好き 作:たまご
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『今日からココが新しく住むトコだよ』
小学校3年生の頃まで颯人は、オジサンの家に預けられ虐待されていた。
隣の家は颯人が小2の頃まで空き家で誰も住んでいなく、小3の頃に家族連れの人の良さそうな人が住み始めた。毎晩、誰かが叫ぶ声が響くと、隣の家に住む主人が訪問した時に虐待されているのが分かった。
◇
身寄りのない颯人は、児童福祉施設に住むコトになった。
「また、夢か」
颯人は昔の夢を見ていた。小3年の時に施設の指導員に今、住んでいるトコに付いていった。
「また、殴られる」と思っていた颯人は、今までの環境と全く違い縛られるコトなく暮らせた。けど、全身にある火傷の跡やアザ、何かで切られた跡など他の子供たちが見たら、「自分たちとは違う」と避けられていた。
「ホント、嫌な夢だな」
嫌な昔を思い出した颯人は、母親と暮らしていた平和だった頃のコトを思い出す。
◇
「きょうは、コレよんでー」
「えっ? コレ昨日と同じモノでいいの?」
颯人が3歳の時、夜の仕事もしていて母はどんなに忙しい時でも、寝かし付けて仕事に行っていた。
「うん! このはなしすきだから」
「そじゃ、コレにしましょうか」
母親が絵本を読む声でいつの間にか寝て、起きたら笑顔で「おはよう! ちゃんと寝れた?」と言ってくれる。
母親と過ごす時間は、大好きだった。
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いつも通りの日常けど、たまに違うコトが起きる。
「おはよー」
「おはよう」
颯人の目の前には、気付いたら頭の中で考えている人物がいた。毎日、同じ時間に登校する颯人は、凛の姿を見たコトがない。
「(何か会うのが、恥ずかしい)」
放課後にちゃんと謝ったハズなのに、凛に会うのが恥ずかしくなっている颯人がいた。
そんな颯人のコトなど知らない凛は、友達と挨拶した時に颯人の姿が、目に入り颯人の方に歩いて行く。
「あ、あの……お、おはよう」
「お、おう」
「「……………」」
凛は話しかけたのはいいが、話すネタがないのか挨拶が終わったら、無言になり俯いて颯人の少し後ろを歩いている。
颯人は直接会うのが恥ずかしくなって、いつもよりか速く歩いて校舎に向かう。
登校時間が早い颯人は、多くの生徒たちに目撃されていないコトにホットしていた。
もし、多くの生徒が登校している時に2人で歩いているトコが、目撃されていたら、教室で嫉妬の視線が刺さった様に、今回も多くの男子生徒たちから嫉妬の視線が刺さって、いたかも知れない。
結局2人は2年の教室まで一緒に歩いて来たが、最初の挨拶だけで終わり、それから会話がなかった。
「お、俺コッチだから」
階段を上がって左側に行くと颯人のクラスで、右側に行くと凛の教室なので、2人は階段のトコで別れる。
「あ、うん。 え、えっと、きょ、今日の放課後……」
「な、なに?」
颯人が聞き返すと凛は、少し下を見たと思ったら、いきなり颯人の顔を見て「な、何でもない」と言って、自分の教室の方に走り去った。
「お、俺……何かしたかな」
凛の行動に無意識の内に颯人は、「自分が何かしたのでは?」と考え、少し落ち込む。
今までも落ち込んだコトはあるが、その時の落ち込んだのと今の落ち込んだのでは、同じ落ち込むでも意味が違うコトに、今は気付かない颯人だった。