とうとう来たか、俺の社会人生活が!
「マーキュリー・メビウス社、今日からお世話になります!」
1ヶ月後・・・
「・・・まじかよ」
俺、甚内哲二(じんないてつじ)が見ているものは、社会人になって初めての初の給料だった。
「初任給で、24万8000円だとおおおおおお⁉︎」
初任給で約25万円という大金を手にした俺は、テンションがかなり上がっていた。だが他の社員は、
『やったー!35万円だー!』
『あまいな!俺なんて40万超えたぜ!』
みんなが俺よりも金額高いなんて、差別という名の差別なのか⁉︎こんなことを考えていたら、後ろから誰かが話しかけてきた。
「お前、なんでそんなに給料低いんだ?」
俺の同期で幼馴染の男、汐見琉鵜鹿(しおみるうか)だった。
「じゃあ琉鵜鹿の給料はいくらだよ!」
「え?ほら、見てみ」
え?封筒の中に少なくとも札が50枚以上あるんだけど。
「えーと、これは差別なのか?」
「お前は真面目に仕事をしなかったからだろ。近接戦闘の訓練でも一人だけサボってるしデスクワークもまともにしないし休み時間も爆睡して結局起きないじゃないか」
ドスッ!ドスッ!
言葉の刃が胸に突き刺さる。まあ確かに真実だ。
「給料を上げたければ訓練も仕事も真面目にするんだな、ははは」
そう言って琉鵜鹿は去っていった。
「ムキー!本当のことばっか言われて何も言い返せなかったじゃんかちくしょー!」
琉鵜鹿は成績トップで近接戦闘も上位に入る。言うなればエリートだな。それに比べ俺は成績は最下位、近接戦闘も最下位。いわゆるこの組織、古典派の恥晒し。あいつは何もかも上手く行くからいいけど俺は何もかも失敗して結局諦めてしまうタイプだからな。
「でも給料もらえただけいいか!ヤッフーゥ!」
こんなことを言って、自分の気持ちをごまかす。正直、ビビっている。クビになることを。
(家に帰ったら、久々にエアガンを買いに行くか!)
こう見えて俺はエアガンが好きだ。え?君は嫌いだって?あはははは!知るか。俺は、刀やナイフなどの刃物も好きだけど、エアガンが一番かっこいい。なんてゆーかこう、ミリタリー感が溢れてるというかなんというか。たまに自分の腹筋に弾丸を撃ち込んだりするね。つーことで、後で買いに行こう。また後ろから誰か来た。
「あ、戸島(とじま)教官!お疲れ様です!」
「ん?ああ甚内か!今日は初任給の日だな!」
この人、戸島教官は古典派の教官だが結構デタラメな人で、俺よりも頭が逝ってる人だと思う。でも、実力は半端ではない。素手でクマを倒したとも言われている近接戦闘のプロフェッショナル。少し前、琉鵜鹿と模擬戦闘をしていたが、琉鵜鹿が一方的に押されていた。簡潔にまとめれば、まあまあいい人。
「戸島教官の給料はいくらだったんですか?」メキメキ「ああああまじでごめんなさいごめんなさいお願いですから腕を変な方向に曲げないで!」
「全く、お前が失礼なことを聞くからだ!んで、いくらだったんだ?」
「24万8000円です、まあ約25万円ですね」
「”約”はいらないだろ、フハハハハハ!」
なんか大笑いしてるし。
「まあいい、お前の働きっぷりにはちょうどいい金額だ!」
丁度?どこが⁉︎
「おおっと、俺は他の仕事があるんだった。俺はここで失礼するぜ」
「そ、そうですか!ではまた明日!」
「おう!」
戸島教官は小走りで戻っていった。でも俺、どうなるんだろう?確かに仕事はしなきゃいけないな。
「帰るか。おうちに」
アホ男の社会人デビューは、まだ始まったばかりである。
次回予告
家に帰ったら帰ったで空襲警報が鳴り始める!それは、国籍不明機の戦闘機5機と、地上部隊の戦車や装甲車など計25車両が軍事会社に攻め入ってきたのだ。その航空隊は、世界最強と言われた、”ラビリンス航空隊”だった。その航空隊と地上部隊に挑む!