デジモンアドベンチャー 運命を変えし9番目   作:ALHA

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両立が難しいと思い始めてきたALHAです。
勿論、途中断念みたいなことはしないつもりですが、場合によってはこっちは長期休載する可能性がありますが、その際はその旨活動報告にてご報告させていただきます。
ではでは、早速第四話どぞ~!


第四話 ~運命を変える瞬間(とき)~

冬side

 

 あれからヒカリちゃんと少し話をして別れた後、僕は家へ帰り、この後の事を考えながら時間を潰した。

 今日の最大の目的を果たせるのは夜、デスメラモンの件に手を出しても良かったが、ヴァンデモン戦に備えて力を温存したいし、僕が介入する事によって事態が好転するような事件も無いのでパスさせてもらった。

 

 

 

 そして、今は夜の時刻は八時。夕飯も、「おやすみ」という挨拶も既に済ませ、父さんも母さんも寝室に来ない状態にはもうなっている。

 ただ、今回はレアモンの時よりもかなり早い時間に外へ出る為に布団に人形を忍ばせてある。

 ……少し不安は残るけどこればかりは仕方ない。

「フォースモン、今から渋谷へ向かうぞ!」

「また、デジモン絡みか……、今日はどんな奴なんだ?」

「ヴァンデモンだ」

「……やっと敵さんの大将とご対面という訳か。レアモンの時しか実戦してないけど、まぁ、仕様がないか……」

 

 そう、唯一の不安要素はそこだ。

 フォースモンが進化すれば完全体であろうと退けを取ることはほぼない。だけど、フォースモンの経験のなさがここでどう響くは予想がつかない。僕との訓練はあくまでも訓練……実戦とはほど遠いお遊びのようなものだ。

 レアモンに勝てたのは奴に意思と呼べるようなものが存在しなかったというのが大きかった。

 まあ、それでも今日の戦いはヤマトさん達に協力を仰げるはずだ、戦いには十中八九突入するだろうけど僕達サイドから死者は出ない筈だ。

 

「そうだな。経験のなさはヤマトさん達に補ってもらう事にしよう。僕らの目的は、味方サイドの命を一つでも多く救う事にある、それができないなら僕らが居る意味はない!」

 そう言って僕とフォースモンはまたも窓から外へ飛び出した。

 

 

「しかし、冬どうやって渋谷へ行く?電車でも使うか?」

「電車とか公共機関を使うのは避けたいな。万一の事があって事故にでも遭ったら笑い事じゃない、ここは、僕らが走って行った方がちょっと遅くなるけど安全ではある。……フォースモン、お前はデジヴァイスの中に入っていたほうがよくないか?」

「体力に関しては問題ないから大丈夫。それに今からヴァンデモンと一戦交えようっていうんだ、準備運動程度にも思っておくよ」

「そうかい?まぁ、強制はしないけどヴァンデモンと戦うときは万全の状態にしといてくれよ?」

「了解!」

 

パタモンside

 

「なんだい、タケルの奴!あんなに怒らなくったっていいじゃないか!!」

 僕は渋谷?って街を一人で飛んでいた。

 確かに僕がタケルの家族の事を聞き過ぎたっていうのは悪かったけど……、でもあそこまで言う事無いじゃないか!!

 ……タケル、探しに来てくれるかな?

 

「うわぁっ!」

 僕がそんな事を思っていたら急に誰かに羽を掴まれた。

 ヴァンデモンの手下!?拙い、今タケルはいないから進化できない……やられる!

 僕は怖くなってがむしゃらに暴れ回った。

 

「暴れないでください、パタモン!私は味方です」

 えっ……味方?恐る恐る目を開けてみると僕の羽を掴んでいるのは僕の知らない黒いデジモンだった。

「ハハッ、フォースモン随分嫌われたなぁ~」

「からかうな、冬!」

 

 人間の子供にデジモンが一匹……まさか!?

「ねぇ、もしかして君達……」

「ご察しの通りだと思うけど僕らは選ばれし子供とそのパートナーだよ。自己紹介は追々するにして……、ヴァンデモンがこの近くに来ている」

「!!?」

 ヴァンデモンが!?大変だ、この近くにはタケル達が居るかもしれないのに……

「で、君が居るっていう事はこの近くにタケル君達も居るのかい?」

「どうして、タケルの事を!?」

「簡単な話さ、君達とは一度会っているからね、覚えてない?今日の朝方の事」

「朝?……あっ!」

 そうだ、デジヴァイスを持ってきてくれたヤマトとタケルの知ってる子だ!

