ISとビーターの弟子(仮)   作:由紀夫

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今回はアンチの傾向が強くなっています。

※2話で「打鉄弐式」が「打鉄二型」になっていたので訂正しました。


最初の授業

自己紹介後、織斑に注がれていた視線の3割がこちらにむくようになったが、それ以外は特に問題なくホームルームが終了・・・・と思ったら。

 

「あれが織斑くんか~」

 

「もう一人の男子ってどれ?」

 

「うわ~、あの子小さ~」

 

チャイムと共に教室のドアが封鎖された(別のクラスの生徒によって)。

 

「なあ、お前が二人目のISに乗れる男だろ。俺織斑一夏だ。よろしくな」

 

あまりの仕事(現場(一組)に急行)の速さに感心していたら、噂の織斑一夏が挨拶にきた。まあ、こんだけ注目されてたら仲間がほしくもなるわな。

 

「青野ユウキだ。よろしく織斑くん」

 

「そんな他人行儀じゃなくていいぞ。同じ男子なんだし。俺もユウキって呼ぶからさ」

 

えーと、いきなり下の名前で呼べと?初対面でよく出来るな。

 

『みんなのことは下の名前で呼んでるよね?』

 

『プレイヤーネームに下も名字もないぞ』

 

『あ、そっか』

 

まったく初っ端から高い要求だな。とりあえずここは。

 

「悪いが、いきなり下の名前で呼ぶのは抵抗があるんだ。だからしばらくは名字で呼ばせてくれ」

 

「だけど千冬姉も同じ名字だし、まぎらわしいだろ。俺は全然気にしないからさ」

 

なんだ?少ししつこくないか?

 

「いや、でも「少しいいか?」ひょ?」

 

「?箒?」

 

冷戦状態から脱した勇者かと思ったらどうやら知り合いのようだな。というか明らかにこっちが話しているのに割り込んできたな。

 

「一夏、ちょっと来い」

 

せめてこっちに確認するぐらいしません。というか完全に俺は視界に入ってないな。まさか、織斑に惚れている?なら仕方ないか。恋する女には勝てん。

 

「いや、でも俺は「行ってきてもいいぞ」・・・わかった。また後でな」

 

そういって教室から出て行った。

 

『なんか高飛車な子だったね、いまどきの女とも少し違う感じだし。あ、でもなんか恋する乙女みたいな感じだった」

 

『俺も同意見。ただ自分の考えを無理にも通そうとする感じがしたな。・・・というか箒って本名なのか?どう考えても掃z「ちょっとよろしくて?」

 

また誰か来たようだ。ここの生徒は積極的過ぎないか?

 

「わたくしの話しを聞いてますの?」

 

「ゴメンゴメン。それで君は?」

 

「まあ、このわたくしのことをご存知ないと?入学首席でイギリスの代表候補生であるセシリア・オルコットを」

 

あ、代表候補生なんだ。そういえばあの耳のイヤリング、専用機の待機形態か?ということは努力を重ねた本物ということかな。でもなぁ。

 

『ストレア、俺の知識が正しければ入学首席の仕事って入学式で新入生代表で演説することだと思うんだ』

 

『?うん、私も大体そんな認識だよ?』

 

『なら入学式すらないこの学園で首席って価値あるのか?』

 

『・・・わからない』

 

だよな。まだワンチャンで首席は生徒会に入れるとかありそうだが、この子どう見ても人の下で働く(書記や会計など)とは思えない。

 

結論、首席?なにそれ美味しいの?

 

「聞いていらっしゃっるのかしら!!」

 

おっと、いかん。口が止まっていた。

 

「すまん、入学首席なんて想像以上に大物だったからリアクションに困ってた」

 

「あら、そうですか。まあ、見るからに庶民のあなたでは確かにわたくしと不釣り合いですわね」

 

「・・・それでそのオルコットさんは何の用でしょうか」

 

「いえ、あなたはまだISの扱いが出来ないと思いまして。わたくしは優しいので、わたくしにひざまづくならお教えになってもよろしくてよ?」

 

え~と、ゴメン、この子日本語で話している?優しいのでひざまづけ?それ奴隷と変わらない気がするんだが。

 

『断ったほうがいいと思うよ』

 

同感。でもこういうのは言葉一つで地雷になるから丁寧に選んで。

 

「せっかくの申し出ありがたいが、何分自分はまだ未熟だから、上級者の指導はまだ早いと思うんだ。自分の技術が磨けたらまた声をかけてくれないかな」

 

「まあ、考えてみたらその通りですわね。よろしいですわ、またいずれ」

 

どうやら彼女の納得のいく対応だったようだ。まったく次から次へと、心臓に悪い。

 

キンコーン、カンコーン

 

ちょうどよくチャイムがなったようだ、って織斑先生来るのはや!!

