ISとビーターの弟子(仮)   作:由紀夫

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入学

4月、IS学園の入学の日。

 

「なんだかな、この空気は」

 

 現在、俺がいるのはIS学園の1年1組の教室である。今この部屋は異常な空気が漂っている。ホームルームのために担任が来るのを静かに待っているのだが(何故か入学の式典がなかった)、()()全員が一点のみをガン見している。

 注目されている(物理的に)のは1人目の男、織斑一夏。まあ、彼の場合は運がなかったとしか言えないだろう。なんせ教壇の前に着席しているのだ。いやでもクラス中の視線が集まる、まさに生き地獄(少し違うか?)だろう。・・・にしてもさあ、いくら席が後ろとはいえもう一人の男である俺はガン無視状態である。この扱いの差はなんだ?

 

『彼に嫉妬しているの?』

 

『いや、別にそんなことは』

 

ないと思いたい。

 

『それにしてもここまで無視されるのは想定外だね。やっぱりあれかな?彼がイケメンだからかな?』

 

『うん、なら仕方ないね。俺イケメンなんかじゃないから(泣)』

 

『冗談だよ(汗)本気にしないで』

 

『わかってるよ』

 

『切替早っ!』

 

だって、今までもキリトという最強のイケメンと比較されてきたから今更なのである。

まあ、冗談は置いといて、やはり少しおかしい。彼女たちは普通するはずのものがない。

 

『普通はするもの?何それ?』

 

『それは「ガラガラ」・・・先生が来たからあとでな』

 

「みなさん、入学おめでとうございます。副担任の山田麻耶です。これから一年間よろしくお願いします」

 

そう自己紹介したのは眼鏡をかけた女性だった。人のこと言えないが、正直子供が背伸びしているような人である。しかし見た目が子供でも元代表候補生らしい。ここは敬意を示したほうがいいだろう。

 

「「はーい」」

 

「「「・・・」」」

 

おいおい、挨拶は基本だろ。なんで男の声しかしないんだよ。特に彼女は目上の立場だぞ。というかいまだに織斑から目を逸らさないとは。(・・・今更だが席順はどうやって決めたんだろう)

 

『私気になります』

 

『しれっと心をよんでボケをはさむな』

 

「そ、それでは出席番号順に自己紹介をお願いします」

 

と促され自己紹介が始まった。・・・みんな聞いてます?最初の相川さんだっけ?少しかわいそうだぞ。

 

「えーと次は、青野さん。お願いします」

 

おっと、俺の順番だ。・・・今、少し違和感があったがまあいい。さっさと終わらせよう。

 

「初めまして。青野ユウキです。趣味はネットゲームです。ISの知識はおぼつかない所がありますが、一年間よろしくお願いします」

 

当たり障りのない紹介で終了。速攻で着席。そして皆さんの反応は「・・・」安定の無言であった。いくらなんでもこれはないんじゃないかな。

 

『ねえ、ねえ。もしかしたら、ここにいる人たち勘違いしているんじゃない?』

 

『勘違い?』

 

何を勘違いしているというのか。

 

『たぶんだけどここの人たちって男とあまり関わってきてないよね。なら男子高校生もイメージでしかしらない可能性があるってこと』

 

『・・・そういうことね』

 

こいつが何を言いたいのか理解した。・・・理解できたが。

 

(それはあんまりではないだろうか)

 

そして何人かの紹介の後

 

「次は織斑くん、お願いします」

 

みんなの注目の的,織斑くんの番が来たぜー(棒)。・・・織斑くん?

 

(あっ、なるほど。そういうことか)

 

先ほどの違和感。それはさん付けされたことだ。普通教師は男にさん付けをしない(個人差はあるだろうけど)。これが意味するのは。先生、あんたも勘違いか?目の前(教壇の前の席)の男が気になるのは仕方ないが、教師としては平等に接するようにしてほしい。

 

「織斑くん、織斑一夏くん!!」

 

そして、先ほどの俺のように反応が鈍い彼(いくらなんでも目と鼻の先だぞ)。

 

「!はい」

 

「大声でごめんなさい、織斑くん、今は自己紹介の最中なの。そして今は織斑くんの番。自己紹介をしてくれるかな?」

 

・・・泣き落としでもしているのだろうか。それとも男に無視されて内心悔しがっているのだろうか。

 

「はい、紹介しますので泣かないでください」

 

「本当ですか、約束ですよ」

 

・・・あれは天然そうだな。演技である可能性もまだあるが。

 

「織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

「「「・・・」」」

 

またもや無言。ただし、俺の時と違ってどんな些細な情報も聞き逃さないという鋼の意志が感じられた。・・・ここまであからさまだとさすがに傷つくぞ~(棒)。

 

「以上です」

 

そして名前以外なにも言わずに終了のお知らせ。期待してた女子たちはまさかの事態にすっころんでいた。さすがIS学園、入学直後でもこの反応とはポテンシャル高いな~。

 

「あれ?だめでした」

 

さすがに反応したようだ。それと扉をまったく音を立てずに入ってきたあの人は忍びでも目指しているのか?

