ISとビーターの弟子(仮)   作:由紀夫

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今回のはいろいろカオスになっていますが、元女子校での男の学園生活ならあってもいいかな・・・と思って書き始めたら止まらなくなりました。


狂気の宴

♤ユウキサイド♤

いろいろあったクラス代表戦だが特に問題はなく終わりを迎えた。織斑くん、彼は素晴らしかった。おかげで地に落ちた男の株が上昇しそうだぞ(暴落させたの俺だけど)。

 

『茶番はそこまでにしてそろそろどうにかしようよ』

 

そうだな。まずは状況の確認。前方、弓矢を構えた女子たち。左方、グローブをつけた女子たち。右方、竹刀を持った女子たち。後方、壁。・・・何これ?

 

15分前、織斑VSオルコット終了後~

 

『では彼女に協力することになったんだね』

 

『ああ』

 

試合の後菊岡に現状を伝えるために通信した。

 

『じゃあ、私はそっちに移った方がいい?』

 

確かにイリヤの協力は必須だしこっちに移ってもらうのが効率的だが。

 

『いや、それはまだいい』

 

『どうして?』

 

『彼女に聞いたんだが、機体作製に必要な機材に整備科でしか使用ができないものがあるらしい。そこで彼女はそれの使用許可をもらうために特別な補修を受けているそうだ。本来は一年生に教える内容ではないらしいが代表候補生であることと特殊な状況で認めてもらえたんだと。で、その補修が終わるのがどんなに頑張っても今度のクラス代表選までかかるそうだ。だからイリヤに来てもらうのはそれぐらいになると思う』

 

『じゃあその子はクラス代表選は訓練機での参加なんだ』

 

『そこは仕方ない。それに彼女自身の訓練もあるから本格的に作成にはいるのはその後にするって。だからそれまでは俺自身の鍛錬にあてることになった。いい加減初心者ということで本気を出せないのはきついからな』

 

『だが整備科の先輩に手伝ってもらったら今からでも作業に取り掛かれるんじゃないのかい?』

 

『彼女としては俺の参加は認めるが極力人は増やしたくないんだそうだ。』

 

『でも君が参加する以上整備科の人も仲間に入れた方がよくない?』

 

『そこは彼女の譲れない一線なんだろ?今のままだとほとんどを整備科の人任せになってしまうわけだし。それに週一ぐらいで彼女を訓練に強制参加させて腕が落ちないようにするということになった』

 

『まあ言いたいことはわかった。イリヤくんにはだいたい5月下旬ごろそっちに行ってもらうようにするよ』

 

『ああ。ただ、イリヤの変わりはラースに行ってもらうけどな』

 

『君も疑い深いね。君たちと敵対することはしないといっているのに』

 

『悪いがあんたは役人だろ?政府の命令一つで実行する可能性は否定できない。いや、それで実行しないと役人ではないな。だから監視は必要だ』

 

『君は本当に年齢に似合わないな。でも変わりなんているのかい』

 

『仕方ないからしばらくはアマネに代用を頼む。そうすればあんたらがまたあれを開始したらアルゴ経由ですぐにわかるし』

 

『いやいやそれは本当にやめてくれ』

 

『冗談だ。一応付き合いは長いから信用はしている。あいつも忙しいから代用は無理だが・・・もし変なことをしたらわかっているよね』

 

『あ、ああ。ではまた何かあれば連絡してくれ』

 

といった風な感じで報告は終了。

 

『これからどうする?』

 

『そうだな』

 

アリーナはもう閉まったし、とりあえず整備室で装備を訓練用に変更するか。・・・腕のスラスター今後使うかな?

 

『どの装備にするの?』

 

『とりあえず片手剣は使いたいが・・・アニールブレードはな・・・』

 

『やっぱり初期装備だから?』

 

『別に性能がどうこうじゃなくてな。前にも言ったけどクエストクリアによるドロップなんだが・・・そのクエストが「病気の女の子のためにリトルペネントの実を取ってくる」っていうクエストなんだよなあ』

 

正直当時は切なすぎて号泣だったぞ、あの設定。キリトも妹(リーファ)のことを思い出して泣いていたし。

 

『・・・確かに使いづらいね。特に君には』

 

『ま、いっか。現状使用できる片手剣はこれしかないし載せておくか』

 

『急に軽くなった!?君がいいならいいけど。もう一つは』

 

『もう一つは「ちょっとそこのあんた、面貸しな」え?』

 

面貸せ?そんな乱暴な言葉を向けられるのってかなり嫌われているな。いったい誰だ?

