃の体を思い出す、何が原因かは分からないが、現状を変えれないのであれば、それを受け止め次の行動を起こすのがレイヴンだろう。ふとそこまで考えてから、自分はリンクスだったなと笑い。今の少し小さくなってしまった手を見てため息をついた。

 

 

 

「まさか、こんなことが起きるかぁ……」

 

 

 

 

 彼が自身の世界から弾き飛ばされてから、はや一週間、この世界はISという女性にしか扱えない兵器によって女尊男卑が蔓延っている世界に驚くのも束の間、織斑一夏という男性がISを起動したことによって、世界各国が自国にいる男性の一斉ISへの適正検査を行い始め、彼こと首輪付きは、見事ISを起動させ適正を示してしまったのだ。

 

 

 

 ランクは測定不能。

 

 

 

 その当時、飛ばされたばかりでホームレスであった彼は検査を受けるだけで、謝礼金を貰えると言うのを聞き、受けに行った結果がこれである。ところが、問題はここで起きたのだ。

 

 

 果たして、この首輪付きは誰だ?と言うことだ。

 

 

 

 この世界で生まれたわけでもない為、戸籍もない。

 

 

 近くの住人に聞いても一切の素性が不明、いつどこで、何をしていたのかも不明。

 

 

 

 記憶もない(ということにした)

 

 

 

 何もないだらけの彼はすぐさま日本国に保護された。がしかし、出自不明な彼を日本国に所属されるのを世界が、国々が許すはずもなく、彼の身柄はIS学園へと送られ、保留にされる。当然だろう、彼は希少なISの男性パイロットなのだから。自国に引き込めばそれこそ莫大な利益を得られる。そんな旨味のある存在を日本に取られるわけには行かなかった。だが、どこの国に所属させると今度はそれが問題となる。となると、名目上は中立である、IS学園が妥当だった。

 

 織斑一夏は、−−姉、織斑千冬という後ろ盾がおり。何も後ろ盾どころか何もない彼はあらゆる組織からの格好の餌である。そういった輩から自国の利益の為に彼をとつくが守るにはIS学園はちょうど良かったのだった。

 

 

 

 

 

 ……IS学園。

 

 

 

 数年前に篠ノ之束博士によって発明された世界最強の飛行パワードスーツIS。

 

 

 

 その操縦者育成用の特殊国立高等学校であり、いわばパイロットとしての操縦技術を磨く他、メカニックとしてのISの実物を使って実用的な知識を得るために生み出された学園。

 

 

 

 

 IS学園の土地はあらゆる国家機関に属さず、いかなる国家や組織であろうと学園の関係者に対して一切の干渉が許されないという国際規約があり、そのため他国のISとの比較や新技術の試験にも適しており、そういう面では重宝されている。

 

 

 

 

 だが、この規約は半ば有名無実化しており、全くの干渉がないとは言い切れないのが実情である。

 

 

 

 

 また、学園に所属する人間の大半の生徒、教師は女性。挙句、女尊男卑の風潮からか男性の入学志願者及び就職者は、男にISの知識は必要ないのでお断りという体制を取っているため。男女間におけるIS識の格差を生み出す差別的な学園だという男性からの批判的な意見がある。これに関して実に馬鹿な考えだ。と彼は思う。IS?女性にしか扱えない?現状の兵器では太刀打ちが出来ない?馬鹿馬鹿しい笑わせてくれる。女性じゃなきゃ起動出来なければ、男性器自身など切り落せばいい。卵巣等がISの性別認識を判断するのであれば自身に卵巣でも埋め込めばいい。脳の性別でISの認識は変わるのか?

