ヤマトside
今日、俺達はこれからのことを話し合うつもりで皆で公園に集まっている。既に全員集合はしている……丈は少し遅れてきたけど。
で、俺らは昨日の夜に光子郎から連絡を受けて8人目もしくは9人目は芝浦付近にいるのでは、ということになり、丈以外が芝浦に丈は俺達が持ってきた4年前自分たちが通っていた小学校・幼稚園の名簿に電話をかけて、俺達以外に光が丘からお台場に引っ越してきた奴を探すこととなった。
……思うんだが、面識のない、古い友達の知り合いが急に電話かけて来たら不自然だよな……
ピピピッ ピピピッ
行動を起こそうとしたその時、皆のデジヴァイスが何かに反応し音を立てた。
「え、デジヴァイスが!」
「皆がいるから鳴ったんじゃないの?」
「いえ、それなら急に音が鳴ったことに対して説明がつきません!それに反応が向こうの方からこちらに近づいてきます。まず間違いなく、8人目もしくは9人目です!!」
「「「「「「!!?」」」」」」
俺らの仲間である新しい選ばれし子供がこっちに近づいてくるという言葉にその場にいた説明役の光子郎以外の全員が驚く。
あっちから近づいてきてくれるならこのままここにいてみようということになり、そいつを待っていると俺とタケルが見知った顔が目の前に現れた。
「えっ、冬さん!?」
「あれ、タケル君じゃん。それにヤマトさんも……。奇遇ですね、こんなトコで会うなんて」
「ふっ、冬!? なんでお前がここに?」
俺の隣人である冬がデジヴァイスを持って目の前に立っていた。まさか、冬が?
「ヤマト、知り合いか?」
「あぁ、俺んちの隣に住んでいる梓冬って奴だ。なぁ、冬。その手に持っているのは?」
俺は太一の質問に答えた後、念の為にデジヴァイスのことについて聞く。
「あぁ、これヤマトさんのだったんですか?」
「はっ?」
「いや~、実は困ってたんですよ。これ昨日の夜にベランダ出ていたんですけど、そしたら下でピンクに光っているこれを見つけましてね、一応拾いはしたんですけど、さっきからピピピッうるさくて……。これヤマトさんのなんですよね?じゃあ、お返しいたします。」
「あ、あぁ」
俺は差し出されたデジヴァイスを受け取る。
……ちょっと待て、ということは冬は選ばれし子供の一人じゃない?そういえば、俺がこっちに越してきた時には、既に冬はお台場にいた。
だが、もしもということはある。だから一応この話は聞いておくか……
「なぁ、冬。お前、4年前に光が丘で起きた爆弾テロのこと知っているか?」
「え!?爆弾テロ!?そんな事件が光が丘で起きてたんですか!?いや、今の今まで知りませんでした。僕ずっとお台場に住んでいたし、……急になんでそんなことを?」
「い、いや知らないんならそれでいいんだ。悪いな、急に変なこと聞いちまって」
俺が冬から聞きたいことを聞いたら太一が冬に聞こえないように話しかけてきた。
「なぁ、ヤマト。こりゃあ……」
「あぁ、脈なしだな。冬がもしその時何かで光が丘に行っていたなら、まだ可能性はあったけどな」
冬の言葉で冬自身が選ばれし子供という可能性は弱まり、新しい選ばれし子供に関してはまた振出しに戻った。
「そういえば、さっきから気になってたんですけど、そちらの方々は?」
「あ……あぁ、昨日中止になっちまったけど、俺夏キャンプ行ってたろ?その時同じ班になったやつらでさ、気が合ったんでまた集まろうってことになったんだよ!」
「あぁ、なるほど。それの集まりなんですか、これは。自己紹介とかしたいところなのですが、僕これからちょっと用事がありまして、これで失礼させていただきますね」
「あぁ、分かった。気を付けてな」
冬はそう言って走ってどこかへ行ってしまった。
……なんとか、この集まりの事は誤魔化せたな。正直自己紹介の流れになったらまずかった。デジモン達の紹介までしないといけないからな。
俺らはそのあと当初の予定通りに丈は家へ、俺らは芝浦付近へと向かった。
冬side
僕とフォースモンはさっきヤマトさん達と別れた場所からちょっと離れたところの公園の木に
「間違いないね、変更点は見当たらなかった。デジモン達も姿をカムフラージュしてたみたいだけどいるにはいたし」
「なぁ、冬。さっきなんで僕らの正体隠したのさ?素直に言っちゃっても何の問題もなかったと思うよ」
フォースモンがさっき登場できなかったのが不服らしく、すねた口調で僕に言ってくる。
