…どうして俺はここに居るんだっけな…
千葉県 某所
「くっそ…レイジバースト、ぼっちにきつすぎだろ…はぁ…仕方ないから知らない奴とインフラするか」
「ただいまー!!お兄ちゃん!!」
「おぉ、おけーりー…つかそんなハイテンションでどうした、小町」
「ふっふっふ…お兄ちゃん、ソードアートオンラインって知ってるよね?」
「ん?あぁ、知ってるぞ。あれだろ茅原なんとかって人が作った超絶人気のVRゲームだろ?」
「そう!なんと!そのソードアートオンラインを小町が!くじで引いたの!!」
「へぇ〜…は?小町、お前なんて?」
「はぁ〜これだからごみいちゃんは…ちゃんと一回で聞いてよね、だから!小町がソードアートオンラインをくじで引いたの!」
「え。マジで…?」
「マジマジ、大マジだよ」
「まっ、俺には関係ないけどな。それやるにしても受験の後とかにしとけよー」
「んー…関係なくはないよ、小町は知ってのとおり受験だからお兄ちゃん小町の代わりにやってみてもいいよ?」
「なん…だと?」
「どうする?やる?」
「ぜひ!やらせてください小町様!!」
「ナーヴギアとSAOは小町の部屋の前にあるから。じゃあ小町は部屋で勉強してくるね〜」
「SAO?」
「ソードアートオンラインの略だよ。いちいち言うの面倒くさいでしょ?」
「確かにな。サンキュー小町」
と、いうわけで俺、比企谷八幡はマイラブリーエンジェル小町のお陰でソードアートオンライン通称SAOを初日からプレイ出来るようになったのであった。って、誰に話してんだよ俺。
「よし、そろそろ時間だな。ええっと…なんて言えばいいんだっけ…あっ、そうそう」
「リンク・スタート」
「うおっ!すげぇな、おい」
視界に広がったのはまるでファンタジーに出てくるような石畳の街だった。しかし、そのどこもがゲームのようには思えないほど精巧な造りをしていた。
「まあ、なんというかプレイヤー全員美男美女のアバター作ってんな…」
(かく言う俺も人のことは言えないが)
「とりあえず適当に歩いてみるか」
「へぇ、圏外ってこんな感じなのな」
そこには2人のプレイヤーが居た。
「うおっしゃあああ!」
「初勝利おめでとう。…でも、今のイノシシ、他のゲームだとスライム相当だけどな」
「えっ、マジかよ!おりゃてっきり中ボスかなんかだと」
「なわけあるか」
その時俺は悟った。あっ、こいつら絶対リア充だわ。片方経験者ぽかったから声が掛かてみようと思ったけど止めよ
「ん?あんたも初心者か?良かったら基本的なこと教えるけど」
「え、いいんすか?じゃあ、お願いします」
「おう。というか、ゲームの中だし敬語はいいよ」
「…そうか。よろしく、俺はハチマン」
ふっ、噛まなかったぜ (´꒳`*)どやあああ っと危ない危ない自己紹介噛まなかっただけでハイテンションになるところだった
「俺はキリト、こっちはクライン」
「よろしくな!ハチマン!」
「お、おう」
「ハチマン、ソードスキルは使えるか?」
「まだやってねぇな」
「そうか、それなら試しにやってみてくれ」
「ハチマン、意外と難しいからな…先輩からのアドバイスだ」
「何が先輩だよ、クライン。今さっきまでできてなかったくせに」
「なっ!キリト!それ言うなよ!」
…クライン、今さっきから見てたから知ってるぞ…
「ま、やってみるかな…よっと」
発動させたのは片手直剣基本技《スラント》
「なん…で、一発でできるんだよ…ハチマン」
「おおー、おめでとう、ハチマン。そこの自称先輩よりかなり筋がいいぜ」
「おう、サンキュ。」
「あっ、そろそろ落ちねえと」
「どうした、クライン?」
「ピザの宅配、5時半に指定してっからよ」
「「そうか、またなクライン」」
「ははっ、なにはもってんだよ。んじゃ、落ちるわ…あれ?ログアウトボタンがねえ…」
「そんなわけないだろ、よく見てみろ」
横長の長方形をしたウインドウには、初期状態では左側に幾つものメニュータブが並び、右側には自分のアイテム装備状況を示す人型のシルエットが表示される。そのメニューの一番下に《LOG OUT》 つまりこの世界からの離脱を命じるボタンが存在する、はずだ。視線をアイテムの一覧に戻そうとしたキリトに、クラインがややボリュームをあげた声を浴びせた。