 

 

 …………etc。

 

 

 それでも出来なきゃ、別の方法で埋めるだろうに……。恐らくは、黒い上層部はISを殺すための機械づくり勤しんでいるのだろうな。と彼は考えている。それもそのはず、彼のいた世界ではレイヴンはリンクスに捕食され、事実大多数のリンクスはアームズフォートによって淘汰されたのだから。今は無いかも知れない。だがしかし、いずれ世界は、ISを殺す術を持ち出してくる。合法、非合法問わず。世の中、馬鹿な人間ほど情報に踊らされているのを改めて目の当たりして彼は嘲笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 場所と時間は変わり、入学式後、IS学園教室内。まだ、初々しい少女達が思い思いに座っていた。厳しい入学試験それを彼女たちは通ってきたのだ。がそれだけでは今年は他の学年にはないビッグニュースがあるのだ。これから自分たちが送る生活に少女達は未来に思いを馳せていた。

 

 

 

「さて、全員揃ってますねーSHRを始めますよー」

 

 

 

 小柄で童顔の女性が教壇の前に立ちを言い放つ。

 

 

 一見すると、彼女は周りにいる女性と何ら変わらないのだが、そのスーツが彼女を教師と認識させていた。逆に言えば、それだけ彼女の雰囲気が子供っぽく、容姿が幼いと言える。

 

 

 そんな彼女がにっこりと微笑む中。

 

 

 教室内で、居心地が悪そうに、所在なさ気に冷や汗をダラダラとかきつづける少年が一人。

 

 実際に少年にはこの場所に所在はないのだろう。ここはIS学園、本来は女性でしか起動出来ない機械を起動させたのだから、ここにいるべきは本来は全て女性である筈なのだ。改めて教室内を見渡せば女子、女子、女子、女子と女子だらけである。まるで女子校のようだ。いや女子校にならざるを得なかった。

 

 

 そんなこんなで例外としてこの場所一角に座るに座る少年は、日本にて発見された世界初のIS搭乗可能の男性操縦者、織斑一夏である。

 

 

 

 彼が悩んでいるのはこの現状である、だがそれは自業自得というもの。

 

 

 

 要約するとこうだ。

 

 

 

 1、あれー藍越学園ってどこだ?

 

 

 2、迷ったんじゃね?

 

 

 3、おっアレなんだ?面白そう!

 

 

 4、ペタペタこれがISかカッケー

 

 

 5、ペカー

 

 

 6、IS起動。

 

 

 7、IS学園入学←今ここ

 

 

 たらればの話は不毛だがこの現状を嘆きたい。

 

 もし自分が、事前に藍越学園を知っていれば、興味本位でISに触っていなければ……。

 

 

 

 色々な後悔が一夏を襲う。

 

 

 だがそんなものは序の口だ。中でも一番の悩みは……。

 

 

 教室内に風が吹く、ちょうど暑くなって来たこの気温に良い風である。が、それは通常の話。

 

 

 繰り返すいうが、ここは女子校。

 

 

 風が周囲から漂う咽返るような甘い匂い。それを一夏の元へと運ぶ。理性の壁が決壊しやすい男性であれば、その匂いに釣られ問題を起こしそうな匂いを一夏は嗅いだ。現実を認めれない一夏はもう一度クラスメイトの確認をする。目を開ければ、そこには男子が居て……。

 

 

 なんて、事はなく。現実は無常で何度見渡せども女子しか居なかった。ただの女子であれば問題無かったのかも知れない。幸か不幸かこの学園に入学してきた女子はその殆どがテレビに出演できる程の美少女、美女である。

 

 

 

 通常の男性であれば、

 

 

 

「ひゃほおおおおおおおおおおおおおお!ハーレムだおらあああああああ!」

 

 

 

 と叫びたくなるような環境でも一夏にとっては毒でしかなかった。それもそうだろう。グループ活動が起こった日には死ねる自信がある。男同士でしか話せない事もあるのに女しかいないのは完全にアウェイだ。

 

 

 そんな一夏を冷めた目線で見ている人物が一人。もう一人の入学者である首輪付きだ。

 

 

 彼は、意図的に気配を馴染みこませ視線を一夏に向けさせていた。そんな彼に真耶が自己紹介を回せるはずもなく……彼の順番は飛ばされ……はしなかった。

 

