フォースモンside
「(あぁ、なるほど。そういうこと)」
冬がタイミングバッチシとか言ってた理由が分かった。僕が進化した直後、無害化されたダークティラノモンを消しながらヴァンデモンが現れた。幸いにもヴァンデモンのいる位置からここは見えないようでこっちには気付いてないみたいだね。だけど奇襲かけるならタイミングを見てからじゃないと。
「《フラウカノン》!」
「ふん!」
完全体の必殺技をなんなく受け止めますか。さすが完全体の中では頭一つ抜けた実力だな。
「大人しくしていれば可愛いものを!《デッド・スクリーム》!!」
「(やばい!)クレッセント・レイ!」
奴の出す蝙蝠型の光線と僕の必殺技が激突し爆発を起こす。冬に聞いてた情報によるとあれは喰らった相手を灰化させ行動不能に陥らせる技だって言ってたからな。
「又、会いましたね。ヴァンデモン」
「!?……ほぅ、9匹目の方からわざわざ出てくるとは。探す手間が省けたというものだ」
「「「9匹目!!?」」」
近くにいたリリモン含め、パートナーのミミやそばにいた空まで反応していた。僕は空へ飛びリリモンの横に付く。
「自己紹介したいところですが、相手はヴァンデモンです。協力をお願いできますか?」
「え、えぇ」
ここからは2対1、全力で大暴れさせてもらおうか。
冬side
上手い事戦いに潜り込めたドラグモンにとりあえずそっちの事を全権任せて僕は僕で空さんの救助に向かう。現在、お経が流れていたラジカセがファントモンに切り裂かれ詰め寄られている状態である。まぁ今詰め寄ってるのは頭の形が微妙におかしいのと他のと比べて若干のっぽなバケモン。ピヨモンと空さんの母親だ。……つまり。
「連行しろ!」
「「そうはさせない」」
「ピヨモン進化!バードラモン!!」
まぁ、こうなる訳だ。原作通りにね。
……っと、進化したは良いが一匹のバケモンが無謀にも空さん達に襲いかかろうとしている。ふざけんな。
「セイッ!」
さっきからずっとやっているバケモン達への正拳突き。まぁ、簡単に吹っ飛びますね。ここまで簡単に吹っ飛んでくれると少しばかし気味が良い。……あれ、僕こんな性格だったっけ?
そんな疑問がふと頭の中に浮かぶが、それを振り払い、空さん達に声をかける。
「大丈夫ですか?」
「あなたは……!」
「新しい選ばれし子供の梓冬と言います。今は一刻を争いますので詳しい事は又今度。今はここにいる人達だけでも逃げて他の方たちと合流するのが得策です。それまでは僕とドラグモンが抑えているのでその間に!」
「でもそれじゃあなたが!」
すんなりは行かないか。ここではできるだけ揉めたくはないんだけど……。
「自分も後から必ず脱出するので、今は早く……!」
「……分かったわ。バードラモン!」
空さんに呼ばれてすぐに目の前に降り立つバードラモン。母親を先に背に乗せ続いて自身も背中に乗る。当然そんなやりとりの間もバケモン達が大人しく見てる筈が無く、バードラモンを飛び立たせまいと襲いかかってくる。が、その邪魔を僕が妨害する。
そう言えば、さっき、空さん僕の事割とすぐに信用してたな。揉めたくはないとは言ったけどそっちの事で少し時間を取ると思ってたのに。……ちょっと聞いてみるか。
「……空さん。僕の事割とすぐに信用してましたね。少しばかし証明が必要かなって思ってたんですけど?」
「あなたの事はヤマトから聞いてたわ。昨日の朝に私達に話しかけてきた子が新しい選ばれし子供の一人だって。仲間の言う事を信じない理由はないでしょ?」
あぁ、そういう……。ヤマトさん、僕の事話しておいてくれたんだ。
まぁこれ以上の話は落ち着いてからにしよう。
「分かりました、じゃあまた後で。適当な場所で落ち合いましょう」
「えぇ。ミミちゃん!一回逃げるわ。リリモンと一緒に付いてきて!!」
