ということで今回は少し短めです。
目の前で崩れ落ちた金髪男を見てこちらも力が抜けたのか、または痛みや疲れが今ごろになって襲ってきたのか、俺は一気に息をはく。
それとほぼ同時に、根黒のせいで崩れて丸見えになった2階の部屋から、無傷の奈菜が顔を出した。
「そちらも終わりましたか?」
「うん、終わったよ、楽勝だったぜ!!」
奈菜の問いに親指を立てて答える彩歌。が、何度も死にかけた俺からすれば楽勝だなんてとんでもない。
そんな非難の視線を彩歌に送るが、本人は全く気づきもしないちくしょう。
すると奈菜が2階から飛び降りて、俺たちの近くに着地する。そして奈菜のあとを追うようにして黒くて長いものが音を立てて床に落ちる。
これも前に見たことがある。奈菜が誰かを拘束するときに使う、砂鉄でできた紐状のものでぐるぐる巻きにされた物体だ。
俺もよく訓練で奈菜から逃げようとしたときに巻かれた。あれ意外とチクチクビリビリして痛いんだよなぁ。
今回の場合は奈菜が相手した金髪男たちの仲間なんだろうけど......今この人、拘束された状態で2階から落ちましたよ? 中の人は大丈夫なんだろうか?
「というか彩歌!? あんなに一気に倒せるのになんで最初からしないんだよ!?」
おかげでいらぬ死線をなんども潜らせられる羽目になった。
「ごめんごめん、でもアッキーだってそのおかげで初めての実践ができたんだし、やったじゃん!」
「そうですよ。今の先輩が実践なんて、私や彩歌さんぐらいの人と組まないとありえないんですから、感謝されこそすれ、文句を言われる筋合いはないですよ」
「うぐっ......」
彩歌と奈菜の言い分に言い負かされてうなり声が出る。
だが、それでも確かに2人の言う通りでもある。
そもそも、元を正せば俺がまだ能力覚醒をしていないのも実践がまともにできない理由の1つだし、なにより貴重な体験をさせてもらったのは確かだ。
こんな体験、それこそ奈菜の言う通り2人がいなければできなかったはずだ。
......なのだが。
「......それじゃあ、なんで彩歌はあんな俺が殺される寸前まで黙って見てたんだよ?」
「ギクッ」
「ギクッ!? ギクッて言ったよな!? どういうことだよおい!!」
俺が問い詰めると、途端に彩歌は目を泳がせる。
そのさまはまさに、悪いテストの答案が親に見つかった子供そのままだ。俺が親なら説教とお小遣いダウンを言い渡す場面だろう。
だが、お小遣いがどうしてもほしい
「それはー、あれだよ。ほら? 私はアッキーが戦ってる姿を最後までちゃんと見守っていたかったんだよ」
「それは俺が死にかけるまで放置しておく理由にはならないと思う」
「うーん......アッキーが戦ってる姿見てて面白かったしね!!」
「ここでまさかの開き直り!?」
こ、こいつ......自分は強いからって楽しみやがって。
こちとらなんだかんだ気丈に振る舞っていてもメチャクチャ怖かったというのに。勢い余ってちょっとチビりそうになったほどだぞこら。
草食系男子の精神力なめんなよこら。
そんな風に微妙に拗ねながら彩歌を睨み付けていた俺が『それ』に気が付けたのは奇跡だったと思う。
そう。
倒れている金髪男の掌から放たれた、砂鉄でできた槍での奇襲を右手で弾くことができたのは、本当に奇跡だった。
「「なっ!?」」
遅れて、理由は各々違うが俺たち3人と攻撃してきた金髪男は声を上げる。
その場で誰もが一瞬唖然としていたが、そんな中最初に動き出したのは奈菜だった。
奈菜はすぐさま右手を金髪男に向け、その手から電撃を放ち金髪男を今度こそ気絶させる。
彩歌が奈菜よりも反応が遅れたのは、自分が気絶させたと思っていた人物が、実は気絶していなかったことへの驚きのせいだろう。
「アッキー、大丈夫!?」
そして、九死に一生を得た俺はというと。
ーーあっっっっっっっっっっっっっっぶねぇぇぇぇぇぇえええ!!!!!!