 

「そこの男、あんただよ」

 

・・・ああ、俺かよ。とりあえず振り返ってみたら上級生らしき少女が3人がこっちをガン見していた。

 

「あの、何の用件でしょうか」

 

「黙ってこっちに来てもらおうか」

 

~という経緯があり今に至る。ちなみに今いるのはアリーナの裏にある場所、マンガでの「不良のたまり場」のような場所だ。見たところ監視カメラもないようだし、本当何の用だよ。

 

「あんた、さっきの試合何かしら?男が勝てるとは思わないけどそれにしてもひど過ぎる」

 

「あんたみたいな奴が専用機を持っていると高貴なISが汚されるのよ」

 

「しかもあんたこの1週間まともな訓練もさず、女の子をナンパしてたんだって。どこまでもナメてくれるわね」

 

「私たちはあんたがISを使うことを認めない。だからおとなしく渡しなさい。痛い目にあいたくなければね!」

 

了解、あんたたちの要求は把握した。ただ、少し困ったのは彼女らが一枚岩なのかがわからないことだ。単に女尊男卑主義者なら無視すればいいのだが、俺に努力の姿勢がないことに不満をもつだけの人も混ざっているようだ。しかもそれが本当にこの一週間で実際にやったことを指摘しているだけというのがなんともいえない。ナンパうんぬんも簪さんとのことだろうし。

 

「だいたい、あんたみたいなチビが学園に入って来たことから信じられないのに」

 

「しかもあんな啖呵を切っていて情けない試合しかできないし」

 

はー。これぐらいは覚悟していたがまさかこんな堂々といってくるとわ。まさに数の暴力だな。

 

「それに名前がムカつくのよ。完全に名前負けじゃない」

 

(ジイッ(ノイズ音))おいおい、いくら何でも(ジィ)名前を馬鹿にするなんてひどくないか?

 

「ユウキなんてひねりのない名前だし、しかもカタカナって」

 

ジイッ、ジジイッ・・・。

 

『ユウキ、しっかりし「ブチッ」』

 

「名前を考えるのを面倒くさがるほどダメな親だったんだわ」

 

(ジジジジィーーー)イイカゲンニシナヨ?

 

♠ユウキ(?)サイド♠

 

「きっと両親に愛されてないんだわ」「それどころか望まない妊娠だったりして」「つまりいらない子なんだね。かわいそうに」

 

ケッコウ、イイタイ放題、ダね。ざれ言は、そのぐらい、で、いいかな?

 

君たち、僕のこと、だけを、馬鹿にするなら、どうでも、よかった、けど、どうしても

 

聞き捨てなれねえことはいた奴いたよなぁ!

 

と、怒ってみたもののさてさて、どういたしましょうかね(真ゲス風に)。とりあえず、よかれと思って先輩方には()()()()してあげましょうか。

 

カシャ

 

「なんだと!?」

 

今では何処でも聞くことができるこの音に皆さんが驚きの声を上げた。なんで?

 

「なぜシャッター音が、貴様は携帯を持っていないはず」

 

なるほどなるほど。確かに初日に通信機器は持っていないと言いました。そこから写真を撮られる危険はないと判断したのか。確かに俺は学園の外に出てないからその後入手することはない。なかなか計画的ですね。だがしかし。

 

「携帯?これはそんなものじゃないですよ」

 

俺の手に握られていたのはデジタルが普及した今あまりにも見る機会がなくなったものの一つ。”使い切りカメラ"である。かつては旅行のお供であった必需品であったが、デジカメの流行によって数が減少してしまった。すぐには撮影した写真が確認できないのも大きな要因だろう。しかも最近のデジカメにはある手ブレ修正もないため下手したら某通すがりの破壊者のように「この世界も俺を否定するのか」状態になるのである(ようはブレ過ぎて何が写っているのかわからない)。さらにはデジカメならプリンターで印刷がすぐなのに対し、暗室での作業でネガを完成し印刷と専門の手法が必要といろいろ手がかかる。

 

しかしこれはデジタルにはない利点がある。それは元データの改造が難しいという点だ。デジカメによる写真は偽造が簡単なので証拠能力とするとアナログに劣ってしまうのだ。そのため面倒事が起こることを想定し入学前に大量に購入してきたのである。

 

