好き 作:たまご
放課後になると凛は、颯人と話すために颯人のクラスに来ていた。
そのせいで、颯人の教室にいる男子生徒たちは、凛を見て騒ぎ始める。
「何で隣のクラスの春崎さんが?」
「やっぱ、可愛いよなぁ~」
「1日デート出来たら、死んでもいいー」
「名前で呼ばれたい」
男子生徒たちが騒いでいる頃、颯人は凛の姿を見てあの時のコトを思い出す。
◇
ヤバイ、恥ずかし過ぎて死にそうだ。
つーか、頬が熱くなって、心臓が暴れてる。
◇
「ーーさき!ー原崎!!原崎 颯人!!!」
「うわっ!お前っ、つーか、何?」
颯人が凛を見て、慌てていると隣から優太が大声で呼んでいた。
そんな慌ててる颯人など知らない凛は、顔を赤くしながら颯人の近くまで来ている。
「お客さん、放課後なのに残ってる生徒が多いから、屋上とか人気のないトコに行った方がいいぞ」
優太は凛を颯人の近くまで案内して、言い2人きっりになれる場所を言う。
未だに教室に残っている男子生徒たちからは、嫉妬の視線や殺意の籠った視線が颯人の方に突き刺さり、今までとは違う目で見られている。
「ココから出よう……」
あの時のコトが忘れられない颯人は、まともに凛のコトが見れず凛とは違う方向に視線を向けて言う。
颯人と部屋で2人きっりになった時は、目を見て話してくれたに今は、目も見ずに話す颯人に少しだけシュンとなった凛がいた。
◇
ココから出るって…………2人きっりになる?
あ~~~~~~!!!
き、緊張する!!
◇
シュンとなった凛だったが、それも一瞬だけだった。
優太に言われた通りに颯人は、人気のない屋上に来ていたが喧嘩があって以来、立ち入り禁止になり屋上前の階段で話すコトになった。
「……………………」
「……………………」
颯人はあの時の恥ずかしさで自分から話し出せず、凛は緊張して自分から話し出せず、2人共黙り込んでいた。
◇
何かこのままだと気まずいな、それに俺はちゃんと謝らないといけないし……
◇
「あ、あのさ………あの時はゴメン」
颯人は何とか自分から話し謝るコトが出来たが、相変わらず視線は他の方を向いている。
凛も2人きっりの状況で、ちゃんと颯人の顔が見れなく他の方を見ている。
「えっーと、ゴメンって、何が?」
「えっ………いや、その………なんつーか……抱きついて……」
颯人が「抱きついて」と言った瞬間に効果音をつけるなら、ボフッというような音が出るような感じで、顔が真っ赤になる。
颯人も真っ赤に顔を染めて、やっと言えたみたいな表情になる。
「そ、そそそれなら、私の方こそゴメンなさい!」
「えっ?」
颯人が学校で噂になっている、人殺しの真実について話している時に、凛は颯人に優しく抱いたコトを思い出し謝るが、颯人は自分が抱きついたコトしか思い出していない。
「覚えてないの?」
頬を赤くしながら聞いてくる凛は首を傾げ上目使いで可愛らしく、颯人もドキッとするが、今はこの気持ちに気づいていない。
「あ、いや………」
ーーーブーブーブーブーーー
凛の質問にどう答えようか迷っていると、颯人のズボンの中にある携帯が鳴り電話にでる。
凛としては、初めて出会った颯人に何時間もしない内に抱きついたコトは忘れて欲しいと、思いながら電話に出ている颯人の背中を見つめる。
颯人の背中を見つめていると、颯人が凛の方に身体を向けて凛の前までくる。
「ゴメン、バイト人が足りないらしいから行くわ」
いきなり凛の方に振り向いた颯人にドキドキした凛は、小さく「うん」と頷き手を振る。
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翌日、凛は朝から由衣に「あの人とちゃんと話せた?」と言われている。
颯人といる時もドキドキするけど、颯人のいないトコで颯人のコトを考えたり思い出したりすると、颯人といる時よりもドキドキしてしまう。
そんな凛は顔が真っ赤になり俯いてしまう。
「もしかして、キスとかした?」
真っ赤になって俯いている凛に冗談ぽっく言った由衣に、凛は起き上がり全力で否定する。
「キ、キスなんて………」
「まぁ、凛が男の子を好きになるは初めてだもんね」
中学時代から告白しようとする男子生徒が数十人いたが、凛のコトが大好きな少年によって、告白しようとした男子生徒数十名は凛に近づくコトさえ出来なかった。
その為、男の子を意識するコトは高校生になって初めてなのだ。
「で?あの人とはどんな話しをしたの?」
「特に話してない……」
「んー、先は長いかも」
「先って?」
「ああ、何でもない、何でもない!こっちの話し」
由衣は凛と颯人が2人でイチャついているシーンを想像したが、凛の「特に話してない」と言った瞬間に想像が一瞬でボロボロに崩れてしまう。