やべぇ、今のあと一瞬遅れてたら間違いなく体貫かれてたよ!? 綺麗な串刺しの完成だよ、美味しく戴きやすい状態だよ!?
というかよく俺反応できたな!? やっぱり日頃の特訓の成果が出てきているということだな!! はっはっは!!
......自分でもよく分からないほどにテンパってました。
「まぁ、本人が一番驚いてるぐらいですし、とりあえず大丈夫でしょう」
「うん......それと、なーちゃんもごめんね。絶対に気絶させたと思ったのにー!!」
「それなら仕方ないと思いますよ。あの人電気系統の使い手でしたし、おそらく彩歌先輩にやられて気絶する寸前に自分の生体電気に能力で干渉して無理矢理意識を保ったんでしょう」
「はえー、電気使いってそんなこともできるんだ」
「まぁ、私はあまり好きじゃないですけど」
「って、うぉい!! もうちょっと俺に構ってよ!! 俺今マジで危なかったと思うんだけど!?」
なんか俺が金髪男の攻撃弾いたことなんてなかったみたいに2人とも話してるし!!
すると、奈菜はやれやれと言った風にため息をつくと、めんどくさそうに俺に視線を向けてくる。
「じゃあ先輩に聞きますけど......その両腕、大丈夫ですか?」
「へ?」
奈菜の言葉につられて視線を奈菜から自分の両腕に下ろす。
そこには......ちょっと説明にすら年齢制限がかかってしまいそうな感じの俺の腕だったものがあった。
......うわぉ、こんにちは大怪我さんさん。最近よくお会いしますね。
しかもさっきの金髪男の攻撃、弾くことができただけで、しっかりと右腕にダメージは伝わっていたようだ。
なんか腕2本とも、子供が見たら泣き叫びそうなレベルになっている。
「って、いってぇぇぇぇぇええええ!!??」
「先輩、うるさいです」
「あははっ、アッキーやっぱ面白いね!!」
そんな完全にマイペースな2人のコメントを他所に、俺は両腕を抱え込んで悶絶し続けるのだった。
ははっ、マジでワロえない。
明たちが戦いを終えたのと同時刻。
戦いの場となっていたとある廃ビルから約5km離れた地点にある別の廃ビルの屋上に立っている者がいた。
その者は体の所々に相違点はあるものの、人のような形をしていた。
そう、人の
その者は姿はヒトだが、人間ではない。
特に、それが顕著なのはその目だ。
目の色が黄色という、普通の人間ではありえない色をしていて、その目は見た人が100人中100人が「美しい」と表現するのと同時、目の前に立っただけでどんな生き物でも蛇に睨まれた蛙のように怯えて動けなくなってしまいそうな、危険な目だった。
そんな人間ではない何かーーグラディスは、フー、と感嘆したように大きく息をついた。
「いやー、まさかとは思って来てみたけど、あの《龍炎使い》に息子がいたなんてね」
グラディスはその人ならざる目の視力を使い、先ほどまで行われていた明たちの戦闘を見ていた。
正直、別にグラディスとしては、件の《龍炎使い》ーー焔治に息子がいようがいまいがどちらでもいいのだ。
問題なのはその息子、明の能力の有無、そして詳細だ。
伝説の《龍炎使い》、焔治の力を受け継いでいるか否か。
明の存在は、本人が考えている以上に焔治の息子として裏の世界やグラディスたちの世界では通っている。
だが、今までは明が力をほとんど扱えないということがあったので、あまり話題には上がらなかったのだ。
しかし先日、力はあるのに能力は使えないという奇妙な人間がの子供がいるという情報が多くの場所で流れた。
ほとんどの裏の者は、その情報を聞いても笑い話以下のクソ情報としか考えなかったが、グラディスは微かに違和感を覚えたのだ。
それは小さな違和感だった。
まさかと思って今日来てみたのだが......違和感が的中するとはグラディス本人もまだ信じられなかった。
