好き 作:たまご
どこかの学校には、同じクラスメイトたち全員から認められている、クラスの中心的存在がいると思う。
颯人のクラスにも、爽やか男子でイケメンの部類に入る 新崎 優太 という男の子がいる。
新崎 優太 は黒髪で眉の下まで前髪があり、サラサラのストレートで癖毛が少ない髪で目力が強く、薄い唇で顔が小さい。
身長も173㎝と大きい方で完璧に見えるかも知れないが、運動だけはダメダメである。
そんな優太が気にかけているのは、いつも1人でいる颯人だった。
同じクラスになったコトはないが、2年になり一緒のクラスになってからは、噂で生徒から避けられて裏では悪口も言われている颯人を見てから、力になりたいと思っている。
「おはよう!俺と一緒のクラスになったコトないよね?」
優太は早速、颯人に話しかけた時に周りの生徒は、ビックリしたような表情になる。
そんな周りの生徒に構うコトなく優太は、颯人と話す。
「さぁ……覚えてない」
「本当に?頭いいから記憶力ある方だと思ってたなぁー」
「おーい、席に着け!HR始めるぞ」
優太と颯人が話して、周りの生徒がザワザワしているトコに、颯人たちの担任が教室に入り静かになる。
出席をとり1日の流れの確認をしてから、担任が教室から出ると優太の周りには、男子生徒や女子生徒で一杯になっていた。
「お前、何であんなヤツと話してんだよ!」
「アイツは人を殺したヤツだよ!」
「関わらない方が良い!」
颯人が本当に人を殺したと思っている生徒たちは、優太に色々と言うが優太は、生徒たちが言い終わるまで黙って聞いている。
「でもさー、所詮、噂は噂だろ?誰もその現場を見たワケじゃないし」
「そ、そりゃそーだけど………」
「な、なんつーか………」
優太の言葉に周りにいた生徒たちは、強く言い返すコトが出来なく、黙り込んだりしたりしていた。
優太の席から颯人の席は遠いが、優太の周りにいた生徒たちの声がでかく颯人の方にまで、ハッキリと聞こえていた。
◇
誰かにあんな風に庇って貰ったの久しぶりだな。
悪口とかは聞き慣れているけど、あんな風に言われるのは慣れないし、少しだけ嬉しいかな……
◇
颯人が誰かに庇って貰ったのは母親が生きてた頃で、母親が死んでからは誰も颯人を庇うコトはなくなった。
そんな颯人に優太は、少しでも良いから助けてやろうと、クラスメイトに理解して貰おうとしている。
ーーーー☆★☆★☆★ーーーー
昼休みに入ると生徒たちは、いくつかのグループに別れ食事する。
「それで、10発殴って勘弁してやったぜ!!」
「ギャハハハ、あっちゃんヤベー!!」
「今度俺らにも殴らせろよ!!」
この3人の不良たちも昼休みに入ると………イヤ、常に校舎の裏側で休んでいる。
校舎の裏側は滅多に生徒や教師が通らなく、道路側にはフェンスが建てられているが、木が植えてあるのでフェンスが見えない。
また、すぐ近くには焼却炉があり、隠れて煙草を吸うのに丁度いい場所でもあるため不良が良く溜まる場所でもある。
「一緒に食べない?」
不良たちが校舎の裏側にいる頃、颯人は優太に一緒に弁当を食べないか誘われている。
「別にいいけど」
「そしたら、校舎の裏側に行こう!」
不良たちがいると知らない優太と颯人は、校舎の裏側に行くコトになった。
「校舎の裏側ってあんま生徒いないから、ゆっくり出来ると思うよ」
「それでさー…………!何だ、お前ら?」
「あっち行けよ!ココは俺らの場所なんだから」
2人が校舎の裏側に着くと不良たちから文句を言われるが、優太は臆するコトなく言い返してしまう。
「でも、ココは誰の場所でもないと思うケド……」
不良たちに言い返してしまった優太に不良たちは、キレて優太の顔に近づいて脅す。
「ああ?テメェー、何言ってんの?」
「偉そうなこと言ってんじゃねェゾ!!」
「痛い思いしない内に帰った方がいいぞ、クソガキィ!!」
まさか、こんな展開になると思わなかった優太は、困った顔になっている。
そんな優太に颯人は、優太の腕を掴み不良の横を通り抜けようとしたが、邪魔され胸ぐらを掴まれ殴られる。
「テメェ、原崎だろ?」
「……………」
「俺たちと遊ぼうぜ!」
悪い方にも有名な颯人は、不良に絡まれるコトも多く、よく喧嘩を一方的に売られてしまう。
「原崎、大丈夫か?」
不良に殴られた颯人を心配して優太は、颯人に手を貸そうとしたが、不良に突き飛ばされ転んでしまう。
それを見た颯人は、優太を突き飛ばした不良の顎に強烈な一撃を入れる。
「テメェー、ブッ殺す!!」
「死ねや!!」
優太を突き飛ばした不良は、立ち上がれなくその場に倒れて残りの2人の不良が颯人に襲いかかる。
2人の不良が襲いかかるも颯人は、落ち着いており向かってくる不良の1人の顔面を殴る。
「す、スゲー……」
運動だけはダメダメな優太は、颯人の喧嘩を見て思わず呟いてしまう。
残った1人の不良に颯人は、勢いよく跳び不良の顔に全体重を乗せた拳を入れる。
颯人たちが不良と喧嘩していた頃、凛は自分の教室で由衣と一緒にいた。
「はぁー……(何で、今もこんなにドキドキするんだろう)」
「今日、ため息多いね。何かあった?」
いつも一緒にいる由衣は、凛のため息の多さに心配して聞いてみる。
「う、ううん!な、な何もないよ」
「ホントにぃ~!」
「ほ、本当に何もないよ」
「ウソついても凛のコトは、すぐに分かるよ」
中学から一緒の由衣に騙しきれないと思った凛は、本当のコトを話す。
「成る程、凛はその人のコトを好きになったんだよ」
この時、初めて凛は自分の本当の気持ちに気づき由衣にアドバイスを求める。
恋愛経験が殆どないに等しい凛は、どうしたら良いか分からないでいる。
「どうしたらいい?」
「まずは、その人と2人だけで話して仲良くなるコトね」
由衣の言葉を真面目に聞く凛に由衣は力一杯、抱き付きたくなる。
それから色々聞いた顔を赤くしながら、由衣に言う。
「き、今日、会ったら早速、話ししてみる」
「うん!頑張りな」
この日、凛と颯人は放課後に話すコトになる。