目覚めると金剛に…   作:mothership

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今日も今日とて見直しはしているのですが恐らく間違いがボロボロ出てくると思うので、もし間違いを発見しましたら感想欄に指摘をしていただけるとありがたいです。

今回は横須賀鎮守府でなにがあったのかを書きました
割とシリアスにしたかったのですが重い空気の表現ってなかなか難しい…
本当に小説を上手に書ける人って凄いですね(汗)

また、細かい設定などは次回書く予定なので少々お持ちください
そして相変わらずまだ他の艦娘達は出てきません(苦笑)


12月8日横須賀鎮守府にて

横須賀鎮守府は、首都東京に近いことと東京湾の入り口付近にあることから日本で重要な鎮守府の1つとされている

日本の約4分の1の艦娘達が集まり、また、湾の一部を埋め立てて作られた飛行場には約50機程の妖精が動かす九七式攻撃機や零式戦闘機といった航空機や、5機の輸送用ヘリが常駐している

 

 

そんな重要な横須賀鎮守府を束ねる提督はもちろん、とても優秀な人でなくてはならない

 

 

5年前に着任した現横須賀鎮守府提督は誰も考えもしなかった奇抜な作戦で海域をどんどん攻略していき、ここ1年程伊豆・小笠原諸島での深海棲艦の目撃情報はない

また横須賀鎮守府がある東京湾は世界一安全な湾と言われている

 

そんなことから各国から視察団が派遣されることも度々あり、本日も米軍と豪軍の艦隊が視察にくる予定である

 

 

 

 

 

 

 

 

12月8日

早朝

 

 

 

提督はいつものように6時きっかりに起きると隣で寝ている金剛に目をやる

 

 

 

 

 

「…いつの間に

ちゃんと鍵はかけたはずなんだが…」

 

 

 

 

「…Zzz」

 

 

 

 

すぐに起こそうとも考えたが普段やたらと騒がしい金剛がすやすや寝ている所を見てしまうとどうも躊躇ってしまう

 

 

 

 

それにしても寝顔も可愛いなーと提督は思った

金剛には悪いがペットを飼っているようだ

 

 

 

 

 

…金剛を動物に例えるなら犬だろうか

一度会えば高速で飛びついてくるし、頭をこすりつけてマーキング、人目がなければキスも要求してくる

一通りかまった後、頭をワシワシしてあげると満足して去っていく

 

 

 

あぁ、なんだかんだ俺も金剛が愛おしくてしょうがないのだろう

 

 

 

 

…だがそれとこれとは別である

 

とりあえず金剛を起こさねば

 

 

 

 

 

 

 

 

「ていっ」

 

 

 

 

 

 

 

”パチッ”

 

 

 

 

 

 

 

「ッーー!

な、なにしてるデスカ、テートク!」

 

 

「何してるってデコピンだが?

それよりもお前こそ俺の布団に何故いるんだ」

 

 

「テートクのwifeなら当然デショ~」

 

 

「当然ではないと思うが…

まぁそれは100歩譲って良いとしてどうやって部屋に入ったんだ?

鍵閉まってたはずなんだが」

 

 

「これを使ったネー!」

 

 

そう言うと金剛は胸の内ポケットから鍵を取り出した

 

 

 

 

 

「…それはここの鍵か?」

 

 

「Of course! テートクの部屋の鍵デスよ~」

 

 

「何故それを持っている?

合い鍵なんか渡した記憶ないんだが…」

 

 

「Really? 先週の夜drinkしてる時にくれたこと覚えてないですカー?」

 

 

 

 

…先週?

先週は金剛姉妹と空母達でお酒を飲んでて…

 

 

 

 

 

 

…あー後半の記憶ないな

 

 

なんなる失態…

 

 

 

 

 

「…返せ」

 

 

 

「やデスヨー!

欲しかったらここから取るデース♪」

 

 

 

金剛は鍵を胸ポケットにしまうとふふーんと勝ち誇った用に胸を張る

 

 

 

 

なんだかな

ムカつくけど可愛いのが腹立たしい

 

 

 

 

 

…はぁ

色々馬鹿らしくなってきた

 

 

 

それよりも米豪軍が来るのは今日だったな

早く支度をしなければ

 

 

 

 

 

「…その件は後々解決するとしてお前もさっさと支度しろー

今日は米豪軍の視察団が来るんだから秘書艦としてしっかりしろよな」

 

 

 

「OKー じゃあまた後でねーテートクゥー」

 

 

 

金剛は手をフリフリすると部屋から出ていった

 

 

 

 

そういう素直な所はズルいと提督は思った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7時頃

電探に複数の詳細不明機が確認されたが重要視されることはなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻は8時ちょっと前