にしても情報収集力はあっても発想力がないな、こいつら。携帯がないからカメラのないこの場所なら証拠も残さずにことが起こせると思ったのだろうか?デジカメなんて常備はなくても所有している可能性は十分あったろうに。想定外のことなの何人かは表情をくもらせている。うん。

 

「悔しいでしょうねww」

 

俺が挑発したらリーダー的な女がこちらをにらんできたが、流れはこちらに向いている。

 

「き、気にするな。この人数でかかれば黙らすことができる。そのあとにカメラを回収してしまえば問題ない!」

 

おうおう、虚勢はっていても声に力が入っていないぞ。それだと士気は高まらないぞ。・・・あ。あそこ何人か逃走しているぞ。よし、ここは

 

「先輩、もしかして人望ないんですか?いつの間にか人数が減っていますよ?」

 

よかれと思ってまた挑発しておくかwww。

 

「ふ、ふざけるな!!」

 

おうおう。冷静のれの字もない発言だな。

 

「数の暴力にうったえようとしたが場の流れが悪くなればすぐに消える。楽しかったぜ。お前たちの友情ゴッコww」

 

「や、やっちまえ」

 

口で勝てないから実力行使か?いいぜ、満足させてみろ。

 

 

数分後。そこには擦り傷が多数刻まれた俺と無傷な女子たちがいた。

 

「いや~、君達はすごかった。万一にもこのことが公にならないように配慮し、監視カメラのない場所に俺を連れてきた。さらには俺を痛め付けても服で見えないように計算され尽くされていた。しかし、俺は跪いてなどいません」

 

いいねえ。自分よりも劣っていると思っていた奴に

 

「あなた方は見事でした。策略も、実行する行動力も。でも、まるで、全然、俺を屈服させるには程遠いんだよね!!!!」

 

『ちょっとちょっと!!!』

 

『あんたは何をやっている!!!』

 

それを最後に俺の意識が飛んだ。

 

♤ユウキサイド♤

 

「う、ん。ここは・・・そうか。またやっちまった(暴走した)のか」

 

眼がさめると知らない部屋にいた。ここはもしかしてアリーナの保健室?

 

「おはよう、よく眠れた?」

 

そういって俺に話しかけてきたのは茶髪の女性だった。・・・茶髪?だれだ・・・あ。

 

「フィリア」

 

「もしかしてすぐにわからなかった?」

 

「悪い。最近は黒髪しか見てなかったから」

 

「そういえばこっちで会うのは久しぶりだね」

 

この美女はフィリア、本名は天川琴音。彼女もSAO生還者なのだが、俺がすぐに気づけなかったのは彼女はALOでのアバターは「影妖精(スプリガン)」であるため向こうでは黒髪なのである。彼女は攻略組の中でも特殊で通称「トレジャーハンター」。アルゴと同じく特殊条件を持つボスや特殊クエストの調査を担当していた。特に攻略のカギになるアイテムを見つけるのがうまく、どんなトラップも彼女の前にはただのデータの塊をいえたほどだ。

 

「・・・で、なんでIS学園に。しかも白衣なんて着て」

 

「菊岡さんに頼まれてね。君が何かあった時のために潜入してくれだって。ちょうどここの保健室が担当を募集していたから」

 

「なるほど」

 

「君だってたまには気を許せる相手が必要でしょ」

 

「そうだな」

 

『まったくきみは・・・あれほど気を付けろとカウンセリングのたびに言っているのに・・・』

 

この声はサニーか。カウンセラー兼任のサニーとストレアにはある権限がある。それはこの二人がそろうとで俺にスタンガンレベルの電気ショックを流せるということだ。前にも今回みたいな暴走があったから止めるために作られた。でもそのために無理に移動したため疲労したのだろう。いつもの覇気がない。

 

「ああ。悪いなサニー・・・てあれ?」

 

今のは通信による会話じゃなかったな。でもどこから?ストレアもさっきからしゃべってないし。

 

「これだよ、これ」

 

「これは初期のプローブだな」

 

「そう。二人は今その中でお休み中」

 

そこにあったのは昔キリトがユイのために(本人は授業の一環と主張していたが)開発した視聴覚双方向通信プローブ(見た目は丸い監視カメラ)だった。これは内蔵されているカメラやマイクを通して電脳空間にいる者とコンタクトをとることができるものだ。

 

「これってキリトが新しい物つくってどこにいったのかと思っていたけどフィリアが持っていたのか」

 

「うん。たまに連絡をしたい場合とかなら設置型のほうがいいしね。最新型は君が使っているけど」

 

