今回でパルバラ回ラストになります。
そして、今回も突貫工事で進めた箇所が幾つかあり、誤字脱字があるかもしれません。それから残酷な描写も含まれます。
「その程度か?早く読ませたまえ。」
と言う猛者のみお進みください。
それではどうぞ!
太陽に変わって月が島を照らす。
205丘陵は簡単な防衛線を構築し、南部侵攻に備えていた。
303盆地の戦闘はまだ続いている。
ベルツは死体袋に詰められた部下の顔を思い出す。
「生き残ったというより、生かされている感じだな。」
ベルツは簡易ベッドに寝転ぶ。残りのベッドには海兵達が寝息を立てていた。
ベルツは彼らを無事にトラック島に帰さねばと強く決心する。
<目標の丘陵まであと1Km。気を抜くな。>
双眼鏡で丘陵を見渡す。土嚢や鉄条網が敷かれ、その奥にはテントが張ってあった。一人がM1バズーカを構え、戦車に狙いを定める。
<撃て。>
バズーカの発射と同時に射撃を開始した。
「奇襲だ!」
爆発音で飛び起きた海兵達はそれぞれのライフルを持って塹壕に走った。
「どうなってる!?」
「敵は森の中から攻撃してきています!規模は不明!」
NVGを掛けて辺りを見回す。数箇所からマズルフラッシュがまたたく。
設置したM2やM240が負けじと弾幕射撃を行う。
「撃ち続けろ!押し返せ!」
曳光弾が飛び交い、銃弾が地面を耕す。
「畜生、敵は何処なんだ!?」
タップ撃ちしながら悪態をつく。
「アルトマン!ハリアーを呼んで、あそこの森を吹っ飛ばせ!」
「了解!」
アルトマンは塹壕内にある大型無線機に取り付く。
「こちらB隊、敵部隊の奇襲を受けた!規模は不明!CASを要請するover!」
《ヴァルキリー了解、支援到着予定は5分後out》
アルトマンは塹壕内を駆けてベルツの元まで報告する。
「航空支援到着は5分後だそうです!」
「了解した!」
ヴァルキリー甲板ではバザードから転属したAV-8Bが妖精に誘導され発艦準備を整えていた。ヘルメットに酸素マスクとコネクターを接続する。
《敵は森の中に潜んでいる。ナパームでこんがりと焼いてやれ。》
「ピジョン2-1了解。発艦する。」
スロットルを押し込み加速し、飛行甲板から海上に出る。もう一機の発艦を確認して205丘陵へと向かった。
その205丘陵は照明弾と爆炎で照らされていた。
「右に敵兵!」
「了解!」
出てきそうな所に銃撃を加え、敵の頭を下げされる。
「長い5分だな!アレックス!M203であそこの薮を吹っ飛ばせ!」
アレックスはUGLレールに取り付けてあるM203に弾を装填する。目測で凡その距離を測る。
その時、一瞬だけ光ったマズルフラッシュを見つけて伏せる。ピシッという音と共にすぐ近くに着弾した。
「嘘だろ……………」
アレックスの視線の先にM1バズーカを構えた敵兵がいた。
《こちらピジョン2-1、これより爆撃を開始する。森に近付くな。》
闇に紛れて飛行してきたハリアーが森にナパームを投下する。
バズーカを構えていた敵兵が火だるまになる。
「撃ち方やめ!撃ち方やめ!」
火だるまになった兵士が地面を転げ回る。
<た、助けてくれ!>
<うわぁぁぁぁ!>
銃撃はぴったりと止んだ。その時、一人が叫んだ。
「衛生兵、来てくれ!クラックスが撃たれた!」
アレックスは友人の元まで走った。そこには腹部からおびただしい量の血が流れていた。
「クラックスしっかりしろ、ダストオフに連絡が取れたぞ。」
アレックスも止血を手伝う。すると医療器具を携えた衛生兵が来る。
「おいアレックス、モルヒネを打て。お前は止血を続けろ。」
小さめの袋から注射器を取り出し、太ももに打ち込む。
「不味いな…………ヘリは?」
「あと3分だ。」
「2分で来るように伝えろ!かなり危ない!」
クラックスはもはや生きているのか死んでいるのか分からない状態だった。
「クラックス頑張れ!負けるんじゃない!」
AEDを取り出し電源を入れる。アレックスは防弾ベストを脱がす。
「3、2、1、クリア!」
クラックスの体に電気ショックを与えるが何の反応もない。充電している間に心臓マッサージを行う。
「クラックス!!まだ、奢ってもらってないぞ!勝手に逝くんじゃない!」
《こちらホーク2-2、LZに到着。》
着陸したブラックホークから担架を持ったガンナー妖精がクラックスに駆け寄る。
「持ち上げるぞ。」
担架でブラックホークに運ぶ。アレックスと衛生兵もついていく。
「直ぐにヴァルキリーを運ぶ!
