いつかまた平和な海へ   作:VI号鷲型

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どうも、ストライクイーグルです。
今回からアイガイオン戦です。
それと、安定と信頼のいつもの通りの文章力が含まれます。
これらに若干の抵抗を感じる方は速やかに他作者様の作品を読むことを強く勧めます。
それでも
「ふん、上等だ!読ませやがれ!!」
と言って頂ける方はそのままお読みください。


第三十四話 南洋の巨鯨 前

水平線から太陽が顔を出し、ほんのりと赤くなる。

トラック艦隊の空母群の甲板には発艦前の艦載機が並んでいた。

 

「提督、全艦発艦準備完了しました。あとは開始を待つだけです。」

 

「作戦開始まであと三分か…………」

 

提督は腕を組んで作戦開始の符号が来るのを待った。

 

瑞鶴甲板では弾を満載した艦載機が待機していた。艦載機妖精も落ち着かない様子で発艦指示を待つ。編隊長妖精も黒板を見つめながら待っていた。

そこへ数人の整備妖精が駆け寄って来た。

 

「編隊長殿!」

 

「なんだ?」

 

「我々、整備妖精達もお供させて下さい。」

 

そう言うと、日の丸の刺繍が入った鉢巻を手渡す。編隊長はにっこりと笑うと鉢巻を頭に巻いた。

そして、金剛通信室に一通の電文が舞い込む。

 

「て、提督!来ました!

”発、ラバウル艦隊旗艦

鯨は予定通り航行中。捕鯨せよ”

です!」

 

「よし、空母群に信号、

”攻撃隊、発艦セヨ”」

 

この信号は直ぐに空母群に伝わり、飛行甲板から艦載機が発艦する。

 

「帽を振れ!」

 

発艦していく艦載機を手がちぎれんばかりに帽を振る妖精達。提督も敬礼して見送る。

 

(頼むぞ…………ここでどれだけダメージを与えるかが鍵だ)

 

攻撃隊はそれぞれ空中集合し、予定空域へと向かう。

 

《こちらAWACS スカイアイ

攻撃隊へ通達、高度1500を維持して方位206に向けよ。》

 

《八咫烏了解。全機続け。》

 

《了解。》

 

総勢100機を超える攻撃隊にはいつもとは違うピリピリした空気が漂っていた。なにせ、この先に巨鯨が待っているのだから。

 

数十km先

 

アイガイオンを中心とした空中艦隊の上空に白黒の迷彩が施されたMiG-29Kが編隊を組んでいた。

 

<こちら赤2からアイガイオンへ

上空哨戒終了。着艦許可を求む。>

 

<アイガイオン管制了解。

着艦を許可する。後方の乱流に気をつけろ。>

 

このMiGはアイガイオン専属の護衛隊として配備されていた。そしてそのアイガイオン前方にはB-17を改造した給油機が燃料を供給していた。

 

第一次攻撃隊

 

攻撃隊は厳重な無線封止で高度を保っていた。機体同士の連絡はハンドサインか、光信号で行われていた。

八咫烏隊隊長の胸中にはある種の不安があった。どれほどの味方が失われるかを考えていた。すると先頭の彩雲から発行信号が送られてきた。

 

《敵機見ユ》

 

遠目からでもよく見える程の巨体を見つける。

すると無線機がノイズ混じりの声を伝えていた。

 

《敵機を捕捉、高度制限解除。攻撃を開始せよ。散開。》

 

《八咫烏隊、了解!》

 

《サーベラスリード、ウィルコ。》

 

一方、アイガイオンは突然現れた敵機群に反応が遅れた。

 

<レーダー、今まで何をしていた!?>

 

<前方の空中給油機の影響でレーダーの探知能力が大幅に下がっていたので……………>

 

<言い訳はいい、迎撃しろ!これ以上、私達に敗北は許されない!>

 

ギュゲスは既に弾幕を展開してアイガイオンをカバーしていた。コットスも慌ててESMを行っていた。しかも運の悪い事に艦載機を収容した直後なので手早く発艦させることが出来なかった。

 

<各銃座、弾幕を張れ!>

 

<旗艦に近付かせるな。>

 

アイガイオンも遅れながらに濃密な弾幕を展開、攻撃隊を叩き落していく。

 

《空中給油機に構うな。周りのコバンザメから仕留めろ。》

 

《了解。》

 

