いつかまた平和な海へ   作:VI号鷲型

20 / 47
ストライクイーグルです。
はてさて、今回は日常系重視と東方project要素がかなりあります。そして、安定と信頼の文です。
これらに耐性がない方は速やかに対応して下さい。
《そんな事より、読ませろ!》
と言われる猛者はこのままお進み下さい。
それではどうぞ!



第十九話 帰郷

襲撃の翌日、何事も無かったかのような横須賀鎮守府。

各鎮守府から来た将官達は数日の間は横須賀に過ごすことになっていた。港ではバザードに次々と物資を積み込んでいく。

提督は海兵隊員一人を護衛に付け、ハンヴィーに乗ってある場所へと移動した。

ハンヴィーに乗ること三十分、とある屋敷の前に到着した。

 

「相変わらずここはデカイなぁ………」

 

提督は扉をノックする。中からは足音が近づいてくる。襟を正して深呼吸する。

 

「はーい」

 

扉が開かれると頭に黒いリボンを結んだ少女が出迎える。

 

「あの、どちら様ですか?」

「私は、矢坂 拓海。日本海軍大佐だ。西行寺 幽々子に会いに来た。」

 

少女ははてなマークを頭に浮かべて通した。

 

「そちらは?」

 

ハンヴィーの銃座に立ってM2を点検している海兵隊員を指さす。気付いた海兵隊員は軽く頭を下げる。

 

「私の護衛です。彼は車の番をしているので………」

 

提督が説明すると奥から淡い青の着物を来た女性が現れる。

 

「あら、拓海じゃない〜」

「久しぶりだな、幽々子。海軍兵学校に入る前以来じゃないか?」

 

提督は制帽を脱いで手に持っている紙袋を掲げる。それを見た幽々子は目を輝かせた。

 

「妖夢、御通ししなさい。そちらの方も。」

 

海兵隊員はM4を片手に歩いてくる。

 

「いえ、私はあくまでも護衛役です。お邪魔する訳には…………」

「なら尚更、同行しなければいけないんじゃない?」

 

海兵隊員は苦笑いする。幽々子の指示により、屋敷の車庫にハンヴィーを停めてもらうことになった。

 

「そうか…………妖忌さんは二年前に亡くなられたのか…………」

「えぇ…………」

 

提督と幽々子は居間でテーブルを挟んで対面し、海兵隊員は縁側に腰掛けて外の景色を眺めていた。

すると妖夢がお茶を運んでくる。

 

「どうぞ。」

「おっ、ありがとうな。」

 

提督は緑茶を啜る。そして、紙袋から間宮印の羊羹を取り出す。幽々子の目線は羊羹に釘付けだ。

 

「おーい、幽々子さん?」

声をかけられてハッとする幽々子。提督はわざとらしくため息をする。

一方、妖夢は縁側にお茶を運ぶ。

 

「あの、どうぞ。」

「えっ、あ、ありがとう。」

 

海兵隊員は少し戸惑いながら湯のみを受け取る。その時、少し手が触れ合った。

 

「あっ………」

「あっ………」

 

頬を赤らめる妖夢と気まずそうにする海兵隊員。すると、奥からは話し声で盛り上がる。妖夢が立ち上がろうとすると、幽々子は自分の従者に休憩を命じる。

 

「こっちはいいから、ゆっくりしなさい。

それにしてもあの時の拓海ったら………ふふっ。」

「ははっ、その話は止してくれよ。」

 

確かに友人同士水入らずの時を過ごす方がいいと思い、再び縁側に腰掛ける。だが、話す内容が全く浮かばない。すると、

 

「君の名前は?」

 

海兵隊員から話を切り出す。妖夢は少し赤くなりながら答えた。

 

「妖夢………魂魄 妖夢です。」

「ふーん、俺はアレックスだ。よろしくな。」

 

妖夢に手を差し出す。妖夢は赤くなりながら握手をする。アレックスもほんの少し赤くなっていた。

双方が話をしていると時計は既に15時を過ぎていた。

 

「さて、俺は司令部に戻る。

久しぶりに会えて良かったよ幽々子。」

 

「そうね。また来てくれると嬉しいわ。」

 

玄関に向かう幽々子と提督。

アレックスはハンヴィーに戻って路肩に停めていた。そこに風呂敷を持った妖夢が近付く。

 

「あの…………その…………」

 

妖夢は顔を真っ赤にしていた。アレックスも耳の先が少し赤い。

 

「な、なんですか?」

「また来てくれませんか?」

 

アレックスの顔が赤くなる。妖夢は顔を両手で覆い隠す。しばらく硬直したアレックスも決心して返事をする。

 

「また来るよ。」

 

二人は心臓の鼓動が高まる。そこで提督と幽々子が玄関から現れる。

 

「お熱いわね〜。」

「いい雰囲気の中悪いが鎮守府に戻るぞ。」

 

二人は真っ赤になりながら離れる。それを見た幽々子と提督は苦笑した。

そして、ハンヴィーのエンジンが掛かり出発する。

提督は再びハンヴィーに乗り込む。海兵隊員もハンヴィーに乗り、別の場所に向かった。

白玉楼に別れを告げ、走る事数分、今度は普通の家の前に止まる。

 

「親父、お袋、帰ったぞ。」

 

奥からは背の高い白髪の男性と少し背が低い中年女性が出てくる。

 

「お帰り、拓海。」

「拓海か。よく帰って来た。

さぁ、上がれ。」

 

