ISとビーターの弟子(仮)   作:由紀夫

28 / 35
クラス代表決定~ISの実演

セシリアサイド

 

「以上が今日の試合の結果です」

 

『了解した。今後も報告を待っている』

 

「かしこまりわ」

 

『ところで君は織斑くんのことはどう思った?」

 

「え?一夏さんですか?」

 

『(なぜファーストネームで呼んだんだ?)そうだ』

 

「そ、それはどういう意味で聞いているのでしょうか?」

 

『決まっているではないか。我が国に迎えるに値するかという意味だ。素質があるのならばスカウトするのでな』

 

「そ、そうですか。彼は戦いは未熟ですが将来性は十分ですわ」

 

『(何を期待していたのか)そうか。しかしスカウトには時間がかかる、それに日本への愛着もあり難航するのは目に見えている。手っ取り早いのは君と彼が恋人になって彼がイギリスに移住することだが』

 

「こ、恋人!?」

 

『まあ流石に君にそんなハニートラップまがいのことをさせるわけにはいかないな。君は彼がイギリスに興味がいくように誘導してくれ』

 

「は、はい!・・・ところで青野さんはいいのですか」

 

『か、彼はいいんだ。き、君は織斑くんのほうに集中してくれ』

 

試合前の感じでは彼の方をスカウトしたいように思いましたが、今のは逆に関わりたくないような言い方。なぜなのでしょうか?

 

「わかりましたわ。彼には我が国を好いてもらうようにします」

 

そこで今日の報告は終了しました。今わたくしの頭を占めているのはさっきの試合の相手。

 

「織斑一夏」

 

・・・この感情はいったいなんでしょう。あの方の試合の内容は散々といえるものでした。

 

ISの特性を考えない素人全開の試合展開

 

なによりIS操縦者として最も許されない、機体の不調をそのままにした。何よりも優先すべき機体の保守という観点からすればキチガイですわね。

 

しかし

 

『そんなの決まっているだろ!俺が千冬姉の後をひきつぐ!そのためにも負けられないんだ』

 

その後も素晴らしい動きでわたくしのブルー・ティアーズ(ビット)のレーザーをさけわたくしのナイフを剣で落とし確実に仕留めようしていました。その後よくはわかりませんが彼のエネルギー切れにより試合はわたくしの勝ちになりましたがあのまま続いてたらわたくしの敗北でしたわ。

 

彼からは今までの男からは感じられなかった情熱が感じられましたわ。そう、あの男(父親)とは違う信念を込めた目。彼のことを考えるとなぜか胸が熱くなりますわ。これが恋なのでしょうか。残念ながら今のわたくしの評価は最低でしょう。ならば彼をサポートすることで汚名を返上し彼がイギリスに帰化したくなるようにしますわ。とりあえずは彼の成長を補助するのが最善かしら。

 

しかし対称的な二人でしたわ。一夏さんの目は輝いていました。しかし青野ユウキ、彼の方は何か達観したような感じがしました。一夏さんの目が「未来を夢見る純粋な輝き」だとすれば彼は「現実をしり絶望を味わい歪んだ輝き」とでも呼ぶべきものでしたわ。

 

「もしかして彼(電話の相手)はそれを恐れたものでしょうか」

 

彼の過去には一体何があったのでしょうか。そしてもしこの試合を組まず、打鉄でない機体が彼に与えられていたらどうなってしまったのでしょうか。

 

ユウキサイド

次の日のホームルーム

 

「それでは一組の代表は織斑一夏くんです。あ、ちょうど一つながりでゴロがいいですね」

 

あり?代表は勝ったオルコットじゃないのか?織斑も自分が指名されて困惑しているよ。

 

「あの~先生。俺昨日負けたんですけど?」

 

「それは「それはわたくしが辞退したからですわ」(泣)」

 

会話挟まれて山田先生が悲しんでいるぞ。というかオルコット急に明るくなりすぎじゃね。

 

『昨日の試合で吹っ切れたとか?』

 

『でもそんな展開あったか?』

 

俺は観客に対するエンターテインメント(違う)していただけだし、織斑は一方的にやられただけだ。何がきっかけになった?

