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僕の名前は
学校の帰りに目の前の横断歩道を赤信号なのに渡っている女の子が居たんだよ。そして、嫌な予感の通り、横断歩道に突っ込んでくる超重量のトラック。
こういう場合どうするよ?助けるでしょ普通、……え?助けない? ……人間やめちまえ。そして、女の子を助けた代償に自分は轢かれたんよ。一瞬だったけど痛かったよ、アレ。……皆死ぬ時は絶対に轢死だけはやめとけ。
そして僕は今どこまでも続く真っ白な空間にいる。
死後の世界か……、僕は地獄に行くと思ってたけど、何もない空間が地獄か? まあ、ある種合ってはいるか。
人は常に行動したがる生き物だ、何もしないなんて行動は1週間程度が限界だろう。
「ここは地獄ではないぞ。死後の世界、という意味では地獄と大して変わらんかもしれんがな」
……なんか目の前にすげー長いひげを垂らした老人が出てきた、てか、今普通に心読まなかったか? ……神様?
「お主の思った通り私は神だ」
おぉ、やっぱり。でも、なんで平々凡々の僕のところに神様が?
「お主が死んだのは儂のミスでな……。本来ならあの娘が死ぬ予定だったのじゃが、お主が助けたお陰で運命が入れ換わってしもうた……」
ほぅ、あの
「……お主、怒らんのか?儂がミスをして死なせてしまった人間達は皆一様に怒っておったというのに……」
「う~ん、僕ってそんなに生命欲無いんよ。そりゃね、成功ばっかり収めてきてる人間が、急に『儂のミスで死なせてしもうた』とか言われたら怒るのも無理ないと思うけど……、僕はなぁなぁに済ませた人生送ってただけだしなぁ……」
……でも、よくよく考えると孤児院の皆に悪いことしちゃったなあ、一応最年長でお兄さん的ポジだったのに……、少しは悲しんでくれる奴が居ればこれ幸いだな、ホントはいけないんだけどさ。
「そうか……、よし儂はお主を気に入ったぞ、お主を好きな世界へ転生させてやろう!」
「……テンセイ? 何ソレ?」
聞き慣れないワードが出てきたので僕は神様に問うてみる。
「ふむ、一から説明してやろう。転生とはお主の知っている小説やアニメに限りなく近い世界に行き暮らす事が出来るというものじゃ。それにそれだけではない、お主は儂のお気に入りだからな、最初に3つだけお主の願いを叶えた上でその世界に送ってやろう」
「おぉ~、本当に!? ……っと思ったけど僕を元の世界にっていうのは駄目なのかな?」
「お主を生まれたばかりの赤子でという事ならば問題は無いが、あの世界では梓冬という存在は死んだものとして認識されておるから元の設定のままという訳にはいかんのう……」
……駄目だな、それじゃあ、意味はない。
僕は僕の姿のままあの孤児院に恩返しできなければ意味はない。偽善ではあるけど、これは僕なりの考えだ。
「そうか……、それじゃあアニメ「デジモンアドベンチャー」の世界へ転生時は幼稚園の最年長で原作始まる3年前っていう設定は可能?」
「勿論じゃ、それとこれに関しては3つの願いに含めんで良いぞ、これは儂からのサービスじゃ」
「おぉ~、それはあんがと。じゃあ、今から言うのが願い事になるのな?じゃあ、一つ目、自作のデジモンをパートナーにしたい。成長期、名前は「フォースモン」」
「心得た。進化系、その他諸々はお主の頭の中の設定をそのまま流用するぞ」
「うん、それは頼みたかった事だよ、何から何までありがとうございます~」
「気にするな、元々は儂の蒔いた種じゃ。して次は?」
「う~ん、なぁ神様、自分の体術を人間の限界まで引き上げてほしいっていうのは?」
「無論可能じゃ、しかしよいのか?儂であれば人間の限界を超えた体術でも授けられるというのに……」
「う~ん、それもいいかもだけど……、メインで戦うのはフォースモン達だから、流れ弾とか来たときに自分で対応できる位にしといてくれればいいかなって」
「そうか……。まあ、お主が良いならそれで構わんが。して、3つ目は?」
「最後は02開始時に僕のデジヴァイスをD-3じゃなくてDアークにしてくれないかな。勿論D-3のゲートを開ける機能を追加して。」
「分かった、ではこの3つの設定を追加した上で「デジモンアドベンチャー」の世界へ転生させよう。あぁ、そう言えば一つ言い忘れた事があったのぅ」
えっ、それって?と思った所で僕の足元に黒い穴が開いた。
「へっ?」
「では、無事を祈っておるぞ。」
そう聞こえた瞬間僕の体は中に放り出された……って―――
「それは最初に言っておけぇえええええええええ!!!」
―――こうして僕の第二の人生「デジモンアドベンチャー」での暮らしが始まった。
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「しかし、良かったのですか?あの者を転生などさせてしまって……、あの事故もあなた自身が仕組んだ……というよりそういう予定だったんでしょう?」
「当然だ、神がミスなどするかい。しかし、こうやって世界を管理するもなにも起きない世界ではつまらねぇしな……。たまには、刺激を加えねぇと……」
儂、いや俺の秘書が話しかけてくるが、それに俺は同意し鬱陶しい付け髭をとる。何事もスリル、刺激。これが俺を動かす起爆剤なんだからな。
しかし、デジモンアドベンチャーか、俺も昔ハマってたなぁ~。
「……そういうところ、人間だった頃の影響残ってますよね、あなた」
「当然、神になったからって、俺の原点が変わるわけねぇって。まぁあいつを選んだのは多分俺にとっては得だったぜ、中々面白くなりそうだ」
さて、ではあの世界に行った彼の活躍をここで見させてもらうとしようか……梓冬。