 

「ッゴ」

 

そして無言の出席簿による強襲、忍びは暗殺に成功したようだ。

 

「げ、関羽」

 

・・・確かに伝説の勇者(レジェンドブレイズ)に名だたるにふさわしい威力だが、武将は暗殺に向いてないぞ。

 

「誰が三国志の英雄だ」

 

今度は机に拘束するとは、できる。

 

「諸君、私が担任の織斑千冬だ。諸君らを一年で使い物になるようにするのが私の仕事だ。出来ない奴には出来るまで指導してやる。私のいうことには返事をしろ。良くなくても返事をしろ。わかったな」

 

ここはどこの軍要請場ですか!?似たようなことをアスナが攻略の鬼時代に言ってたがあっちは少なくとも志願者に対してだぞ。・・・と思っていた時期が俺にもありました。

 

「きゃー、千冬様」

 

「本物の千冬様よ」

 

「私お姉様の写真集10冊はもっています」

 

「私、代表選手の時のフィギュアもっています」

 

「私千冬様に憧れて北九州からやってきました」

 

「ワタシハ、ブルガリアカラデース」

 

「私たちが絶対言えない暴言をサラっと言ってのける」

 

「そこに痺れる、憧れる~」

 

・・・・・・・・・・は!?

あまりの声量にラグが発生したぞ。おいおい、声だけでなんつう影響力だよ!これが女子力か(違う)。

 

「全く、何故毎年こうも騒がしい?それともなにか。私のクラスに集中するように細工でもしているのか?」

 

いくらなんでもそんなことは・・・待てよ。今年に限っては織斑先生のファンを集めたのか?そうすれば少なくとも織斑弟はぼっちになる心配はないしな。

 

「「「「キャァアアア、もっと叱って」」」」

 

「やかましい!」

 

「「「・・・」」」

 

なにこれ?既に洗脳済みではないか。

 

「それで貴様はまともな自己満足もできんのか!」

 

「いや、千冬姉俺は「織斑先生だ!(バシン)」、わかりました。織斑先生」

 

すごいな。あの出席簿。あれだけの威力を出しながらまったく変形してないぞ(現実逃避)。

 

「え?織斑くんって千冬様の弟?」

 

「もしかしてIS動かせるのもそのせいで」

 

はい、そこ!ファンなら家族構成知ってるべきだろ。というか普通に公表されていたぞ。

 

「先生、質問です。もう一人の男子はどこのクラスですか」

 

・・・・ひょ?

 

「何?もう一人なら既に順番が回っているはずだが」

 

織斑先生の言葉に再び教室が騒がしくなる。そりゃあ知らない間に男の自己紹介が終わってたんだからな。

 

「仕方ない。おい、青野。もう一度前に出てこい」

 

・・・何それ?なんでまた目立たないといけないの?と思うがここは逆らないのが無難かな。

 

「先ほども紹介させて頂きましたが青野ユウキです。ISの知識はおぼつかない所がありますが、一年間よろしくお願いします」

 

さっきとほぼ同じ紹介をしたが周りの視線が困惑していた。

 

「あれが男?」

 

「背低くない?たぶん160㎝ないんじゃない」

 

「あ、よく見たらズボン穿いてた」

 

「あれなら妹の方が男らしいよ」

 

きーさーまーらー、人が気にしていることを畳み掛けるように連呼するんじゃねえよ。

そして良くわかったよ。さっき言った彼女たちが本来するはずの「男に対する警戒心」が俺にない理由。こいつら俺を男と認識してなかったな!

 

確かに俺は男らしくないよ!今の身長は150㎝しかないから、15歳なのに良く小学生と勘違いされるし!だが俺は見た目が幼いだけでさすがに女に見えないだろうが!女顔はキリトみたいな奴を言うんだよ!それともなにか?あんたらの目には俺は男の格好で背伸びする高校生デビュー失敗した馬鹿な女に見えていたのか!

 

・・・よし、落ち着いた(怒りが収まったとは言ってない)。確かにこの学園の制服は改造可能のため、女子でもズボンを穿いていることはある。そのためズボンで性別の判断できないこともわかるが。

 

『フルボッコだぼん』

 

ごめん今いっぱいいっぱいでつっこめない。

幸先不安なスタートを切ることになりそうだ。 




今回は今まで触れなかったオリ主の見た目を出しました。10歳でSAOに幽閉されたので栄養失調であまり成長しないかなと思いました。あのシャルルの変装でもごまかせるなら勘違いしてもおかしくないですよね?
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