 

「確かにわたくしが全勝しましたが考えてみれば当然。それに一夏さんの方は機体が不調ゆえの勝利。ならば早くそれ相応の実力を兼ね備えるには実戦が一番と思いました。そしてそれにはクラス代表になる方がよろしいと思い、辞退しました」

 

『なんか態度がこの間と正反対だね』

 

『そうだな。昨日の感じだと「弱いものの教育に力を注ぐのは無駄。わたくしのような高貴なものに一点集中させたほうが効率的ですわ」とかいいそうなのにな』

 

「な、ならユウキは」

 

ほ~。俺に責任転嫁するのか。だがしかし

 

「ユウキさんは一夏さんに比べて操縦に不安定さがありますのでクラス代表は重荷だと思いまして」

 

そう。あんな棒立ち敗北した俺が選ばれるわけはないのだ。クラス代表は各クラスの実力を示す役目もあるのだからな。

 

「セシリアわかっているぅ!!」

 

「そうだよね。せっかく男子がいるんだから盛り上げないとね」

 

「それに青野くんのISって訓練機みたいで地味だしね(ボソッ)」

 

おい、最後のやつ。ちゃんと聞こえてるぞ。地味とかいうな。俺の機体は後ニ段階の変身を(以下略)。

 

「そ、それでですね。よろしければ放課後にわたくしがコーチをして差し上げますわ。わたくしのような優秀な生徒の指導があれば上達スピードも上がりまして効率的でしてよ」

 

・・・ああ。なんか態度が柔らかくなったと思ったらそういうことか。

 

『ねえ、あれどういうこと?いくら何でも一日で態度が変わりすぎだよ』

 

『多分惚れたんじゃねえ?』

 

『・・・そんな状況あったっけ?』

 

『おそらくだが・・・お前は「源氏物語」って知ってるよな?』

 

『確か平安時代の物語だよね?』

 

『ああ。その話の中にな「自分の愛した人の面影をした少女を自分の結婚相手に育て上げる」という話があるんだ』

 

『育てる?もしかして』

 

『ああ、彼女は織斑を自分好みに教育するターゲットにしたんだろ』

 

まさかこんな学園(元女子校+軍レベルの教育機関)で恋人を養殖をしようとするとはな。でも好みの男がいて立場も対等ならものにしたいのも仕方ないか。

 

「生憎だが不要だ。私は一夏に直々に指導してくれと頼まれたのだからな。大体、射撃型のお前が接近型の一夏に何を教えられるという」

 

おい、篠ノ之。昨日言っただろ?シールドの境界を知っていたら回避できるって。好きな男がとられそうで頭に血が上っているのか?

 

「あら、そこにいるのはランクCの篠ノ之さん。それなら余計に回避技術の上達が重要でしてよ。それにわたくしと一夏さんは共に専用機持ち。アリーナが確保できればすぐに訓練ができますわ」

 

あー、確かにそうだな。さらに訓練機は短い時間で酷使されるから下手したら複数の機体が一度に整備に出さざるを得なくなった予約がキャンセルされる場合もある。何年か前には負担の限界が重なって丸一日訓練機の貸し出し不可になることもあったと記録されている。専用機持ちがコーチならそういう時間のロスはない。ただ、適正うんぬんはどうしようもないだろ。

 

「え!?箒ランクCなのか?」

 

おい、追い打ちするな。面倒なことになる。

 

「今はランクは関係ないだろ!!それに接近戦がなんたるかを一夏に教えておかないといけないのだ。間合いに入っても当たりませんでしたでは意味がないだろう!」

 

なんか急に言い合いになりだしたが、あんたらこの教室に誰がいるか忘れてない?

 

「いい加減にしろ馬鹿ども」

 

ほら来た。

 

「私からすれば貴様らは卵の割り方を知らないひな鳥だ。それに候補生とはいえ一から学び直してもらう。くだらないもめ事は十代の特権だが今は私の管轄だ。自重しろ」

 

流石に世界王者(元)に言われたら黙るしかないようだな。

 

『そういえば、あの篠ノ之って人。試験の結果はどうなんだろ?』

 

『確かに。あそこまで言うんならそこそこいいのか?』

 

なんせ強制入学の織斑さえ機体テストはあったんだ。篠ノ之も篠ノ之束の親戚とはいえ機動ぐらいチェックはしただろうな。

 

「クラス代表は織斑一夏。異論はないな」

 

「「「はい」」」

 

話し合い(していない)の結果、クラス代表(生贄)は織斑に決定された。

 

 

二日後

「ではこれよりISによる基本的な飛行操縦を実践してもらう。青野、織斑、オルコット。機体を展開しろ」

 

今日から始まるISでの実習。にも関わらず訓練機の準備はまったくされていない。これって専用機持ち以外見学だけで授業終わりませんか?全員あんなISスーツに着替えているのに(着替える手間がよけいでないかという意味)。

 

「遅い!!機体の展開に5秒もかけるな!!」

 

「すいません」

 

つい数日前には30秒もかけていたんだから進歩しているのに。この人もしかして自分の経験を評価基準にしていませんか。

 