 

「遅いぞ!!」

 

そして再び炸裂する主席簿。回避のそぶりもないとは彼はMなのだろうか。

 

 

「ここまでで質問がある人はいますか?」

 

現在、副担任の山田先生の授業である。やはりここの女子は優秀らしく先ほどの空気が嘘のように集中している。

 

「織斑くん何かわからないところはありますか?」

 

どうやら先ほどから挙動不審(周りの子のノートを見ているのか?)が気になったのか織斑に確認する先生。どうやらこの人は信用出来そうだ。

 

「先生!」

 

「はい、織斑くん!」

 

「ほとんど全部わかりません」

 

おいおい、質問するにしてもどこがわからないか明確に・・・って全部!?え!マジで。まさか予習した内容全部飛んだの!

 

「え!全部ですか?織斑くん以外でわからない方はいますか?」

 

誰も挙手なし。どうやらこのクラスでわかってないのは彼だけのようである。

 

『そういって大丈夫なの?』

 

『あと5ページはなんとか理解してる』

 

『それ今のスピードなら10分後ぐらいの範囲だよね』

 

それはその時に聞けばいい。今はあくまでこのページがわからない奴を探しているのだから。

 

「おい、ユウキ!お前は大丈夫か!?知ったかぶりは身を滅ぼすぞ」

 

さっそく下の名前で呼んでいるし。まあいいけど。

 

「そういわれてもな。俺あの日(ニュースの日)から保護されていて暇つぶしが参考書を読むぐらいしかなかったからなあ。一通りは呼んで理解しているのは3割。5ページ後で質問しようとしていた」

 

「参考書?」

 

・・・ちょっと待て、なぜそこで疑問形になる。

 

「織斑、配布した参考書はどうした」

 

「えっと、ああ、あの必読と書かれたやつですか?」

 

「そうだ」

 

「古い電話帳と間違えて捨てましッゴ」

 

天罰が発動、手札(出席簿)を捨て(振り落とし)織斑のとぼけ効果は無効になり(脳細胞が)破壊される。

 

「必読と書かれていただろ。再発行してやるから一週間で覚えろ」

 

「いや、一週間であの量は」

 

「やれと言っている」

 

「・・・はい」

 

うん、確かにあれは心折れるしな・・・じゃない。おいおい、ちょっと待て。

 

「先生、今ので終わりですか」

 

「なに?」

 

「織斑に対する処罰はないのかと聞きました」

 

俺のいきなりの処罰発言にまわりからの視線が険しくなる。どうやら本当に気付いてないようだ。

 

「ないな。織斑が予習していなく、これから頭に叩き込む。それだけだ」

 

「そうですか」

 

どうやら俺の言いたいことはわかっているようだ。まあ、そのうえで何もないというなら仕方ないか。

 

「お、織斑くん。わからないところがあるなら放課後先生に聞きに来て下さい」

 

「わかりました。お願いします。」

 

おいおい、放課後に教師と密会か?顔がいいといろいろお得ですね。

 

『私が教師役やってあげようか』

 

『お前は似合いすぎていろいろやばいから遠慮させてもらう』

 

前にこいつがALOの知り合いに制服を作ったときに何を思ったのか教師(眼鏡つき)の格好していたからな。思春期の男としてはいろいろ複雑だったぞ。

 

「ほ、放課後男子と二人きり!でも私たちは先生と生徒。あ、でも織斑先生の弟くんとなら」

 

先生、そういうことは頭の中で処理してください。あなたにつられて女子たちもいろいろカオスになってます。

 

「ううん、山田先生続きを」

 

「は、はい。では」

 

織斑先生に促され授業に戻ろうと教壇を向いた途端

 

バン!

「イッタ~イ」

盛大にコケました。しかも頭から。内出血してないといいが。

 

授業が終わり、俺は教室を出ようとしていた。目的は更識さんに会いに行くことだ。相変わらず人の壁が出来ているが、さっき織斑は出ていけたので不可能ではないはずだ。特にこの問題は早めに信頼関係を作るべきことなので、短時間でも顔合わせしたほうがいい。

そう思って席を立つと

 

「青野、少し待て」

 

担任に呼び止められました。

 

『俺なんかしたっけ?』

 

『特には、板書が少し間違ってたぐらいかな』

 

だったらなぜ呼ばれるのかな。それと板書が違ってたらそのときに言ってくれ。直すのが面倒なんだよ。

 

「はい。なんでしょうか」

 

「話しがある、廊下でいいから来い」

 

えー、廊下って今人が・・・と思ったら織斑先生を避けて道が出来た。あんたはどこぞの海を割った神か!