提督は書類に手をつける前にふと一番上の引き出しを開ける

 

そこには2枚のチケットと1枚のパンフレットが入っている

 

 

 

 

 

…ふふ

 

 

幾度となく見てきたものだが思わずにやけてしまう

こんな所を部下に見られたら示しがつかないな

 

 

 

 

 

事の始まりは1ヶ月前

たまたまやっていた夢の国のCMに興味をもった金剛が「行ってみたい」と言い出したのだ

 

提督も久しぶりに行くのも悪くないと思い、ついでにホテルの予約と上司に勧められた結婚式場のパンフレットを用意した

 

金剛姉妹から金剛が式に憧れがあるとは聞いていたのだが、なかなか話す機会もなく過ごしてきた

戦艦とはいえやはり女の子なのだ

結婚式に憧れを抱くのも至極当然のことだろう

 

せっかくのチャンスなのでそれとなく話してみようと思う

 

 

提督はチケットとパンフレットを取り出し、パンフレットに一言添えると胸ポケットにしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

その時だった

 

 

 

 

 

 

 

 

”ウーーーー”

 

 

 

 

 

 

鎮守府内の警報が騒ぎだした

 

 

 

 

 

「何事だ!」

 

 

 

 

提督が叫んだと同時に複数の足音が聞こえてくる

 

そして勢いよくドアが開かれると

 

 

「提督!

敵航空機の編隊確認!およそ150機だと思われます!」

 

 

 

 

部下がとんでもない報告をしてきた

 

 

 

 

「なんだと!?

今どの辺りにいる!」

 

 

「三浦と大島の間辺りです!」

 

 

 

「はー!?

何故そんな近くに来るまで気付かなかったんだ!

電探はちゃんと作動してただろ!」

 

 

 

「い、いえ

報告によりますと7時頃に詳細不明機を複数確認しているらしいのですが…」

 

 

「その時点でなぜ報告しなかったんだ!」

 

 

「それがその、今日米豪軍がくるということだったのでその関係の航空機かと…」

 

 

 

「バカかお前ら!

20世紀じゃないんだぞ!報告もなしに勝手に領空内で飛ばす訳ないだろ!!」

 

 

「も、申し訳ありませんでした!!」

 

 

「謝罪なんて今はどうでもいい!

とにかく各方面に連絡しろ!

航空部隊隊長の妖精に今すぐ使えるやつをすぐに出させろ!

零式でも九七式でも九九式でも何でもいい!

とにかく使えるやつを出せ!

それと厚木横田の部隊とお台場鎮守府、米豪軍への支援要請!

霞ヶ関への連絡!

付近警察署へ連絡して住民を避難させろ!」

 

 

 

 

「はっ!」

 

 

「恐らく攻撃を完全には防ぎきれないだろう

建物が保つとは考えにくい

そこでこれより先の指揮は地下シェルターで行う

また万が一俺が死んだら艦娘の指揮は金剛、それ以外の指揮は大佐、お前に任せる」

 

 

 

「死ぬなんてそんな物騒なこと言わないでください!」

 

 

 

「万が一だ、万が一

俺を誰だと思っている」

 

 

 

 

そういうと提督は今までの激怒が嘘だったかのような笑顔を見せる

 

 

 

その笑顔に部下達も少し心が安まった

 

 

 

「そういうわけだ

お前ら先に地下シェルターへ移動

俺は放送で簡易の指揮をした後すぐに向かう

分かったか?」

 

 

 

 

「はっ!」

 

 

 

 

威勢の良い声と共に部下達は部屋を出ていった

 

 

 

 

 

 

 

チッ

 

 

 

まさかこの付近で深海棲艦が現れるとは…

慢心してたな

まだまだ俺も甘いということか

 

 

よし、それより早く指揮を執らねば

 

 

机の端にあるマイクを取りスイッチを入れる

 

 

 

「あーあー提督だ

これは訓練ではない、覚悟して聞いてくれ

先程敵航空機約150機が確認された

もう数十分でくるはずだ

まだこの150機しか確認されていないが、決してこれだけではないはずだ

第2波、第3波が来るだろう

艦娘達はそのことを念頭におきながら今すぐ対空艤装を装備の上、防衛作戦Bの配置に各々つけ

 

 

 

 

…それと絶対に轟沈なんかするなよ

生き残って帰ったやつには銀座の寿司だろうが松坂牛だろうが何でもおごってやる

もし死んだら100回殺しに行くからな、覚悟しておけ!

あと、部下共

死んだら二階級昇進?

ふざけるなよ、逆に二階級降格にしてやるからな!

