いつかまた平和な海へ   作:VI号鷲型

36 / 47
どうも、ストライクイーグルです。
最近、長く書けなくなる上に文章力が落ちたと思います。
それから今回も
安定と信頼のいつもの文が含まれます。
それでも良い方のみお進み下さい。


第三十五話 南洋の白鯨 後

ラバウル、パラオ連合艦隊

 

艦隊旗艦を大和はいつになく、嫌な感じを胸中に抱えていた。その嫌な感じは連合艦隊に参加している全ての艦娘が感じていた。

 

「…………………」

 

「大和、大丈夫か? 」

 

「あっ、いえ、大丈夫です。土方司令。」

 

土方と呼ばれた体格の良い将官は艦長席に座り、眉一つ動かさずに水平線を見つめる。

そこへ、妖精が通信内容を大雑把にまとめた紙を持ってくる。

 

「しれーかん!トラック機動部隊からです!」

 

「読め。」

 

「は、はい。

”第一次攻撃ハ成功ナレド警戒サレタシ”

です。」

 

「わかった。全艦に伝えろ。第一種戦闘配置。」

 

その一言で艦内が慌ただしくなる。警報は鳴り、非番で床についていた妖精達も飛び起きる。各対空砲も弾が装填され、砲身が空を向く。

各々の妖精が唾を飲み込み、敵発見の報を待つ。一分が一時間程の長さに感じられた。そして、電探妖精がスコープに映る巨大な機影を見つけた。

 

「敵機発見!方位014、距離2万4000!」

 

妖精達は一斉に指定された方位を見つめる。薄らとだが、アイガイオンと思しき機影が見えてきた。

 

「主砲、三式弾装填、射程に入り次第撃て。」

 

《射撃指揮所了解!聞いただろ妖精共!!鉄砲屋の腕を見せてやろうぜ!》

 

46cm砲の巨砲身がゆっくりと旋回する。対空砲にいる妖精達は直ぐに艦内か遮蔽物に退避する。

ブザーが鳴る時には全ての妖精が隠れていた。

 

「撃て!」

 

「第一第二主砲、斉射始め!」

 

野太い砲身から46cm砲弾が撃ち出される。これを合図に重巡洋艦と戦艦は三式弾と徹甲弾の混合射撃をする。

アイガイオンの周囲で爆発が次々と発生する。

 

<待ち伏せ!?な、何故!?>

 

<各対空砲座、損傷!>

 

<ギュゲスからの応答もありません!>

 

生き残ったギュゲスは大和の46cm徹甲弾が貫通し、ろくな反撃も出来ずに海に消えた。

 

<ニンバス、発射用意!ありったけの弾をぶち込め!!>

 

<了解。ニンバス、発射準備に入ります。VLSハッチ開放。射撃諸元入力。>

 

艦隊からの対空砲火は激しくなる。艦隊火力の中心である戦艦群からの対空砲火はアイガイオンの弾幕に近い。

土方は戦闘の最中、通信妖精を呼び出す。

 

「トラック機動部隊の到着予定は?」

 

「あっ、えーと、15分後の予定です。」

 

「ん……………」

 

土方は鋭い目付きでアイガイオンを見つめる。まだこの戦いは長引くという予想が何処かから湧いてくる。

すると、目の前で巨大な爆発が発生した。

 

「な、なんですか!?」

 

「被害報告、急げ!」

 

ダメコン妖精が角材や消火ホースを携えて、被弾箇所に全速力で走る。大和のバイタルパートの一部が損傷するが、何より対空機銃の損害が激しかった。

そして、爆発は大和を襲った一箇所だけではなかった。

 

「報告します。先程の攻撃により、陸奥、高雄、長良、由来、霞、白露、陽炎が大破。長門、愛宕、麻耶は損害大なれど交戦中。他の艦艇も被害を被ったとのことであります。」

 

「やられたな………………」

 

奇跡的にも轟沈した艦艇は無く、艦隊の方は指揮系統も無事だが突然の攻撃に混乱が生じていた。

 

《被害対策班、出動!》

 

《今のはなに!》

 

《敵の新兵器か!?》

 

確認の為の通信量も一気に増大し、艦隊間通信機がパンク寸前だった。

 

「トラック機動部隊の到着はまだか。」

 

「艦載機が発艦中とのことです。」

 

土方の額からは汗が流れていた。艦隊が全滅するか、その前に艦載機が到着するか、神の振る賽子で全てが決まる。

 

