問題児達と最強で最高の邪神が異世界から来るそうですよ? 作:水凪刹那
全員の自己紹介が終わってからしばらくたって十六夜が苛立たしげに言う。
「で、呼び出されたのはいいけど何で誰もいねぇんだよ。この状況だと、招待状に書かれていた『箱庭』とか言うものを説明する人間が現れるもんじゃねえのかよ。」
「そうね。何の説明もないままでは動きようがないもの」
「………。この状況に対して落ち着きすぎてるのも道かと思うけど」(貴女も落ち着きすぎです!!)
「春日部がそれ言うか?まぁ、確かにそろそろ誰か出てこないとこっちも困るってのは確かだけどなアハハハハ!!」(貴方がそれ言いますかぁ…)
(全くもう少しパニックになってくれてさえいれば出やすいのですが)
黒ウサギは、心のなかでツッコミを入れた。
もう少しパニックになっていたら出やすいのだが、場が落ち着きすぎているので出る、タイミングが計れず出れないのだ。
(まあ、悩んでいても仕方無いデス。これ以上あのお三方の不満が爆発する前にお腹を括りますか。)
黒ウサギのなかでは一誠は、どうやら不満が他の三人に比べて少ないように見えたらしい。
三者三様の罵詈雑言を浴びせてくる様を見ると怖じ気づきそうになるが、ここは我慢である。
ふと、十六夜が、溜め息交じりに呟く。
「――――仕方ねぇな。こうなったら、そこにいる奴にでも聞くか?」
物陰から出てこようとした黒ウサギは心臓を掴まれたように跳び跳ねた。
四人の視線は黒ウサギに集まる。
「なんだ、貴方も気づいていたの?」
「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ?そっちの猫を抱えた奴も気づいていたんだろ?」
「風上に立たれたら嫌でもわかる」
「………へぇ?面白いなお前、一誠はどうだ?」
「あー、捕まえてよかったんならさっさと捕まえとけばよかったなぁ…」
「ヤハハ、やっぱ一番面白いのはお前か」
軽薄そうに笑う十六夜の目は笑ってない。四人は理不尽な召集を受けた腹いせに殺気の籠った(一誠は哀れみだが)冷ややかな目を黒ウサギに向ける。
黒ウサギは、やや怯みながらも出てこようとしたが出来なかった
「や、やだなぁ御四人方。そんな狼みたいにko「出てこねぇんじゃ仕方がねえな!!」え、ぇぇぇぇぇぇ!?」
十六夜は、 黒ウサギが話してる最中に飛び出して黒ウサギの前に着地した。
元が第三宇宙速度で動ける十六夜だ、女性二人は瞬間移動のように見えただろう、しかし、一誠にはそれでも…
「(人間が出せるような速さじゃねえがそれでも遅い)」
少し落胆していた。そんな一誠をおいて話は進む
黒ウサギは、十六夜の突進を避けたあと木の枝の上に飛び乗った。
「危ないのですよ!!フギャ!?」
しかし、安心もつかの間横の木から春日部がまるで猫のように追いかけてくる。
黒ウサギは木々を跳ねながら春日部から逃げているが久遠が、逃がさぬように
「鳥たちよ、『あの者の動きを封じなさい!!』」
鳥たちを使って黒ウサギの動きを封じようと試みるも
「鳥たちじゃあ追い付かない!!」
「黒ウサギの脚の速さをなめないでほしいのデスよ!!」
と、鳥たちを上手く躱していた黒ウサギだが…
「なら、これは躱しきれるかな?」
その前には一誠が立ちふさがる、一誠は自分が持つ魔道書や、魔術書を空中に広げ、
「い、一誠さん…ま、まさか…」
「多分黒ウサギが考えてるとうりだよ…全属性全神霊全精霊手加減でフルバースト!!」
一誠が浮かべていた魔道書、魔術書から一斉に魔術、魔道が放たれそれはそのまま、
「いや、待ってほしいのデスよ~!!」
ドカーンっと辺りに爆音を響かせながら命中し、黒ウサギを気絶させた。
気絶させた黒ウサギの近くに十六夜達が集まり
「なにこれウサギ人間?」
「ま、気がつくまで待ちますか」
――――――――――――――――――――――――――――――――黒ウサギ気絶中――――
「……ん、…ん?…ひぃ!!」
目が覚めた黒ウサギが目にしたのは、獲物を見る目で見つめる十六夜達だった。
