インフィニット・ストラトス ~ULTRA~   作:サイレント・レイ

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第1話 登校

――― 富士樹海 ―――

 

 

 此の時、一般人立ち入り禁止区画にてIS学園の三年一組が課外授業の一環も兼ねた実戦式の演習が行われている筈だったのだが…

 

「…うんまぁ~い!」

 

…光源が一切無い夜営地で生徒達全員がテントの内外問わずに倒れていたが、1人だけ踞って何かを貪っていた。

 

「…? あら~…まだいたの?」

 

 だが背後で何かが落ちる音がしたのでそちらに振り向くと、そこに担任教員と思われる女性が驚き震えていた。

 どうやら見た処、水を汲みに行っていて戻った処に此の光景を見て思わずタンクを落とした様だった。

 

「貴方一体何を……ひ!!」

 

 女性は相手を威圧しようと自身が纏うISことラファール・リバイヴの突撃銃を向けたが、その銃口の上部のライトで照らした人物の真っ赤な口元を見て悲鳴を上げた。

 勿論、それはどう考えても生徒達の血である事は間違いないのだが、その人物の姿そのものの方が問題であった。

 

「……あ…ああぁぁぁー!!!」

 

 その為、女性は警告無しに悲鳴を上げながら引き金を引いたが…

 

「あらあら…」

 

…その人物は右手首上部から太刀みたいな物を出して銃弾を悉く切り捨ててしまった。

 しかもパニクっている女性は直ぐに弾が切れてしまった銃の弾倉を交換するのを忘れて何度も引き金を引いたが、人物が不適に笑いながら歩み寄って来たのに気付いて銃を抱えて後ろに後ず去った。

 

「……あ…貴方は、一体誰なの?」

 

「…貴女教師なのでしょう?

此の私の姿を見て分からない何て、とんだお馬鹿さんね」

 

「そんな筈はない!!

だって……だって貴方達はウルトラマンに駆逐された筈でしょ!」

 

「ああ、そう言う事!」

 

 女性が怯え混乱している理由が分かって人物はわざとらしく右拳で左掌を叩いた。

 

「…でもざ~ん念!

私達はウルトラマンと戦った事処か、会った事すら無いのよ」

 

「な!?」

 

「…それに“鬼のいぬ間の命の洗濯”って言葉があるじゃない」

 

 人物が不気味に笑うと硬直している女性に飛び掛かった。

 そして本日最後の絶叫が樹海に響いた…

 

「……ほ~ん当、ウルトラマンと同等とか言っていたのに笑っちゃう位無様なんだから…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――― IS学園 ―――

 

 

 IS…正式には“インフィニット・ストラトス”と呼ばれるそれは稀代の天才女性科学者篠乃之束が生み出した宇宙空間での運用を目的とした女性しか纏えないマルチフォーム・スーツであった。

 だが白騎士事件と呼ばれる一件にてISが究極兵器たる素質があると判明するや、あらゆる従来型兵器を文字通りに駆逐し世界そのものを女性中心の男卑女尊に作り替えてしまったのだ。

 そして関東沖の小島を丸ごと使用して建てられた此所IS学園はISを纏う者達を育成する世界で唯一の教育施設に繋がるモノレールの列車が駅に到着して大量の学生達が降り立って次々に学園へと向かって行った。

 だがISが女性しか動かせない以上IS学園の生徒は女子しかいない筈なのだが、此の人達は全員男性であった上に白を主とした此所の物ではない関東各地の高校の制服を夫々纏っていた。

 

「…ねえ、何か良いのはいる?」

 

「さあ、見た処良さそうなのはいないみたい」

 

「どうやら今年は駄目みたいね」

 

 そんな男子達を彼等を値踏みする様に学棟から見詰める女子生徒達の目線を一部は気付いて……何を勘違いしたのか顔を赤くしながら女子生徒に手を振っていた。

 

「…おい、あの子かなり可愛いよな!」

 

「ああ!! 俺目線合っちゃったよ!」

 

「……何勘違いしてんだよ…」

 

「何良い子ぶってんだよ、剣一!!」

 

 男子生徒達の茶色いブレザーの一団の1人の早田剣一は妙に冷めていたが、調子づいている親友達から首に腕を回されて弄られていたが、そうこうしている間に入口前で案内役の教師が待っている体育館に辿り着いた。

 

「…ようこそ整備科交流生の皆さん、此方に来て下さい」

 