離陸するぞ。」
担架を載せたブラックホークは回転数が上げ、夜空を舞う。
「アイツ、大丈夫か?」
「神に祈るしかないな。」
アレックスは塹壕に戻った。
その夜、海兵隊と日本軍は夜通し警戒を緩めなかった。
日が昇り、コリンズ率いるB隊は残敵掃討の為に焼けた森に入っていく。辺りには黒焦げになった死体しかなかった。
「ここは…………地獄だ…………」
一人が呟き、生きていそうな兵士の脈を測る。だが、遺体にブービートラップが仕掛けられているかもしれないので慎重に遺体を調べる。
「クリア!」
「こっちも何もありません!」
その時、アレックスの足首が掴まれる。足元に目を向けると虫の息になっていた深海兵がいた。
<ぁ……………ぁぁ……………>
アレックスはその手を握ると深海兵は安心した顔で目をつぶり動かなくなった。
「安らかに眠ってくれ…………」
アレックスは塹壕に戻って行く。陣地内では負傷者の手当や修復作業に追われていた。
「犠牲者の数は?」
「確実ではありませんが、凡そ15名程かと。」
「そうか……………」
ベルツは日本軍小隊指揮官と損害を集計していた。弾薬の消費も激しく、それでいて補給が乏しい。
「303の状況も芳しくないようです。」
「あぁ……………もしかすると我々は果てしない消耗戦を挑んでしまったのだろうか…………」
指揮所に重苦しい空気が垂れ込む。状況は悪い方に向かっていた。そんな指揮所に伝令が現れる。
「蓮田大隊長がお見えになりました。」
「久しぶりだな諸君。」
一斉に敬礼する小隊指揮官達。蓮田は答礼もそこそこに机にある地図を眺める。
「現況は?」
「はっ……………予断を許さない状況です。」
地図には全部隊の配置状況が事細かに記されていた。蓮田も紙を用意して何かメモをする。
「ベルツ中尉……………海兵隊はトラック島に戻れ。」
驚愕の一言にその場の空気が止まる。蓮田はそのまま続けた。
「これは上の判断でもある。
近く、深海棲艦が大規模な作戦を展開するという情報を諜報部が入手した。これに基づいての戦略的判断だ。」
ベルツは何言えぬ顔で蓮田の後をついて行く。海兵達は既に装備を整えていた。ベルツは海兵と陸娘を集めた。
「上層部の命令で我々海兵隊はトラック島に帰還する事になった。」
すると、海兵や陸娘達がざわめいた。
「近く敵の反攻があるという情報に基づいての命令だそうだ。
全員、装備をまとめて撤退準備。
以上。」
納得の行かない顔で撤退準備を始める海兵達にベルツは申し訳なく思った。
撤退準備を済ませた隊員は車両に乗り込み、205丘陵を後にした。
海岸には既に四隻のLCACが揚陸ランプを開けて待機していた。ブラックホークも海岸で海兵達が乗り込むのを待った。
「早く乗れ、出発するぞ。」
カーゴに兵員を詰め込んだブラックホークは沖合に停泊しているヴァルキリーに向かった。戦車を積み込んだLCACがスカートを膨らませて、海岸から離れた。
「じゃあな、パルバラ島…………」
ベルツは遠ざかっていくパルバラを見つめた。
いかがでしょうか?
やはり、駄文しか書けていませんね。なんとかしたいものですが……………
次回からはまたトラック島になります。
駄文でも構わない方は気長にお待ちください。
それではまた次回お会いしましょう!