いつかまた平和な海へ   作:VI号鷲型

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どうも、T-90に轢かれると言う夢を見たストライクイーグルです。
これから何か不吉なものを感じますね………………
とまあ今回も((ry
と言う事でどうぞ!


第三十七話 夕食の一時

日本本土 横須賀市内

 

郵便を詰め込んだ袋を積んだ自転車が太陽に照らされた長い坂を登る。その先に一軒の屋敷が建っていた。

 

「郵便でーす。」

 

配達員は扉を軽く叩き、中の住人を呼び出す。足音が近付くと扉は開いた。

 

「はい、ありがとうございます。」

 

配達員から数枚の手紙を受け取り、配達員に礼をする妖夢。そのまま屋敷の主である幽々子の元へ小走りで向かう。

 

「幽々子様、お手紙をお持ちしました。」

 

「ありがとう妖夢。それからこれは妖夢宛よ。」

 

そういうと幽々子は封筒を手渡す。妖夢は首をかしげながら差出人を確認する。差出人は海兵隊員であるアレックスからだ。妖夢の耳先がほんのり赤くなる。

 

「幽々子様、失礼します!」

 

妖夢は封筒を手に部屋に入ると急いで封筒の封を切る。中には一枚の手紙が入っていた。内容は簡単な近況報告だったが、それでも妖夢にとっては大事な手紙だ。妖夢は白紙の紙を探し、それに返事を書き始めた。

 

 

トラック泊地執務室

 

執務室に真新しい机と椅子が用意された。机に名札が掛けられ、そこには”憲兵”と書けられていた。

 

「提督、ありがとうございます。こんなに用意してもらって。」

 

「いやいや、此処の方が何かと便利だろ?」

 

椛はそっと微笑むと書類を置いて分析作業を始める。執務室には穏やかな空気が漂い、それは眠気を誘っていた。

そして、提督は椅子にもたれかかり、椛は机に伏せて夢の世界へと旅立った。

 

一方、工廠はX-02のデータ採取とパーツの製造、そして整備マニュアルの作成と失った艦載機の補充で大忙しだ。

特にX-02の作業が一番困難だった。

同じジェット機であるF-14やF/A-18E/F、F-35よりも構造が複雑な為、バザードの整備妖精や整備員の手を焼かせていた。

 

「ふぇ〜…………なんだこの複雑な構造は?」

 

「こりゃ、河城さんも苦戦するだろうなー。」

 

休憩室では整備士の二人が他愛もない会話を楽しんでいた。すると休憩室の扉が開き、おぼつかない足取りでにとりが入ってきた。

 

「か、河城さん!?だ、大丈夫ですか?」

 

「もう………………無理………………」

 

その言葉を最後ににとりは倒れた。作業員は慌てながらにとりを簡易ベッドに寝かせる。

 

「河城さんをああまでさせるとは…………………恐るべし……………」

 

「こりゃ、長期戦になりそうだね〜。」

 

そう言うと二人は安全帽を被って休憩室を後にした。

格納庫にはあらゆる整備ハッチが開けられ、食べかけの焼き魚の様になったX-02がいた。

その様子を脇で全ての実地試験を終えた秋水が静かに見守っていた。秋水は本土に運ばれ、最終試験を受ける予定だ。

そして最終試験に合格すれば、晴れて正式採用の印を押される。

 

「秋水の輸送準備は整っています。

迎えの輸送船も明日1330に到着する予定です。」

 

「わかった、明日に残りの作業をすれば良いな。」

 

港湾作業員が隣接している倉庫に積まれている様々な貨物の整理をしていた。その貨物の大半はボーキサイト等の資源か弾薬だ。

大半は空母に持っていかれるのだが………………

 

そして陽は水平線の下に沈み、代わりに月が照らす。

工廠や宿舎に明かりが灯り、厨房の排気口から食欲をそそる匂いが香る。

食堂には食欲と腹を満たす為に艦娘、陸娘、妖精、人間問わず集まる。

 

「お腹空いたなー。」

 

「喰らい尽くすぞー!!」

 

陸娘と妖精が我先にと配膳口に並ぶ。規定量を無視して大盛りをこれでもかと盛り付ける。

 

「はわわわ!」

 

特にエイブラムスを筆頭とする四人とブラッドレー、パラディンがかなりの大盛りを盛り付けていた。

 

「食べないと大きくなれないぞ。」

 

そう言うと駆逐艦達はエイブラムスを見つめる。

エイブラムスは女性としては理想的な体型をしている。

 

「な、なら食べるのです!!」

 

「レディになる一歩ね!」

 

「司令官、見ていて下さい!私の食べっぷりを!!」

 