「でも、ヤマトと太一が違うって……、四年前の騒動を見てないからって!」

 

「う~ん、そこを話すと長くなるなぁ……!? それに関しては今話している時間はなさそうだ」

 冬って子と話していると向こうの方向で雷みたいなものが落ちた。あの邪悪な感じは……ヴァンデモン!!

「とりあえず、近場のビルへ」

 僕はその子に連れられヴァンデモン達が確認できる位置のビルの屋上に身を隠した。

 

 

ヤマトside

 

 俺らはパタモンを捜しにガブモンとタケルと一緒に渋谷の街に居た。

 そこでヴァンデモンの部下だけども渋谷の街が気に入ったパンプモンとゴツモンというなんとも呑気なデジモン達と出会ったのだが……、そこにヴァンデモンが現れて、俺達は今その二人に匿われている状態だ。

 

「この裏切り者め!!」

「「ひぃっ!」」

 ヤバい、やっぱりバレた!でも、助けに行くべきなのか?ホントにあの二人を信用していいのか?

「お前達にもう用はない。ナイトレイド!!」

「クッ、トリックオアトリート!!」

「アングリーロック!!」

 今、俺はタケルを守ってやんないといけない!

 もし、まだあの二人がヴァンデモン達側で俺が出て行った瞬間三人がかりで攻撃されたら?そう思うと体が動かなかった。

「「ウワぁアアああ!!」」

「見るな、タケル!!」

 パンプモンとゴツモンの悲鳴が聞こえた瞬間、せめてあいつらの最期を見せないようにタケルに覆いかぶさって視界を奪った。

 

「『フリーズブレス』!!」

 謎の声が響き、恐る恐るヴァンデモンの方向を見ると、奴の放った蝙蝠が全て凍りついており、一瞬後それらは消え去った。

 見た所、パンプモンとゴツモンは無事みたいだ……、良かった!そして、蒼いデジモンがヴァンデモンと対峙していた。

 

冬side

 

 よし、まだヴァンデモンはあいつらに手を出していない……、これならイケる!

 

「準備はいいな?フォースモン!」

「おぅ、いつでも!」

「もしかして、進化できるの?」

「まぁ、完全体……とまではいかないけどね。フォースモン進化だ!」

 僕はデジヴァイスを取出しフォースモンに掲げる。

 フォースモンは光に包まれ、成熟期のその蒼き巨体を僕の前に現す。

「フォースモン進化!!ドラグモン!!」

 

 フォースモンの時とは違って完全な竜形態、それがドラグモンだ。額には三日月の紋様が浮かび、成熟期の時、鷹のものだった手足、尻尾、翼も竜の様に力強いものとなっている。

 

「行け、ドラグモン!あいつらを救うんだ!!」

「了解!」

 ドラグモンはその場を超速で離れヴァンデモンのもとへ向かう。

 

「パタモン、おまえもタケル君の元に戻ったほうがいい、ほらあそこにいるだろ?」

「あ、ホントだ。タケル!」

 パタモンもタケル君のもとへ向かう……。さてと僕も腹をくくるか。

 

 

ヤマトside

 

「タケル~!」

「パタモン!今までどこに行ってたんだよ、心配したじゃないか!」

「ごめん、タケル……」

「いや、いいんだよ。僕もさっきは言い過ぎたし……」

 

 タケルとパタモンは仲直りしたみたいだが、パタモンと一緒に来たあのデジモンはいったい?

「パタモン、お前と一緒に来たあのデジモンは?」

 

「それに関しては僕から説明しますよ、ヤマトさん」

 

 声が聞こえたほうへ振り向くと、そこには俺の隣人である冬が立っていた。

「冬!?なんでお前がここに……、っていうか『僕から説明する』って……」

「まずは、デジモンのことを隠していたのは謝ります。僕としても静かに行動したいことがあったので、朝のデジヴァイスに関してはとぼけさせていただきました。でもって、あのデジモンは僕のパートナー、フォースモンが進化した姿、ドラグモンです」

 

「なんだって!?じゃ、じゃあ冬、おまえが・・・。」

「えぇ、8人目・・・ではなく正真正銘の9人目、梓冬です」

「冬さんが・・・9人目!?」

 俺もそうだが、タケルも相当驚いたみたいだ。まさか、こんな近くに9人目がいたなんて……。

 それにしてもなんで9人目と自分で言うのだろう?