「それで織斑はいつまで時間をかけている?」

 

そういわれて織斑の方を見ると未だに右手の待機形態のガントレットに手を添えて集中していた。そしてようやく発光し白式を展開した。

 

「よし飛べ!!」

 

織斑先生の合図で三人同時に宙に飛び立った。もっともすぐにスピードに差が出始めた。流石に織斑はまだ加速が不十分みたいで遅れてきた。その逆でオルコットは安定していた。ちなみに俺は二人の中間にいた。

 

「お前ら速いな。どんなイメージしているんだよ」

 

「一夏さん。所詮はイメージ、自分が想像しやすい方法を模索するのが賢明でしてよ」

 

「イメージと言われても。ユウキはどんなイメージだ?」

 

「妖精のように背中から羽が飛び出ていて普段は羽ばたかせるが、高速の時は風に乗るようにイメージしている」

 

「妖精って・・・お前結構少女趣味か?」

 

少女趣味ねえ・・・ALOは不意打ちし放題、殺人し放題の殺伐とした世界だけどな(GGOも大して変わらないが)。しかも数少ない女子を狩りとかいって殺す愉快犯もいるし。俺たちはそうでもないけど各種族の領主ともなると現実も真っ青な政治に裏切りが渦巻いていたこともあるし。そういう世界だと知ってプレイしているわけだが。

 

「そう思うなら戦闘機でもイメージしてみたらどうだ」

 

「いやいや。戦闘機ってよけいわかんねえよ。そもそもなんでこれ飛んでいるんだよ」

 

理解できないものに命は預けられないというのはわかるが今は下手に考えすぎないほうがいいぞ。

 

「説明しても構いませんが長いですわよ?反重力力翼と波動波干渉の話になりますわ」

 

「・・・すまん。説明はいいや」

 

「あら残念」

 

もしかして説明するついでに二人きりになる算段だったのか?なかなか積極的だな。

 

「一夏!いつまでそんなところにいる!!早く降りて来い!!」

 

『・・・なんであいつが指示出すんだ?』

 

しかもあれ山田先生のインカムだろ。まさか教師相手に力づくで奪ったのかよ。

 

『女の勘で危険を察知したんじゃない?さっき二人いい感じだったし』

 

いくら何でも授業妨害するな。初心者なら下手すると気が緩んで追突する恐れもあるぞ。

 

「何勝手に指示を出している!!」

 

『案の定怒られているし』

 

『勝手に教師の道具とっているし妥当だな』

 

むしろこれを容認したら今後生徒になめられる。(織斑限定(最近は篠ノ之も対象)とはいえ)暴力による恐怖は一回立場が逆転すると機能しなくするからな。

 

「3人とも急降下をやってみろ。目標は地上から10㎝以下だ」

 

おい、10㎝以下ってやばくないか?ISのスピード+落下による加速を考慮すると0.001秒の判断の誤差で激突するんじゃないのか?

 

「ではまずわたくしから」

 

そういって急降下していったオルコット。かなり上空でスラスターを切って自然落下から速度を相殺するように意識している。流石は候補生というべきテクニックで地表スレスレで停止、さらにはそのまま機体を反転させ無事着地。ならほど、減速のタイミングが肝だな。

 

「次どっちがいく?」

 

「俺が行くぜ」

 

そう言い残し効果していった。あれ逆に加速していないか?さっきの見学してなかったのか?

 

『地面に溝を作りそうだね』

 

『流石にそこまでは』

 

ドゴォォォォォン!!!アリーナが爆音に包まれ大量の砂が宙をまった。

 

『溝・・・ではないな』

 

『うん。クレーターができたね』

 

というかよく他の生徒が避難しなくてもいい場所に落下できたな。ある意味すごい判断力だな。

 

「馬鹿者!!誰がグラウンドに激突しろといった!!!」

 

「すいません」

 

結構ガチで落ち込んでいるな。

 

「情けないぞ一夏。昨日私が教えただろ。まったく貴様は」

 

「大丈夫ですか一夏さん。お怪我はなくて?」

 

いつもの二人が心配(?)そうにクレーターに近づいていた。かける言葉は正反対だが。

 

「ISを装備しておいて怪我などするはずないだろう」

 

「あら?篠ノ之さん。他人を気づかうのは当たり前ですわ」

 

あの~まだ俺の降下があるのですが。そう思いながら(オルコットには開放回線(オープンチャンネル)を使って呼びかけていたが)もヒートアップしていく恋する女子は止まりそうになかった。

 

『もう勝手に降下するか。指示では「速度を出して」とは言われてないし』

 

『そうだね。ずっと待たされそうだね』

 

