【艦これ】 月からビスマルクが、やってきた!   作:エウロパ

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本日はこのSSを開いていただきありがとうございます。
まだ文章を書くことに慣れていないのでお見苦しいところもあると思いますが、楽しんでいただけたら幸いです。
また、文章や構成に変な部分や悪い部分があると思いますが、アドバイス等いただけたら嬉しいです。
もちろん感想も募集中です!


第一話 月なのです!

≪月面探査船、月軌道へ侵入せよ≫

 

狭い宇宙船内に、無線の声が響いた。

 

「ええっと、あと2秒で月軌道に侵入するのです!」

 

「月の裏側に順調に接近しているわ」

 

地球からの無線に対して電と如月が、なれない宇宙服を着て、計器を見ながら状況を伝える。

 

≪了解。通信障害に注意してください≫

 

「分かったのです!ええっと、ええっと――」

 

「7‐10で接近しています。着陸態勢良好ですわ」

 

計器の前で慌てる電とは対象的に如月は落ち着いた様子で地球と交信した。

 

「如月ちゃん、ごめんなさいなのです……」

 

電の落ち込んだ表情を見た如月は、電に笑いかけた。

 

「肩の力をもっと抜いて大丈夫よ」

 

「あの、ありがとうなのです。如月ちゃん」

 

如月に励まされて電も笑顔を浮かべたが、その笑顔もまだ強張っている様だった。

 

「ねぇ、電ちゃん」

 

「……なんなのです?」

 

如月は宇宙船の窓を指差した。

 

「窓の外を見てみて」

 

「外に、何があるのです?」

 

「いいから、いいから。早く、早く」

 

如月は電の背中を軽く押した。

 

「わ、分かったのです!押さないでほしいのですぅ……。一体、お外に何が――うわぁ~!!」

 

電は宇宙船の外に広がる光景に目を輝かした。

 

「月なのです!お月様なのです!すごく近いのです!!」

 

「うふふ♪どうですか?如月たちは今お空のお月様のすぐ側にいるのですよ」

 

「すごいのです!雷ちゃんや、響ちゃん、暁ちゃんにも見せたいのです!!」

 

月の姿を見た電は先ほどまでの緊張を忘れたように、はしゃいだ。

 

≪着陸軌道を確認しました。段三段階を開始してください≫

 

「分かりました。着陸シークエンスに入ります」

 

如月はそう言うと、着陸シークエンスのボタンを押した。

 

すると数秒もしない間に、宇宙船の電と如月が乗った月着陸船がガスを噴射して、宇宙船本体と分離し月面へと降下を始めた。

 

「着陸地点に降下中」

 

「着陸まであと、10秒なのです!8,7,6――」

 

着陸船がどんどん月面へと近づく。

 

「――3,2,2,1,0なのです!」

 

「着陸成功よ」

 

「やったのです!」

 

「やったわね」

 

電と如月は嬉しさのあまり互いに抱き合った。

 

「あっ、まだやり残した事があったのです」

 

電はふと、思い出したように言った。

 

「えぇ~あれ、本当にやるの~」

 

如月はあからさまな嫌そうな顔をする。

 

「そういう決まりなのです。えい!」

 

そう言うと電は計器のボタンを一つ押した。

すると着陸船の外部側面についている2本の棒から、長門が腕を組んでいる写真の上に〝投票なのです!〟と描かれた縦長のポスターが出された――。

 

 

西暦2082年。

 

数年前、長きに及んだ深海凄艦との戦いは終わった。

そしてこの年、横須賀鎮守府で秘書艦の選挙がおこなわれる事になる。

候補艦である現秘書艦の戦艦長門は選挙のイメージ戦略のため、アメリカの知り合いに電と如月を艦娘史上初の月への打ち上げをしてもらう事になった。

だが、この事がきっかけで大変な事になろうとは、まだ誰も予想していなかった――。

 

 

着陸船のハッチが開きハシゴが地面に降りた。

 

「着いたのです!」

 

船外に出た、電と如月は万歳をした。

 

「それじゃあ、降りましょうか」

 

「はいなのです!」

 

電は意気揚々に真っ先にハシゴに足を駆け下り始めた。

 

「これは小さな一歩ですが、艦娘にとっては偉大な――おっと」

 

「電ちゃん、気をつけてね?」

 

急ぐあまり、ハシゴから足を踏み外しそうになる電に如月は心配そうに声をかけた。

 

「だ、大丈夫なのです。電もハシゴくらい降りられ――ふにゃ!?」

 

案の定、電はハシゴから足を踏み外して今度は地面まで落ちてしまった。

しかし、月面はの低重力のため、電の体はバウンドした。

 

「もぅーだから言ったのに」

 

「イタタタ……落ちてしまったのです……」

 

「つかまって」

 

「ありがとうなのです――はわわわ、うまく立てないのですぅ」

 

電は手を差し伸べた如月の腕を掴んで立ち上がろうとしたが、慣れない宇宙服と月の低重力環境のせいで、うまく立ち上がることができなかった。

 

「宇宙飛行士も真っ青ね」

 

「うぅ~迷惑ばかりかけて、ごめんなさいなのですぅ」

 

如月のおかげで立ち上がることができた電は泣き目になった。

 

「別に私は良いから気にしないで。それじゃあ私はちょっと向こうを調べてくるわね」

 

如月は長い棒のような探知機を持つと電に手を振って行った

 

「分かったのです!ん?でも、そしたら電は何を――はっ!それじゃあ電はここに旗を立てるのです!!」

 

 

 

≪どうですか、如月さん。そっちの様子は?≫

 

「やっぱり、ここにはヘリウム3が沢山あるわ。向こうにもっと、沢山ありそうね……それはそうと、この宇宙服もうちょっと何とかならなかったの?」

 