 

 

 後ほど、やってきた千冬が次の挨拶を飛ばされそうになっている首輪付きを見つけ、挨拶させた。

 

 

 視線が首輪付きに集まる。一夏はその姿を見て……。

 

 

 

「どうも、霞スミカです」

 

 

 

 カラスの羽が幾重に重なったかのような髪に獣耳に見える癖っ毛。可愛らしい顔立ち。

 

 ペコリと、擬音語が似合う一礼を首輪付き−−−−スミカはした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 色々と中略

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 クラス代表決定戦。

 

 

 

 

 

 一年一組クラス代表決定戦。

 

 

 イギリス代表候補生、セシリア・オルコット <VS> ISが使える男、織斑一夏。

 

 

 そのついでに、行われる勝った方がスミカとの消化試合。

 

 

 

 結論からいうと一夏はエネルギー切れで負け、セシリアは勝ち残った。

 

 

 残るはスミカとの試合だ。

 

 

 誰もが思った。セシリア圧勝で終わる対スミカ試合。

 

 

 が、周囲の予想を大きく裏切り、スミカが優位に事を運んでいたのである。

 

 

 スミカは宙に浮きながら地面に平伏しているセシリアを見つめていた。

 

 

 時を少し遡る。

 

 

 ……………………

 

 

 

 

 ………………

 

 

 

 …………

 

 

 

 

 ……

 

 

 

 

「……織斑、一夏。」

 

 

「おい、オルコット始めるよ。」

 

 

 こちらの言葉に反応はなく、頬を染め体をくねらせている。それを見てスミカは何の冗談だと思った。ハニトラか?いやこの生娘の反応を観察した限りそれはない。

 

 

 ではなんだろうか?

 

 

 少しばかり、警戒して観察していると千冬が二人に対して怒声をあげた。

 

 

 

「時間が押している!早く試合を始めろ!」

 

 

 

「あ、あら。霞さん、いらっしゃっていたのですね。準備はよろしいかしら?」

 

 

「……。」

 

 

 言葉遣いが初対面時と打って変わって違う。

 

 

 

 彼女は麻薬を打って変わってしまったようだ。違うか。

 

 

「……はぁ、いいよ。はじめようか……。」

 

 

 外した首輪をまた嵌めるような気分、最悪である。

 

 

 

 ……首輪を外したい。

 

 

 無意識のうちにスミカは首元に手を伸ばし、片翼がつけてくれた首輪を思い出す。

 

 

(……セレン。) 

 

 

 

 

 

 

 セシリアは先ほどの試合の興奮が冷めないままスミカとの試合に望んだ。

 

 

 

 自身はこれ以上無いくらいに絶好調。射撃も外す気がしなく、目の前の敵がこの上なくちっぽけにみえた。

 

 

(……織斑一夏、彼はなんだろうか?この気持ちをもたらしてくれた彼は一体何者なんだろうか?確かめたい!早くこの試合を終わらせ彼の元に駆けつけたい!)

 

 

 乙女回路をフル回転させ、セシリアはビットを操り、ISで不慣れであるスミカをさっさと追い詰めた。

 

 

 もう、チェックなんですの?やはり、織斑一夏が特別な男性ですのね!気分をさらに高揚させスターライトmkⅢを彼に向ける。

 

 

 ビットで追い詰められている彼を引き金を三回引き、幕を閉じるだけだ。

 

 

 

 カチカチカチ、その音三回。がブザーの音は鳴らない。

 

 

 

 爆音一つ、空気が抜けるような音が二つ。

 

 

 

 

 それが、ブザーの代わりにアリーナーで響いた。 

 

 

 まだ、目の前の少年は宙に立っている。漆黒にカラーリングされたラファール・リヴァイヴを見に纏って。

 

 

 唖然とする観客。

 

 

 惚ける一夏。目を見開いて驚愕するセシリア。

 

 

 様々な反応が起きるその静寂の中、セシリアの瞳は彼を見つめている。

 

 

 

「そんな、今……いえ、少しは出来るようですわね!」

 

 

 しかし、今のセシリアのコンディションは最高潮である。すぐさま別の作戦を組み立て、実行に移す。

 

 

「なら、これで!」

 

 

 ビットのレーザーを縦横無尽雨のように降らせ、追い詰めたところで蜘蛛の糸に絡めるように最後の射撃、またすり抜けられるようにブーストを吹かし躱された。

 

 

 

 爆発音が遅れて鳴り響く、ビットがすべて爆散した。

 

 

 ピピピピピッ!