しかも、グラディスの想像以上に事態は進行している。それは先程の戦闘の最後に分かった。
先ほどまで明たちが繰り広げていた戦闘。あんなものグラディスからすれば欠伸が出るようなくだらないものだった。
それを見ているときは、明もただ回りに翻弄されているだけだったので、能力のこともただの取り越し苦労かと思っていた。
だが、戦闘の最後。金髪の男が明に向かって攻撃した瞬間、グラディスは全身が総毛立つのを感じた。
あの場にいた他の者は、驚きやショックで気付かなかったようだがーー
ーーあの瞬間、明は右手に微かにだが『炎』を纏って攻撃を弾いていた。
この事実がどういうことか、それを考えるだけでグラディスはその狂気的な笑みを隠せない。
それこそ、少しでも気を抜けばグラディス本人が保持するその圧倒的なまでの魔力を放出してしまい、周囲一体を地獄絵図に変えてしまいそうなほどに。
しかし、今力を放出してしまえば《KTF》に嗅ぎ付けられ、グラディスの行動がいくらか制限されてしまう。
それはグラディス本人も不本意なので努めて自分の力を抑える。
だがやはり、その笑みだけは隠せそうになかった。
このままでは本当に見つかってしまうかな。そう考えたグラディスは踵を返し歩いていく。
伝説の《龍炎使い》の息子、そして今日のもうひとつの収穫、《青電》の名を世界に轟かせている深井奈菜の発見。
これは本当に予想外だった。まさかグラディスのターゲットが明と行動を共にしているとは。
これがどれだけ幸運なことかと考えると、グラディスは存在しないと思いつつも神というものに感謝したくなる。
「これから、とても楽しいことになりそうだ」
そう言った直後、今までそこにいたのが幻だったかのようにグラディスの体は廃ビルの屋上から消えていた。
それに合わせるように屋上に少し強い風が吹く。
まるでこの時、この瞬間、これからの長い戦いの始まりを告げるように。
「君ってー、いつも何かあるよねー。大怪我したりぶっ倒れたり大怪我したりぶっ倒れたりー」
「いや......ぶっ倒れるのは主に楓さんの嫌がらせのせいでぇぇぇぇええ!!!!」
「んー、何か言ったー?」
「いえ......なんでもありません......」
現在、俺たち3人は見回りから帰ってきて医務室にいた。
理由はもちろん俺の両腕の治療のため、というのもあるが、どうも外で力を使った後には医務室で軽い検査を受けるというのが規則になっているらしく、俺は風音に治療を、奈菜と彩歌は楓さんに検査を受けているところだ。
ちなみに先程の会話は風音に腕を治療してもらっている最中に、楓さんに腕をつねられている構図のもと行われた。
「椎崎くん、終わったよ......」
「えっ、もう?」
「うん......」
両腕を見ると、確かに表面は先ほどまでのグロ映像のようななりではなくではなく、しっかりと腕と呼べるようなものに治っていた。
しかし、おずおずと答えてくる風音を疑うわけではないが、少し不安になってゆっくりと両腕を動かしてみる。
......おぉ、普通に今まで通りに動く。さっきまでは腕(仮)みたいな状態だったのに! おかえり、マイアーム!!
それにしても、いつものことながら風音の治癒能力には舌を巻かされる。
でも、確か前に肩を怪我したときにはもっと時間がかかったような......
「それはねー、君自身の回復力が高くなってるからだよー」
「普通に人の心を読まないでください」
「いえ、先輩って結構表情に出てますよ。それはもう他校に負けた不良のように」
「なんつー微妙な例え......」
というか、奈菜って外国育ちなんじゃなかったっけ? 外国にも不良制度というのはあるのだろうか?
