そのペットボトルが考えていることは何か?どう生活を送っているのか?
今日も誰に飲まれるのかが楽しみでしょうがない。
そんな俺ペットボトルから見た世界をどうぞ!
夏は暑いな
太陽がぎんぎらぎんと輝き俺の視界に入ってくる
今日も汗をかいた。いい汗だ
まぁ汗といっても俺は人間じゃないからこれは汗ではなく水滴なのだがな
俺が誰かわかるか?
そう
「ペットボトルさ」
見た目はペットボトル、中身は炭酸飲料のごく普通のペットボトルさ
冷たくキンキンに冷やされた俺は今炎天下に置かれている。
俺を冷たい冷蔵庫の中から出したのは16歳の男の子だった。
寒い中ずっといるのは辛い。それはほかのペットボトルたちも思っていることだろう
考えてもみろ、寒いんだぞ
人間は家の中、クーラーやエアコンのきいた部屋にいる。そして誰もが思う
「寒い」と。
それは俺達ペットボトルも思っているのさ、そうさ、俺達もお前ら人間たちと一緒なんだ。
ただ違うのは耐えられる温度と見た目だけ
考えていることは一緒なんだ。
何?じゃあ何故ペットボトルは寒くなったら外に出ないかって?
出られたら苦労はしない。
こういう部分はまるでゴキブリと一緒だと思う。
出たら人がいるのではないか、出れたとしても見つかったらどうなるかなどを考えると恐怖で夜は動こうともしない。
ゴキブリや俺達食べ物、飲み物はいつもそう思っている。
家が人間だけの住処と思われては困る。
俺達も人間に買われてここにきた、言うなれば犬や猫のようなペットと一緒だ
家に置いてあるだけでその物、生き物は同居しているんだ。
人間は同居しているものに対して恐怖を覚えさせているんだ、我ながら人間というのはひどい生き物だ。
本題にうつる
今俺は男の子が所属している野球のベンチにいる
男の子は今日試合なのだ
それはうちの学校がやっとの思いでレギュラーになった初めての試合
彼はそれをすごい楽しみにしていた、そのせいか昨日はあまりに早く寝すぎて今朝起きたのが4時であった。
まだ少し眠たそうにはしているが気合いはバッチリのようだ
その証拠に目が輝いている。
俺ただベンチで見てることしかできない新入部員のヘタレみたいな存在だけど彼とは飲み干されなければずっと一緒にいれる、ずっとキスしていられる。彼の唇は男子とは思えないほど柔らかく綺麗なのだ。
「この男と付き合えた女は幸せなんだろうな」
そう思っていた。
カキーン
打った。
ボールがバットの中心にあたった一番良い音だった。
俺はこの音が好きで、この音を聞くために来たようなものだ
しかし野球部は中心に当てるのが本当にうまいな
そういうところ感心するぜ
そして彼が打ったボールはホームランであった。
打った勢いでホームまで走ってきた彼はベンチに足を運べ俺の隣に来た
「あー喉乾いた」
ゴクゴクゴク
気づいた時にはもう喉を通り彼の体へと吸収されていた。
俺は彼のホームランに貢献できただけで嬉しい
彼の喉に入れただけで嬉しい
野球の試合に持っていってくれてありがとう
そして彼は立ち上がりペットボトルのふたを閉めゴミ箱へ投げ入れて守備をしようとグローブ片手にベンチを後にした。
「さようなら」
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