 頭を下げた案内役の教師に先導されて整備科交流生である彼等が体育館へと次々入って行った。

 先述の通りISは女性にしか動かせないのだが、最強の兵器であるISと言えど人が作り出した機械である事に変わりは無く整備や修理を行う人間を必要とした。

 勿論IS学園にも整備科を設立して整備士を育生していたのだが、問題なのは世界中から優秀な入学生が入る花形たる普通科とは違って不人気の整備科は毎年定員割れを起こして人員不足を起こしていた。

 元々女子のみの普通科に反して整備科は男子中心であり、学園創立当初は何とか共存していて現に第一及び第二世代初期のIS乗り達と整備科卒業生の男性整備士は良好な関係を作り、中にはそのまま結婚する者達もいた。

 処が年を重ねる度に女子生徒の潰しやISを動かせない為からの意思疏通に支障が出る事から女性整備士を求める事から女子勢力に駆逐されていき、体面上は男子枠は残されているのだがとうとう誰も入らなくなってしまったのだった。

 しかも女子生徒も上位成績者が普通科に片っ端から引き抜かれた事による悪循環もあって質までもが低下してしまった。

 此の為、何とか人材を確保したかった学園側が取った行為こそが外からの導入…即ち交流生として他の学校の生徒を入れたのだ。

 だが交流生と言いながら事実上は他校からの強奪に近い引き抜きでもあった此れ等の生徒達も根本が解決されていない為に先述の通りの問題でやはり駄目になっていて、現在は女子生徒のため見合いと化し更にIS学園が他校から嫌み嫌われる理由になっていた。

 だが毎年人数が減らされ此数年は一年も経たずに全滅していた交流生が今年はとある理由……男性にも関わらずISを纏えた織斑一夏の入学(やはり此れも他校に入学するのをIS学園が奪った)で大々的に大量に呼ばれていた。

 男性達にては希望の一種になった一夏だが政治的及び外交的配慮、更に彼が最強のIS乗りにして一部の女性から信奉の対象にもなっている織斑千冬の弟である事から女子生徒から貞操が狙われる(実際交流生が女子生徒から性的に襲われたとの報告が多数あり)等から彼等が呼ばれる事となったのだ。

 詰まり彼等の大半は一夏の専属整備士の候補生であったのだ。

 だが学園の肝煎りの割りには彼等交流生の歓迎は教頭の挨拶と幾つかの注意事項の説明のみ

 

「たった此だけかよ!」

 

「寂しいもんだな。

昨日やった入学式が世界中から来賓が来たらしいのにね…」

 

 余りの質素ぶりに剣一が親友とぼやいていた。

 

「だけどよ、確か生徒会長の更識楯無の挨拶もあった筈なのにそれも無しかよ」

 

「いや、それがどうも生徒会長さんは別件で昨日からいないらしいぞ」

 

「本当か、それ?

嫌だったから逃げたんじゃない?」

 

 剣一の近くで楯無不在(音信不通の三年一組とその一組を救助しに行って“ミイラ取りがミイラになった”三年二組の捜索及び救助に行っている)を疑っている者達がいたが、実際問題此所にいる者達は自分達が余り歓迎されていない事を理解して思い思いの反応をしていた。

 でそんな歓迎が終わるとさっさと案内役の教師に従って出ていき、次に行われたのがIS学園の生徒達が授業を受けている間に幾つかのグループに別れての学園案内を受ける事となり、剣一が入っているグループは最初に普通科の最先端の電子機器を併用しての授業が行われている一年の学棟を説明を受けながら移動していた。

 見た処どの組も先ずISとその関連物の説明とクラス代表を誰にするかで話し合いが行われていた。

 だが四から二組までは時折笑い声や雑談が入りながらも世界一高い入学希望率(しかもその枠の殆どは国家推薦者で埋まってしまう)のIS学園入学試験を合格した者達だけあって一様真面目にやっていたが…

 

「…納得出来ませんわ!!」

 

…怒鳴り声が聞こえた一組だけはどうも揉めている様だった。

 此の為、剣一達は足を止めて一組を覗きこむとクラス代表の候補と思われる彼等と同世代の少年と金髪の少女が立っていた。

 

「…おい、あいつが織斑一夏だよな?」

 

「ああ、しかも相手はイギリスの代表候補生のセシリア・オルコットだ」

 

「…セシリア…オルコット……何か綺麗な人だね…」

 

「何見惚れてるんだ!」

 