烈風は艦爆が爆撃コースに乗るまで出来る限り銃座の気を惹く為に接近していた。

しかし濃密な弾幕がそれを許さなかった。

 

《やられた!脱出する!》

 

《くそっ!四番機が消えた!》

 

次々と落とされていく烈風に代わり、今度はF/A-18E/Fが攻撃を仕掛ける。一機のF/A-18Eがアイガイオンの銃座をロックするが、ミサイルを発射する前に蜂の巣にされた。

 

《サーベラス6が殺られた!》

 

《これじゃ、迂闊に近づけないぞ!》

 

悪態をつきながら荒々しく操縦桿を使い、機体を操る。避けるだけでも精一杯だ。

 

《千鳥隊全機、突撃せよ!》

 

F/A-18E/Fや烈風より高い高度から緩降下爆撃を試みる流星改に数機の銃座が応戦する。

 

「そのまま………………そのまま………………」

 

千鳥の狙いは弾幕を展開していないコットスだ。

ギュゲスがカバーに入るが、数機を落とすだけで効果は薄く、爆撃を許してしまった。

 

<敵機直上!爆弾投下!>

 

<回避!回避!>

 

コットスは右旋回するが既に無誘導爆弾が尻尾に当たる部分と主翼に命中する。

 

<コットス2が被弾!>

 

<なに!?>

 

被弾したコットスは徐々に高度が下がっていく。ESMポッドも全損し、有効な支援が行えなくなった。コットス2は滑空しながら着水しようとしていた。

 

《コットスの一機を無力化を確認、このまま攻撃を続けろ。》

 

<コットス1は何としても守れ!>

 

その時、無傷の筈のコットスから煙が上がっていた。被弾した烈風がエンジンに突入、自爆したのだ。

 

<速力低下!このままでは!>

 

<私が……………落ちる?>

 

コットス1は理解が追い付かず、ただ艦橋で呆然と立ち尽くしていた。死んだエンジンが生き返る事なくコットス1は海中に没した。

 

《敵電子支援機の全滅を確認。残りは白鯨と火力支援機のみだ。》

 

《サーベラスリードから全機へ

敵火力支援機に集中して攻撃しろ。》

 

<赤2からアイガイオン管制へ

発艦許可を求む。>

 

<アイガイオン管制了解、発艦を許可する。>

 

<発艦する………………どけ!!>

 

MiGは発艦要員が退避する前に発進していく。それに気付いた烈風6機がすかさず弾幕の中へ飛び込んでいく。

 

《くそっ!あいつらまだ隠し玉を持っていやがった!》

 

<派手にやってくれたな……………だが、そのツケは払ってもらうぞ。>

 

戦闘態勢が整ったMiGが発艦直後のMiGを援護する。飛び込んだ烈風は返り討ちに合い、全滅した。

 

<赤2から全機へ

狩りの時間だ。奴らを叩きのめせ。>

 

《敵は精鋭部隊との情報あり、警戒せよ。》

 

《21じゃないのか。

くそっ!機動が読めん。》

 

10機のMiG-29Kと16機のF/A-18E/Fの激しい空戦が始まる。

 

《奴らは手練れだ。単独戦闘を禁止、2機で1機を追い詰めろ。》

 

 

<赤3から赤5へ

赤6の支援に回れ。>

 

<ウィルコ。>

 

だが、MiGもそう簡単に落とされてはくれない。

 

「畜生、墜ちろよ!」

 

ピタリとMiGの背後につき、シーカー内にいれる。MiGもジンキングしながら何とかして躱そうとするが、電子音が鳴ると同時にサイドワインダーを発射する。MiGはフレアを放つが間に合わず、爆散した。

 

<ああ!赤3がやられた!>

 

<落ち着け赤4、お前が小隊の指揮を執れ。>

 

互いに敵の機動を読み合い、その一歩先の行動をする。片方の読みが外れた瞬間に撃墜されていく一進一退の攻防を繰り広げる。

アイガイオン周囲も多数の犠牲を払いながらダメージを与える。

 

<これ以上やらせる訳にはいかない。ニンバス発射用意!>

 

<しかし、友軍機が……………>

 

<構うな!>

 

<了解……………>

 

アイガイオン上部VLSが開き、複数のミサイルが顔を覗かせる。

 

<ニンバス、発射用意完了。>

 

<ニンバスランチ!>

 

乗員妖精は安全装置を外し、発射ボタンを押す。VLSからは数発のミサイルが飛翔し、周囲に大規模な爆発を起こす。

 