 

トラック機動部隊

 

緊急支援要請を受理した空母群の飛行甲板はまさに蜂の巣をつついた様な状態だった。

しかも、第一次攻撃で艦載機の大半が損傷、もしくは撃墜されていた。

バザードの艦載機も例外ではない。

 

「発艦できる機は?」

 

「温存していたF-35と生き残ったF/A-18E/F、F-14が使えますが、再編に時間がかかります。」

 

苛立ちを隠せず、その場を歩き回る。すると参謀妖精が申し訳なさげに口を開く。

 

「一機だけ間に合う機がいますが………………」

 

「えっ?」

 

参謀の持っていた書類を見ると、搭載した覚えのない艦載機が一機だけ混じっていた。

 

「これは……………!」

 

「試験運用もしていないので未知数ですが、時間稼ぎは出来るはずです。」

 

バザードは迷わなかった。提督に通信を入れ、特務機を緊急発艦させると伝える。提督も驚き確認を取るが、その前にバザードは発艦命令を飛行甲板に伝えた。

格納庫からトーイングされてエレベーターに載せられる。飛行甲板に居た発艦妖精達はエレベーターから上がってきた機体に目を奪われた。

双発の大型機で、F-22のようなシルエットに前進翼と後退角翼を組み合わせた様な主翼を持つ。

ユージア戦争で極秘裏に開発された翼竜はカタパルトまで誘導される。

発艦妖精は発艦のサインを送り、特務機を発艦させた。

 

 

ラバウル、パラオ連合艦隊

 

ニンバスの嵐に連合艦隊は大損害を被っていた。対空機銃や高角砲は軒並み破壊されてしまっていた。アイガイオンも各所から煙が出ていたが構わずニンバスを射出する。

 

<敵艦隊の陣形に乱れが生じています!>

 

<このまま畳み掛ける!>

 

アイガイオンとその乗員が勝利を確信をしたその時、レーダー妖精が叫んだ。

 

<後方に敵機を確認、機数1!>

 

<ふん、手負いとは言え、このアイガイオンに単機で勝負を挑むとはいい度胸だ。返り討ちにしてやる。>

 

だが、その機体は従来の機体ではないことに気付く。

 

<え、X-02!?なぜアレがここに?

グァッ!>

 

鋼鉄の翼竜は高い機動性を活かしながらアイガイオンにダメージを与えていく。

 

<奴を落とせ!>

 

<恐ろしく速い奴だ!狙いがつかない!>

 

X-02はエンジンに狙いを絞る。弾幕の薄い所からアイガイオンに接近、6AAMを発射する。ミサイルは正確に銃座とエンジンを吹き飛ばす。

 

<第6エンジン停止!>

 

<第7燃料ラインを閉めろ!引火するぞ!>

 

<士官室で火災発生!>

 

瀕死のアイガイオンを嘲笑うかの様に舞うX-02。その間に大和を中心に再編した連合艦隊が生き残った主砲と対空機銃で対空戦闘を再開する。

 

《あの戦闘機が足止めしている内だ!撃て!》

 

《主砲、斉射始め!!》

 

アイガイオンの目標が艦隊からX-02に変わる。X-02はアイガイオン上方まで一気に上昇し、アフタバーナーを吹かす。その動きに銃座はついていけない。すると今度は急降下しながら兵装を切り替え、ウェッポンベイが開く。中には無誘導爆弾が入っている。

 

「投下、投下。」

 

風に流されながら降下する無誘導爆弾はアイガイオンVLSを破壊する。その衝撃でアイガイオン全体を揺さぶる。

 

<くっ、今のはなんだ!>

 

<敵機が投弾した模様。VLS破損。ニンバス、発射不能!!>

 

アイガイオンの脳裏に”撤退”の二文字の単語が過ぎる。そして、その単語を実行する。

 

<変針310、全速で離脱する!>

 

<えっ!しかし………………>

 

<あとの事は補給艦隊に任せる。反攻作戦まで撃墜されるわけにはいかない!>

 

<了解……………>

 

アイガイオンは機首の向きを変え、残ったエンジンを最大まで出力を上げる。

 

《白鯨が逃走するぞ、逃す………………なんだ!?

敵艦隊接近中、警戒せよ!》

 

それと同時に、大和の周囲に水柱が立つ。奥には数隻の艦影を発見する。艦橋上部の見張り台の妖精が伝声管に吠える。

 

「敵艦隊見ゆ!