 

「なぜあんなことを言った」

 

「・・・織斑の行動は国家機密の漏えいにあたると考えたからです」

 

織斑は「電話帳と間違えて捨てた」といった。そして通常電話帳は捨てるときはバラさずに原型を留めて縛る方法をとる。つまり、

 

「最悪、IS反対派の人間にIS学園で教えている内容を把握され、襲撃されます。それでなくとも重要な情報を扱う意識があまりにも足りていません。今後彼に授与される機体の情報も無頓着では日本が困ります」

 

「貴様の言いたいことはわかるが・・・なぜ織斑に専用機が与えられると知っているんだ?」

 

そもそも俺がここにいるのはそれが原因だからと言えないし、ここは無難に返すか。

 

「貴重な男性操縦者のデータ取り、自衛といったことを考慮すれば想定することは難しくないと思いますが」

 

「・・・そうか」

 

納得はしてないが矛盾もないと言った顔だな。ちょうどいい、こちらも少し攻めるか。

 

「一つ疑問なんですがなぜ先生は今日まで参考書紛失に気付けなかったのでしょうか」

 

「なに?」

 

「入学前の予習はどこの高校でも行うものです。それも自分が教師をする学園への入学です。普通ならどのぐらい終わらせたのか会話ぐらいすると思うんですが」

 

「私は学生寮の管理もしている。簡単に帰宅できなかっただけだ」

 

「・・・ちなみに3月は何回帰宅されました?」

 

「3回だな」

 

「もしかして荷物だけ置いてすぐ学園に帰って来てました?」

 

「当然だ」

 

・・・あんたさあ。

 

「改めて言わせてもらいますがあんた人としてどうなんですか」

 

「何?何を言って「生徒に服従を強制させていると解釈してもおかしくない発言でした。あなたがそういう思考でも構いませんがそれを人前で、それもまだ学園に慣れていない生徒に言うべきではないです」・・・」

 

しかもあんた元世界王者でカリスマあるだろ。自分の発言の影響力考えてくれ。

 

「挙句の果てに世間から注目が浴びて不安で仕方ないであろう弟のことを放置までしていた「一夏を守るために手を尽くしていただけだ」なるほど、表面的な工作をしてやったから彼の精神的なケアを放棄してもかなわないということですね」

 

元世界王者のあんたなら人前に出るのも苦痛ではないかもしれんが、一般人が急に、しかも自分の実績以外で注目されたら普通は気が狂うぞ。しかも彼には実験体になれと言ってきた輩もいたらしいし。

 

「確かに予習をしなかった織斑が全面的に悪いです。しかし、教師である前に家族として気を使ってあげていれば良かったのではないのでしょうか」

 

すごい顔でこちらを睨んでくるな。でも残念ながらそれでビビる俺じゃないですよ。

 

『足震えてるよ』

 

はい、嘘でした。やっぱり王者の眼光にはかないませんわ。

 

「話しはそれだけですか」

 

「いや、待て。最後に一つだけ聞かせろ」

 

「何をですか」

 

「お前は一夏を恨んでいるか」

 

「?なぜ俺が織斑を恨むことになるんでしょうか」

 

どちらかというと俺が恨むのは倉持技研だが。

 

「お前もISの適性がありこの学園に入学を強制された。そもそも一夏がISを動かさなければ男性に対する適性検査は行われなかった」

 

ああ、そうか。世間一般では俺はその適性検査で適性が見つかったことになっていたな。今更だが二ヶ月かけて見つからなかったのに急に見つけたって少し都合よすぎたか。

 

「つまり、俺の人生が狂ったのは織斑が入学試験の時にISに触れたのせい。それで恨むということでしょうか」

 

「ああ」

 

「先生。それは勘違いです。というかそんなことで人を恨んでたら身が持ちません」

 

「何?」

 

「織斑の件は確かに適性があることが公表される要因でありますが、適性の要因がわからない以上誰でも動かす可能性はありました。たまたま適性があるのが俺だっただけです」

 

「そうか」

 

それで興味をなくしたのか織斑先生は一度職員室に帰っていった。ってもうこんな時間かよ。授業始まるじゃねえか。

 

『時間とられちゃったねえ~』

 

『まったくだ』

 

おかげで彼女に会いに行く予定が狂ったよ。

 

『しょうがない。顔合わせは早い方がいいが、授業をさぼるわけにもいかんからな。放課後に直行するか』

 

『でもさあ、その子が授業の後すぐに寮に帰ったら立ち入りできないんじゃないかな~』

 

確かに、いくら用があるからと言って部屋まで行くのはいろいろマズイ。だが多分その問題は大丈夫だ。

 

『できれば、教室で会いたいがそれができなくてもすぐには寮には帰らないと思うぞ』

 

『どうして?』

 

『未完成のISを引き取って一人で作成するなら放課後向かう先は整備室だと思う。下見に行ったらラースにあった似たような機械があったから』

 

『成程ねえ。でも意地はっているなら私たちを門前払いするんじゃないかな』

 

『誰でも初対面の奴が「ISの組み立て手伝うよ」て言って来ても信用しない。そんな奴がISを持ったら世界が滅ぶ。・・・織斑なんかは信用しそうでこわいな。でもこちらも仕事であることを明かして警戒心を解いていくのが最善だと思う』

 

『そういえば、その子ってクラスどこだろ?』

 

『・・・全クラスまわって確認するしかないな』

 

ちなみに教室に帰ったらさっきのイギリスの候補生と織斑がもめているようだった。・・・さすがに代表候補生ぐらいは一般常識ではないだろうか。そもそも代表が身内にいながらその程度の知識って。

 

これからどうなっていくことやら。

 

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