だが、矢坂は首を振った。これからやらなければならない仕事が首を長くして待っているのだから。

 

「そうか…………

西行寺のお嬢さんには会ってきたのか?」

「あぁ、変わったところはない。昔のまんまだった。」

「そうか。」

 

父は何処か安心したように頷いた。一方、母は目に涙を浮かべていた。

 

「俺も長く此処に居たいが、仕事がある。また本土に戻ったら帰ってくるよ。

それじゃあ。」

 

矢坂は親に向かって敬礼し、ハンヴィーに乗り込む。二人はそれを笑顔で見送った。

 

鎮守府に戻るやいなや、ハンヴィーから降りた途端に金剛のハグ攻撃を受ける。

 

「テートク!!」

「うわっ!」

 

勿論、後ろに倒れる提督。まるで猫のように頬をすり寄せる金剛に苦笑するバザード。

 

「バザード、見てないでどかしてくれ。」

「わかりました。

ほら金剛さん、そういう事ばかりしていると他の女性に盗られてしまいますよ。」

「Oh!それは大変ネ!」

 

それを聞いて速やかに提督から降りる。提督は頭を掻きながら立ち上がる。すると今度は電と雷がシバリーを引き連れてやって来る。

 

「司令官!買い物に行っていい?」

「シバリーさんもついて来てくれるのです!」

「お、おい待て、私はそんな事は一言も!」

 

すると電と雷は上目遣いでシバリーを見つめる。流石にシバリーもこうなっては動かざるを得ない。

 

「市内の店だろ?良いぞ。

ただし、あまり羽目を外すなよ。」

「了解なのです!」

「任せておきなさい!」

 

電達はシバリーの手を引きながら門へと駆けて行った。

それを見たバザードは微笑んだ。

 

「バザードもゆっくりしたらどうだ?」

「teatimeは大事ネ。だからバザードもたまには休むデース!」

 

金剛はバザードの手を引いて何処かへ行ってしまった。提督はため息をついて一人、散歩に出掛けた。

 

 

一方、電達一行は横須賀市内の商店街に到着した。シバリーは荷物持ちの役をさせられていた。

 

「はぁ……………なんでこんな事に…………」

 

そして、駆逐艦二名は衣料品店や、雑貨店をはしごする。その度にシバリーの両手に袋が増える。

 

「あっちも見てみるのです!」

「こっちも面白そうよ!」

「だ、誰か助けて…………」

 

シバリーはぐったりした様子で駆逐艦二名について行く。

するとシバリーにある物が目に入る。

 

「これは……………」

 

そこにはF-22の形をした戦闘機の置物があった。

 

「どうしたのです?」

「いや、あれが気になってな。」

 

電もF-22の置物を見つける。

 

「もしかしてシバリーさん、あれが欲しいのです?」

「ま、まさかそんな事ないだろ。」

 

いつもは仏頂面のシバリーが明らかに動揺する。電は少し微笑む。

 

「シバリーさん、私が買ってくるのです!」

 

シバリーが言葉を発する前に電は置物の置いてある店の中に消えた。雷は物珍しそうにシバリーを見つめる。

そして、袋を携えた電が店から現れる。

 

「シバリーさん。はいなのです。」

 

シバリーの両手に袋が追加される。

 

「あ、ありがとう…………」

 

複雑な気持ちのなか、シバリーは礼を言い、電と雷を連れて横須賀鎮守府へと歩いた。

 

バザードは金剛に誘われて寄港しているお茶会メンバーをかき集めて、紅茶を楽しんでいた。バザードもティーカップに口をつける。

 

「美味しい…………」

「ソウデショ!」

 

バザードはティーカップをまじまじと見る。それを嬉しそうに見る金剛。だが、バザードはもう一つの視線を感じていた。

 

「金剛お姉さまの視線を独り占めにして……………」

 

小声ではあるがはっきりと聞こえた。金剛の隣に居る比叡だ。身の危険を感じたバザードは退席しようと立ち上がるも金剛に袖を引っ張られて座らされる。

 

「バザード?何を焦っているのデス?」

「い、いえ、別に」

 

すると空いた席に髪をポニーテールに纏めた大和撫子そのものの少女が座る。

 

「ヤマト!久しぶりデース!」

「お久しぶりです。金剛さん。 」

 

バザードも軽く礼をする。比叡も礼をした。

 

「大和さんって確か連合艦隊旗艦を務めているんですよね?」

「そうですよ。でも、まだまだ未熟なところもありますが………」

 

バザードは大和と会話を楽しむ。そうでなければ比叡に消されかねない。金剛は話す相手を姉妹艦に変える。

 

「ヒエイは最近の調子はドウデスカ?」

「バッチリですお姉さま。」

「それは良かったデス。」

 

バザードはふと時計を見る。時計の針が丁度、16時を示していた。

 

「それでは私はこの辺で。」

「もうチョットゆっくりすればイイのにー」

 

バザードは少し残念そうな顔をする。大和は金剛を宥める。

 

「また今度ですよ金剛さん。」

「…………わかったデス…………」

 

バザードは少し微笑み、お茶会から退席する。

その様子を遠目から観察する者がいた。

 

「…………………」

 

その人物は近くの単車に乗り、鎮守府をあとにした。




いかがでしょうか?
完全に迷走&暴走してますね。
それと、この世界に出てくる東方キャラは平行世界のよく似た人物と思っていただければ幸いです。
次回からはトラック島に戻ると思います。
それから要望や感想は常に受け付けております。気軽にどうぞ。
それではまた次回お会いしましょう!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。