《な、なんだ!?》

 

《何機か巻き込まれたぞ!》

 

突然の攻撃に焦る攻撃隊に容赦なく浴びせられる爆風。AWACSも解析を始めるが、その前に第二射が放たれる。

 

《現在状況を解析中………………待て、敵の増援を確認。機種はF6F系列機と推定。機数40。》

 

《畜生!まだ来るのか!》

 

《トラックから緊急展開部隊が発艦、到着予定は4分後。》

 

《長い4分になりそうだな!》

 

荒々しく操縦桿を捻り、降下しながらフレアとチャフを撒く。その時、バックミラーに死の炎を吐き出しているMiGが見えた。キャノピー内に鮮血が飛び散る。

今度はそのMiGの背後から僚機を堕とされ、復讐に燃えるF/A-18Eがスパーローを撃つ。MiGは火の玉に変わって爆発した。

 

《敵護衛隊、残り僅かだ。》

 

《このまま畳み掛ける!》

 

MiGとの空戦も峠を越えると、レーダー上に15機の機影が映っていた。

 

《待たせたな。

こちらハウンド1、これより敵機を排除する。》

 

 

《スカイアイからハウンド隊へ

敵増援部隊が接近中、至急迎撃されたし。》

 

《ハウンド1、ウィルコ。》

 

15機のF-14はアイガイオンに向かわず増援部隊へと機首を向ける。

 

《全機へ

時間が惜しい、ファーストコンタクトで数を減らすぞ。槍を準備しろ。》

 

機首の先には米粒くらいの黒い点の群れがいた。レーダー上にめこの群れは綺麗に映っていた。

 

《全機、槍を放て。》

 

ハウンド隊は6AAMを一斉射する。ヘルキャットはミサイルを見つけるなり、直ぐに散開する。

 

<さ、散開!>

 

だが、避けきれずにスクラップにされていく。生き残ったヘルキャットは散り散りに逃げ出す。

 

《敵増援、残り14機。》

 

《了解、直ぐに片付ける。》

 

統制を失い、散り散りになった猫は次々とドラ猫の餌となった。

 

《ふん、他愛もない。》

 

<機体が制御できねぇ!ちくしょおおおお!>

 

交戦開始から僅か数分で増援部隊は全滅した。

 

《ハウンド隊は速やかにサーベラス隊及び、八咫烏隊の援護を。》

 

《了解、直ぐ行く。》

 

編隊を組み直したF-14はアイガイオンに向かう。

その頃、アイガイオンとギュゲスにも疲れの色が見え始めた。

 

<左舷第五銃座、代わりはいないのか!>

 

<右舷第二銃座に弾を寄こしてくれ!>

 

<ダメコン、なにやってる!>

 

護衛隊と増援が壊滅したなか、今度はギュゲスが鉄火場を向かえる。

 

<ギュゲス1の上方に敵機だ!>

 

<撃て!撃て!>

 

消耗したサーベラス隊のF/A-18E/Fに変わって、ハウンド隊のF-14がギュゲスに襲いかかる。

ギュゲスも負けじと応戦する。濃密な弾幕が展開させるが、F-14は怯むこと無く突っ込む。

 

《くそっ、やられた!!》

 

《ハウンド3、ダウン!》

 

数機が撃墜されるなか、正確に対空砲を潰していく。ギュゲス1からは黒煙が立ち始める。

 

<アイガイオン、聞こえるか。

こちら…………………>

 

弾薬庫に火が入り、ギュゲス1は主翼がへし折れて海面に突っ込む。

 

《ギュゲス1の撃墜を確認。

畜生、時間切れだ。全機、撤退せよ。》

 

《了解……………》

 

攻撃を中止し、母艦へと針路をとる。生き残った機のほとんどは穴だらけでボロボロになっていた。

 

《悔しい気持ちはわかるが、作戦的に見れば成功だ。帰投せよ。》

 

白鯨攻撃に対する第一次攻撃は一応成功した。

そして、更なる激戦の幕が上がろうとしていた。




いかがでしょうか?
一つ注意点ですが、アイガイオン、ギュゲス、コットスはある程度スペックダウンしております。(そうじゃないと勝てない)
しかし、戦闘描写はどえらい有様ですね。早くなんとかしたいものです…………………
また次回もお待ちしていただけるととても嬉しいです!
それではまた次回、お会いしましょう!!
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