 剣一が親友に小突かれていたが、セシリアが日本を馬鹿にした発言に一夏が怒って(剣一は苦笑していたが、親友達も当然ながらムッとしていた)喧嘩腰になった為に試合が行われる事となっていた。

 只、女子の大半がセシリア支持(と言うより見た処ポニーテールの少女しか一夏を支持していない)に回っていた。

 

「…どうやら試合をやるみたいだぞ」

 

「て事は織斑一夏のISが見れるんだ!」

 

「……そんなに都合良くいかないと思うぞ…」

 

 実は一夏本人は知っているかどうかは知らないが、ある事で男性達からも注目されていたが、剣一ただ1人は興奮している親友達に呆れていた。

 

「なんだよ、剣一」

 

「お前は興味無いのかよ?

何せウルトラマンの整備士になれるかもしれないんだぞ!」

 

 そう、一夏が同世代の男子に注目される理由とは巷を騒がせる“ウルトラマン擬き(当初は悪口に近い形で“偽ウルトラマン”とも呼ばれていたが、此れはザラブ星人の擬装体の公式呼称と被った為即廃止)”と呼ばれる文字通りにウルトラマンを模したISを彼が装着しているのではないかとの噂が有ったからだ。

 先述の通り世界を変えたISだったが、世界共通のウルトラマンを信じ愛する思いだけは変える事は出来ず、過去に束がアメリカでの講演会にて“ISはウルトラマンと同等の存在”と発言した際に人々は拍手喝采をせず逆に彼女に物を投げながら罵声を浴びせたとの出来事があった。

 勿論、ウルトラマンの加護を最も受けていた日本はアメリカの比ではなかったのだが、それが此最近だけでも“横転炎上したタンクローリーから逃げ遅れた運転手を救出した”とか“人質を取った銀行強盗を一瞬で制圧した”等の活躍をするウルトラマン擬きの出現であった。

 此のウルトラマン擬きに一部の男性…特にウルトラマン活躍時に少年期であった者達は“ウルトラマンへの冒涜だ”と非難していたが、殆どの人間は熱烈に歓喜していた。

 で此で問題になったのは誰が此のウルトラマン擬きを纏っているかであったのだが、不思議な事に超情報社会であるにも関わらず映像が一切存在しない上、目撃者(と主張する)達はどうもウルトラマン擬きは比較的若い男性が纏っているらしいと主張し、全てのIS所有者や関連機関が存在その物を否定していた。

 そして何よりISが女性にしか纏えないのだから都市伝説となりかけていたのだが、そこに来て男性装着者の一夏の登場で彼がウルトラマン擬きの装着者ではないかと注目されたのだった。

 

「そりゃオレだってウルトラマンの整備士になりたいよ!!」

 

 此の剣一の叫びにセシリアが気付いて振り向くと他の一組の生徒達も次々に振り向いて剣一達・交流生の存在に気付いた。

 此の為、生徒達が歓声を上げ、交流生達は照れながら手を振っていたが、セシリアと一夏のみは親友達に絡まれてる剣一を見詰めていた。




 感想・御意見御待ちしています。

 と言う訳でやっと投稿出来た本作から登場した主人公の早田剣一は原作の進次郎にウルトラマンパワードのカイ・ケンイチをぶちこんで作りました。
 ですので進次郎と性格は余り変わらない筈ですが、機械系が少し強くなっています。

剣一
「でもなんで俺こんなややこしい形でIS学園に入ったんだ?」

 そりゃお前の場合は正体が張れると不味いからだ。
 だから相棒をヒントに此の形にしました。

剣一
「それにしても俺の存在で大体分かる筈だけど、原作キャラを基本尊重する作者が今回ULTRAMAN勢を殆ど一掃する事にしたんだろ?」

 ああ、原作ULTRAMANが良い意味で“お前何処行くんだ?”の状態だから原作キャラの投入が凄い怖かったんだよ。
 現に昔愛読していたリリカルマジカルな同人誌の作者が最新シリーズの予想展開を大外しして恥じをかいたのをよく覚えていたから…

剣一
「だから此の際、ゼットン星人エドをタイニーバルタンに代えようかとも検討しているんだろ?」

 うん、最近エドもエドで……後味方になりそうなベムラーも含めて何か最近胡散臭いだよ。
 だからタイニーへの交代が良いか、出来ればエドでいって欲しいのかの意見があれば下さい。


…あ、最後に忘れかけていましたが、諸事情があって千冬は学園にいませんが、いずれ出しますので……ええいずれ…くっくっく…
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