≪どうしたんです?≫

 

「だって、髪が痛んじゃう……」

 

如月は地球からの通信に答えながら、着陸船から離れた丘の中腹で探知機を片手に移動していた。

如月の任務は極秘裏に月面に存在するヘリウム3とよばれる核資源を調査する事だった。

 

≪ ジジジ――何ですか?――よく聞こえません――電波障害――――≫

 

通信にノイズが入り通信が途切れた。

ここは宇宙そういう事はよくある。しかもここは月の裏側。途切れないほうがおかしいかもしれない。

 

「電波が悪いようですね……とりあえずもうすぐ丘を登りきりま――」

 

丘の上までたどり着いた如月は目の前の光景に目を見開いた。

 

 

「あ、ありえない……」

 

 

「ねぇ~如月ちゃん~!こっちで写真を撮るんじゃないんですか~?」

 

丘の上で立ったまま微動だにしない如月に電は手を振って呼びかけた。

 

「…………」

 

でも、如月は黙ったまま丘の上から動かなかず立ちすくしたままだった。

無理も無かった。

如月の目の前にはとんでもない光景が広がっていたのだから――。

 

丘の上には、どこまでも続くクレーターや岩石でできた灰色の大地が続いていた。

 

 

続くはずだった――。

 

 

如月の目の前には巨大な掘削場があった。

深く掘られた地面には、ビルのような巨大なタンクや、そのタンクに絡みつくようにある無数のパイプ。

そして、いくつものトンネルに、広い道路、その上には大型トラックも走っている。

さらによく見れば、トンネルの付近やタンクの周辺に小さく人影が見える。

そしてタンクに書かれている〝ヘリウム3〟のドイツ語。

そう、ここはヘリウム3の採掘場なのだ。

 

 

 

≪電、映像を映してください≫

 

「え?はわわわ、分かったのです!ええっと……ええっと……」

 

いきなり入った無線に電は慌ててカメラをまわそうとしたが、使い方が分からず操作ができなかった。

 

「い、電ちゃん!ヘリウム3の……」

 

「え?え?みんな、そんないっぺんに、言わないでほしいのですぅ!」

 

電は混乱して頭を回した。

だが電も混乱しているが如月の方がもっと混乱していた。

本当なら月にあのような採掘施設は存在しないのだ。

人類が最後に月を訪れたのは100年以上前の1961年から1972年におこなわれたアポロ計画だけ。

そして艦娘による有人飛行もこれが最初なのだ。

 

「ヘリウム3の採掘施設よ。こっちに来てってば……」

 

如月は丘の上で採掘場に背を向け離れた場所にいる電に必死に手を振って呼んだ。

だが、如月は採掘場発見の驚きのあまり、自らの背後に迫る危険に気がついていなかった。

 

「如月ちゃん!?危ない!!」

 

異変にいち早く気がついた電は声を上げた。

 

「え――?」

 

電の声に如月は後ろを振り返った。

 

 

「プリンツ・オイゲン……さん?」

 

 

顔は見えなかった。

顔は黒いガスマスク覆われていた。

でも、如月は、この服装に見覚えがあった。

以前、まだ深海凄艦と戦っていた時の事、ドイツから来た、重巡洋艦の娘だ。

肌が露出するような部分は全て黒い素材で覆われているがこれは、ここが宇宙だからだろう。

でも、なんで月にこの娘がいるんだろうか?

 

そんな事を考えていると、プリンツ・オイゲンらしい艦娘は20.3cm砲を如月の頭にその砲口を向けた。

 

 

「如月ちゃん!」

 

如月は自分が置けれている状況を認識すると電の方を振り向きニコッと笑った。

その目にはうっすらと涙が滲んでいた。

 

「ダメなのです!如月ちゃん!早く逃げるので――」

 

電は如月に駆け寄ろうとするが上手く歩けずまた転んでしまう。

 

「如月の事……忘れないでね……」

 

「如月ちゃん!!」

 

電の叫びとほぼ同時に、プリンツ・オイゲンの主砲は火を噴いた。

 

「あ、ああ……そ、そんな……」

 

如月の頭は爆発し、体は20.3cm砲の反動と月の低重力のため、数百メートル先まで飛ばされた。

電には、その数秒が数時間に思えるほど長く感じた。

 

「わ、私の艤装は――着陸船の中なのです。急いで取りに行かないと――あ、あとヒューストン宇宙鎮守府に連絡を――」

 

電は放心した状態で立ち上がり、着陸船へと急いだ。

 

 

「Z1!あれを狙え!」

プリンツ・オイゲンが電達の着陸船を指差すと同じようにガスマスクをしたZ1が12.7cm砲を着陸船に向け、照準を合わせた。

「Feuer!」

 

 

「ヒューストン!ヒューストン!大変なのです!如月ちゃんが!如月ちゃんが!」

 

電は急いで地球に連絡しようと着陸船に急いだがそのすぐ側を一発の砲弾が、横切りそのまま着陸船へと命中した。

 

「ふあーーっ!?」

 

着陸船は爆発して粉々になり、電は、その衝撃で後ろに吹き飛ばされた。

 

「はぁ――はぁ――。一体、何が起きているのですぅ――」

 

電は虚ろな意識の中、必死に目を開けた。

 

すると、目の前にはガスマスクをしたドイツの艦娘が数人、電に砲を向け取り囲んでいた。

電には、もう何が起きているのか、まったく把握できなくなかったが、今、彼女らを見て一つだけ分かった事があった。

それは、彼女らの着ている服の腕の部分に、あの呪われた恐怖のマーク、鉤十字が入った腕章がついているという事だった――――。

 

 

 




最後に……

全国の如月ファンの皆様、ごめんなさい!

次回は来月の後半には投稿できれば良いなと思っています。

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