「え!? でも、それじゃ9人目のデジモンが……」
「こっちは大丈夫です。だよな、ドラグモン!」
「え?今協力を申し込んだばかりなんだけど!? ……まぁ、しゃあなしか。リリモンこっちから協力を申し込んで悪いですが、行って下さい。ヴァンデモンは私達で食い止めるので!」
リリモンは驚いた顔をしてたが直ぐに無言でうなずくとミミさんの手を取って先に行ったバードラモンを追うように再び空へ飛んだ。
「そう簡単に逃がすと思うか?《ブラッディ・ストリーム》!!」
「そう簡単に邪魔が出来るとお思いですか?《スパイク・テール》!!」
空さん達を追おうとしていたヴァンデモンの血色の鞭をドラグモンの逆棘の生えた尻尾が相打つ。少々力負けしたのかドラグモンの尻尾の方が弾き返される形となっている
「どうした?前に戦った時はそんな非力ではなかったろう」
ま、奴の言う通りか。流石にドラグモン一人じゃヴァンデモンには勝てると思ってない。月の力が受けられないこの環境じゃどうしてもドラグモンは本来の力は出し切れない。今はとりあえず時間を稼ぐ。テイルモンの救出までは意地でも粘らせてもらう。
ウィザーモンside
東口と書かれた場所から入ると大勢の人間の声が聞こえてきた。
「(まずい!)」
勘ではあったが、咄嗟に近くにあった柱に身を潜め、その声がする方へ耳を傾ける。
「早く歩け!子供はこっちへ、それ以外は向こう側へ行け!!」
声の主はバケモンだ。確かに冬の言う通りのようだ。無差別に子供たちとテイルモンを合わせて、8人目の子供を炙り出すつもりらしいな。
気配を消して子供達が連れてかれた方を付ける。
「嘘を吐けば子供達は皆殺しだ!!」
「!!? (ヴァンデモン!!)」
危なかった。もし、さっきバケモンに気付かれればヴァンデモンにも気付かれてテイルモンを救助するなんてできなかった。
「ヴァンデモン様!西エリアの方で人間共が反乱を……。それにパルモンの完全体が現れたと報告が」
「ふん、雑魚が。直ぐ行く。お前は此処を見張ってろ」
「はっ!」
ピコデビモンの報告にヴァンデモンが大きな建物の方へ向く。その時、何故かこちらの方を見て笑った気がしたが、気のせいだろう。流石にピコデビモンとバケモンだけに子供の監視を任せるとはとても思わない。……実行は今だ。
「《サンダ―クラウド》!!」
「ぎゃぁアアあ!!」
見張りのバケモンを雷撃で痺れさせ、突入する。
「なっ、ウィザーモン。お前死んだ筈じゃ!!ギャッ!」
失礼な事を言ったピコデビモンを再び雷で打ち気絶させる。
「大丈夫か? テイルモン!?」
「ウィザーモン!!良かった、無事で! でもどうやって?」
「説明している時間はない!今、選ばれし子供達がこことは正反対の方角にヴァンデモンをおびき寄せている。逃げるぞ!」
「待ってくれ。ここには大勢の人達が……!! 私が逃げたらヴァンデモンが捕まってる人を皆殺しにするつもりだ」
確かに……。だが!
「そうかもしれないが、今君が逃げてヴァンデモンを倒す準備を整えなければ、結局奴はここに捕まっている人間達を全員殺すつもりだ。今は私の言う事を聞いてくれ」
テイルモンを助けなければ、囮役を買って出てくれた冬に申し訳が立たないし、選ばれし子供達とそのパートナーが9組全員が揃わなければヴァンデモンを倒すことは出来ない。
「……そうだな、分かった。案内してくれ、ウィザーモン」
「あぁ!」
という事で、この話で色んな方救出です。え、と原作と違うのは……ミミ、空の母親、テイルモンか。さてこれで物語がどう動いていくか。楽しみに待って頂けたらと思います。
気付けば、もう年末。もしかしたらSAOの方は2013年の間にもう一話上げるかもしれませんがデジモンの方は今年はこれで終わりです。では、この小説を読んで下さる方に至上の感謝をこめて、よいお年を!