そう言うと駆逐艦達も同じように大盛りのカレー等を盛り付ける。

しかし、大盛りカレーは駆逐艦の胃の処理能力を大きく上回っていた。

 

「もう…………駄目なのです………………」

 

「レディ………は……………残さない……………わ………………」

 

「エイブラムスさんってどんな胃袋してるんですかね……………………」

 

撃沈した駆逐艦の残したカレーを食べる巡洋艦組。戦艦、空母艦娘達は自分で盛り付けて席に座る。

 

「そう言えばバザードって結構少食ダヨネ。」

 

「そ、そうかな?」

 

「あー確かに。」

 

瑞鶴や金剛に比べて量はかなり少なく駆逐艦並の量だった。しかし、バザードにとってはこれだけで満腹になるのだ。

 

「正直、金剛さん達の量は食べ切れる自信ないよ。」

 

そう言いながら最近ハマっているきつねうどんに箸をつける。

そこへ提督が海月を連れて食堂に入ってくる。

 

「おっ、食ってるな!」

 

「て、テートク!」

 

「提督!」

 

起立しようとした艦娘達を手で制する。

 

「んな、食事処まで軍規なんて持ち込まれたらこっちも落ち着いて食事をする事が出来ないだろ?

気にしないでくれ。」

 

そう言いながら提督は配膳口まで歩く。海月は小走りでその後を追う。

提督が去った事を確認するとまたお喋りに勤しむ。

 

「ところで、ユー達に聞きたい事があるデス。」

 

「な、何よ、改まって。」

 

「な、なんです金剛さん……………」

 

えらく真剣な表情に緊張する他のメンバー。この中で榛名だけが金剛が次に何を言うかが分かった。

そして金剛がテーブルを叩き、口を開いた。

 

「この中でテートクloveな娘は居るのデスカ!?」

 

それを言った途端にそのテーブルが静まり返る。翔鶴と瑞鶴は何がなんだかといった様子で、バザードが一人で汗をかきながらうどんを啜る。

 

「正直に白状するデス。ね、バザード!!」

 

突然の名指しに驚いた。その拍子にうどんの一部が気管に入り込み、咳き込む。

 

「げほっげほっ………な、何いきなり言うんですか!」

 

「でも、どうなのデス?」

 

「うっ…………………」

 

その先を言えばどうなるかはバザードでも分かる。下手をすれば解体リストに載ってしまう。

しかし言わなければ言わないでこの尋問は終わらない。

バザードは意を決して口を開いた。

 

「て、提督の事は上官しては好きですが、つ、つつつつ付き合うとか全く考えていないですよ。」

 

金剛の鋭い視線がバザードの身体を貫く。

脇から見ていた翔鶴型姉妹は艦娘人生で初めて修羅場なる場面を見た。

 

「なら良いデス。」

 

そう言うと金剛にいつもの笑顔が戻る。バザードはこっそりと冷や汗で濡れた手の甲を拭う。翔鶴型姉妹は金剛の意外な一面に驚き、榛名は安心した様な表情になる。

すると瑞鶴が何かに気付いた。

 

「バザード、うどん冷めてるよ。」

 

「ふぇっ!?」

 

バザードは慌てて器に残ったうどんを食べようとする。汁と油揚げにまだ熱が残っているたのを知らずに、

 

「あっつい!!!」

 

舌をやけどして一人で勝手にパニックになっているバザードを見て周りは笑っていた。

 

「ちょ、なんで笑ってるんですか!?

人が大変な事になってるのに!」

 

涙目で周囲に理解を求めようとしているが、周りは笑い続けている。

 

「意外と単純なんだなって思っ…………プッ…………」

 

「ソ、SORRYネ…………デモ…………アハハハ!!」

 

金剛、瑞鶴の笑いに誘われてか、今まで堪えていた榛名と翔鶴も笑い始めた。

 

「プッ……………………」

 

「バザードさんもそんな事あるんですね……………」

 

必死に笑いを押し戻そうとする榛名と翔鶴。

 

「榛名に翔鶴までぇ!」

 

バザードは急いでうどんを食べ切ると顔を隠して自室に駆け戻ってしまった。

 

「バザードの意外な一面ネ。」

 

「若干、天然入ってますかね?」

 

バザードの評価が「ダメ空母」変わった瞬間である。

そんなこんなでトラック島の夜は更けていった。




いかがでしょうか?
新年一発目の投稿ですが、実を言うと書き上がっていないのを忘れていて急いで仕上げました。(汗)
そんなこんなでこれからもどうぞよろしくお願いいたします。
それではまた次回、お会いしましょう!!!
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