今日から正式に俺の部屋になる1012室に荷物を移し終えた。といっても今までの部屋で出していたのは衣類ぐらいだし、荷物もそんなに多くはない。ぶっちゃけVRMMOに入れる以上余計なものはいらないのである(ALOといわないのはGGOにも別アカを作っているため。毎月の通信料は地味に痛いが(月額3000円))。それでも勉強道具一式が多くて二往復したが。
にしてもこの部屋無駄に豪勢だな。よくこんな部屋を維持できているな、日本政府。確か生活費全部負担なんだよな。となると寮の建築費に加えて建物の維持費、水道・光熱費、そんでゴミの廃棄にかかる手数料と俺でも考えられる項目だけでもこんなにあるからな。実際などんだけの負担になることやら。IS学園の生徒はクラス30人、一学年6クラス、3学年。そして学生寮は基本2人部屋だから(30×6×3)÷2で約270部屋か。
『なんかこの部屋見ているとここ最近の増税も納得だね』
『確かに』
ここ最近の増税の原因・・・、違和感ないな。特にIS学園はコストが回収できるとは思えないし。
『ピコン』
突然鳴った電子音これは確かメールの着信音だったか?
『ラースからメールが届いたよ』
『ラースから?なら専用機についてか』
でも珍しいな。メールはわかるが、菊岡はその前に電話をかけてくるはず・・・あ。
『ストレア、それを開くな』
『え?もう開け『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおい、元気にしてるか!!!!!』いいいいーー』
やはり想像通りトラップかよ。しかも某アホのロン毛の隊長並みの騒音だな。おかげでストレアは気絶しているようだ。まあ、犯人はあいつだろ。ラースからこんなメールをするのはあいつぐらいだし。とりあえず通信で。・・・出た。
『お前の仕業だろ。イリヤ』
『きひひ、ドッキリ大成功』
まったく、ドッキリで頭の中を半壊させるなよ。ストレアの悲鳴も相乗してオチル寸前だったぞ。
こいつはイリヤ。本名MHCP-006、ストレアの妹の一人だ。こいつは姉妹の中でもっともプログラム関係に強い。曰く「姉妹の中で一番茅場の才能を引き継いでいる」。現在こいつはラースに所属している。菊岡は気に食わないそうだが比嘉さんや、掛け持ち状態の神代さんと気があったらしい。
しかもこいつは職員として登録されており、名簿にも「イリヤ」の名前を確認できる。つまり、保護の目的で所属する俺に対しこいつは上司でもあるのだ。
『それでなんの用だ。ただのいたずらじゃなくて電話させるのが目的だろ』
『さすがにわかっているね。業務連絡で君の専用機のスペックが決まったから報告だよ。これでいいなら試合の3日前には届けられるよ』
ちなみにこいつは俺のことを「年のはなれた従兄」といった認識で気軽に話してくる。まあ、全員がパパ呼びだといろいろきついからいいんだけど。
『もう決まったのか。具体的にはどうなった?』
『今から送るね』
そう言われ確認するとテキストが圧縮された状態で届いた。中身を確認すると
『想像できたとはいえひどくないか。言い出したの俺だけどさあ』
ちなみに記載されていた内容は
・
・最高出力 打鉄より遅い
・シールドエネルギー 400(一般より少ない)
その他
改めて見ると俺を殺しに来ているだろ、これ。しかもシールドエネルギー少ないとか事実上のハンデだろ。
『ちなみにキリトにもこれを見せたら「ア↑タマ↓オカシイイ→ダロ↑ー」て奇声をあげたそうだよ』
何?あのキリトが?SAOでアインクラッドの柱を使って次の階層に行けないかと実験し、転移結晶がなかったら頭チーンてなっていたあいつが?システムのスキをつき数々のシステム外スキル(魔法破壊、スキルコネクトなど)を開発したあのキリトがこのぐらいで奇声をあげたのか?