「やっぱどこにもねぇよ。おめぇらも見てみろって」
「んな、わけないだろ。寝言は寝て言え、クライン」
「ハチマン…言い過ぎだろ…」
そんなことを言いつつ、それぞれが自分のウインドウの左上、トップメニューに戻るためのボタンを叩いた。
右側に開いていたアイテム欄が滑らかに閉じ、ウインドウが初期状態へと戻る。まだ空白箇所の多い装備フィギュアが浮き上がり、左にはメニュータブがぎっしりと並ぶ。
そして、指先を一番下に滑らせるが
ログアウトボタンは無かった。
「…ねえだろ?」
「ああ…」
「うん、ない」
「あぁ…ピザ頼んでんのによぉ」
「キリト、他にログアウトの方法はないのか?」
「あぁ、残念ながら自発的ログアウトをするにはメニューを操作する以外の方法はないよ、ハチマン」
「そうか…」
「そうだっ、マシンの電源切ったりナーヴギアを剥がせばいいんじゃねえか!」
「俺たちは今、現実の身体は動かせないよ」
「じゃあ、他の人に外してもらうくらいしかなさそうだな」
「でも、オレ、一人暮らしだぜ。おめぇらは?」
「…母親と妹と3人。だから、晩飯の時間になれば大丈夫だと思うけど…」
「俺は両親と世界一可愛い妹の4人だ」
「おぉ!?キリトとハチマンの妹さんて幾つ?」
「うっせぇ、妹はやらねぇ。ぶっ殺すぞ。」
「「ハチマン…お前、シスコンなんだな」」
「…悪いかよ」
そんなことを言っていると突然鐘のようなサウンドが鳴り響き、俺たちは飛び上がった。
「んな…っ」
「何だ!?」
「なん…だよ、これは」
その瞬間俺たちは鮮やかなブルーの光の柱に包まれ、気づいた時にはスタート地点である《はじまりの街》の中央広場に居た。
周囲はざわめき、苛立ちの声をあげ、喚き声も散発し始めた。と、不意に空から身長20メートルはあろうかという、真紅のローブを着た巨大な人が降りてきた。
「なんだよ、あれ」「あれがGMか?」
などというささやきがそこかしこから聞こえる。
『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ』
そこからのことはその巨大ローブが茅場と名乗ったりこのゲーム内で死ねば現実でも死ぬなどという突拍子もないことだった。だが、最後に自称茅場の巨大ローブが
『私からのプレゼントだ、確認してくれ給え』と言った。
それを聞くやいなや、俺たちはメニューを開きアイテム欄のタブを叩くと、そこにあったのは《手鏡》
「手鏡?」
なぜこんなものを、と思いつつオブジェクト化させ恐る恐る手に取ってみるが特に何も起こらない。覗きこんだ鏡に映るのは現実とは違いあまり腐ってない目のついたイケメンだ。…ゲーム内でも腐ってるとか俺の目すげぇな…。
と。突然、白い光に包まれた。2,3秒後見た風景はさっきまでと違っだのだった。目の前にあったのは今さっきまでの勇者のような顔のキリトや切れ長の目のクラインではない。線の細い女顔のキリトとまるで野武士よような顔のクラインだった。てことは俺もかっ!?慌てて鏡を見るとそこには見慣れた腐った2つの目がついた残念イケメンが居た。というか、いつもの俺だった。
「お前…キリトか?」
「てことはお前がクラインか?」
「つうことはお前がハチマンか…ってすげぇ目だなっ!?」
「うっせ、目はデフォだ」
「マジかよ…」
しばらくしてキリトが言った。
「もしここで生き残っていくならリソースの限界が来る前に次の村に行っといた方がいい。だから、クライン、ハチマン、一緒に行かないか?」
「わりぃ、他のゲームの時のダチがいるからよ…」
「俺は連れていってくれないか?」
「そっか…何かあったらメッセージ飛ばしてくれ、クライン。これからよろしくなハチマン」
「死ぬなよ!キリト、ハチマン!!」
「そっちこそな、クライン!!」
「お前も死ぬなよ!あと、ぼっちの俺と喋ってくれてありがとよ!」
以上、回想終了。つか、キリトとクラインに会ったとこまで回想しちまってたな。