 まぁ、8人目だろうが9人目だろうが正直仲間である事に変わりないからこの際どうでもいいか。

 

「細かい話は後で致します。今はこの場を切り抜けましょう。ドラグモン、大丈夫か?!」

「あぁ、今のとこ互角かな」

 空を見るとそこでは冬のパートナーとヴァンデモンがお互い一歩も譲らない戦いをしていた。

 

ヴァンデモンside

 

 選ばれし子供達をかくまった裏切り者のパンプモンとゴツモンを消すつもりだったが、思わぬ収穫があったようだ。

 まさか、こんなところで9人目を抹殺できるチャンスが来るとはな……。

 

「我が蝙蝠たちを一瞬で葬ったことは評価に値するが、貴様……まさかその程度で勝てるとでも思っていないだろうな?」

「さぁ、どうでしょう?私としてはあなたの実力がどの程度なのかはわからないもので……あなたもあれが全力ではないでしょう?」

「当然だ、『ブラッディストリーム』!!」

ドラグモン「スパイクテール!」

 私のブラッディストリームと奴の尻尾が激突する。力は同等……か。だが!

「私はまだ片手しか使っていないぞ!」

 私はすぐにブラッディストリームをもう一つ発生させて奴に攻撃する。

 

「そんなことは分かっていましたよ、既に準備は済んでいる!『フリーズブレス』!!」

「何!?」

 奴の放ったブレスが私の左の手ごとブラッディストリームを凍りつかせた。

 

 コイツ……できる。

 少なくともあのガルダモンより実力は上といえる。コイツも完全体だったか……、少々侮ったようだ。

 

「あなたの考えていること、手に取るように分かりますね。大方、私を完全体とでも思っているのでしょう?残念ながら、その推理ははずれですよ。私はまだ成熟期ですから」

「!!?馬鹿な、そんな実力がありながらまだ成熟期だと!」

 確かにまだ私も本気は出していないが、私の本気に匹敵しうる力を持っている。

 しかも成熟期で……だ。

 ならば、どうあってもここで倒さなければな……。

 

「円月蹴り!!」

「はぁっ!」

「むっ!」

 別の方から飛んできた衝撃波と棒による攻撃をかわす。

 くっ、ハエどもが!奴さえいなければすぐにでも殺してやるというのに!

 

 

冬side

 

 ヤマトさん達のサポート要らなかったかもな。

 ドラグモンがなかなか善戦してくれているみたいだ。

 まぁ、今が夜だっていうのと、現実世界への適応度の高さが功を奏したな。

 

 そろそろ、決着と行くか。

「ドラグモン、決めろ!」

「あぁ!『クレッセントレイ』!!」

 ドラグモンが三日月の紋様からエネルギーを収束し胸のコアからビーム状にして発射する。

「こっちもいくぞ、ワーガルルモン!」

「おぅ、『カイザーネイル』!!」

「僕達も!エンジェモン!」

「あぁ、『ヘブンズナックル』!!」

 3つの必殺技が1つに折り重なってヴァンデモンに迫る。

「!? 『ナイトレイド』!!」

 ヴァンデモンが自身の必殺技にて応戦する。

 

 そして、それらがぶつかった瞬間、辺りをまるで昼の再来とでも言わせんばかりの光が溢れた。

 

 くっ、眩しいな……。あいつら、どうなった?

