レッド「何というか」   作:丹近

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タイプは被らないように、と思ったんですがね?

8/5 22:25 30
編集しました

8/6 19:09 26
色々編集しました


6話

先程の赤い奴、名前はデオキシスと言うらしい

 

博士に聞いたら『ぬおおおおお!!!見たい!!!!見たいが今手が離せんのじゃあああああ!!!!!フォォォォォォォ…』

 

と言っていた。日頃の疲れが出てるんだな、としか思えないぐらいのテンションだった

 

大して主だったモノのない道を進む

 

歩き続けて、オツキミ山の麓が見えてきた頃の事だった

 

「…よお、元チャンピオンの邪魔者さんよ」

 

レッド「…?誰だ、あんた」

 

馴れ馴れしくも刺々しい言葉を掛けてきた大男

 

「そうだな…昔お前に色々暴れられた奴、ってだけさ」

 

故郷を懐かしむような声でそういった

 

レッド「…ああ、そいつは悪かったね」

 

吐き捨てるように、僕は返す

 

レッド「ただ僕はもう覚えてないんだ、それはもう時効じゃないか?」

 

「…」

 

「…どうやら言葉じゃ効果は無いらしいな」

 

黙ったかと思えばこの台詞。まるで、これから辻斬りをするかのように悠然と歩み寄る

 

レッド「…あ?」

 

そろそろ腹が立ってきた。…いや、僕の沸点が低いだけか

 

落ち着け、こういう時こそ冷静になれ…

 

そう自己暗示を掛けた途端に

 

大男は遂に言い放った

 

「お前さあ、俺らの『団』を潰したからって『俺ら』も潰せたとか思ってない?」

 

目の前に刃物を突き立てられるような嫌悪感。それと共に垂れる汗

 

レッド「…おい、まさか」

 

全身の毛が逆立つような感覚が、さらに嫌悪感を加速させた

 

「そうさ」

 

直後、

鋭い痛みが腹を覆った

 

レッド「っ…!?ぐ、ぁっ!!」

 

刃渡り10cmを受け入れた身体は、主の意思など蚊帳の外と言わんばかりに足取りを歪ませ、やがて膝を折り

 

パタリと、倒れた

 

「燻ってた連中を集めてまたまた復活させてもらったよ」

 

レッド「…ぅ…」

 

「まあ『不発弾』とでも名乗っておこうか、だがお前には関係ねえから邪魔すんじゃねえぞ」

 

薄れ行く意識の中、最後に聞こえた

 

「これで厄介払いは完了だ、やっと幹部達やサカキ様が成し得なかった事を遂行出来る」

 

~~~~

 

現場には腹を抉られた血塗れの少年が横たわっているだけだった

 

周囲には誰も居らず、

 

何かに縋る手も、だらりと力なく地を這う

 

レッド(…誰でもいい…僕を、ポケモンセンターまで…運んでくれ…)

 

意識が朦朧とする

 

レッド(…あー、眠くなってきた…)

 

目の前が霞んできた…こ、これ…

 

レッド(…)

 

レッド(これ寝たら目覚めないんじゃないか!?)

 

よーし待て落ち着け、まず息を整

 

レッド「ゔっ゙!!オッフ」

 

吸った空気が血に変換される

 

レッド(あ、ダメだこれDeathだわこれ)

 

レッド(せめ…て…ボール…を…ぅ……)

 

何個かボールが外れる

 

…きっと運んで…くれる、だろう…運んで、くれないと…本当に…ま…ず…

 

「…」

 

~~~~

 

レッド「…」

 

風の吹く丘に立っていた

 

ただ、『立っていた』という情報しか入手出来ない

 

何をしに来たのか

 

何を考えていたのか

 

何をしようとしたのか

 

全く、分からなかった

 

何故かは知らないが、とても心地がいい

 

シロガネ山の雪景色に慣れたからか、とても新鮮に感じた

 

丘と言えど、剣が何本も突き刺さっている訳でもなければ

赤毛の大男率いる大軍勢がいる訳でもない

 

ただただ広い、風が吹き抜ける丘の上に立っていた

 

…夢、なのか?

 

はたまた生死の境でだらーっとしているのか

 

…その場合、三途の川ならぬ三途の丘になるのか…?

 

そこまで考えていると、突然柔らかい何かがのしかかってきた

 

ユニランかな…

フシデ…お腹はぷにぷにだったな…

デオキシス?…固そうな印象がある…

 

…ナツメ…は無いな、来てなかったし

 

…、ないよね?

 

~~~~

 

レッド「もごっ!?」

 

目を覚まし、空気を吸おうとしたが吸えなかった

 

何故かといえば簡単である、上に何かがのしかかっていたから

 

まず感じたのは布の感触だった

 

…あれか、患者が死んでしまった時にかけるあれを掛けられているのか…

 

目を開けて確かめようにも何がいるかわからない

というか開けたらモノによっては恐ろしい事になるのでは、と思うと開けられない

 

仕方がないので耳をこれでもかと言うぐらいに研ぎ澄ませ、周りの状況を探る

 

まず聞こえたのは泣き声

 

年齢は15ぐらいだろうか

 

次に聞こえたのは冷淡に状況を告げる声

 

「…午前11時41分、御臨終です」

 

死んでないし!生きてるし!動けないだけで生きてるからね!?

 

…多分

 

何故言い切れないのか、というのには訳がある…

 

前にどこかで聞いたことがあった。周りの声だけが聞こえて、目を覚ましたら下には眠っている自分がいると言う話を…

 

今までは鼻で笑っていたが、流石に笑えなくなったかもしれない…アハハン…

 

…ん?さっき動けたし息苦しいからそれはないか…?

 

…さっきモゴって言ったから流石に気づいてるだろ?僕生きてるからね?

 

レッド「フンヌッ!!ゔぅ゙ぅ゙ぁ゙あ゙いってえ…」

 

動いていなかったから分からなかったが、まだ刺された傷は癒えてはいなかったらしい

…まあそりゃそうか…

 

僕が動いた所を見たであろう人々の靴音が慌ただしく響く

途端に室内…室外もか?が騒がしくなり始めた

 

「蘇生しました!」

 

「何ですって!?」

 

「レッドさーん!!意識はありますかー!!」

 

レッド「あ…はは…」

 

やめろ…うるさい…傷に響く…静かにしてくれ…

 

レッド(というか…本当に死んでた事になってたのか、僕…)

 

因みに布は被ったままである。我は何も見えぬ、何も見えぬぞフハハハハ

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