 

 

 ロックオン警告の音がブルーティアーズから鳴り始めた。

 

 

 雨のようなレーザー弾。縦横無尽に、隙間なく、これがお手本だと言わんばかりに自身の前に展開された。

 

 必死に回避する、被弾してもいいただ最小限にしないとエネルギー切れで負ける!

 

 そこまで、考えセシリアは自身の考えに驚愕した。

 

(この私が負ける?!……なぜ?!彼はISに触るのは二回目のはずでしょう?そんな彼に代表候補生である私が負けるのは許されるはずがない!)

 

 

 

 

「……チェック」

 

 

 

 一発のレーザーがセシリアを襲い。

 

 

 セシリアは地に伏せた。

 

 

 静まり返る、アリーナに響く声。

 

 

「僕の勝ちでいいかな?」

 

 

 銃口を向け、笑顔で彼はそう答えた。

 

 

 状況は既に詰んでいる。

 

 

 どうしようも出来ない。心は折れ実力差を思い知らされた。

 

 

 

 どうしろというのだ、これが才能壁とでもいうのか。

 

 

 

「はい、私の負k」

 

 

「じゃ、僕棄権しまーす」

 

 

 軽い声で宣言し彼女は勝ち彼は負けた。

 

 

 会場が唖然としている中彼は一人気ままにゲートに戻っていった。

 

 

 その姿にセシリアは山猫の姿を幻視した。

 

 

 驚きが冷めぬまま、会場はざわつく。

 

 

 が、この時兎はこの山猫に興味を持つ事になる。人々は知らないまま、この時、確かに世界は大きく歪みはじめたのだった。

 

 

 

「霞スミカ、うん、スミちゃんだね!」

 

 

 

 どんな子かなー、見てる限り色々と面白い子だなー

 

 

 くるくる篠ノ之束はその場で周り、思い出したかのように工具を持ちだし、作業をし始めた。

 

 

「あっそうだ!ちょっとスミちゃんに悪戯しーよっと!」

 

 

 カーン、カーン、カーン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これは人類の天敵種が答えを見つける物語。

 




 アスピナ公園にて

「わぁ!きれいなおねえさんだ!」

「ふふっ、そうかありがとう僕はどうした?お父さんとお母さんは公園にいないようだが……」

「じっけんきらいー。」

「そうか、お前は孤児なのか……名前はなんて言う?」

「しさくばんごうK-1145141919810かなーおねえさんのなまえは?」

「霞スミカだ。」

「きれいな、なまえーぼくもそんななまえがよかったー。」

「……てやる。」

「えっ?」

「くれてやると言ったんだ。」

「わぁ〜!ほんとうに〜?」

「そうだな、これからはお前の名前は霞スミカだ」

「わーい、おねえさんといっしょだ!」

「いや、これからは私の名前はセレン・ヘイズと言う。響きは違うが意味は一緒だ」

 砂場で遊びこんでいた子供の目線の高さまで目線を合わせ、頭を撫でた。

「そうだ、ここに居ても退屈だろう?私がいい所連れてってやるよ」

「わぁ〜!」

 目をキラキラと輝かせ、二人は研究所を後にした。










「成功体がどこにも見つからないぞ!」

「いや、施設内にいるはずだ!外に出たとしてもこのあたりは砂漠だ!すぐに帰省本能発揮してくるはずだ!」


10年後、彼は企業に、世界に牙を向く。
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