って、そうじゃなくて。
「でも、確かにそうだよね。アッキーって何考えてるか分かんないときと顔に出てるときの落差がすごいしね」
「いや、だからそうじゃなくて......話戻すけど、俺の回復力ってどういうことですか?」
「うんー、能力覚醒してないって言っても魔力の使い方とかは上手くなってるわけだからねー。それに応じて回復力とか身体能力とかも上がってるんだよー」
ほえー、そうなのか。
確かに、前の俺がどれだけ手に魔力を込めても鉄筋を殴り付けて跳ね上げさせるなんてことは出来なかっただろうし。
......それを考えると、よくもまぁ鉄筋殴ったりしたな、俺。
「よしー、2人とも異常なしー」
楓さんの診察も終わり、お礼を言う奈菜と彩歌。
それに返すと、楓さんは再び俺に向き合ってくる。
「それでー、今回初めての戦闘だったわけだけどー。何か感想はー?」
「......そうですね。言いたいことはたくさんありますけど、やっぱり一番はーー」
「ーー楓さん、絶対に俺が襲われるって分かってて見回りに出したでしょう!?」
「ありゃりゃー、気づかれちゃったかー」
俺の叫び声に悪びれることもなく、楓さんはいつもの表情で言ってくる。
「当たり前です!! そもそも俺の実地訓練なのにただの見回りだけっていうのが最初から気になってたのに、蓋を開ければ身に覚えのない殺意向けられるし!!」
「えー、でも身に覚えなくはないでしょー?」
「そうですよ。前に私言ったじゃないですか。先輩を狙ってくる人は大勢いるだろうって」
そういえば、そんなこと言ってたような......
で、でもそれって俺がどこにも所属してないのが前提であって、《KTF》に入れば大丈夫みたいなことも言ってた気が......
それを聞いてみると、途端に楓さんがわざとらしく目を逸らした。
まさか......
「あの、そんなことはないって信じて聞きますけど......楓さん、俺の居場所を無所属の能力者にリークしました?」
「うんー、もちろんそうだよー」
「あはは、やっぱりそんなことはありまくりですよねちくしょうがぁ!!」
そりゃそうだ。
いくら俺が町の中を歩き回ったとはいえ、《KTF》に所属している俺の居場所がそうそう部外者に漏れるわけがない。
偶然歩いていてばったり、ならあるかもしれないが、先程の戦いは明らかに待ち伏せによるもの。つまりは事前に俺の居場所が分かっていないと不可能だ。
「でもー、おかげで色々勉強にはなったでしょー?」
楓さんの言葉に俺は気まずく唸る。
確かに、死にかけることは何度もあったが、得るものはそのぶんだけ多かった。
なによりも、実際の戦闘を見て、俺も行うことで、『能力』というものをよりよく理解できた気がする。
今回のことはそのための必要経費だと思えば納得できーーるわけがないさすがに。
まぁ、それはいい。いや、よくないけど。本当は小一時間シャウトしたいけど。
だが、それよりも気になることがある。
「あの、確かに勉強にはなったんですけど......」
さっきの戦い、気のせいかもしれないが......
「なんか、前に経験した時ほどの......威圧感というか、すごさを感じなかったというかいうか......」
戦っているときは本当にいっぱいいっぱいで気付かなかったのだが、今になって考えると昔体験したあの時の方がすごさがあった。
もしかしたら俺も当時幼かったから恐怖心が強くて印象に残っているだけとか、日々の訓練で俺も非常識なことに慣れてしまっただけかももしれないが。
まぁやっぱりただの気のせいっていうのが一番可能性高いけどな。
俺的にはただそのぐらいの軽さで考えていたことなのだが、皆が変に静かになった気がして回りを見ると、各々が......なんだろう? なんだか微妙な表情をしていた。
それが最も顕著なのはやはり彩歌だ。さっきから口が開いたり閉じたりを繰り返している。
「あの、どうしたんだみんな?」
「......あの、先ぱーー」
「いやー、ちょっと明君が大物過ぎてみんな唖然としてただけだよー」
「へ?」
「だってー、さっきの戦いでもまだまだ生温いってことでしょー? なら今度は1人で戦ってもらおうかなー?」
「すんません、自分、調子こいてましたっっっ!!!」
俺は一も二もなく腰を折る。
冗談じゃない、そんなことをしたら今度こそ死んでしまう!!