「そ、そんな狼みたいな目でみられると黒ウサギは死んでしまいますよ?ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは1つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますヨ?」
そんな黒ウサギに、十六夜達は
「ヤハハ、断る」「却下」「お断りします」
「まあ、聞かないことはないかな」
「あっは、取りつくシマもないですね♪あ、最後のかたはありがとうございます♪」
バンザーイと降参のポーズをとる黒ウサギ。
しかし、その目は冷静に四人を値踏みしていた。
「(肝っ玉は及第点。この状況でNOと言える勝ち気は買います。まあ、一人を除いて扱いにくいのは難点ですけれども)」
黒ウサギはおどけつつも、四人にどう接するかべきか、冷静に考えを巡らせる――――――――
と、春日部耀が、不思議そうに黒ウサギの隣に立ち、黒いウサ耳を根っこから鷲掴み、
「えい」「フギャ!!」
力一杯引っ張った。
「ちょ、ちょっとお待ちを!!触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きにかかるとは、どういう了見ですか!!」
「好奇心のなせる業」
「だまらっしゃい!!自由にもほどがあります!!」
「へぇ?このウサ耳って本物なのか」
今度は十六夜が右から掴んで引っ張る。
「………。じゃあ私も」
「ちょ、ちょっと待って――――!!」
今度は左から久遠に。左右を力一杯引っ張られた黒ウサギは、言葉にならない悲鳴をあげ、その、絶叫は近隣に木霊した。
その様子を見ながら一誠は一言
「混沌(カオス)」
と、だけ呟き、空を見上げていた。
――――――――――――――――――――――――――――――――黒ウサギ弄り中――――
「あ、あり得ない。あり得ないのですよ。まさか話を聞いてもらうために小一時間も消費してしまうとは学級崩壊とはこのような状況を言うに違いないのです。」
「いいからさっさと進めろ。」
半ば本気の涙を瞳に浮かばせながらも、黒ウサギは話を聞いてもらう状況を作ることには成功した。四人は黒ウサギの前の岸辺に座り込み、彼女の話を『聞くだけ聞こう』といい程度には耳を傾けている。
しかし、一誠は
ボリボリ。
くしゃくしゃ。
ぽいっ。
びりり。
ボリボリ。
くしゃくしゃ。
ぽいっ。
びりり。
と、凄い速度でスナック棒菓子をエンドレスで食べていた。
「おい」
と、十六夜が話しかけてきた
「ん?どうした逆廻?」
一誠はそんな十六夜に返事する……スナック棒菓子を食べながら
「お前はなし聞いてたか?」
そんな質問に対して一誠は
「当たり前じゃん、あ、春日部ちゃんも食べる?久遠ちゃんも黒ウサちゃんも食べる?」
「…。貰う。」
一誠がお菓子を食べるか聞くと我先にと春日部が来た。
「へ、へぇ?なら、どんなないようだったか言ってみろよ」
十六夜が挑発するように言ってきたので一端お菓子を置いて
「要約するけど
一つ、箱庭の世界ではギフトゲームが行われている
一つ、ギフトゲームとは、修羅神仏から与えられた『恩恵』を用いて行う
一つ、呼び出されたものは数ある『コミュニティ』と呼ばれるものに必ず属する
一つギフトゲーム勝者はゲームの主催者が提示した商品がもらえる
一つ、主催者は、修羅神仏が行う試練から、コミュニティ同士の対決のゲームまでさまざま
とまぁこんなところかなぁ、俺が興味あったのは」
と、一誠はまるでもう、箱庭に『興味がない』ような言い方をした。
「まあ、いい黒ウサギ一つだけ聞かせろ」
「あ、俺にもな」
一誠は十六夜に同じことを考えているだろうと言う視線を送り
十六夜は、そんな一誠の態度を満足そうにしかし、その前の態度に思いながら黒ウサギに問いかける
「どういったものでしょう?」
十六夜は黒ウサギから視線を外し他の三人を見回し、巨大な天幕によって覆われた都市に向かけた。
一誠は立ち上がりそんな十六夜の隣まで歩いて肩を並べた
彼らは何もかもを見下すような視線で一言、
『この世界は…………面白いか?』
と、問いかけてきて、黒ウサギは
「――――yes。『ギフトゲーム』ひとを越えた者達だけが参加できる神魔の遊戯。箱庭の世界は外界より格段に面白いと黒ウサギは保証いたします♪」
満面の笑みでそう答えた。