レッド「何というか」 作:丹近
8/10 12:02
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入院生活1日目。
レッド「…」
案の定退屈で、これと言った変化もなくて
レッド「…ふあ…あ」
リハビリなんてないし、そもそも歩く気力も沸かない
レッド「…」
見るに見かねたジョーイさんが知恵の輪をくれたが、一瞬で解けてしまった
…というか壊した
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2日目。
今日は検査があるんだそうで
完全に回復してるといいんだけど…久し振りだから身体も痛いし
ジョーイ「…よし、異常な…し?」
レッド「…ジョーイさん?」
まさかそんな、ね?
ジョーイ「…」
暫しの静寂、切り出した言葉は
ジョーイ「…心臓が少し弱ってる…?」
レッド(…心臓?)
よく分からないが、何だか不穏な空気…?
ジョーイ「…」
ジョーイさんは音もなく駆けていってしまった
レッド(…呼吸がしにくいだとかじゃなくて、心臓が弱ってる…?)
何で心臓?
というか心臓が弱ると何がどうなる?
15歳の頭では想像すら出来ないが、1つだけ分かった気がした
レッド「…衰弱死?」
ンナバナナ
僕がそんな事になるわけがない
50年先ならまだ分かるけれど、流石に今はないだろう
いずれにしても
レッド「…時間がない」
辿り着いた結論はそれだった
時間の許す限り旅をしていたが、先に身体が悲鳴を上げ始めたらしい
痛みはない
故に怖さが増していく
何も気づかずに逝ってしまったらどうする?
何も出来ずに床に伏してしまったらどうする?
ポケモン達を遺したまま、僕だけが先に逝くのか?
それだけは嫌だ
「…生きるしかない」
「ロケット団の残党を全て倒して、ユニラン達とリーグを勝ち抜いて、笑って家に帰る」
「その為には、」
…生きるしか、ない
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レッド「ありがとうございました」
ジョーイ「お気をつけてー」
3日も拘束されてしまった
それに、ジョーイさんから病名等を何も言われなかった
…秘密にしておくのか?
レッド(いや患者の病名秘密にしちゃダメだろ医者として…)
…女医か、だからジョーイさんなのか
言わなかった理由は聞かなかった
好奇心も沸かない…ってのは当たり前か、自分の事を知ったってどうしようも
レッド(…あるな)
レッド(ともかく先へ進もう、レベルは上がりきってるからこのままハナダに直行するか)
レッド(まず山を突破しないといけないのか…病み上がりにはしんどそうだ)
…刺されて病み上がりってのは合ってるのか?
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レッド「はあ…うっぷ…」
…やっぱりしんどかった…
体力を…過信してた訳ではないが…これは…
レッド「も…もう年、かな…ハハン…」
「いくらなんでも早すぎるわよ」
レッド「…お」
この…声は…
レッド「おお…ナツメ…久し振…コヒュー」
ナツメ「…刺されたらしいじゃない」
レッド「…よくご存じで」
ジョーイさんには「この事は誰にも言わないでください」って言っておいたんだが…あ
レッド「超能力ですかね?」
ナツメ「その通りよ、私と言えばこれしかないもの」
…それ以外にもあると思うけど
ナツメ「…あのね」
うん?
ナツメ「…心配、したのよ」
ナツメ「最強のポケモントレーナーであっても、人間には変わりないんだから」
ナツメ「…もう分かったでしょ?貴方の旅は、今までみたいなお気楽なものじゃない」
ナツメ「恨みを買われてるって事を理解した上で行動するべきよ」
…なあ
レッド「…言いたい事があるならはっきり言ってくれよ、僕は凡人だから考えは読み取れないんだ」
僕が言うと、ナツメは少し顔に影を落とした
ナツメ「…」
レッド「…」
沈黙が続く
何か言いたげに見てはいるのだが、一向に口を開こうとしない
レッド「…はあ、何となく分かった気がするよ」
ナツメ「…?」
レッド「今回の旅で死ぬとか、そういう話じゃないか?」