「まぁ、そう怒るなって。このままいけば僕らの正体は今夜、少なくともヤマトさんとタケル君には知られるんだ。それぐらいですねんなって。」
「別にすねてなんかないさ、だ~か~ら、僕が聞いているのはその理由!何もったいぶってんのさ!」
「それはさ……あっ」
「?どうしたんだよ、ふ……!?」
フォースモンは僕の視線の先を見て固まった。
「あなた達もアグモンのお友達?」
あちゃあ、確かにこれから会おうとは思ってたけど、まさか不意打ち喰らうとは思ってなかったなぁ~。
まぁ、ヒカリちゃんに会えた事自体は嬉しく思うからいいんだけどね。
「冬、気付いているか?」
「あぁ、バッチリ。気配を絶っているつもりかもしれないけど、視線は感じているよ」
「?」
僕達はさっきから感じている視線……恐らくはテイルモンのものを受けながら、彼女に気付かれないように自然を装いながらヒカリちゃんと話し始めた。
「あぁ、こいつもアグモンと同じデジモンだよ。まだ、アグモンとは会った事無いけどね」
「やっぱりそうなんだ。あ、私は八神ヒカリ、よろしくね。え……と」
「こいつはフォースモン。僕の相棒だ。僕は冬こちらこそよろしく、ヒカリちゃん」
自己紹介をしながらも気は抜いてない。既にこの感じだと僕が凭れている木の上まで来ているみたいだ。
「うん、よろしくね冬く……あっ!?」
ガシッ
「なっ……!?」
握手をしようと思っていた所にテイルモンの襲撃がきた。
僕は握手を取り止め、襲ってきたテイルモンの手を掴み、そのまま後手に拘束し組み伏せた。
ヒカリside
「全く……、いきなり襲ってくる事ないんじゃないの?テイルモンさん……」
「!? 貴様、何故私の事を知っている!そうか、やはり貴様9人目だな、クッ、離せ!!」
さっき会った、冬君がテイルモンと呼ぶ白いデジモンが冬君の下で暴れていた。冬君を襲おうと思っていたみたいだけど流石にかわいそうだよ……
そう思ってやめさせようと思ったらフォースモンが冬君の代わりにテイルモンを抑えつけた。
「もうやめてあげて、冬君!この子苦しそうだよ!」
気付いたら冬君に向かって叫んでいた……でも、なんでだろう。
確かに苦しそうだったからっていうのもあるけど、テイルモンとは他人の様な気がしないような……
冬君がちょっと困ったような顔をしながら頬をかき、そのあと私に向かって言った。
「大丈夫だよ、ヒカリちゃん。ちゃんと加減はしているからテイルモンも暴れなければ痛くはない筈だよ」
「そう……なの?」
私がフォースモンに尋ねるとフォースモンは無言でうなずいてくれた。
テイルモンside
「クッ、何故私に気付いた!?気配は絶っていたのに!!」
成熟期ともあろう自分が9人目の子供に捕まるなんて……不覚!
「簡単な話さ、そんな殺気の籠った目で見られたら、自分で気配を絶ったつもりでも視線を感じずにはいられないさ、……さて」
何かを聞き出すつもりか?無駄な事だ。私に……
「テイルモン、お前は何故そちら側に付く?君は本来こちら側のデジモンじゃないのかい?」
……フン、貴様如きに何が分かる!私だって好きでヴァンデモンに付いている訳では……
「だんまり……か。僕が思うに君はヴァンデモンに虐げられてきた存在だと思ったんだけどな。何故、復讐しない?何故、こちら側に付かない?何故、選ばれし子供達を信じない?」
「!? 貴様!どこまで知っている!!」
何故、こいつは私の心を読んだかのように、私が胸に秘めている事を知っているんだ!?
そう思っているとフォースモンと呼ばれているデジモンが私の拘束を解除した。何故?
「君は僕の事をヴァンデモンに報告できない。手掛かりの少ない方の9人目を見つけておきながら始末出来なかったら仕置きを喰うだけだからね」
「ちっ、……私を解放した事、後悔するといい!」
「あぁ、待って!」
私がその場を後に走り出した時、あの8人目候補が呼び止め、無意識に私は足を止めた。何故だかは分からない。けど、止まらなければならないような気がした。
「また……会えるよね。」
「…………」
私は逃げだすようにその場を去った。
というわけで、二話連続投稿でした。
おかしいな、なんで二話合わせてもソードアート一話分になんないんだか……
まあ以前やってたときルーズリーフ一枚分程度にしていたツケでしょうかね。
こちらで新話上げる際はなるべく描写を細かくしていきたいと思います。
ご感想、ご意見、アドバイス等々質問でも構いません、ぜひぜひビシバシと突っ込んで頂きたいと存じます。
今回はこのへんで……ではでは!