携帯端末を所持していない俺がストレアたちと通信するのにキリトが作ったプローブを基にした最新型を使用しているからだ。さらには初期型にはない機能がふんだんに使われていたりもする。

 

「そういえば、それ(新型)は君が設計したんだっけ?」

 

「設計・・・じゃなくて原案を出しただな。実際に設計したのはイリヤって聞いている」

 

「そっか。君はこれの作製には関わってなかったね」

 

「ああ」

 

原案はあったとはいえたった一週間で完成させたキリト+ユイ達+ラースには頭が上がらないな。俺のせいで切羽詰まっていたのもあるけどな。

 

「それは使っていて負担はない?」

 

「ああ。まるで自分の体のようだよ」

 

「そっか。よかった」

 

「キリトの作品の感想を聞いてくるなんてまるで正妻だな。流石はキリトの現地妻だな」

 

「・・・そのネタいい加減にしてよね」

 

「ワリィワリィ。でも俺の『狂いすぎて逆に頭がさえた狂犬』よりはマシだろ」

 

「今回倒れた理由でしょ」

 

「はい、すいません」

 

『キリトの現地妻』これが彼女のあだ名だ。といってもキリトとそういう関係ではない。以前アスナが親戚関係で家出した時に彼女の家に泊めてもらったことがある。その時にキリトはアスナを訪ねて彼女の家にいったのだがその親戚の人にばれないようにしていたのでその光景が「まるで浮気相手に会いにいくぐらい不審な行動」だった。それ以降彼女にはこの不名誉なあだ名が(主にアルゴのせいで)定着したのだ。・・・まあ、彼女もまたキリトに今でも気があるわけだが。

ちなみに俺の『狂い~狂犬』は今回のように度々暴走するのでつけられたあだ名だ。もっともこの名前がついたのはISに関わり始める少し前だがな。

 

「そういえば絡んできた先輩方はどこにいった?」

 

「別の保健室に運ばれたみたいだよ。映像を見たけど流石にあれはインパクトがあったから」

 

「俺手を出してたのか?」

 

「ううん。笑いながら接近していギリギリで竹刀を避けていたよ」

 

「そんなことしていたのか」

 

「どっちかというとサイコパスみたいな感じかな?人を殺して『ヒャッハー』とか言いそうな勢いだったよ」

 

「相変わらずひどいな。それならちょっと弁解してくる」

 

「ダメ。今の君は不安定すぎる。一人にできない。ストレアやサニーが回復するまで待っていて」

 

「わかったよ。でもこのフィルムを返して今回のことを水に流すように交渉してくるだけだ」

 

「交渉って?」

 

「俺は別に敵対したわけじゃないし、互いに牽制して不干渉のほうがいい。それをこのフィルムと引き換えに約束させる」

 

ちなみにこの学園に持ち込んだものにはボイスレコーダもあったが、今回はあえて使わなかった。理由は音声よりも映像の方が犯人の特定が容易なことである。今回俺を相手にするために集まっていたのは30人以上はいたので音声だけだと識別に時間がかかるのだ。

 

「ならストレアが撮っている映像でいいんじゃ?」

 

「それだと相手に牽制できないだろ」

 

牽制とは相手がその威力を知って初めて意味を成すのだ。原爆の恐ろしさを知らない相手に原爆は抑制力にならない。そしてストレアが常時撮影していることはトップシークレットである。下手に吹聴するわけにはいかないのだ。だから今回のカメラは囮なのである。

 

『う~ん。よく寝た。OKだよ』

 

「大丈夫なのか?まだ時間あるしゆっくりしてもいいんだぞ」

 

『大丈夫b』

 

「そうか?なら行くぞ。フィリア、また来るな」

 

「うん、いってらっしゃい」

 

♡フィリアサイド♡

 

「調子はどう?サニー」

 

『まあよくなったかな』

 

「話には聞いていたけどかなりひどいね」

 

さっき見せてもらった映像。私が知っているどの彼とも違っていた。みんながなんで『狂犬』と言い始めたのかよくわかったけど。

 

『うん。ここ最近はあそこまで悪化してないから油断してた』

 

「旧ALO事件の後遺症か」

 

SAOクリア後、生還者のうち300人は現在のALOの基になった旧ALOのゲームマスター須郷信行によって4ヶ月に渡って監禁された。その300人には当時須郷の婚約者(親が勝手に指名、事件後解消された)だったアスナ。そしてユウキくんもその300人の一人だった。そして彼はそのせいであのように豹変するようになってしまった。