危なくなったら撤退しても構わない

とりあえず死ぬな

以上だ」

 

 

 

放送を終えるとすぐに別の通信機を使い金剛に連絡をとる

 

 

 

「金剛聞こえてるか?」

 

 

 

「Yes 聞こえてるヨー」

 

 

 

「よし、放送で聞いたと思うが敵航空機が迫っている

そこで金剛には現場の状況を逐一報告してほしい

それに合わせて俺も指揮を執る

やれるか?」

 

 

「もちろんデース!

私の力を見せてあげるネー!

きっとテートクも惚れ直すはずヨ~」

 

 

「ふっ、そうだな

それと万が一俺に何かあったら金剛、お前に艦娘の指揮を任せる

まぁ大丈夫だとは思うがな」

 

 

「ワタシはテートクのこと信じてるネー!」

 

 

「おう、あっそうそう

この戦いが終わったらお前にご褒美があるから楽しみしておけ

絶対に沈むなよ

約束だからな」

 

 

「I understand! テートクこそ約束破らないでくださいね?

さぁワタシたちの出番ネー! Follow me!

ミナサーン、ついてきてくださいネー!」

 

 

 

 

…金剛はいつでも金剛だな

さて、俺も早く地下シェルターに行かねば

 

 

 

 

 

提督は部屋から出て長い廊下を走る

走りながらなんとなく外を眺めて

 

 

 

 

…今日は波が高いな

 

 

 

 

そんなことを思いつつふと道路沿いの方に視界がいくと、部下が子供を連れている姿が目に入る

 

 

 

 

 

「…何してるんだ?」

 

 

不思議に思った提督は進路を変更し外へ出た

 

 

 

 

 

先程窓から見えた地点に近づくと確かに部下と子供がいた

提督の足音に気がついたのか部下がこちらを見る

 

 

「何をしているんだ?

その子供はなんだ?」

 

 

 

「はっ!

このガキはどうやら遊んでいたボールが鎮守府内に入ったようで、それを取りに侵入したらしいのです」

 

 

「…なるほど

それで子供は1人なのか?」

 

 

「いえ、それがもう1人いるようなのですが私の姿を見て逃げ出したと…」

 

 

「なんだと!?

この状況でそれはマズいな…

 

よし、とりあえずお前はその子供をシェルターに連れていったあと警察署に連絡してその子の両親に預かっていると伝えろ

俺はもう1人の子を探す」

 

 

「はっ!」

 

 

面倒なことが増えてしまった

それでも市民を守るのことが軍人の仕事であり義務なのだ

早く見つけださなければ子供が戦闘に巻き込まれてしまう

 

それは避けなければ

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから付近のあらゆる場所を捜索したが全く見つからない

 

まずいな

時間的にあと1、2分で敵機がくるはずだ

そうなれば捜索も打ち切らざるおえない

 

どこだ!どこだ!どこにいるんだ!

 

焦りが提督を追い詰める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「テートクゥ?聞こえますかー?」

 

 

 

そんな状況の中金剛から無線が入ってきた

 

 

 

 

「どうした?金剛」

 

 

「うろうろしてたBoyを見つけたネー!

この子はどうすればいいですカー?」

 

 

 

 

 

…なんと!そんな所まで行っていたのか

まぁとにかく見つかってよかった

流石我が嫁

 

 

 

「ナイスだ金剛!

流石!愛してる!」

 

 

 

「あ、愛してる…

も、もーそういうことは普段言ってくだサーイ!」

 

 

 

「分かった分かった

じゃあその子は誰か駆逐艦の子にシェルターまで連れて行くように言ってくれ」

 

 

 

 

「OKーテートク

そ、それとテートクゥ?」

 

 

「ん?なんだ?」

 

 

「わ、ワタシも愛してマース…」

 

 

 

 

 

「…お、おうありがとう

じゃ、じゃあ後でまた」

 

 

 

 

 

「ハーイ…」

 

 

 

 

 

…なんだよ

それは反則だろ…

 

 

 

 

 

 

 

…よし、俺も早いとこシェルターに向かおう

 

 

提督が正常な思考を取り戻す

 

その時だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!」

 

 

 

 

 

 

敵戦闘機1機が近くまで迫ってきていたのだ

 

出っ張りの下辺りから火を吹き出している

つまりこちらを射撃してきている!

 

 

 

 

瞬時に提督は走りだした

 

 

 

 

くっ!

全く気付かなかったとはなんたる失態!

軍人として失格だな

 

ともかく何かの陰に隠れなければ!

 

 

 

必死で逃げる提督に迫る敵機

もう射程には十分達していた

 

 

あとちょっとだ!あとちょっとで鎮守府の裏口だ!