 

「この勝負、預けたぞ!ふはははは!」

 ちっ、嫌味ったらしい笑い方しやがって……。

 辺りを侵食していた閃光が止むと、既にヴァンデモンの姿は見えなかったが、退化しているフォースモン達を発見することが出来た。

「無事か!?フォースモン!」

「あぁ、なんとかね。」

 フォースモンは疲れているのか、完全に腰をおろしていた。ガブモンやパタモンもフォースモンと同様に疲れてるみたいだけど大丈夫みたいだ。

 

 さてと……。

「君達も無事かい?パンプモン、ゴツモン」

「あ……あぁ、死ぬかと思ったよ。けど……」

「おまえ、なんで、まだ知り合ってもいない俺達を助けた?」

「僕の目の前で助けられる命があったから助けただけだよ。まぁ、この後、僕らを襲ってくるようなら、容赦はしないけどね」

 一応、言ったあとに戦闘態勢万全と言った感じに身構える。

「そ、そんな!俺達を助けてくれたのにお前を襲おうなんてある筈ないじゃんか!」

「だから、安心してよ!」

 まぁ、そう言うと思ってたよ、これでパンプモンとゴツモンの命は助けられた。

 ……ちょっと、この後に問題はあるけどな。

 

 ヤマトさんとタケル君が僕を疑わしそうな目で見ている……、当然っちゃあ、当然なんだが。

 

「さて、ヴァンデモンもいなくなった事だし、色々質問に答えてもらおうか。なんで、自分を8人目ではなく9人目だと言っているのかとか、そもそもホントに選ばれし子供の一人なのか?とかな」

「……分かりました。しかし、此処だとさっきの騒ぎを見に野次馬達や警察が来兼ねませんよ?……そうだ、今からヤマトさんの家へお邪魔しても?」

「今日はおやじが居ないから俺は構わないけど、お前のご両親にはなんて言ってここにきているんだ?」

「ここには黙って来てますよ。多分、父さん達は今僕の事は寝ていると思っているでしょうね。部屋を万一覗かれた時用に布団に人形忍ばせて」

「……お前、ホントに小学生か?普通そんなこと思いつかないぞ?」

 うぐっ、痛いところを……。

「まぁ、それはともかく、それならヤマトさんの家で質問には全て答えましょう。詳しくはそこで」

 

「分かった、じゃあ、鍵を渡しておくから先に家へ上がっていてくれ。俺もタケルを送り届たら、直ぐに戻るから」

「僕も一緒に聞きたい!」

「タケル……」

「僕だって選ばれし子供の一人だよ!ちゃんと冬さんの事聞きたい!」

 

 ……ヤバい、ヤマトさんは自分の意志はとことん突き詰めるからなぁ~、それが原因でこの後太一さんと争う事になるし。

 タケル君はタケル君で自分を子ども扱いされるのは嫌だからこっちも譲る気はないだろうな……。

 下手すると兄弟喧嘩に発展しかねない……あ、そうだ!

「じゃあ、タケル君、こいつを君に貸しとくよ」

 そう言ってポケットに入れておいた物を取りだし、タケル君に渡す。

「これって……携帯電話?」

「僕とヤマトさんが話し始めたら、こいつに電話かけるから質問タイムに参加できるよ。ヤマトさんもこれなら良いですよね?」

「まぁ、冬がそう言うなら……。タケルもそれで良いな?」

「……うん、分かった。ちゃんと電話してね。」

 ヤマトさん達は僕に鍵を渡して、駅の方へ歩いて行った。

 

「さて、パンプモンにゴツモン、ちょいと頼まれごと引き受けてくれねえかな?」

「「?」」

 

~ゴニョゴニョ~

 

「……という訳なんだけどどうかな?」

「あぁ、それくらいならお安い御用だ!」

「助けられた借りもあるしね。」

 そう言ってパンプとゴツはある場所に向かってこの場を去った。

 

「フォースモン、家まで走るけどどうする?一緒に走ってくかい?」

「……さすがに疲れたから、デジヴァイスの中入ってるよ」

 フォースモンの体が光に包まれ、デジヴァイスの中へ入って行く。

 

 それを確認した僕はヤマトさんの家まで走って向かった。




パンプとゴツ救済話でした。

そして、フォースモンの成熟期ドラグモンを出しました。
成熟期なのに完全体と張り合えるっていうのはもう私の願望丸出しですね。エテモンだってメタルグレイモンでようやく勝てたというのに……
でも割とファイル島では完全体デジモンを成熟期で圧倒してたから(黒い歯車取り出すだけ)、ま、いっか。

ドラグモンに関しては後ほどキャラ紹介の方でデータを追加させていただきます。
今回はこのへんで……ではでは!
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