そういうことで二人の口論が続く中、低スピードで降下した(一応地上10㎝で停止した)。

 

「いい加減にしろ。喧嘩なら隅にいってやれ」

 

鬼教官の介入でようやく鎮火したな。流石にこの先生の前でやらかす気はないようだ。

 

「・・・?青野、貴様今何か変なこと考えなかったか?」

 

「そんなわけないじゃないですか」

 

基本人の思考を読むことに特化した織斑先生がわざわざ確認するのって珍しいな。

 

『そういえば君だけ確認してくるよね』

 

『ああ。おかげで不意打ちされなくて助かっている』

 

あれ喰らったらネジが数本外れる程度で済みそうになさそうだしな。

 

「そうか。そして青野、貴様何勝手に降下している」

 

「時間が勿体ないので自分の判断で降りてきました。こんな空気の中突っ込んでくる勇気はなかったので」

 

「まあいい。織斑、武装展開してみろ」

 

「はぁ」

 

「返事はハイだ!」

 

「はいっ」

 

そういって織斑が雪片二型を展開した。特に問題なく展開したな。

 

「遅い、0.5秒で展開できるようになれ」

 

いやいや数日でここまでの展開速度なら妥当じゃないか?確かに初心者を言い訳にするのはよくないが特殊な状況は考慮しなよ。

 

「オルコット、次は貴様だ」

 

「はい」

 

そういわれて手を横に掲げて試合でも使ったライフルを展開した。おそらく0.1秒ぐらいの展開スピードだった。

 

「オルコット。真横に展開してどうする?正面に展開するように修正しろ」

 

が横に掲げたのを先生に指摘された。

 

「ですがこれがわたくしのイメージしやすく「NA・O・SE」・・・わかりました」

 

確かに実用向きじゃないな。でもあの機体は偏向射撃が最終目的だから別によくないか?某宇宙海賊は銃口が反対向いていても正確に射撃するが・・・と思ったがあのライフル自体に偏向射撃があるのか謎だったな。

 

『でも銃口が動くのに偏向射撃って変じゃない?そのせいで威力下がっているんだよねえ』

 

『確かにそうなんだよなあ。でもあれ試作機らしいから』

 

移動砲台+偏向射撃はロマンあふれるのだが何分技術が追いついていないんだよな。

 

「次はあのナイフを出してみろ」

 

「え・・・わかりました」

 

と試合でも使ったナイフを展開しようとしているが、なかなか現れない。

 

『試合だと普通に声に出していたよね?なんでしないんだろ』

 

『織斑に失態を見られたくないんじゃないか』

 

『ああ、そうか』

 

オルコットは織斑に自分好みに調教したい。さらば自分が目上と認識させる必要があるからな。・・・自覚しているかは知らんが。

 

「遅い。早くしろ」

 

「ああもう。『インターセプター』」

 

結局音声ありで展開した。本当に遠距離特化の訓練しかしてなかったんだな。

 

「お前はいつまで時間をかけるつもりだ?実戦でも相手に待ってもらうつもりか?」

 

「実戦でならブルー・ティアーズ(ビット)で時間を稼げるので問題ありませんわ」

 

「ほう。では今度私と対戦しろ。貴様の理論が正しいか確認してやる」

 

「・・・精進しますわ」

 

「最初からそう言え。馬鹿者が」

 

誰もあんたとガチバトルなんてしたくないだろうに。鬼の形相で剣を振ってくるんだから。

 

「青野、貴様もやってみろ」

 

「了解」

 

先生の指示に従い武器を展開しようとしたが、今搭載させている武器のうちどっちを展開しようか悩んだ。

 

「遅い!早くしろ」

 

いやどっちにしようか悩んでいて・・・アニールブレードでいいか。ついでにモーションつけていいか聞いてみるか。

 

「すみません。動きつけてみてもいいですか?実戦向きにしますんで」

 

「・・・いいだろ」

 

許可が下りたのでモーションをつけるために右手を背中にのばした。そして背中から剣を抜くように展開して勢いよく振りぬいた。

 

「展開スピードはなかなかだな。だがいつもその動きができるとは限らない。動きなしでも展開できるよう精進しろ」

 

「わかりました」

 

とりあえずは妥協点はもらえた。

 

「そういえば貴様のISは装甲をコントロールできるらしいな。実践してみろ」

 

あれ?それ言いましたっけ?そして今ばらさないでくれませんか?オルコットなんか目を点にして驚いていますよ。

 

「・・・わかりました」

 

とりあえず右腕だけでいいか。

 

『キャストオフ』

 

『俺はなんの虫になるんだよ』

 