 

もうあと一歩で入れる

 

 

よし!なんとか逃げ切ったか!

 

 

 

 

 

 

 

 

が、提督の努力も虚しく辺りに機銃が撃たれる音が鳴り響いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッーーーー!!!」

 

 

 

 

 

提督は腹から床に落ち経験したことがない激痛に襲われる

 

 

 

 

タッチの差で足に被弾してしまったのだ

 

 

 

 

 

叫ぶことさえままならない

そして最早足があるのかどうか分からない

 

白い制服が赤く染まっていく

 

 

 

 

 

…どれくらいたったのだろうか

 

激痛でしばらく悶えていたが次第に冷静に頭を動かせるようになってきた

 

 

 

…最悪だ

部下達にあれだけ死ぬなと言っておいて自分が真っ先にやられるとは…

これは二階級どころか二等兵まで降格だな…はは

 

 

 

 

 

 

 

…金剛

ごめんな、約束は守れそうにない

 

 

 

最後の力を振り絞ってポケットからチケットとパンフレットを取り出す

 

 

 

金剛が行きたいと行ってた夢の国に一緒に行きたかった

金剛の憧れの結婚式を挙げたかった

金剛と戦争が終わったら一緒に暮らしたかった

金剛と毎日一緒に寝たかった

金剛と故郷の英国に行きたかった

 

 

 

…最低の提督だ

 

 

 

こんな最低な俺と一緒にいてくれたことに感謝したかったがもう時間がないようだ

 

 

 

 

「…ありがとうな、ごめんな、金剛…」

 

 

 

 

 

 

 

 

10時

 

提督の死は部下達はもちろん、艦娘達にも強い衝撃を与えた

優勢だった戦局は次第に悪化

 

お台場鎮守府の部隊や米豪軍、横田厚木の航空部隊の支援でなんとか全滅はさけられたが

横須賀鎮守府の3分の1の艦娘が轟沈

建物もほぼ全壊

さらに提督の死

深海棲艦と日本との戦いで最もダメージを負った戦いの1つとなった

 

 

この戦いを教訓に戦力を1つの鎮守府に集中させるのは危険とされ

新たに大島、館山、勝浦、下田鎮守府が作られ横須賀とお台場を合わせて6つに戦力を分散させることになる

 

 

 

 

 

 

 

 

「…テートク」

 

金剛は鎮守府裏口があった辺りに来ていた

提督の死を一番悲しんだのは言うまでもなく彼女だ

 

 

「テートクはワタシに約束したデスよね?

生き残ったらご褒美をくれると言いました

 

 

 

 

…ワタシをひとりにしないでくだサイ

ご褒美もなんにもいりません

何でも言うこと聞きマース

だからテートクゥ

帰ってきてくだサーイ…

お願いだから、お願いだから1人にしないでヨー…」

 

 

 

涙が止まらない

泣いてもう喋ることもできない

 

とにかく泣き続けた

 

 

 

 

 

 

 

 

どれぐらい泣いたのか分からない

気付くと青かった空が赤く染まっている

 

 

 

…もう何もしたくない

…もうなんでもいいや

 

 

 

おもむろに立ち上がると胸の内ポケットから鍵と赤く染まったチケットとパンフレットを取り出す

 

パンフレットに書かれたI love you foreverの文字をみた

 

 

また溢れ出しそうになる涙を抑えて何かを決心したように話し出す

 

 

 

「So do I(私も愛してます)テートク

ワタシはテートクが思っている程強い女の子じゃありまセーン

妹達も沈んでいきました

もうワタシが生きていく意味ないデース

待っててくだサーイ、今から行きマース」

 

 

 

 

 

 

 

大佐は臨時の執務室で後処理をしている

深海棲艦との戦いを終わらせたはよいが、その後処理がまたとんでもなく大変なのだ

 

 

 

 

…こんなことをいつも大将はやっていらしたのか

 

毎日何でもない顔で処理していた大将の姿が鮮明に頭に残っている

 

ダメだ、いつまでも縛られ続けていたら前に進まない!

 

今は早くこの鎮守府を復興させねば! 

 

 

 

 

 

 

 

書類の整理を再開させる

 

 

 

 

すると誰かが走ってくる音が聞こえきた

 

 

 

 

なんだ?またなんかあったのか?

不安が大佐の頭をよぎる

 

 

 

 

「大佐!」

 

 

「どうした少佐?」

 

 

「旧鎮守府裏口付近で手首から血を流して倒れていた金剛を発見し医務室へ搬送!

幸い命に別状はありませんでしたが未だに意識不明であります!」

 

 

 

 

 

 

「…」

 

 

 

 

 

 

恐れていたことが現実となってしまったか…

 

 

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