にとりと椛にあって翌日。私達はいつも通り宿屋の一階にある食堂で朝食をとっていた。メニューはスクランブルエッグにベーコン、トーストだった。和食が恋しいな。
「慧音、今日はにとりのところに行くんだっけ?」
「ああ、今椛に連絡している。にとりは今寝ているそうだから午後一時ごろに中央にある噴水に来てくれだとさ」
今は午前八時だから三時間か。狩りに行っても近隣にしか行けないから経験値稼ぎの足しにもならないか。となるとこの町を回るくらいかな。
「じゃあ時間になるまでこの町を歩き回るか。ここって結構広いし道具屋しか行ってないから他にどんなものがあるかも知らないし」
「妹紅がそうしたいなら私は構わないよ。特にやることも決めていないしな」
「そういえば慧音。もうそろそろ満月の日のはずだけど歴史の編纂とか大丈夫なのか?あとこのゲームやるときにかぶったヘルメットって角を出すところがなかったはずだし」
「それは問題ない。あらかじめ私用にそういう調整が施されていたしな。歴史の編纂はここでやる。紙とペンとがアイテムとして売っているからそれにまとめるつもりだ」
「それはよかった。月一しかできないのにたまってしまうとさらに大変なことになるし」
「私もここでできることはありがたいと思ったよ」
満月の前後の日はレベル上げは休んだほうがいいか。幻想郷で満月が昇り沈むまでが編纂の時間だから慧音が睡眠がとれなくなってしまうし。幻想郷でも大体こんな感じだったっけな。結構前に満月の日に慧音の家に行ったら頭突きくらって追い出されたんだっけ。
「ねえそこの嬢ちゃんたち俺たちと遊ばないか?いいところたくさん知っているよ」
またナンパか。しかもこの前もしてきためんどくさい奴らだ。一発殴ってやろうかと思ったがここで問題を起こすのもめんどいからやめることにした。若い奴らってなんでこう気安く声をかけてくるのだろうか。外の人の考えはわからないものだ。もちろん断るがな。返答しようと思ったら慧音が断ってくれていた。
「私たちはこれから待ち合わせがあるのでお断りします」
「そんじゃその待ち合わせしている人と一緒でもいいから遊ぼうぜ。俺たちには特に問題ないし」
「それでもお断りします」
「ほんのちょっとの間だけでもいいからさ、俺たちと付き合ってくれよ」
「無理なものは無理です。これ以上私たちとかかわっても何も変わりませんよ」
相変わらずしつこい奴らだ。これ以上いうのだったら決闘というシステムを使ってでもしてこいつらをぶん殴るか。確か決闘のシステムは両者の了解のもとにプレイヤー同士の戦いができるシステムで、このシステムで戦う場合は死亡扱いにならないから安全だし。
「ほんのちょっとでいいから一時間!いや、三十分でもいいから」
「なあ、お兄さん。ちょっと賭けをやらないか?私に勝てたら友人との待ち合わせまでの間遊んでやるよ。もしあんたが負けたら私たちにつっかかるなよ。勝負方法は決闘システムを使う。ただ、私一人で戦うがそちらは何人でかかってきても構わない」
「そんな条件出していいのか嬢ちゃん。俺たち相手に一人ってことはどんな目にあっても知らないぜ?」
「私はこれでも腕に自信があるんでね。別に問題ないさ。早く始めようじゃないか」
「!?いいのか妹紅?そんな約束をして」
「問題ないさ。それに私が勝ったらこいつらに絡まれることもないしこいつらを殴れる。それに万が一負けたとしてもこれ一回に付き合うだけでこいつらとの縁もきれるだろう」
「…はぁ。絶対に勝つんだぞ」
「もちろん」
普通の人間相手ならたとえゲームの中でも私が負けることはないはずだ。私はメニューを弄り決闘の申し込みを出す。話しかけてきた男はそれに同意し、パーティメンバーも決闘に参加できるように設定した。そして私たちは決闘場というところに転移された。