『まるで変人の巣窟に閉じ込められた常識人のツッコミだな』
『それは言い過ぎじゃない?』
まあいいか。あのキリトが動揺するぐらいこ異常なんだと再確認できたということで。
『それにしても最高出力が低いのは地味に痛いな。STR-AGI型の俺には噛み合わないぞ』
STR(筋力)ーAGI(敏捷力)型。つまり相手の攻撃を避けつつ接近し物理で殴るのが俺のスタイルである。これはSAOからALO、そしてGGOの別アカを一から育てる時にも変えなかった戦いかたである。
そのため、理想をいえばスピードはとことん追求したいのが本音であるが、そもそもこれは「テスター」経験のある俺に本気を出させないためでもあるので文句がいえないのだ。
ちなみにさっき「相手の攻撃を避けて」といったが、AALOではキリトたちに「HPが無くなる寸前までは特攻している」とよく言われる。
デスゲームだったSAOではともかく、ALOは純粋に楽しむためにこの戦法をとっている。俗にいう「死ななければ安い」と言われるごり押しである。
まあ、このたた戦い方は基本ソロプレイでしかさない。それにクエストならともかく試合時間に制限がある
少し長くなったが、ようはこの機体性能だと新しい戦法が必要なのである。しかし下手にスタイルを変えるのはあまり気が進まないが・・・待てよ。
『なあ、これには機体性能しか書いてないが、
『うん。パスロットも少ないし、君の主流武器は剣だからそこまて脅威ではないと判断されたみたい』
へー、脅威でないねぇ。それならこっちも遠慮しない。
『ならさ、・・・・スラスター・・・装甲・・って出来ない?』
『大丈夫のはずだよ。それにしてもそんなことを思いつくなんてやっぱり君は変態だね』
『ルールの隙をつくのは強者の証だからな。それじゃ頼む』
『でもそうなると機体が届くのは試合の前日になるよ』
『それは仕方ないだろ。幸いにも前日は日曜だからなんとかなるだろ』
『OK!あ、それと機体を持っていくとき私も調整のために行くから』
『了解。そうなると神代さんと一緒に来るのか?』
一応手続きさえあれば男でも学園に入れるが女性のほうが簡単に入れるのだ。
『それは当日のお楽しみで』
なんか含みのある言い方だがまたなんか企んでいるのか。
『あ、それとあいつへの尋問はどうなっている?』
『相変わらず何を言っても沈黙だよ。まあ、そうするよう洗脳されているんだろうけど』
マジか。あいつが全部吐いてくれればISのすべてがわかるかもしれないのにな。
『仕方ないか。まあ、何か進展したら教えてくれ』
『わかってるって。じゃあ、またね』
『ああ、またな』
・・・そういえば何か忘れているような・・・あ。
『ストレア、大丈夫か』
気絶していた相棒のことすっかり忘れてた。
『うーん。あれ?私何していたっけ?』
『寝オチしたみたいだな。疲れているなら今日はもう休め』
『うん。そうする』
どうやら迷惑メールのことは忘れているみたいだ。ま、べつに思い出す必要もないからいいか。
さて、この一週間で新しいスタイルを確立する算段を考えるか。
『ピコン』
ん?またメールか。えーと今度は・・・
「MV1 永眠 A 代理 葬式 出る H」
・・・そうか。覚悟はしていたけど。
「やっぱり慣れないな。人が亡くなったときのこの感覚は」
でも、それでも俺はこの道を選んだから。そのためにISを利用しているのだから。
「近いうちに、差し入れでも持っていくか」
今回出てきたオリキャラについて
イリヤ(MHCP-006)
ストレアの姉妹。かなりの悪戯好き。オリ主を従兄のように慕っている。
現在、ラースに席を置いており、オリ主の上司でもある。
プログラム設計に優れ、姉妹で一番茅場に似ていると言われる。オリ主の専用機の担当でもある。
また、作中に出てきたロン毛は家庭教師ヒットマンリボーンのあの人をイメージしてください。