というか医務室の先生がなんでそんなに怪我させるようなこと言うの!?
しかもこの人の場合は冗談抜きでさせてくるだろうか性質が悪すぎる。
「それが嫌だったら今日はもう自分の部屋で安静にするようにねー。風音ー、明君送ってあげてー」
「あ、うん......」
楓さんは終始笑顔で言うと、そのまま手元のカルテに目を通し始めた。
これはこの医務室の暗黙の了解のようなもので、楓さんが診察や会話以外のことを始めたら、診察終了帰ってください、という合図になっている。
マイペースな楓さんらしいと言えばらしいんだけど......やっぱり変な違和感が残る。
まぁ、こうなると並大抵のことでは動かなくなるので俺たちは各々医務室を退室していった。
「言わないんですか?」
奈菜は他の3人は退室し、医務室の中に自分と楓だけが残ったのを見計らって聞く。
言わない、というのはもちろん、先程の会話で上がった明の違和感についてだ。
明が先程抱いた違和感。あれは結論から言えば正しい。
奈菜も詳しいことは知らないが、前々から感じていた明の中途半端に深い能力など非日常への理解。前にも襲われた経験。
そして先程の明の台詞。これだけの情報があれば奈菜にもある程度の予想はついた。
自分の予想がほぼ間違いなく明の違和感への答えになっている。奈菜はそう考えていた。
しかし、楓は奈菜の質問に視線を向けただけで、すぐに視線をカルテに戻してしまう。
これはやはり答えはもらえないか、奈菜は踵を返し自分も医務室から退室しようとする。
だがそれよりも楓が口を開く方が早かった。
「奈菜ちゃんも知ってるでしょー? 『そのこと』については本当にこっちにこないと教えちゃダメだってー」
「......はい。それは分かっています。だからこそ私も彩歌先輩も風音先輩も何も言わなかったんですから」
そう、そんなことは奈菜も分かっていた。
本当の意味でこちら側に来る、つまりは能力覚醒してからではないと教えられない機密情報。
《KTF》も組織だ。もちろん規則というものはある。
そして奈菜たちはその《KTF》の組織の一員なので規則には従わなくてはならない。
そんなこと、奈菜も分かっていた。
それでも、何故か奈菜は早めに明にその機密情報を伝えておいた方がいいと思ったのだ。
理由は......分からない。強いて言うなら勘だ。
なにか大きなものが動き出そうとしている。そんな謎の感覚。それが奈菜を襲っていた。
(はぁ......でも勘ってなに......? そんな根拠の欠片もない)
全くもってこんな思考は自分らしくない。そう考えた奈菜は軽く頭を振る。
どうやら最近、明と一緒に行動しすぎて調子がおかしくなっていたようだ。
別にいいではないか。仮に大きななにかが動き出したとしても、自分や彩歌が戦えばどうということはない。大抵のことはどうにかなるだろう。
全く問題ないではないか。
あんな先輩のたえに自分が動くのは限りなく不本意だが、仕方がない。
そう結論付け、奈菜はこの無駄な思考に終止符を打った。
自分が戦って明を守る、という考え方にいつの間にか変化していることに奈菜は気づかない。日本に来る前の彼女を知っている者なら、驚くほどの変化だったりするのだが。
最後に自分らしくない思考にため息をつき、奈菜は今度こそ医務室を退室する。
そして、奈菜が部屋を出て扉を閉めるのとほぼ同時。
「きっとー、その奈菜ちゃんの勘は当たってるよー」
そんな楓の呟きは、残念なことに奈菜の耳には届かなかった。
今回は戦闘の終了と伏線張りまくりでしたね。
回収が楽しみであるのと忘れそうで怖いですw
次回は......久しぶりに日常回です。