いつかまた平和な海へ   作:VI号鷲型

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どうも、ストライクイーグルです。
今回は物凄く強引な展開です。嫌いな方は速やかに転進してください。
「その程度か!俺が読んでやる!」
という方は進軍を開始してください。
それではどうぞ!


第十三話 嵐の前の静けさ

トラック泊地の港には4隻の輸送船が停泊していた。そして波止場に陸軍兵6000名がいた。

 

「大隊整列!これより、大隊長からお言葉を頂く!」

 

副官が壇上から降り、代わりに蓮田が上がる。

 

「諸君、我々は今回大規模な上陸作戦に参加する。本隊や敵に比べて我々の兵力は少ない。しかし、我々が必ず勝利を得るものと確信している。諸君の奮闘に期待する。」

「蓮田大隊長に敬礼!」

 

副官の号令に合わせて敬礼する。蓮田も答礼する。

 

「各隊ごとに乗船!」

 

中隊ごとに割り当てられた輸送船に乗り込む兵士達。そして新しく着任した強襲揚陸艦に乗り込む海兵隊員達。

 

「なんか、バンカーショット作戦前を思い出すな…………って確かこの作戦の名もバンカーショットだよな…………」

 

ベルツはかつてこの世界に来る前の事を思い出す。すると、

 

「ベルツ中尉、そろそろ乗ってください!出航ですよ!」

 

ベルツは自分の装備を持ってヴァルキリーに乗り込んだ。

 

「提督、全艦出撃準備整いました。」

通信参謀が報告する。提督は深呼吸した。

 

「ふぅ………。全艦、パルバラ島に向けて出撃する!」

 

同時刻、ラバウル島でも将兵2万を載せた輸送船団がパルバラ島に向けて出航した。

 

 

数時間後、穏やかな洋上に出たトラック艦隊は輸送船と空母を中心に輪形陣をとっていた。何もなければ明朝にはパルバラ島に到着する予定だ。

だが、敵も黙って通すとも思えない。何かしらの妨害が出てもおかしくない。

 

「通信参謀、他艦隊の様子は?」

 

参謀は傍受した通信をメモした紙を見ながら答えた。

 

「予定通り、パラオとタウイタウイからの艦隊が敵機動部隊及び任務部隊と交戦中。合流予定の五航戦も予定通りです。」

 

報告を聞いた提督はある種の不安を感じていた。何もかも上手く行き過ぎていると。

 

「全艦に通達。対潜、対空監視を厳となせ。」

 

その予感はある意味で的中した。

 

「シバリーより報告。前方約4万に所属不明艦隊。数6。」

「合流予定の艦隊じゃないのか?」

 

シバリーから無線が入る。

彼女の話によると一隻は大型空母で残りは駆逐艦クラスらしい。しかも深海棲艦ではないとのことだ。

 

「総員、第二種戦闘配置のまま待機しろ。」

 

すると6隻の艦艇が現れる。そのシルエットは日本やアメリカ、そしてオーシアでも無かった。すると一隻目の駆逐艦から発光信号が送られる。

 

「なんと言ってきている?」

 

観測妖精が発光信号を読み上げる。

「えーとですね…………

我、ユークトバニア艦隊所属駆逐艦グムラク。貴艦隊トノ交戦ヲ望マズ。貴艦ノ指揮下二入ル事ヲ望ム。

です。」

周囲の妖精が見守る中、提督は決断した。

 

「あの艦隊に信号。

心ヨリ歓迎ス。本艦隊ノ後方二付ケラレタシ」

妖精は直ぐに信号を送る。

 

「はぁ………ったく心臓に悪い。」

 

提督は汗を拭った。まだ油断してはならないとは言え、味方が増えるのは良い事だ。妖精達も新たな友軍を見つめる。すると、

 

「電探より報告。敵機捕捉。方位210、距離5万3000、機数60!」

「来たか…………全艦対空戦闘用意!」

 

提督の号令により妖精達はそれぞれの配置につく。金剛も軽く息を整える。

 

「対空指揮は秋月に一任する。彼女の指示に従って戦闘しろ。艦載機を発艦させろ。」

 

葛城艦上では52型が並べられていた。

 

「全機発艦用意!」

 

艦橋から葛城が叫ぶ。

 

「発動機回せ!」

 

栄21型エンジンが空気を吸い込み、プロペラを回す。

 

「手空きの者は帽を触れ!」

 