 

『彼はアスナさんと同じような立場だったから。最も彼女ともは対極な扱いだったらしいけど・・・私たちがもっと早く気づいていれば』

 

「症状が出始めたのは事件から一年以上後だったんでしょ?あなたたちに責任はないよ」

 

『でも』

 

「彼の症状が始まったのはあの出来事が引き金でしょ」

 

『うん。それとあの子が狂ったようにネットの中をさまようになったのもそのころだよ』

 

「あなたたち姉妹の中で唯一パートナーがいなくなった子だね」

 

『今どこにいるんだか』

 

「確かその子って通り名があったよね」

 

『いろいろと悪さをしているからね。通称「アンラッキー」。ユイの次に最凶だよ』

 

♢楯無サイド♢

 

「・・・そこにいますよね。誰ですか?」

 

「あら、よく気づいたわね」

 

保健室から出てきたあと、加害者とどうやら和解して自室に帰ろうとしていた青野くんに尾行したが気づかれた。といっても私も話があったからすぐに気づけるようにしていたんだけどね。

 

「会長さん。何か用ですか?」

 

「あなたが保健室に運ばれたと聞いてね。あなたを保護する学園としては状態を把握しておかないとね」

 

「そうですか。ありがとうございます」

 

こちらを疑っているけど表面には出していない。もう少し感情的ならやりやすいんだけどなあ。

 

「それとあなたに質問があるんだけどいいかしら」

 

「何でしょうか。試合のことなら」

 

「『紺野』という名字に心当たりないかしら?」

 

「コンノ?どういう漢字ですか?」

 

今少し目を逸らしたわね。これは脈ありかしら。

 

「紺色の『紺』に野原の『野』よ」

 

「それほど珍しい名字でもないですね。会長が聞いてくるということはIS関係者ですか」

 

「そう。それも今あなたが所持しているISの前任者よ」

 

「残念ながら心当たりはないです。それに前の持ち主なんかは流石に聞けませんよ」

 

「そう。変なこと聞いて悪かったわね」

 

これ以上詮索しても成果はなさそう。今日はもう引きましょう。

 

 

「会長。おかえりなさい」

 

「ただいま。虚」

 

「どうでした?彼の状態は」

 

「平然としてたわ。とても複数の人間に襲われたとは思えないぐらいにね」

 

報告では竹刀や弓矢なんかで攻撃されたのにかすり傷だけで済んだとなっている。しかも(キチガイな)笑顔で女子に近づいていたとも聞いている。正直男じゃないなら精神鑑定で操縦者から落とされているわ。

 

「やはり彼には何かありそうですね」

 

「ええ。でも彼は尻尾を出す失態はしそうにないわ。だからこの件は終わり。ついでにさっきの資料についても聞いてみたわ。彼は平静を装っていたけどわずかに動揺していた。この『紺野』という人が彼の正体への糸口になるわ。過去にISに関わった以上足取りは捕捉できるはず」

 

「それでは今後もこの情報提供者とのコンタクトを続けます」

 

あわよくばもう少しわかりやすい情報がほしいけどね。

 

「そういえばその情報提供者って誰?」

 

「以前からタレコミをしてくる人物なんですが、本名は不明です」

 

「よくそんな情報を信用したわね」

 

「最初は見向きもされていませんでしたが、信頼できる人間の情報と共通するものが多く、確認したところすべての情報が正しいということで信用されるようになったそうです」

 

お互いに利用しあう関係ということね。

 

「それで相手はなんて名乗っているの?」

 

「『アンラッキー』。それが情報提供者の通称です」




今回は女子からの集団で襲われ返り討ちにしましたが、書いているうちに某4様のセリフがでてきたのでこうなりました。ちなみにタイトルの読みは『ファンサービス』です。
襲撃してきた3つの部活は原作5巻で会長を襲っていたのでこの部活にしました。
ユウキ(?)は二重人格ではなく記憶があいまいになっているだけです(酒を飲んで悪酔いして記憶をなくすかんじです)。
フィリアは「ホロウ・フラグメント」で初出のキャラですが彼女はゲームオリジナルの舞台「ホロウエリア」で出てくるのでこの小説ではほぼオリキャラです。また「キリトの現地妻」はゲームでキリトと二人なのが多いので出しました。また、ゲームでは琴音としかでてないので名字は勝手につけました。
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