ストレアに突っ込みをいれつつ分解してみたが、これで何をすればいいんだよ。

 

「おい。それじゃあただ分解しただけだろ。何かしてみろ」

 

その何かに悩んでいるんですが。

 

『あれはどう?』

 

『あれって・・・あれか』

 

あまりネタをばらしたくないが、仕方ないか。

 

「では、こんなので」

 

分解したパーツを円状にして織斑を拘束した。IS出したままだし万が一もないだろ。

 

「お前何をして・・・!!」

 

織斑がパーツに触れようとして手が弾かれた。

 

「なんだこれは!?」

 

「簡単にいえばシールドエネルギーを使った拘束具です。分解したパーツにもシールドエネルギーが通っているので」

 

今回は拘束に使ったがこれを使えば機体から離れた人間もシールドで守ることができる。・・・がそんな状況まずないよな。

 

「ほう。つまり遠距離攻撃にも対応しているのか」

 

「ええ。まあ」

 

オルコットのビットを破壊したようにシールドに包まれていない遠隔武器を一方的に破壊はできる。こっちはエネルギーで保護されているので相殺も不可能だ。

 

『あの子(オルコット)すごく睨んでいるね』

 

『あいつの立場からしたら当たり前だ』

 

あの試合で自分の武器を破壊した真実にたどり着いたんだからな。しかも遠隔操作ができるなんてあいつのビットにかぶっているわけだし。

 

「ようし、今日の授業はここまでだ」

 

おい、こんな空気で終わらすな。そんでマジで専用機持ち以外棒立ちで終わってしまったぞ。彼女たちあんなスーツ(ほぼ水着)に着替える手間を考えると無駄骨じゃないか。

 

『機体が落ちてきても制服汚さなくていいからじゃない』

 

なるほど。落下したら砂やらいろいろ舞って汚れるからな。事実織斑は落下したわけだが。

 

『そこまで考えてるなら事前に落下を阻止してくれないかな』

 

「・・・青野さん」

 

オルコットが接触してきた。多分さっきのことで話があるのだろう。

 

「どうやらわたくしのブルー・ティアーズ(ビット)を破壊したのはさっきの装甲を飛ばしたのですね」

 

「ああ。よくわかったな」

 

「どうやら遠隔操作もできるようでわたくしと似通った部分がありますわね」

 

「そうだな」

 

「わたくしはあの試合で自分が勝ったなどと思っていません。今度はあなたの全力を出させた上で勝ってみせますわ」

 

「ああ。楽しみにしている」

 

どうやらライバルポジでうまく落ち着いたようだ。

 

「織斑、貴様はその穴を片付けておけ」

 

「ええ~」

 

「文句があるのか」

 

「いえ、ないです」

 

まあ、自業自得だよな。でもこんな大穴次の授業開始までに埋められるか?しかもこんな状態だとどっかから砂を持ってこないといけないだろうし。そして手伝う気はないようで早々に帰り支度を始める女子たち。特に篠ノ之とオルコット。好感度上げるチャンスを無駄にしやがって。

 

『好感度と織斑先生の制裁だとリスクが釣り合わないんじゃない?』

 

『なるほど。確かに』

 

つまり先生を怒らす価値はこいつにはないと・・・。将来付き合う気ならどのみち衝突するはめになるのに。

 

「ユウキ。手伝ってくれ」

 

「断る」

 

悪いけどこんな大穴の片づけ+着替えをしていたら次の授業の半分以上遅刻だ。罰の対象であるお前はともかく俺への制裁は行われるだろうな。

 

「な!男同士なんだから助け合いは当然だろ」

 

いや、自分の過失に人を巻き込むなよ。そもそも俺入学からお前と仲良くしていたことも助け合ったこともないんだが。はあ、めんどくさ。

 

「先生。今日の午前中にこのグランドを使う予定はありますか?」

 

「いや。午前中はないはずだ」

 

「なら、次の授業もありますし片付けは昼休憩にまわしてもいいんじゃないでしょうか。この穴を埋めるには砂を持ってくるのに時間もかかるでしょうし」

 

「そうだな。織斑、午後には他クラスが使うからちゃんと埋めておけよ」

 

「サンキュー。千冬姉」

 

「織斑先生だ!!」

 

こいつホント精神的には成長しないよな。やっぱり働かせたほうがよかったか?




ということでセシリアはやっぱりセシリアでした。
わかりにくいかもしれませんが、セシリアは試合の一夏の発言+政府の命令で意識し始めて惚れ始めた。
またオリ主はセシリアを無視した試合、一方一夏はセシリアと向き合っているという対比で一夏にほれたのもあります。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。