対空機銃手や整備妖精達が発艦する零戦を見送る。

一方でバザード艦上も発艦作業に追われていた。

 

「直掩機発艦始め!」

 

バザードは飛行甲板を見つめる。待機スポットから誘導されるF-14D。

 

「カタパルト蒸気圧異常無し。」

「ハウンド2-1、発艦する。」

 

カタパルトから降り打ち出されるF-14達。

上空には既に哨戒の為に飛行していたE-2が待機していた。

《こちら、AWACSスカイアイ。これより参加する航空隊を指揮する。》

《こちら鷲一番機、了解した。》

《ハウンド2-1、スカイアイウィルコ。》

 

この時、要撃に上がったのは零戦52型20機、F-14Dが10機だ。

 

《敵機は現在。高度2000を艦隊方向に向けて飛行中。会敵予想時刻1032。》

 

零戦妖精は驚いた。まるで敵機の動向が手に取るようにわかるのだ。妖精は見上げた。ここからでも小さな点にしか見えないがあの機体が見守っていると思うと少し安心した。

《敵機がこちらに気づいた模様。一部が編隊から離脱、数30。会敵予想時刻修整1030。各部隊、警戒せよ。》

妖精は時計を確認する。あと1分で会敵予想時刻だ。すると下方にこちらへ向かってくる深海棲艦機を捉えた。

《鷲一番から全機へ。お客さまがおいでだ。丁重にお迎えにするぞ!かかれ!》

 

零戦隊は敵機に向かって降下した。その脇を雄猫がその倍の速度で降下した。

 

《ハウンド2-1から全機へ。

ファーストコンタクトで数を減らすぞ。槍を放て。

零戦は敵攻撃隊に向かえ。こいつらはこっちで引き受ける。》

 

その無線と同時に10機のF-14からフェニックスAAMが発射される。

 

《かたじけない、全機聞いたな?行くぞ!》

 

零戦は高度を上げて編隊を組む。深海棲艦機は零戦へ向かおうとするも大半が火の玉となった。

 

《ここから先は通さんぞ。》

 

深海棲艦機は混乱から態勢を立て直せずにいたが容赦なく襲い掛かるF-14。

 

<赤4、敵機を振り払え!>

<奴を引きつける。後方から狙え。>

 

混線しているのか深海棲艦側の無線も聞こえていた。そんな事も気にせず敵機を捉えると同時にトリガーを引き、発射された20mmは深海棲艦機の主翼を真っ二つにした。

 

<グァッ!>

 

片翼を失ったコルセアは錐揉みしながら海面に落ちた。

ふと僚機を見れば死にかけのヘルキャットを追い回していた。

 

《もうちょい、もうちょい…………そこだ!》

 

サイドワインダーを発射し、ヘルキャットをスクラップにした。

 

《スカイアイからハウンド隊へ。全ての敵戦闘機の破壊を確認。よくやった。》

「了解。」

《こちら鷲一番機。敵攻撃隊を全機落とした。これより合流する。》

 

零戦の合流を待って空の猟犬達は帰艦した。

この迎撃戦闘で友軍損害を皆無で敵を全滅させる快挙を成し遂げた。

 

「何とかなったな…………」

 

提督は制帽を直してため息をつく。すると何処からか紅茶の香りが漂ってくる。

 

「テートクゥ、紅茶を淹れてきたネー。」

トレーにティーカップが一つ載せてあった。提督は微笑みながらカップを手に取る。

 

「ありがとうな。」

 

一口啜ると、ほんのりとした甘みが舌全体に広がる。その旨さに頬が緩む。それを見た金剛は微笑んだ。

一方でバザードに着艦する一機のヘリがいた。その副操縦席には少女が座っていた。

 

「やはり、同型艦だけあってケストレルに似てるな。」

 

飛行甲板に着艦するKa-27。

 

「ありがとう。」

 

たなびく髪を抑えて出迎えの妖精の元へ向かう。目的は無論、友好を取り戻す為に。艦長室には長身の少女が一人、コーヒーを飲んでいた。

 

「貴女がグムラクね。」

 

敵意を宿した瞳を向ける。ある意味で予想通りだったが、その予想が当たって少し悲しむ。

 

「私はバザード。この空母の艦娘よ。

何の御用でこの艦に来たのかしら。」

 

高圧的な態度をとるバザード。それに臆する事なくグムラクは用件を伝える。

 

