デジモンアドベンチャー 運命を変えし9番目   作:ALHA

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第七話 ~決戦の朝~

冬side

 

ピンポーン

 

 まだ、日が昇って間もない頃、そのチャイムは唐突として聞こえた。十中八九バケモンだろうな。

 そのチャイムに母さんに出られると、連れてかれる可能性が高い、故に徹夜明けの眠い体を起こし、リビングに出る。

 

「あぁ、僕が出るよ!」

「あら、冬。今日は昨日と違って随分と早起きなのね」

「……ほっといてよ」

 母さんがニヤつきながら行ってくるので正直ちょっとイラっとしたが今はそれどころではない。

(準備はいいな?フォースモン)

(いつでも)

 一応確認のために、のぞき窓から外の様子を窺う。

 見えたのは、迷彩服の軍人風の男―――恐らく、バケモンの変装だろう―――が四人ほど……原作通り間違いなさそうだ。本物の軍人だとしてそんな奴らに目を付けられる覚えはない。

 鍵を開け、ドアノブを回し勢いよくドアを開ける。

 

 するとバケモンたちは少々怯んだようだったが、数瞬後すぐに僕に襲い掛かってきた……が、もう遅い。

「はぁっ!」バキッ

「!?」ドカッ

 その数瞬の隙を狙いフォースモンが僕の後ろから渾身の回転蹴りを一番前にいたバケモンに見舞い向かいの壁に激突させ、四体とも一気に気絶させた。

 

「ちょっと冬!?今の音なんなの!?」

 物音を聞きつけた母さんが玄関に向かってくる。

 

「母さん、下がって!!」

「下がって、って……え!?何コレ!!」

 まぁ、いきなり典型的とはいえ、お化けが出てきたら驚くのは当たり前か……。むしろ、こんな白い布被っただけのお化けがリアルに存在することのほうが驚きか?まぁ、今はともかく……

「事情は後でちゃんと説明するから、ウィザーモン!お前は先に下で待機しててくれ!それとパンプ、ゴツは家の警護頼むぞ!完全体クラスのデジモンが来たら無理に戦おうとするなよ、いいな!」

 

「心得た。」シュッ

「「OK!任せてよ!」」

 三人ともすぐに目を覚ましてくれたようで、ウィザーモンは僕の部屋から下に飛び降り、

パンプモンとゴツモンはリビングにのそっと出てきた。

 

「きゃっ!何あなた達は!?」

「彼らは味方だから大丈夫!それより父さんの姿が見えないんだけど?」

 部屋を見渡しても泣いている春の姿しか見当たらない……。今日は父さん仕事はなかったはずだけど……

「あ……あの人ならき、昨日の夜大学から連絡があってい、今はいないわ……」

 大学か……昨日の夜に電車で出たんなら結界で封鎖される前、お台場の外に出てるはずだから問題はないな。

 

「いい?母さん。絶対に今から外へは出ないで。ドアを開けっぱなしにして玄関先から見えないように隠れていれば見つかることはない筈だから!」

 それだけ言って外に出ようとしたら案の定というか何というか母さんに腕を掴まれた。

 

「あ、あなた達は一体何をしているの!?もし危険なことをしているなら今すぐやめなさい!」

 母さんが鬼気迫る顔で僕を必死に止める。

「……母さん、今は離して……、必ずここへ戻ってくるから……」

僕は僕で真剣な顔で母さんと向き合う。

 

 

「……ふふっ、なんてね。」

「はぁ?」

 

「あなた達が最近何かをやっているってことは分かっていたわ、夜こそこそ出て行ったり……ね。」

 ……なんだバレてたのか。

「でも、そのことをあの人に話したら笑いながらこう言ってたわ。『冬にはフォースモンもついているし、一度始めてしまったものなら途中で投げ出さずに最後までやり抜くべきだろう……、まぁ、犯罪行為をしているなら全力で止めないといけないけどなぁ』って。あなたたちの行動はそういった類のものじゃないんでしょう?」

「……うん」

 さすがは僕の両親。適応力が高くて話が分かる。このまま全力で止められてたら僕も迷ってたかもしれない。

「だったら私も無理には止めないわ。だけどこれだけは約束して……。冬とフォースモン、二人揃ってこの家に必ず帰ってくること。いいわね?」

「分かった。必ず無事に……、ここへ帰ってくる!」

 

 そう言うやいなや僕は家を飛び出た。

 フォースモンも出る時母さんに何か言われてたみたいだけど、すぐに追いついてきた。

 

「んで、冬よぉ。今からどこへ向かうんだ?」

「あぁ、とりあえずそこはウィザーモンと協議して……からだな。まずは彼拾ってそれからだ」

 

 間もなくして、僕らはウィザーモンと合流した。

 

恵side

 

 あの子達がやっている事……、今のを見てると安全とは言えないわね。

 

「ねぇ、あなた達……パンプさんにゴツさん……でしたっけ?」

「おぅ、そうだぞ。」

「パンプさんとゴツさんが知ってる限りでいいの、あの子達のやってること教えていただけないかしら?」

「OK、別に止められてる訳じゃないから教えてやる」

 

 

 

「……なるほど、そういうことだったの。じゃぁ、あなた達は危ないところを助けてもらったから冬についているのね?」

「そういうこと!」

「僕らにとってアイツは命の恩人だから協力してんのさ!」

 ……うん、聞いている限りで、この子達は悪い子達じゃなさそうね……、冬が助けるのも納得がいくわね。

 

「ねぇ、パンプさんにゴツさん?もう一つ私の言うこと聞いてくださらない?」

「おぅ、なんだ?」

「なるべくでいいの。これが終わったとでいいわ。あの子達……冬とフォースモンと一緒にいてくれないかしら?それであの子達が無茶をしそうになったら止めてあげて欲しいの。特に冬はあぁ見えて結構なことする子だから……。もちろんフォースモンが頼れるってことは分かっているんだけれどね、やっぱり心配なのよ……」

「なんだ、そんなことか。」

「安心してよ、僕らはもとよりそういうつもりだったしね!」

「ありがとうね、パンプさん、ゴツさん。」

 

 冬、フォースモン……必ず無事に帰ってきてね……。

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