方位140、距離2万!」

 

46cm砲がゆっくりと旋回する中で、観測機をカタパルトから射出される。

 

「観測機、発艦しました。」

 

「残存艦で迎え撃つ。大破した艦艇を速やかに退避させろ。

大和、艦の状況は?」

 

「一部に損害が出ておりますが、戦闘に支障はありません。」

 

土方は軽く頷くと一呼吸入れて振り返り艦橋に居る妖精を見回す。

 

「苦しい戦いになるが、なんとしても勝利するぞ!」

 

「はっ!!」

 

連合艦隊は針路を変更し、補給艦隊に対して丁字なるようにする。大和を先頭に、伊勢、日向、鳥海を先頭に駆逐艦が複縦陣で追従する。

 

「土方さん、トラック機動部隊が間もなく到着します。」

 

「艦載機による支援を要請しろ。このままの砲雷撃戦は不利だ。」

 

妖精は通信室へ駆けていく。主砲には九一式徹甲弾が装填される。

そして、戦艦棲姫からマズルフラッシュが瞬く。

 

「敵艦発砲!!」

 

「応戦しろ。」

 

「主砲、撃ちー方始めー!」

 

ブザーが鳴り終わると同時に46cm砲が火を吹く。砲弾は綺麗な弧を描いて飛翔し、戦艦棲姫の周囲に弾着する。後続艦も発砲する。

 

「全て遠弾!射撃修整左0.8、頭下げ0.6!」

 

射撃指示に従い、砲身を微調整させる。その間に副砲による牽制射撃をする。

 

「修整射、撃ち方始め!」

 

ライフリングが彫られた砲身から1.460kgの砲弾が撃ち出される。その間に副砲による牽制射撃を加える。

そして、戦艦棲姫の周囲に水柱が立つ。

 

「近、近、遠。夾叉しました!」

 

「散布界を狭めつつ、効力射!」

 

その時、後部甲板に8インチ砲弾が命中し、待機していた艦載機とカタパルトを吹き飛ばす。

 

「被弾報告、急げ!」

 

その間も主砲は戦艦棲姫を狙い、射撃する。艦内では妖精達が走り回る。大和と戦艦棲姫が殴り合いをしている間に伊勢、日向は砲撃で他の補給艦や軽巡洋艦は撃沈していた。

すると、二隻のリ級重巡洋艦が戦艦棲姫を庇うように大和との間に割って入る。同時に駆逐艦が煙幕を展開して戦艦棲姫を隠す。

 

「おい!逃げられるぞ!」

 

「畜生、リ級と煙幕が邪魔で狙えない!」

 

「なら、リ級を殺れ!」

 

戦艦棲姫から重巡に照準を変更する。すると上空からはトラック機動部隊の艦載機が編隊を組んで通過し、駆逐艦と重巡洋艦に攻撃を仕掛ける。

 

《サーベラス1から各機へ

無理はするな。こっちもボロボロだ。ある程度沈めて引き上げるぞ。》

 

F/A-18E/Fは編隊を解く。しかし、少し動きが鈍い。数機が対空砲火を引きつけ、残りが対艦ミサイルを発射する。三隻の駆逐艦が一撃で轟沈する。だが、それが限界だった。各機体ともどこかしらに小さいながらも異常が発生していた。

 

《くそ、もう終わりか……………

引き上げるぞ。》

 

F/A-18E/Fは編隊を組み直すと逃げるように母艦へと帰投した。

既に戦艦棲姫も残存艦艇を集めて離脱してしまった。残ったのは残骸のみ。

 

「どうやら相手を見くびっていたようだ…………………」

 

土方は制帽を脱ぐと艦橋を後にした。その時、土方からはなにか負の空気が漂っていた。

この作戦でアイガイオンは撃墜出来なかったものの空中艦隊を撃破、補給艦隊にも大損害を負わせる事が出来た。

しかしその代償も大きく、ほとんどの艦艇が大破か中破し、唯一無傷のトラック艦隊も艦載機の多数を失い、戦略の大幅な見直しを迫られた。

そして、この作戦は表に出ることはなかった。




いかがでしょうか?
戦闘描写って一体どう書けばいいんですかね?
そして、小説の方向性が定まっていないという事実………………
わからん…………………どうしたらいい?(泣)
泣き言はこれくらいにして、次回はまた日常系に戻ります。
次回ものんびりお待ち下さい。
それではまた次回、お会いしましょう!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。