「私は貴艦と話がしたいだけだ。あの戦争の結末について。そして貴女の妹の結末について。」

 

妹を話題に出すとバザードは少し落ち着かない様子でコーヒーを口にする。

 

「ではまず、あの戦争の結末から聞きましょうか。」

 

グムラクは頷くとノートパソコンを取り出し、ある動画を見せる。そこには見覚えのある顔があった。

『私はオーシア大統領、ハーリングです。

戦場に居る、オーシア、ユークトバニア両軍将兵の皆さん、銃を置いて塹壕をあとにしましょう。』

 

『そして ユークトバニア元首、ニカノール首相閣下とともにあります。』

バザードは目を丸くする。

「は、ハーリング大統領!?」

環太平洋戦争開戦してしばらくして行方不明とされていた大統領が映っているのだ。そしてもう一つ、バザードは信じられないものを目にした。

『私はユークトバニア元首にして、政府首相ニカノールです。

戦場に居る、ユークトバニア、オーシア両軍将兵の皆さん。

ハーリング大統領と私とが―肩を並べ、手を取り合う姿をご覧いただきたい。

大統領の今の言葉は真実です。戦争は終わったが、我々にはまだなさなければならない戦いがある。』

 

敵国の首相、ニカノール首相がハーリング大統領と共に映っていた。バザードは食い入るようにして動画を見た。

『その通りです。

我々の間に憎しみを駆り立てた者たちは、我々のどちらかに国、そこにある大都市を破壊できる兵器を用意しつつあるといいます。

しかし、我々の友人たちが企みを阻止するため行動をはじめています。

破壊されようとしているのは二つの国のどちらなのか、それは分からない…………

しかし、それは重要ではない。どちらの国のこうむる被害も共通の大きな痛手です。

両国将兵の皆さん、どうか心あらばあなた方の持てる道具を持って、彼らを手助けしてやってほしい。』

 

グムラクは小さな声でバックに流れている曲を口ずさむ。

 

『なおも、禍々しい武器の力を持つ者達よ平和と融和の光の前にひれ伏したまえ。』

 

歓声とシャッター音でいっぱいになった所で動画が止まる。バザードの呼吸が荒くなっていた。

 

「こ、これは本物?」

 

グムラクは黙って頷いた。黒い画面をずっと見つめていた。バザードは迷っていた。本当に本物なのかどうかを。するとグムラクはパソコンをいじり、別の動画を見せた。そこにはオーシアとユークトバニアの兵士達が共に街の中を進んでいた。

 

『ラーズグリーズ!ラーズグリーズ!ラーズグリーズ!!』

 

口々にその単語を叫ぶ、その上空を戦闘機の大規模な編隊が通過する。しかもユークトバニアのSu-27とオーシアのF-22が編隊を組んでいたのだ。

 

「これは…………」

 

言葉を失うバザード。グムラクはただ黙って見ていた。

 

「つまり、あの戦争はもう終わったの?」

 

バザードの質問にただ頷くグムラク。するとバザードは手を差し出す。

 

「さっきはごめんなさい………それから改めてよろしく。」

 

グムラクは固くその手を握った。

 

「こちらこそ、理解していただき感謝する。」

 

バザードはコーヒーメーカーに向かいコーヒーを淹れる。

 

「そう言えば、妹を知っているんでしたね。どうなったのですか?」

 

グムラクの顔が曇る。薄々感ずいていたがその結末はどうしても知りたい。

 

「構わないで話して下さい。」

 

バザードはユークの駆逐艦に頼み込む。

 

「はぁ…………分かりました。

ケストレルとはセレス海で出会いました。それから…………」

 

グムラクはそこでの戦闘の様子やその後に親睦を深めた様子。そして、ケストレル最後の様子を。

 

「そうですか…………」

バザードはただ黙っていた。グムラクは立ち上がろうとすると

 

「ありがとう。ケストレルの最後を聞けて良かった。」

バザードは微笑むが何処か悲しげだった。

「それでは失礼する。」

 

グムラクは艦長室を出て迎えのヘリに向かった。




いかがでしょうか?
タイトル詐欺をしてしまった事にお詫び申し上げる所存でございます。
嵐の前の静けさとか言いながら完全に戦闘してるという矛盾を抱えてしまったのですから。
それからベルカ軍の船って何かありましたっけ?
わかる方はコメント願います!
そんなこんなでまた次話でお会いしましょう!
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