好き 作:たまご
午前中、颯人たちのクラスが体力測定をしていた時に凛のクラスは、数学の授業中だった。
「この問題の公式は……」
窓側の席に座っている凛は、教師の説明を聞いていたが、グランドから響く声に顔を向ける。
いつも通りに黒板に視線を戻すつもりだったが、凛は颯人の姿が遠くからでも分かり、つい見てしまった。
◇
あの時から、考えたり姿を見てしまったり……
好きって、こんな気持ちなのかな
また、近くで話したいな……
◇
教室から見ていた凛は、グランドにいる颯人が男子生徒と話しコッチを見てきた。遠くから見ているバズなのに目が合っているような気がして、恥ずかしいけど逸らしたくない気持ちになる。
授業が終わり昼休みに入ると、由衣が弁当を持って凛の席まで来る。
「授業中、なに見ていたの?」
真ん中の列で1番後ろに座っている由衣は、教室全体を見るコトが出来て、誰が何をしているのかが分かってしまう。その為、凛が授業中に外を見ていたのが分かった。
「えっ、えーと……た、体育をしているク、クラス……」
少し頬が赤くなっている凛は、恥ずかしそうに視線を下にして話す。
「ウソ! 気になる男の子を見ていたんじゃないの?」
「え? な、何で!?」
中学からの付き合いである由衣は凛が、嘘を吐くときに視線を逸らす癖を知っていた。また、外を見ていた時の凛の顔が、嬉しそうで恥ずかしそうな感じだったので、気になる男子だと思った。
「分かるよ、凛とは中学からの付き合いだから」
「だ、誰にも言わないでね」
「言わないよ! でも、凛からアプローチしたらイケると思うけどなぁー」
由衣も恋愛経験が低いため、上手くアドバイスが出来ないが、中学からモテている凛のコトを知っているから言える言葉だが、本人は自覚がない。
ーー☆★☆★☆ーー
学校が終わりすぐにバイトに行った颯人は、バイトしている時も意識はしていないのに、凛のコトを思い出していた。
「変だな、俺」
「でも、私は今の颯人くんの方が良いと思うよ」
「えっ? 聞いていたんですか?」
小さく呟いたハズなのに亜香里に聞かれ、驚いているも表情や声に出さず聞く。
「うん、聞こえちゃった」
「まぁ、別にいいですけど。つーか、今の俺の方が良いってどんな意味です?」
普段、バイトとき以外は自分がどんな顔をしているのか、全く気にしたコトのない颯人は亜香里に聞いてみた。
「さっきも言ったけど、楽しそうで明るい顔の颯人くんの方が普段と違って良いよなぁってコト」
「普段と違っていい……」
「うん!」
何となく悪い気もしない颯人は、「どうも」と一言だけ言い歩いて行く。
何も知らない人から見たら、「良いこと言っているのにあの態度何?」と思うかも知れないが、亜香里はロッカー室で他のバイト先の制服に着替えている颯人を見ていた。
その体には、何かで傷つけられた跡や火傷の跡など、シャツを脱がないと見えない場所に何十ヶ所にもあった。
これらの跡は、イジメか虐待の跡ではないと付かないような跡で、亜香里は颯人のコトを少し理解しているつもりだった。
今回も短くなりすみません!!
こんな駄作ですが、これからも宜しくお願いします。